アイズ・ヴァレンシュタインA
「ん、むにゃ…」
幼馴染のお姉さんことアイズ・ヴァレンシュタインの襲来からのお尻に坐薬を入れられた後。
僕は羞恥やら何やらで枕を濡らして眠っていた。
彼女が出て行ってからどれくらい時間が経ったのかはわからないけれど、下半身に妙な違和感を感じた。すーすーするような、生温かいような、形容しがたい違和感だ。
「ん……あむ、ん、んん……」
「…んんんん!?」
どういうことだろう。
瞼を開けてみればそこには、アイズさんが、僕の股間に顔を近づけ―――いや、それどころかペニスを咥えていた。
「ん、ちゅっ……ベル、元気になって良かった」
年上とはいえ、歳の近い異性にお尻に指を入れられるなんてことがあったら反応しない方がおかしいと僕は思う。それに輝夜さんが昔言ってた。「尻に指を入れて前立腺というのを刺激すると男はそれはもう気持ちが良くなるらしい」と。つまり、僕のこの悶々とした何かは、アイズさんが坐薬を入れた時にうっかり触れてしまったせいでもあるかもしれないのだ。
体は金縛りにあったかのように動かず、アイズさんはそんな僕に構わず浴衣を捲って下着を下ろし、ペニスを指で弄っていた。
「う、くぅっ!?」
楽しそうにしながら弄られると、こぼれる吐息がペニスにふりかかり、こそばゆさを感じる。
「ふふふ、ベル、気持ちよさそう……ん、あむ……ちゅぅ……」
「くぁあ!?」
そして、彼女にこんな、性知識があったの?という疑問を口にする前にペニスの先端が熱い物に包まれる。亀頭にアイズさんの舌が触れ、その刺激に僕はビクンと全身が震えてしまう。
「あむ、ん……はむ、ちゅ……ちゅ、あむ……れろ、ん……はむ、んぅ……は、ふぅ……んん……」
さっきの坐薬の時の刺激が残っていたのか、あるいは起き抜けで血が巡り始めただけで、まだ本気の勃起をしていないペニスを、アイズさんは唇と舌で揉むように愛撫してくる。他愛ない刺激に、みるみる僕のペニスは硬く大きくなっていった。まるで夢心地なほどの快感に、お風呂で上せているような目眩すら感じてくる。
「あ、ああ、ちょっ……う、くぅ!? あ、あの……アイズさん、一体……なに、を……?」
茹った頭で、なんとかそれだけを聞く。
「ん、ちゅ……えっと、おちんちんを舐めてる…?」
「ナンデッ!?」
僕の疑問に答えることなく、アイズさんはペニスを舐めてくる。
「あ、ちょっと……くぅっ!?」
「ん、だって……私、君よりお姉さんだし……腫れてて苦しそうだったから……吸い出してあげた方が良いと思って」
「いや、そんなっ」
「君のコレ…昔のと全然、違うね」
いったいいつ僕の裸を見たんだ。そんな疑問にアイズさんは首を傾げて僕がお義母さんを亡くしたばかりの頃に僕が最初に手を上げたとはいえ、アイズさんは感情的になって重症を負わせてしまった僕に謝罪するためロキ様が言っていたらしい「混浴すれば仲良くなれる」などという言葉を信じて実践。お風呂に入っていた僕はやって来た彼女にびっくりして足を滑らせ気を失ってしまった―――ということがあったらしい。過去に見た僕の裸と今目にしている物を照らし合わせてアイズさんは「ここも変わるんだね」なんて言っている。
そんなアイズさんは、さわさわと竿の部分を爪先でかするように撫でてくる。その刺激で僕のペニスは何度も脈打つ。
「変な味だけど、ベルが良くなってくれるなら私……頑張るから。任せて……ん、ちゅ……ちゅる……くちゅ、じゅ……」
「うあああ、ああっ!」
アイズさんの熱い舌が、亀頭を這い回る。
僕の弱い所を的確に突く動きで、過去のトラウマで苦手意識があるとはいえ嫌いというわけでもなく、綺麗な女の子が夢中になっているその様子を見ているだけでも射精してしまいそう。
「んちゅ……じゅる、れろ……くちゅ、ちゅ……じゅる、くちゅ……ん、ちゅ……んぐっ……じゅるる、くちゅ、じゅりゅううう……くちゅ、ん、じゅる、くちゅぅう……ん、じゅうう……」
