いやらしい身体を前に、女の味を知った思春期の少年。
何もおきないはずもなく。
サンジョウノ・春姫A-①
サンジョウノ・春姫さん。
16歳。
種族は希少種族かつ
「はぁ………」
だからと言って、何でもかんでも最初からできているわけじゃない。元々春姫さんは、所謂『箱入り娘』というやつで掃除だとか家事なんてそれこそ経験がない。『してもらう側』だった彼女がいきなり『する側』になったところで上手くいく筈もなく、失敗ばかりだった。それをフォローするのは僕で、理由は僕が彼女を拾って来たから。アリーゼさんが言うには、拾って来たなら僕が面倒を見て上げなきゃダメなんだとか。別に嫌じゃないし、買出しに行くときには遠慮がちだけど袖を握ってきたり、僕が
「また、なんですか」
「うきゅうぅ~~~~」
生まれたままの姿で気を失い横たわる春姫さんがいた。
場所は本拠の浴場。
1人で湯浴みしていた僕の元へ春姫さんがやってきて、僕のことを見て早々に気絶。あんまりだ。
<ベル様、お背中をお流しいたします>
そう言って扉を開けて、タオルで前面を隠していたのにも関わらずひっくり返って目を回している。あんまりだ。僕の瞳にはガッツリと春姫さんの裸体が映ってしまっている。とてもえっちな身体をしている。大きく実ったおっぱいは重力に逆らうように張っているし、その先端にある乳首は美味しそうに薄い桜の色をしている。腰はくびれていてお尻は撫でやすそうに大きく太ももは程よい太さ。抜群のスタイルだ。そして、ぴったりと閉じられた股にある縦筋はイシュタル様が暴露していた『生娘』の証拠なのだろう。
<いい、ベル? 春姫はあんた専属のメイドさんだからちゃんと面倒みなさい?>
アリーゼさんはそう言っていた。
だからか春姫さんは本拠のこと以外にも、よく僕と行動を共にしているし、着替えだとかその日必要になるものを用意してくれる。いつの間にかどこかで調達したメイド服は彼女のお気に入りだ。露出の少ない普通のものから、アストレア様と同じように胸の上半分が露出されたようなメイド服まで知らない内に増えている。
<私はベル様専用の
そんなことを言っていた春姫さん。
娼婦ということもあってか、その知識は豊富らしく今倒れている彼女も背中を流すと言ってお風呂でそういった奉仕をするつもりだったんだろう。
「なんだかなぁ……」
嫌な訳じゃない。
春姫さんは綺麗だし、優しいし、守らなきゃって思う人だし、好意を向けられるのは嬉しい。春姫さんから迫られて、えっちなことをしてしまいたいなんてイケナイ気分にだってなる。
「さすがに傷つくんですよ、春姫さん?」
「きゅぅ~~~」
床に倒れて水浸しになっている春姫さんのもとで僕はしゃがみ込んで、彼女の頭を撫でる。派閥に加わって何度目だろうか、まだ1ヵ月も経っていないけど、裸を見られてお姉さん達とは違う反応をされる……気絶をされるとこう、傷つくものがある。ひょっとして僕の身体は、気絶するレベルで春姫さんには「ない」と思わせる何かがあるんだろうか。
「とりあえず、洗って、お湯に入れて身体を温めて……はぁ……」
気を失った女の子の髪を、身体を洗ってあげる。
スポンジ越しとはいえ伝わってくる彼女の柔らかさと弾力にムラムラとした劣情が湧き上がってきて、ペニスが勃起してしまう。春姫さんを後ろから抱きしめて、ついお尻に押し当ててしまってブンブンと頭を振って泡を流す。湯船に浸かっている間も春姫さんが体勢を崩して沈んじゃわないように肩を並べて気にかけていたけれど、お湯に浮かぶ巨乳が気になって仕方なくて、儚げな睫毛に、ぷりっとして美しい唇が目に映ってゴクリと喉を鳴らしてしまう。
「ベルー、お風呂入ってるのー? 私も入っていいかしらー?」
「だ、ダメだアリーゼ! ベルももういい加減1人で入らせてあげるべきだと何度言えばわかるのです!」
「いいじゃない、リオンも一緒に入りましょ! ほら、ベルの引き締まってきた身体気になるでしょ?」
外から2人の声がした。
アリーゼさんにリューさんだ。
帰ってきたんだ。
「それに、私、ベルのこと好きよ。だから、好きな子と一緒に入るのだから問題ないでしょう?」
「こ、婚前で……は、はしたない!」
「輝夜達だってしているんだし、私だってお口でしてあげたことだってあるわ。リオンだけよ、ビビッてキスも碌にできないの」
「!?」
「春姫だって、ベルのことそういう目で見ている時あるし……そのうちリオンだけ置いていかれるわよ?」
「あ、う、で、ですが……!」
