16巻が出るまでの間、苦しめられるなんて・・・人の心がなさすぎる。
から、幼馴染でイチャイチャしようね。
「うぅ……お嫁にいけない……っ!」
「な、泣かないでアミッドさん」
「………大丈夫?」
揺れる馬車の中で、アミッドさんが背を丸くして両手で顔を覆って呻いていた。さらり、と流れたウェーブのかかった銀の長髪から赤く染まった耳が見えて彼女の羞恥というか恥辱具合がよく分かる。
事の発端は『ケヒトの湯事件』というべきか。
お風呂の神様などと謳い文句の巨大入浴施設はすぐに大人気を博した。湯上り後もぬくぬくで、腰痛は消えるわ、冷え性や頭痛、薄毛に肥満も改善したとか、日々の疲れを癒すそれはまさしく
「どうしていつも私ばっかりこんな辱めを……っ!」
黒いミノタウロスとの死闘の後。
恩恵が復活するまでの間、恩恵が復活するまでの期間を休暇とし都市外で過ごしていた僕は帰還するとすぐにその施設の存在を知った。というか、巻き込まれた。アストレア様達も堪能していたらしいけれど、湯に浸かってみてすぐにわかった。
「あれ、これ、本拠のお風呂……」
と言った具合に。
アミッドさんが泊まりに来た時の感じで、アリーゼさん達に聞いてみても「やっぱり?」なんて反応をするもんだから僕の中では温泉施設の仕組みはなんとなくわかってしまっていた。ナァーザさん達と空き地で話している時に「ふぅーはっはっはっ!」という笑い声と共に姿を現したのはディアンケヒト様とアミッドさん。アミッドさんと目が合うと彼女はすぐに顔を赤くしてぷいっと顔を逸らし、この件には首を突っ込まないでと言ってきた。
「ま、まさか……温泉の正体って!?」
「聖女の……煮汁……!?」
服だけを溶かす都合のいい溶解液を前に犠牲となって倒れたお姉さんが2人。そしてその先で突き止めるのは正体。1人専用の湯船に浸かるアミッドさんがスポットライトを浴びて、さぁ大変。魔力暴発を起こして施設は爆発。最後には星空を見上げながら僕達は湯を共にした。ナァーザさんがディアンケヒト様に抗議しているその横で苦笑を浮かべるミアハ様に励ましの声を頂きつつも、アミッドさんは僕の胸に顔を埋めるようにして顔を真っ赤にして涙を流した。首を突っ込まないでと言ったのにぃ……と。生まれたままの姿であることも構わず。やっぱりアミッドさんは裸になっても綺麗でした。あとナァーザさんも。でも、ごめんなさいアミッドさん。
知ってた。
その湯の効能というか、浸かった時から、気づいてた。
これ、アミッドさんが入った後に浸かった湯船の感じだぁーって思ってました。気づいた後に湧き上がるのは、もやぁっとした感情。
「いや、バレてよかったじゃないですか」
「な、なにがいいと!? よくありませんよ!?」
「ぼく、アミッドさんが不特定多数の男性とお風呂に入るなんて……そんなの嫌です!」
「ふ、不特定多数の!? わ、私は決して淫乱な女では!?」
「アミッドさんは、僕の
「あ、貴方の……私ぃ!? う、うぅぅ……! 私の純潔を散らしてから一度も手を出してこないくせにぃ……!」
「あの、途中から聞こえなかったんですけど、何か言いましたか?」
「な、何でもありません!」
ばっと顔をあげた彼女と目があって、けれどまた顔を赤くした彼女はまた顔を隠す。湯気が出そうなくらい顔が赤い。そんなアミッドさんの頭を撫でてあげると、「もう…もう…!」なんてブツブツいいながら僕の膝に顔を埋めた。アイズさんはそんなアミッドさんを見てオロオロ。
「ベル……アミッドとお風呂、入ったの?」
「………まぁ、はい」
否定はできない。
ケヒトの湯のことだけじゃなくて、少し前に酔ったアミッドさんと宿に泊まった時だって一緒に入った。というか、入った以上のことをした。アイズさんはアミッドさんの頭を撫でる僕を見て、両腕を股に挟んでもじもじ。両腕に挟まれるような形で意外にも大きく育ったおっぱいがむにゅっと形を歪めて、思わず喉を鳴らしてしまう。
「んっと」
「?」
じりじり、じりじり、と隣に座っていたアイズさんがさらに距離をつめて僕達の足が密着する。それだけじゃない肩もぶつかって、けれどすぐに頭を撫でるのに使っていない左腕へとアイズさんが抱き着くようにして密着面積を増やす。左腕にアイズさんの体温とおっぱいの感触が伝わってくる。
「………」
「ア、アイズさん……近くないですか?」
「アミッドはいいのに、私はダメ……なの?」
「そういうわけじゃないんですけど」
黒いミノタウロスと戦った後からか、アイズさんの態度が明らかに変わった。病室で目覚めればベッドに潜り込んで寝ているし、目が合えば頬を染めてそわそわと不審な動きをするし、多額のお金で買った彼女のおっぱいを揉む市壁の一時ではより一層、甘い吐息を漏らすようになった気がする。アリーゼさん達には「あれは発情した雌の顔よ」なんて言われて「いつ孕ませるの?」などと言われたというか「お前、あの【剣姫】をいつの間に手懐けたんだよ」とまで言われた。違うんだよ、でも、買っちゃったからにはアイズさんのお胸は僕の所有物なわけで……。
「ベルさん」
「……どうしたんですか、アミッドさん」
「なぜ、勃起しているのですか」
膝に顔を埋めていたアミッドさんが、むくりと抗議的な眼差しで僕を見上げてきた。そして左腕に抱き着くようにしているアイズさんを見て、さらにジトーっと見つめてくる。おかしい、さっきまでの貴方の羞恥はどこへ?