ペニスの先端を咥えこみ、啜るように舐め上げてくる。尿道の中をも啜られるような感触に腰がびくびくと跳ねてしまう。
「んくぅっ……ん、ベル、暴れ……ちゃ、ダメ、だよ……んんん……奥が気持ちいいなら、言ってくれれば……」
「ごめん、なさい……うくっ……おぁあっ!?」
アイズさんはそのまま、ぐっとペニスを口の中に引き入れると、喉の方にまでみっちりと咥え込んでしまう。
「んぐっ……じゅ、じゅる……くちゅ……んん、んぐっ……じゅ、ん……んくぅ……ふぁ、あ……あぁ……」
喉の肉でペニスを挟まれ、また快感が一気に駆け上がってくる。
「んぐう……じゅる、んぐう……じゅる、ちゅ……んくぅ……じゅる、ん、もご……んん……」
少し苦しそうにしながら、それでも口からペニスを出すことはなく舌を使って愛撫してくる。口内の熱さに溶かされるような錯覚を感じながら、その愛撫をただ受ける。
「ア、アイズ……さん?」
「……ぷはぁ……どうしたの? もしかして……痛かった? ごめんね、こういうの初めてだから」
真っ赤に充血し、パンパンに張り詰めたペニスを指先で弄りながら、僕の方を上目使いで見つめてくる。彼女がこんなことするはずがない、という状況と彼女自身少し苦しかったのか、それでも微笑みを混ぜた表情に胸が否応なしに高鳴ってしまう。
「い、痛く……ないです」
「そっか、良かった」
問題なしと受け取ったアイズさんは舌で絶妙な刺激を送り込んでくる。先程までの刺激とは違って、今度は触れるか触れないかというギリギリの刺激だった。
「ん……れろ、んん……あむ、ちゅ……んぅ……ふぅん……あむ、れろ……ん……」
「ふ、あぁ…っ!」
「ん、先っぽから……透明な、何だろ…良く分からないけど、出てきた……しょっぱい……変な味……でも、嫌じゃない味……」
「!?」
僕に見せつけるように、先走りを指でのばし、ぐにぐにと亀頭に擦り付ける。
そしてまた見せつけるように小さな口をいっぱいにしてペニスを頬張る。
「んん……もご、ちゅ……んちゅく……んん……ふ、ちゅぅ……んぅ、くちゅ、んん……」
舌だけではなく、頬の内側や歯で擦らせたりして刺激を与えてくる。
「じゅくちゅ、れろ……ん、くぅ……ちゅ、あむれろ……ん、あむ、んぅ……ちゅ、んぅう……」
「くぅうう……!?」
巧みな刺激に、快感を引き出され背筋から寒気じみた快感が駆け上がってくる。弱い所を見つけたのかアイズさんは、重点的にそこを責めだしてくる。
「んんっ……じゅる、くちゅ……ん、ちゅるれろ……んじゅ……じゅうう……くちゅ、んん……っ」
アイズさんのペニスをしゃぶる音が部屋中に響く。本拠の中にマリューさんくらいしかいないせいか、余計に大きく聞こえてそれがまた僕を興奮させる。耳を赤くしているアイズさんに、やっぱりどこかおかしいと僕は行為の最中に違和感を抱いてしまう。けれど、与えられる快感に結局は抗えずにいた。だって口の中で弄ばれすぎて、もうどうなっているのかわからなくなってきてしまっていたのだから。
「ん、んぅ……さっきの、べとべとしたの、口から……溢れて…きそう…」
アイズさんの口元からこぼれる唾液には、先走りが混ざっているのか糸を引く。彼女が僕のペニスを頬張り、よだれを垂らすという状況に、僕はみっともなく興奮してしまう。
「んっ……れろ、ちゅ……ちゅぅうう……ん、くちゅ……あむ、んぅ……」
そして唇をすぼめると、尿道口から溢れ出した先走りを啜り上げる。
「あ、くぅっ……!?」
そして吸い上げたものを口の中で転がし、舌でペニスになでつけ、余った分を飲み込んでしまう。
「ん、こく……ごく……ん、こくん……んんっ……」
細い喉が動き、よだれと先走りを飲み込んでいく。
「は、はぁ……は、ぁ――」
快感や興奮で、荒くなった息が戻らない。
「ふふ、ベル気持ちよさそうな顔……もっと、してあげる……ね?」
そして口をつけると、また深くペニスを咥えこむ。