「ていうかベルー、返事ないけど、大丈夫? のぼせてないでしょうね……」
「そういえばやけに静かだ……」
「ベルー大丈夫ー? 今ならリオンも一緒に入ってくれるわよー!」
「は、入らない! 断じて!」
「……ベル、リオンがベルのこと嫌いなんですって」
「ち、違う、そうではない!?」
外がうるさい。
余計、安らげない。
せっかく1人で入っていたのに春姫さんの介抱をして……何してるんだろう。上がろう。僕は春姫さんを抱きかかえて、浴場を出ることにした。ガラリ、と扉を開けると生まれたままの姿のアリーゼさんが、リューさんを剝いている最中だった。
「………」
「………」
「………」
「「「なにごと!?」」」
やいやいうるさいと思っていたら、全裸のアリーゼさんがリューさんを全裸に剥こうとしていたわけで、リューさんは当然、抵抗をしたのだろう。もみくちゃ状態で、開いた扉から出てきた僕に顔を向ければ僕は僕で全裸で気を失っている春姫さんを抱きかかえているのだから目を点にするのも仕方のないことなのかもしれない。
「まさかベル……あんた!」
「違います」
「春姫を気絶させるまで……そういえば輝夜も気絶しては犯されて目を覚まさせられたとかなんか言ってたっけ…」
「違いますよ?」
「ごくっ……気を失ってしまうまで女性を犯しておいて、まだ、足りない……? そ、そんな、私の知っているベルはどこへ……」
「リューさん、僕のをチラチラ見ながら言わないでください。だから違うんですってば」
「ダメじゃないベル、女の子は優しく扱わなきゃダメって! もうやめてって言って続けて良いのは輝夜とリオンだけよ!?」
「だから違うんですってばぁ!」
「どうして私ならいいんだぁ!?」
アリーゼさん達に春姫さんが僕の裸を見て気絶したなんて言っても、信じてくれないのは分かっている。初めて春姫さんが入浴中の僕の元へやってきて気絶したときも助けを求めたけど、娼婦をしていた春姫さんが男の裸を見て気を失うなんてあり得ないなんて言って聞いてもらえなかったのだ。僕はチラチラと僕の下半身を見てくるリューさんから隠すように春姫さんを抱え、バスタオルで身体を拭き、そそくさと着替える。
「ちょ、ちょっと何も怒らなくたっていいじゃない」
「怒ってないです」
「リオンがさっきからベルのおちんちんチラチラ見ているのが、嫌なの?」
「っ!?」
「そうじゃないですけど、いや、恥ずかしいですけど……そうじゃないんです」
「その、春姫で満足したりなかったんなら……その、今、本拠は私達しかいないし、相手してあげましょうか? 私とリオンで」
「ア、アリーゼ!?」
「もー、違います! それより2人はいつまで裸でいるんですか、風邪ひきますよ! 僕は春姫さんを部屋に運ぶので、さっさと入ってください!」
「ちょ、ちょっと!? 怒らないでよ! 私はベルのこと好きなだけよ!?」
「僕もアリーゼさんのこと、大好きです!」
「はぅ……っ!!」
「何故、喜んでいる……!?」
寝間着浴衣に着替えさせてお姫様抱っこ。
ぴしゃりと扉を閉めて、春姫さんを運ぶ。
別にアリーゼさん達とそういうことがしたくないわけじゃない。むしろ今、収まりがつかなくて相手してもらえるならしてほしいくらいだ。僕の腕の中にはえっちな身体をした女の子がいるのに、手を出してはダメだという理性が働いて正直苦しい。リューさんがチラチラ見ていたのも余計だけど……リューさん、やっぱり綺麗だったなあ。
「―――――ということがあったんです、アイシャさん」
「あー………そうかい、苦労してるんだねえ」
後日。
僕は偶然にもアイシャさんと出会って、適当な喫茶店で事情を説明した。というか、アイシャさんから春姫さんの様子を聞かれたから近況報告も兼ねて説明した。アイシャさんは痛む頭を押さえるようにして、深い溜息を吐いていた。
「で、坊やは自分の身体が……なんだ、醜い、と思っている……わけかい?」
「そこまでじゃないですけど……春姫さん的に、どこか悪い所があるのかなって」
「ちょっとこれからホテルに行くかい?」
「行きませんよ、何気軽にテイクアウトしようとしているんですか」
「別に構いやしないだろう? 今更じゃないか、女を1人2人抱いたって」
「構います!」
さすがアマゾネス。
ドライブスルー感覚で雄を狙ってくる。舌なめずりして目をギラつかせて、まさに肉食獣。
「チッ、ま、春姫と致すまでは待っててあげるよ」
「待たなくていいですから、アイシャさんのターンはないですから」
