※この作品はR-18です。

天気の子-そして、それから   作:健さん1224

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『天気の子-そして、それから』のミッシングリンクを補完する小説です。
一般向けです。
今回は、東京や関東地方と、夜空の中継について書きます。また、自衛隊も僅かですが登場します。
因みにタイトルは、135のアルバム『moment』の収録曲、「Rain&Moon」を元ネタにしています。
尚、以前、ガンダムSEEDのオフィシャル携帯サイトでも、「Rain&Moon」をタイトルに使った事がありますが、これはキラ・ヤマトに救出されたフレイ・アルスターが、フィアンセであったサイ・アーガイルとの関係をチャラにする、という内容です。この小説については、 http://rgm79spgmsniper2.blog.fc2.com/
『F・レイの小説ブログ』内「Rain&Moon」で検索のほど、宜しくお願い申し上げます。因みに、ハンドルネームはF・レイ、カテゴリは「ガンダムSEED IF小説」でしたが、現在はpixivに移行しました。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23448790
です。


インターミッション4 Rain&Moon(一般向け)

 2024年。

 

 東京都は今日も雨である。但し、静かな雨である。

 

 その雨の中、一人の少年が街を歩いていた。

 

 森嶋帆高。今日は東京農工大学の講義が4講目迄あった。

 

 講義終了後、キャンパスを出た。そして街へ出る。

 

 その足は恋人、天野陽菜の通う高校に向かっていた。

 

 街の風景を見ながら、帆高は、ひたすら歩く。

 

 東京での堤防建設は、着々と進んでいた。

 

 東京湾では、海上自衛隊の呉基地所属の輸送艦『おおすみ』と横須賀基地所属のヘリコプター搭載護衛艦『いずも』が停泊している。ホバークラフトとヘリコプターが、ひっきりなしに現場へと向かっている。

 

 「あれは…」

 

 帆高が目にしたのは、AAVP7。水陸両用のキャタピラー式装甲車。ウォータージェットで水上も進む。

 

 AAVP7は上陸すると、自衛隊の警務科隊員と作業員を降ろし、又水へと進む。

 

 偶々その様子を見ていた子供達が「カッコいい」「凄いぞ」等と、歓声を上げる。

 

 子供達がその場から去った直後。帆高のスマホが鳴った。陽菜からだった。

 

 陽菜はスマホを持っていない為、連絡は学校の公衆電話からしている。

 

 「帆高?今、どこにいるの?」

 

 「学校の近くだよ、陽菜。もう少しで着くよ」

 

 「うん、わかった。じゃあ、門柱の所にいて」

 

 「わかったよ」

 

 電話の後。帆高は学校に着いた。約束通り門柱で待つ。

 

 数分後。

 

 「帆高、お待たせ。ごめん、待った?」

 

 「俺も今着いたばかりだよ、陽菜」

 

 「それじゃ行きましょ」

 

 「ああ」

 

 今日は帆高はアルバイトのシフトは入っていない。陽菜のみの日である。しかし、バイト先には必ず一緒に行く。

 

 陽菜がバイト先の書店に着いてから、帆高は彼女が退勤する迄の間、時間を潰す。

 

 大抵は、自分のアルバイト先のホームセンターか、家電量販店だが、今日はマクドナルドに向かう。ポタージュを注文すると、持参した大学の教科書に目を通す。

 

 上京してから、帆高はマクドナルドに行く事を避けていた。陽菜が年齢を詐称していた事や、帆高に差し入れをした事が原因で陽菜が解雇された事もあり、マクドナルドに行く事が憚られたのである。

 

 しかし、当の陽菜が、「その解雇されたお店とは別だし、私は平気だから」という理由で、バイト先の近所のマクドナルドに来た事もあり、帆高はマクドナルドを敬遠するのを止め、今日は陽菜が退勤する迄の時間を、ここで初めて一人で過ごす事にした。

 

 大学の教科書に目を通して暫くしてから、スマホのアラームが鳴った。陽菜の退勤15分前に鳴るようにセットしている。

 

 コーヒーを二つ買うと、帆高はマクドナルドを出て、陽菜のアルバイト先の書店に向かう。

 

 「陽菜。お疲れ様」

 

 「お待たせ」

 

 陽菜にコーヒーを渡す帆高。

 

 「まず、これを」 

 

 「あ、有り難う」

 

 「どこか休める場所は…、そうだ、スーパーの風除室へ行こうか」

 

 「ええ」

 

 風除室でコーヒーを飲む二人。

 

 「陽菜。それで、今日は買い物とかはある?」

 

 「今日は無いから、真っ直ぐ帰れるわよ」

 

 コーヒーを飲み終えると、二人はスーパーを出て帰宅の途に就く。

 

 街頭のモニターには、各地の夜空の様子が中継されている。

 

 「帆高、あれ」

 

 「本当だ。月の映像か…。見事だね」

 

 東京で雨が降る様になってから、民放各局が協力して、東京都内の街頭のモニターに、日本各地の月や夜空の映像を流す様になった。又、気象台が撮影している映像の場合もある。

 

 この夜空の中継、開始されたのは2022年からである。雨が降り続ける東京都や関東地方の人々に夜空の様子を届けたい、という思いから始まった。

 

 「いつかまた、夜空…星空を見たいとは思うけどね」

 

 「陽菜…、でも、まさか」

 

 「大丈夫よ、帆高」

 

 「うん。びっくりしたよ。大丈夫だよね」

 

 「でもね、帆高」

 

 「うん?」

 

 「月や星の光が、雲を貫いて届いていると思うの。皆に」

 

 「それは俺も思うよ」

 

 帆高の言葉に陽菜が頷いた。

 

 そうこうしている内に、二人は陽菜のアパートに着いた。

 

 今日の雨はスコールの様な強い雨ではなく、どこか優しい雨だった。

 

 「ただいま」

 

 「こんばんは。おじゃまします」

 

 「あ、姉ちゃん、おかえり。いらっしゃい、帆高」

 

 先に帰っていた凪が出迎える。

 

 「今日の晩飯は…」

 

 「今日は俺が作るよ、凪センパイ」

 

 「本当?楽しみにしているよ」

 

 「飯の後は、鍛えますよ、センパイ」

 

 「そりゃないよ、帆高」

 

 そう言って凪が笑った。陽菜も笑った。

 

 雨続きでも、平穏無事に過ごす事が幸せだと思える、三人の姿がそこにあった。

 

 インターミッション4 終わり




インターミッションは、今回が最後です。
本編、インターミッションの時系列については、年表を作る予定です。

ご意見、ご感想、ご要望ありましたら、宜しくお願い申し上げます。頂ければ、幸いです。
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