「んぐぅ……ん、じゅる……んん、ん、じゅる、くちゅぅうう……じゅう。ん、じゅる……くちゅ、んぐっ……ちゅる、んんっ……」
先端がまたも喉の辺りにまで辿り付き、肉の壁が亀頭に押し当てられる。快感が変わる事で、意識せずとも腰が跳ね上がってしまう。
「んぅっ……!!」
喉の辺りで動いたせいで、アイズさんは苦しそうな声を出す。そして咥えこんだペニスを喉から離した。
「ん……こほっ……これ、されると、大人しく、できなくなっちゃう……?」
「ご、ごめんなさ、い……っ」
ぽろりと出たペニスと口の間に、唾液が糸を引く。
けれどもかまわずアイズさんは、口を一度手で拭うとまたペニスを舐め始めた。
「んっ……んぐ、ちゅ……ちゅる、じゅ……ちゅんくっ……は、じゅる……ん、じゅ……じゅるう……」
そして僕のことをちらりと見て、にんまりと女性的な笑みを浮かべると僕のペニスを深く咥えこんで、またも喉のあたりまで飲みこみ、刺激してくる。
「う……あっそれぇっ!」
亀頭のあたりが、さっきよりも深く喉で挟まれ、微妙な圧迫感が伝わってくる。それは既に真っ赤に腫れ上がった僕のペニスは酷い快感になって目の前がクラクラしてくる。
「んぐっ……じゅる、んくちゅ……ちゅ、れろ……んぐっ……ちゅう、ちゅぅうう……んちゅ……んん」
僕の悲鳴じみた呻き声を聞くと、ますます満足そうに口と手の愛撫を休めようとはしない。それどころか、アイズさんはコツがわかってきたのか、指を滑らせペニスの根元をぎゅっと刺激してくる。
「じゅるれろ……ん、じゅるる……ちゅう、くちゅん……じゅちゅぅううう……!」
――すごい、さっきよりも舌が絡みついて…!
まるでここからが本番だとでもいうのか。
舌の柔らかさと熱さが亀頭を包み、溶かしたかと思うと歯を軽く立てて、その感触を確かめてくる。
「ん、ふぅ……れろ、んじゅっ……ちゅう、れろ……ちゅるじゅるうう……ん、じゅっ……ふは、はぁ……は、ぁ……こんなに、大きく……平気?」
「へい、き……です」
聞いてくる間も行為は止まらない。
ペニスを口から取り出し、微笑みを浮かべながら舌でチロチロと舐めてくる。
――これが第一級冒険者……!?
「んっ……はぷ、ちゅる……じゅる、ん、ちゅる……くちゅく……ん、んくっ……ん、ちゅ……」
アイズさんは疲れたり、苦しそうな様子も見せずにまた僕のペニスを口に含む。口の中で弄ばれ舐められる。
「もご……んく、ん、ちゅう……じゅる……んん……んぅっ……は、んぅ……んん……ちゅぱ……ちゅ……んん……んふぅ……じゅるるる……んちゅぅ……ん」
すっぽりと亀頭を包み込み、頬をすぼませて吸い上げる。
「くぁっ……!」
あまりの快感に腰から下が痺れて溶けてしまったようだ。そんな気持ちよさそうな顔をする僕の様子を見て、アイズさんは微笑む。
「ん、ふふ♪ じゅる……んちゅ……んく、れろ……ちゅぅう……んちゅ、くちゅ……んん……ん、ぁあ……は、ぁ……ビクビク、してる……」
アイズさんは唇に亀頭を押し当てたまま、優しく話しかけてくる。わざとなのか、その時の唇の動きや、触れる舌の感触にまた僕のペニスは大きく震えた。
「ふふ、ベルのおちんちん、ビクビクして可愛い……我慢しなくていいから、ね? ん、ん、あむっ……」
――アイズさん、最終的にどうなるか分かっててそんなこと言ってるの…!?
全体を口の中に入れると、唇をぴったりと密着させ、擦るように竿の部分を上下させる。唾液や先走りの混ざった粘液の音がいやらしく響く。その水音は行為が始まった頃から聞こえていて、興奮のゲージがますます高まっていく。
「んちゅ、れろじゅる……くちゅ、じゅ、ちゅぅう……くちゅ、にちゅぅう……」
そしてアイズさんはラストスパートをかけるように、ペニスを強く吸い上げる。
「ああ、そんなに、されたら……!」
「ん、ふ……悪いの、出る? ベルの腫れちゃってるおちんちん、治る?」
――や、やっぱりわかってない……!