「それで気絶する春姫に困ってるわけかい?」
「………はい」
急に本題に入るアイシャさん。
なんだこの人。
アイシャさんはじぃーっと僕のことを値踏みするような視線を動かすと、口を開いた。
「坊やの身体が見てくれが悪いってことはない、そこは保障する」
「は、はぁ」
「私に勝ったってのもあるが……抱かせろと言われたら抱かれてやってもいいとさえ思うね」
「そ、それは」
「それはアマゾネスの習性だから、だろう? それを抜きにしても坊やは女受けがいいよ。可愛い顔をしているし、特に年上には刺さる。身体は……冒険者になる前を私は知らないから分からないが、引き締まっているし、それもまたいい。正直、女を疼かせるね」
「はぁ……」
真剣な顔でそう言うアイシャさん。
聞いているこっちは正直恥ずかしい。
【ステイタス】を更新するときは上半身裸で、アストレア様はそれを見る度に「引き締まってきたわね」なんて言って撫でてくるしアリーゼさん達も似たような感じだから間違いではないんだろうけど。
「そんでもって、話を聞いた率直な私の意見を言ってもいいかい?」
「え? はい、どうぞ」
頬杖をついて道を行く人々を見てはアイシャさんは「春姫は何をやってんだか」なんて呟いてから、僕に言った。
「喰っちまえばよかったのに」
「…………」
「意識のない男好きのする身体つきをした女がいるんだ、喰うのが常識だろう?」
「いやいやいやいや!?」
何を言っているんだ、この人は。
いやそりゃ、気を失っている輝夜さんに続けざまやっちゃったことはあるけど、春姫さんは輝夜さんじゃないし!? 常識って何!?
「極東じゃあ、夜這いって文化もあるらしいじゃないか」
「ぶ、ぶんか……」
「坊やだって……スンスン、何度か女を味わっているんだろう? そういう男の臭いがするよ」
この人、怖い!!
臭いでわかるの!?
女性経験のあるなしが!?
アマゾネスにはそういうスキルがあるの!? 嘘でしょ!?
「気をやっている間に春姫の身体に自分の欲望をぶちまけちまえばよかったのに……勿体ないことするねえ」
「いや、アイシャさん、春姫さんはその、えと、じゅ、純潔で……」
周囲に気を配って、声を絞る。
経験のない女の子を意識のないうちに手を出すのは流石にダメでしょうなんて言う僕に対してアイシャさんは言いきった。
「惚れた男の風呂に突撃している時点で、喰われる気満々なんだよぉ!!」
「お、お静かにぃ!?」
声を大にしたアイシャさんの物言いに、喫茶店にいる男女や道行く人々もギョッとした顔で固まった。僕は顔が熱くなるのが分かった。アイシャさんはそんなこと知ったことかとばかりに熱弁する。
「あいつの容姿が良いことは言わずもがなだ! 坊やに惚れちまって余計に磨きがかかってきてやがる、いいかい、女は男に惚れるとより美しくなるもんだ! 着物越しでもわかるだろう! 文句なしの風貌! 儚げな笑みを浮かべるアイツの唇を奪いたくなるのは言わずもがなとして……あの撫で心地よし、掴み心地良しの臀部! 力を入れれば折れてしまいそうなくびれた腰! 上に目を向けて見な、白い肌に鎖骨、あえて着崩したせいで見える胸元の谷間! 男に弄ばれるためだけに育ったようないやらしい胸! これを一糸まとわぬ状態で目撃しておいて、手を出さないだぁ!? 坊や、私は坊やを信頼しているから春姫を任せたんだ、据え膳喰わないなら返してもらうよ! 男なら意識のないうちに種付けしてみたいもんだろう!? 意識のない春姫の顔にナニを擦りつけて臭いを染み込ませるぐらいしてみせな! 馬乗りになって谷間に挟んで顔面に白濁液をぶちまけるくらいしろ、娼婦相手に何もしないなんてマナー違反もいいところだ」
「ちょ、ちょっと落ち着いてくださいよ!?」
どうしてこの人は僕に犯罪を犯せ、みたいなことを言ってくるのか。わけがわからない。頭がおかしいのではなかろうか。そりゃあ、春姫さんは綺麗だし……えっちだけど。気にならない訳じゃないけど。
「情けないったらないよ」
「はい、すいませぇん」
どうして僕はお説教されているんだろう。
意味が分からない。
この人の常識がわからない。
頭、痛い。
「春姫を抱く気は……ないのかい? 正直に答えな」
「………そういうこと、したいですけど」
「抱きたいか抱きたくないかで答えな。曖昧なのは許さないよ」
「う、うぅ……」
拷問だ、これはもう拷問だ。
周囲の視線が気になる。
顔が熱い。
恥ずかしい。
抱きたくないかだって? 抱きたいよ!