「せ、生理現象なんです……っ」
「……一度私を抱いてから、一向に手を出してこなかったくせに」
「!?」
アミッドさんの指が内ももを這う。
その感触にぞくっと身体を揺らしてしまう。
まるでヤキモチを妬いているかのように頬をわずかに膨らませたアミッドお姉さんはそのままズボンにできた膨らみをさわさわとくすぐるように手のひらを這わせてくる。
「あ、あの……あの、ぉ……!? だってあの時は、アミッドさん酔ってたし!?」
「だとしても、誰にでも身体を許す女ではありませんよ」
「う、ひぅ……っ」
「………ずるい、私もする」
「ア、アイズさん!?」
「ま、待って!?」
仲間外れにされたことに不満を漏らすアイズさんが参戦。2人の美少女が僕の膝の上で顔を向い合せて、出来上がった膨らみを取り合うように指を絡ませてしまった。
「そういえばベルさん、アイズさんの乳房を買ったなどと言っていましたね?」
「うん……前にお金が必要で、急いでて、それでベルしか頼れなくて……」
「それからは?」
「ん、と……訓練した時にベルを気絶させちゃった時とかに、お仕置きで…。でも、もう私の胸、ベルのものみたいだから……あと、アミッドとベルが私を仲間外れにしてるみたいで、嫌だったから」
「………スケベ」
「ご、ごめんなさぁい」
「年上の女性に囲まれた生活を送っているせいで、誰か1人を選べないだなんて。まったく……困りものですね」
ほら、頭を撫でる手が止まっていますよ。
そう言われて、ナデナデを再開。
気持ちよさそうな……言うなれば、猫の顎をこしょこしょすると出る声に近いものを漏らしてアミッドさんは目を細めた。……可愛い。だけど2人の手は相変わらず僕の股間を覆うようにされていて、撫でてきてとても恥ずかしい。
「まぁ英雄色を好むと言いますし……そんなだらしない貴方に……ごにょごにょ」
「?」
「何でもありません、お気になさらず」
頭を撫でられて心地よさそうに瞳をトロンとさせたアミッドさんは股間を撫でる手をそのままに身体を起こして顔を近づけてくる。長いまつ毛がふるっと震えて、瑞々しい唇が美味しそうで、アミッドさんを犯したあの日のことを思い出させてくれる。
「ん……ちゅっ、あむ……」
熱い視線で見つめ合って、自然と唇が重なる。
アミッドさんが、僕に
「………べ、ベル」
「ん……んっ、れろ……んぅ?」
股間に手を覆わせて僕達の接吻を見つめていたアイズさんは、アミッドさんの痴態に驚いたのか目を見開いていて、頬を染めていて、そしてまた仲間外れにされたように頬を膨らませて身体を起き上がらせる。僕のシャツをぎゅっとつまんで、潤んだ瞳でじぃっと見つめてくる。
「ベル、私も」
「ア、アイズ……さん?」
「市壁の上で、してくれたのに…もう、してくれないの?」
「………そういえば、数日前にアイズさんに避妊薬を差し上げたばかりでしたね、うっかり忘れていました」
「ベル、私のこと、怖い?」
不安に取りつかれたように震える金の瞳。
アミッドさんは溜息をついて、僕にデコピン。そして、さっさとなさいと姉のように叱ってくる。僕はもうアイズさんを怖いだなんてこれっぽっちも思っていなくて、だから彼女の頬に両手を添えて顔を近づけた。
「………ベル」
「はい」
アイズさんは僕の名を呼んで、僕はそれに返事をして、瞼を閉じたアイズさんと唇を重ねる。ただ唇を重ねるだけの
「アミッドさん、触っても良いですか?」
「ん……あまり強く刺激しないように。馬車ですから、御者の方に聞こえては困ります」
「はい。アイズさんのも、触りますね」
「……ん、いいよ」
右にアミッドさん。
左にアイズさん。
背中からアミッドさんの衣服の中へ手を潜り込ませて、ブラ越しに手で覆う。火照っているのか熱くて、弾力はしっかりとしていて汗ばんでしっとりとした感触。ブラの刺繍の感触さえ心地よくて撫でる度に敏感な部分に振れるのかアミッドさんは可愛らしい声を漏らす。アイズさんはいつもの
「こんなところ、誰にも見せられませんね?」
「………はい」
「リヴェリア、怒る、かな?」
「さすがにっ、は、ぅ……婚前っ、交渉ですし……よくは思わ、ないでしょう」
「……んぅ」
交互に
「あっ」
ホカホカと彼女の体温で温められたブラが僕の両手に納まる。抜き取られたことで支えを失ったおっぱいをアミッドさんは両腕で覆うようにして背を丸めた。抜き取られるなんて思ってもなかったんだろう。