口内で舌先を硬くし、尿道口を刺激してくる。
それと同時に、唇をすぼめ、全体を吸い上げてくる。
「そんな、した、ら……!」
背筋が痺れ、一気に脳まで溶かされる。
アイズさんは口の中での変化を感じ取ったのか、ぴくっと眉を跳ねさせてながらも愛撫を止めない。
「んちゅ、じゅるる……くちゅ、ちゅぱ……じゅ、ちゅじゅうう……くちゅ、にちゅ、じゅうう」
「あ、ああ……うくっ……アイズ、さん……アイズ、さん……!」
「ん、んぅ……ちゅ……じゅ、ちゅぅう……ん、ちゅ、じゅりゅうう……」
目尻に涙を浮かべて、シーツをぎゅっと握りしめる。
きっとアイズさんから見た僕の顔は沸騰しそうなくらい真っ赤になっているだろう。
「あ、あああっ……!!」
「んじゅ……じゅぅうううう……! じゅる、くちゅううう、くちゅにちゅうう……! んぅうう……! んく、じゅる……じゅるる、ん、うううう……じゅるるる!」
既に限界に近いペニスの奥から精液がせり出しそうになる。
実際、僕はもう我慢が出来なくなってきていた。
「んんっ……じゅ、ちゅるじゅるる……んぐ、じゅる……んく、じゅ……じゅちゅっ……!」
そして。
アイズさんの舌が尿道をほじった瞬間、僕は限界を迎えた。
びゅるる、どく、びく、びゅるるる!!
彼女の小さな口の中に、大量の精液をぶちまけた。
「んんっー!! ん、んぐっ……じゅる……ん、うううっ!」
ペニスの先端からは、熱い精液が迸り容赦なくアイズさんの口の中に吐き出されていく。
「んんっ……じゅじゅ、じゅる……くちゅ、じゅる……ん、んくっ……んこく……んん……ごく、んん」
口の中に侵入してきた精液にアイズさんはびっくりしたような呻き声を漏らし、少し苦しそうにしながらも、やがて口の中で吐き出された精液を飲み込んでいく。その間も射精は続き、アイズさんの口の中を一杯にしていく。
「んぅうう……! んく、んぐっ……ぷふ……ん……ふはぁ、あ……んんっ……えほ、けほっ……ん、けほ……けほっ……」
たまらず口を離し、苦しそうに咳き込みながら息を整える。
口の端からは飲み切れなかった白濁液が唾液と共にしたたり落ちる。
「あ、ああ……」
心配と、放心、さらには他派閥のお姉さんにやってしまったことに対する罪悪感が合わさって何を言えばいいのかわからない。
「ん、はぁ……白い、おしっこ? たくさん……出た、ね……?」
口元からしたたり落ちる精液を手で受け、それを舐めとっていく。
「ん、れろ……ちゅ、んちゅ……ん、ちゅ……変な、味……喉に、ひっかかって……病気じゃ、ないんだよね?」
「ち、ちが……ます」
「綺麗に、してあげるから……もうちょっとだけ、頑張ろう、ね?」
「ひぅっ……!」
そして手や口元、顔に飛んだものやペニスに残った精液をゆっくりとアイズさんは舐め取っていく。そんな様子を見て、射精直後だというのにペニスが再びむくむくと起き上がりつつあった。
「ん……またベルのおちんちん、硬くなってきた……どうして?」
「ち、違うんです、これは……!」
硬くなったモノを指で優しく撫でながら、アイズさんは首を傾げて僕の目を覗き込む。
――何で知らないの……!? 本当に、知らない? わざとなんじゃ……!?
「えっと……もう一回、してあげようか?」
そう言って、アイズさんは僕のペニスを――――――。
× × ×
「ベル、ちょっとベル……!」
「んぅ……?」
「大丈夫か? その……ええっと……」
「…………」
どうしてネーゼさんが? アイズさんは?
パチパチと瞬きを繰り返す僕とは逆に、ネーゼさんは頬を赤くして僕から顔を反らしてはチラチラと僕の顔ではなく、下の方を……下?