春姫さんがいいなら、キスだってしてみたいし、気絶した春姫さんを介抱している時、当然彼女の身体にだって触れる。柔らかさとか弾力とか臭いとか全てが劣情を煽ってきて、この人を僕だけのものにしたいなんて思ってしまう。
「……たい、です」
「あ?」
「は、春姫さんを、抱きたい、です………うぅぅ」
「言えたじゃないか」
瞼をぎゅっと閉じて、消え入りそうな声量で僕は言うとアイシャさんは満足そうにそう言った。聞けて良かったとばかりに。アイシャさんはそのままぐいっとグラスに入っている水を呷ると吐息を吐き、口元に嗜虐的な笑みを浮かばせた。
「が、罪悪感が邪魔してそういったことができない。坊やはそういう質だ。ヤッている最中に女が気を失ったとしても続けてもいいなら続ける……そんな感じかね」
何だろう、この人は占い師か何かだろうか。
僕の何もかもを見透かされているようで怖い。
勝てる気がしない。
「なら、私が春姫から言質をとってきてやる」
「はぃ…………はい?」
言質って何。
何をするつもりなんですか、アイシャさん。
彼女の勢いというか殺気というか熱気というか、そういった雰囲気……あえていうなら
「まずあいつに気を失ってしまっていることを伝える。それで坊やが迷惑しているということも含めて。その上で」
「その上で?」
「このままだと坊やの精巣が暴発してしまって命の危険があるから、意識がなくても身体を弄ばれてもいいかと言う」
「いや、爆発はしな――――」
何を滅茶苦茶なことを言っているんだと否定しようとしたところで、黙れと言いたげにギロリ、と睨まれた。僕はそれこそ怯える
「します、爆発、します」
「春姫のことだ、坊やが満足してくれるならと首を縦に振るだろう、いいや振らせる」
「………」
「ベル・クラネル。春姫が坊やを見て気を失っちまうのは今だけの話だ。ひとつ屋根の下で暮らしていれば自然と慣れもする。そうなったら春姫の身体で好き放題できないよ?」
「アイシャさんは、その、いいんですか? 妹分なんでしょ?」
「何言ってんだい、そもそも春姫が望んで惚れた坊やを選んだんだ。それで進展がない方が問題だろう」
もちろん、春姫を捨てるようなことをしたら許さないけどねと釘を刺してくる。そんなことするつもりはないけど……はい、と頷いておく。
「はぁ、とにかくだ……春姫が慣れるまでの間、坊やは坊やで楽しめばいい。春姫に許可さえとっておけばいいんだろう? 難しいことじゃないよ」
「………」
「ああでも、意識がないうちに春姫の純潔を散らすのはダメだ」
「…………?」
「純潔を散らすのは、春姫が気絶しなくなってから。これは守りな」
「はぁ………その、一応、理由を聞いてもいいですか?」
「あいつは自分が立派に娼婦をしていたと思っている。ずっと気を失ってばかりだったのにね。その度に男に別の娼婦をあてがったもんさ。春姫より風貌の良いのをってのは難しいけどあの頃の春姫は暗い顔をしていたからね……それこそ胸の大きいエルフなんかを薦めてやれば男はすぐに乗り換えてくれたさ」
そうやって春姫さんを守っていたのだろう。
或いは、意識のないうちに面倒なことをされては困るという理由もあったのかもしれない。
「坊やに純潔を散らされて、シーツにできた破瓜の染みを見て自分が生娘だったってことに気付く………それがいいんじゃないか」
「なる、ほど?」
「だから坊や、春姫が気を失わなくなるまでは挿入はナシだ。それまでは、そうだね……開発してやればいい」
「………………」
「身体中を舐めまわして、揉みしだいて、膜を傷付けない付近まで指を入れて……ああ、なんなら生娘のうちに舌で味わってみればいいんじゃないかい?」
「そ、んな……変態じゃないですか」
「何がいけないんだい? どうせヤるときはドロドロになるんだ、変わりゃしないよ」
それじゃあ私はいくよ。そう言ってアイシャさんは喫茶店を出て行く。その後ろ姿は堂々としていて、僕は何も言葉をかけられず見えなくなるまで見つめていた。かっこいいとすら思える後ろ姿だった。変態みたいな話をしていたのに。
それから更に数日。
僕の目の前には安らかに気絶している、一糸まとわぬ姿の春姫さんがいた。暴れる心臓を握り締めるように胸に手を当てて、ぐんぐんと上がってくる情欲のせいで彼女の裸体からは目を逸らせず、何度も喉を鳴らす。2人きりの本拠で、2人きりの浴場で、僕は春姫さんのおっぱいへと手を伸ばした。