「あれ、今日の……白くない?」
「……ま、前に貴方に選ばせたものを……その、変、ですか? というか返しなさい。急に抜き取らないで。なんでスリみたいに器用なことをするのですか」
「アリーゼさん達が教えてくれたから……」
「よ、余計なことを……!」
アミッドさんの今日のお召し物は紺色。
細かい刺繍が施されている。
僕の知るアミッドさんの下着は、いつだって『白』。そのことを口にしたのをよほど気にしていたのか、前にアミッドさんと行為の及んだ翌日、新しいのを買うから選びなさいなんてことになったんだっけ。その時は女の子の下着を選ぶなんて経験がなくて、恥ずかしくてとっさに選んだけど……。
「悪くないと、思います」
「……そ、そそ、そう、ですか」
耳が熱い。
心臓が五月蠅い。
アミッドさんの顔もずっと赤い。
ついアミッドさんの体温を残すブラを持つ手に力が入る。
「む………」
「あ、え、えと、アイズさん?」
「アミッド、私達……どこへ向かっているの?」
「「え?」」
2人の世界に入りかける僕達に置いてけぼりをくらうアイズさんは何度目かとばかりに頬を膨らませて、けれど天然がそうさせるのか話題を変えてきた。そういえば、どこへ向かっているんだろう。
「アミッドさんが飛び出すみたいに旅行の準備させてきたから……僕も知らないです」
「私も……リヴェリア達からはアミッドが都市外に出るから護衛で行ってこいって言われて」
きっと護衛という体のほうが、都市外に出るのに都合がいいんだろう。でも正直どこへ行くのかは聞いていなかった。アミッドさんはキョトンとしてから、また頬を染めた。忘れてましたね、その顔は。
「………ほ、本物の温泉に行こうかと」
「温泉?」
「はい……ベルさんは輝夜さんと行かれたことがあるらしいのですが、私も、その、入りたいなと」
「なる、ほど?」
「あとはその……ケヒトの湯の件で恥辱を味わったというか、とにかくディアンケヒト様に反省してほしいというか、都市に居づらくなったといいますか……湯船でついベルさんに抱き着いてしまった時にペニスの感触に思い出して体が疼いてしまっているといいますか……ごにょごにょ……」
「アミッドさん、また途中からよく聞こえなかったんですけど」
「な、何でもいいじゃないですか! ベルさんが来てくれないなら、1人で都市を出てましたよ!」
「それは、ダメ! アミッドさんに何かあったら、僕はどうにかなってしまう!」
「~~~~~~っ!?」
とにかくアミッドさんは残り湯で商売させられた羞恥に耐え切れず、「そうだ、温泉にいこう」ということになったらしい。………なったらしい。勿論、ただの温泉旅行で都市へ出ることを
「混浴のあるところですので、ベルさんが1人寂しくなることはありませんからご安心を」
「………僕、何も言ってないですよ?」
「ベルは寂しがり屋だから、仕方ないね」
「え」
「兎は寂しいと死んじゃうんだって」
「え」
今度は2人して、僕の頭を撫でてくる。
何でだろう、歳がアリーゼさん達と違って近いせいか、余計に恥ずかしい……ううん、さっきまで3人で
「アミッドさん?」
「返してくれないのでしょう? 後で、絶対に返してもらいますからね。それから、誰にも見せませんように」
「……うん」
「執着する必要なんてないでしょうに……」
アイズさんもアミッドさんの真似をして、左肩に頭を乗せてきた。2人の手がブラを持つ僕の手に添えられて、息遣いが耳朶を震わせてくる。2人とも
「あれ以上したら……本当に、歯止めが利かなくなってしまいます」
「うん……お腹熱くて、きっと、我慢できなくなっちゃうと思う」
だから馬車を降りるまでは、宿に付くまではここまでにしておきますとアミッドさんが言ってアイズさんが頷く。左右から美少女の香りが鼻孔をくすぐってきて、僕は悶々。そんな僕へアミッドさんがトドメとばかりに耳元で囁いてきた。
「避妊薬もちゃんと持ってきていますから、ご安心を」
今日の聖女様はいつもと違って、積極的だった。
※時系列では『英雄賛歌』が終わった後です。
この時点でアミッドはベルと許嫁の件を知ってるのと好意を自覚してます。
アイズは黒いミノタウロスとの戦いの最後を見て、完全に惚れてます。
アミッドさんが積極的になってるのは、ベル君が1回抱いた後に何もしなかったからです。
「意識しているのは私だけ……? なぜ、何もしてこないのですか?」
こんな感じ。