「わ、わぁあああああああああ!?」
「ご、ごめんベル!? なんかごめんな!? 様子を見に来たら、なんか濃い雄の匂いがしたから……そ、そうだよな!? ベルだって男だもんな!? 女所帯で暮らしてたら
「わ、わぁあああああああああッ!? 見ないでくださぁああああああいッ!?」
下半身に確かに感じる不快な、ネチョッとした感触。
ネーゼさんの鼻がひくひくとしていて、獣人の彼女の嗅覚にもろに僕の精液の匂いが伝わってしまっている……!! 悲鳴を上げる僕をネーゼさんは何度も自分が悪いわけでもないのに謝り倒し、仕舞には――。
「と、とりあえず風呂、入ろう!? な!?」
「でも、でもぉ!?」
「皆が来たらネタにされるぞ!?」
「嫌だ!? 助けて、三番隊隊長!?」
「【
嫌だ、ぜぇーったいに嫌だ。
リューさんやリャーナさん、ノインさん達あたりなら「お、男の子だもんね……むしろ今まで気を遣わなくってごめんね?」なんて謝って来るかもしれない。いや、視線はチラチラ見てくるだろうけど。セルティさんは生まれ故郷の慣習なのか所謂
「僕はもう終わりだぁああああ!?」
「終わってない、まだ終わってないから落ち着けぇっ!?」
びゃーと喚く僕を、ネーゼさんは堪らず両膝の裏と背中に腕を滑り込ませて抱き上げた。お姫様抱っこである。バタバタと本拠の廊下を駆け抜け、脱衣所で勢いよくあっという間に一糸纏わぬ姿に変えられ、お風呂に放り込まれた。
「と、とりあえず……! 私は証拠隠滅しておくから……! 下着は……マリューに頼もう……」
「【
「む、昔の二つ名を持ちだすなよぉ!? ほら、さっさと体、洗っちまえ! 私は部屋の匂いを消してくるから!」
再びバタバタと走り去ったネーゼさん。
僕は他のお姉さん達に知られませんようにと祈りながら、シャワーを浴びた。
「なんて……なんて夢を僕は……どうして夢にまで……【ロキ・ファミリア】怖い……!」
外でマリューさんの「え、えぇ!? 夢精!?」という悲鳴じみた声に、僕は思わず鏡に頭突きをしてしまったけれど。外に出たらマリューさんが頬を染めながら、「だ、大丈夫。皆に黙っておくから」と大声で叫んだことに対する謝罪なのか、頭を拭いてくれた。でも忘れないよ、マリューさん。貴方の喉が「ごくり」と音を立てたのを。
× × ×
「ふっく・・・ぐすっ」
「おーよしよし、悪い夢を見たんだなあ」
「あ、あのネーゼさん・・・」
「わかってるわかってる・・・誰にも言わないって。女に生理があるみたいに男にだってそういうのがあるんだろ?」
団欒室の
ネーゼの膝に土下座のようなポーズで顔を埋めるベルがいた。そんなベルを苦笑しながらネーゼが頭を撫でる。部屋に訪れたネーゼは窓が開いていたことで換気こそされているが、微かに不思議な匂いがし匂いの元に近付けばそれはベルで、ベルは疲れたように眠っているしで布団を捲ってみれば、ベルのベルが起床しているわ、その一部が濃い匂いを発しているわで彼女は大困惑。いったい何があった!? となったのだ。気配に気づいて目覚めたベルに申し訳なさそうに「おはよう」と挨拶したネーゼはとりあえず彼を風呂に入れてやった。
「うぅ・・・僕はもう駄目だ・・・あんな、あんな夢を見るなんて・・・!?」
「・・・・・・」
何があったのかは知らないが、とんでもない夢を見てしまったらしい。
マリューが「どうして洗っても洗っても洗濯物が増えるの?」と困惑していたが、ネーゼによって事情を知ったマリューは顔を真っ赤にして「い、一度手洗いした方が良いよね・・・」と納得してくれた。女性だらけで男の子の扱いなんてわかっていない彼女達は、とりあえずそっとしておくのがいいのだろうと、とりあえず「大丈夫、後始末はお姉さんに任せて!」と言っておいたのだ。ベルは羞恥に悶えて悲鳴を上げた。
「どうして夢にまで出てくるんですかぁ・・・!?」
「あのさベル、膝に顔を埋めて喋られるとすっごいくすぐったいんだけど」
「ンンンンンンンンンン!」
もうだいぶ体は良さそうだし、ずっと部屋に閉じ込めていても暇すぎて死んでしまう。本拠内なら別に自由にさせてやればいいのにとネーゼはこうしてベルを団欒室に連れてきたわけだが、何があったのか結局ベルは話してくれないしその手の話題になると顔を真っ赤にして「なんでもないです!」の一点張り。そもそも―――。
夢に誰が出て来るんだよ。
一体何をされたんだよ。
そんな答えを得られない謎にネーゼは頭を悩ませた。