異世界召喚されたユウキのスキルを知った女性達は今日も彼を愛する 作:昆布 海胆
「このようにアビリティポイントと言うのは、レベルが上がるとその者へ付与されるボーナスポイントの様なものです」
ゼロが黒板に書いた説明に、ユウキは興味深く視線を向けていた。
ユウキが想像していたのとは少し違うレベルの制度みたいなものににも驚いたが、このアビリティポイントは非常に興味深い物であった。
まずレベルに関してだが、この世界の全ての生物にはレベルと言う存在の階級が存在する。
この階級と言う考え方自体が珍しく、レベルを上げるに至っての必須条件がまず興味深かった。
簡単に言うと、レベルアップする為には自身のレベルと同じかそれ以上の生物を殺して、その存在の力を得る必要がある。
レベル4の人間がレベル3の生物をいくら殺しても、その者はレベルアップしないのだ。
最低でも同レベルであるレベル4の生物を殺す必要がある。
その為、レベルが上がれば上がっただけ更に強くなるのが難しくなるのだ。
「ところで皆さんのレベルはどれくらいなのですか?」
「私は23ですな、そこのハナを含めこの国の住人はその殆どがレベル5になります」
「殆どがレベル5?」
ゼロの返答に首を傾けて聞き返すユウキの両肩にハナの手が置かれた。
フワリとハナの香りがユウキを包み込み、手が肩に置かれているだけなのに抱きしめられているような感覚がユウキを包んだ。
「もういいぞハナ」
「はいっ」
ゼロの言葉でハナの手が肩から避けられ、ユウキを包み込んでいた優しい香りが飛散した。
直ぐにユウキは振り返りハナを見た。
そんなユウキにハナはニッコリと微笑み返す。
「今ユウキ様がハナから感じられたもの、それがレベル5で発覚するハナのユニークスキルです」
「ユニークスキル?」
「はい、私のユニークスキルは『アロマヒーリング』触れた対象に癒しの香りを齎すものでございます」
ゼロはユウキが振り返っている間に黒板に追加でユニークスキルの記載を進めていた。
ゼロの方を向き直ったユウキはそれを見て頷く。
分かりやすく、何故かユウキの読める字で書かれたそれを目で追ってユウキはこの世界のルールを理解した。
「レベル5に達した時にその者が生まれた時から持っているユニークスキルを理解できる・・・」
「そう、理解できると言う書き方をしているのは、それが人によって常時発動型等様々なモノがあるからです」
「常時発動型?」
「常に発動しているスキルの事ですね、自身に影響を及ぼす物の大体がこれに当たります」
簡単に言うと身体能力強化系がこれに当たる。
常にステータスにプラスボーナスが加算される様子を想像しユウキは理解した。
そして、ゼロがユウキの理解が追いついたのを確認してから更に説明を続ける。
「次にアビリティポイントについてですがユウキ様、左手親指を中へ入れて拳を握り『ステータスオープン』と念じてみて下さい」
「こ・・・こうかな?」
(ステータスオープン)
すると左手の拳の上に小さいウィンドウの様な物が表示された。
現在のレベルとAP、そして付与と描かれた3つの項目が表示されていた。
レベル 1
AP 0
付与
「レベルとAPは幾つになってますか?」
「レベルは1ですね、APは0です」
「ありがとうございます。それがユウキ様のステータスです。次に『付与』を選ぶ様にイメージしてみて下さい」
「んっ」
ユウキはアイコンを付与に合わせてクリックするイメージを持つ、すると付与の部分が一瞬光ってズラリと項目が並んだ。
「ご覧の通りステータスを上げたり新たなるスキルを選択して得る事が出来るのです」
その項目は多岐に当たり、ステータスだけでも力や素早さだけでなく運や魅力と言った項目まであった。
スキルに関しては必要ポイントが特に高いらしく、物凄い数の項目が並んでいるがその必要ポイントが異常な程高かった。
「これは・・・凄いですね・・・」
「おや?もしかしてユウキ様は項目が多いのですか?」
「えっ?えぇ、なんか凄い数のスキルが並んでいるのですが・・・」
「それは素晴らしい、取得可能なスキルはその者の可能性に応じてその数が変わります。多いと言う事はユウキ様の素質が高いと言う事なのでしょう。それでは今日はこれくらいにしましょうか、明日は実際にユウキ様のレベルアップを行ないましょう」
「あっちょっと待って下さい・・・」
ユウキは握っていた左手を開くと出ていたウィンドウは消えた。
後ろに居たハナが反応を示さないところを見ると、このウィンドウは出した自分にしか見えないのだろうと理解してゼロに向き直る。
「レベルアップって・・・実戦に出て何かを殺すのですか?」
「はははっまぁ明日のお楽しみと言う事で、心配なさらなくてもいい方法があるのですよ」
そう言ってゼロはハナに1度頷いて部屋を後にする。
ユウキはゼロの書き残した黒板をもう一度眺め知識をしっかりと自分の物とするのであった。
「お疲れ様でしたユウキさん」
「お、お疲れ様ですアリア姫・・・」
気付けば結構な時間が流れており、日も傾き夕飯の用意がされていた。
朝食を食べてからゼロの講義をずっと聞いていたというのに驚きながら、思い出した様に鳴る腹の虫に恥ずかしくなる。
「あらあら?もしかしてユウキさんはお昼にも食事が必要ですかね?」
「えっえぇ、元の世界では一日3食食べてましたから」
「それは失礼しました。明日からはお昼もご用意させて頂きますね」
その言葉からこの世界の住人は朝と夜しか食事をしないというのを理解した。
どうりで朝から随分と豪勢な料理を出すと思ったものだ。
「さて、夕食の前にユウキさんに尋ねたいのですが・・・ハナどうですか?」
「えっ?」
微笑みながら尋ねるアリア姫の言葉にハナとの性交を思い出すユウキ。
実際にアリア姫もそれを想像しているのだろうが、恥ずかしがる様子が全く無い。
「もしハナが御気に召さなければ他の者を何人でもご用意させて頂きますよ」
そう言ってアリア姫が片手を上げるとその後ろにズラリとメイド服に身を包んだ美しい女性達が並んだ。
数名は何度か見かけた人物だが、知らない顔も何人か居るのに驚いた。
ユウキの後ろに立つハナが両手をギュッと握る。
「いえ、今はハナさんに大変良くしてもらってますので彼女が良いですね」
「そうですか?分かりました。もしご希望がありましたら何なりとおっしゃって下さいね、何人でもご用意させて頂きますから」
そう言って微笑むが、言ってる事が遠まわしに夜伽の相手を何人でも好きなだけ用意すると宣言しているのはユウキも理解していた。
実際ハナはユウキの直ぐ側に常に居るが、必要以上に何かをしてくれるのは着替えや移動の案内、そして夜伽だけであるのだか。
「ありがとうございます。それでは暖かいうちに頂きましょうか」
「あらあらうふふ・・・朝の言葉を返されましたね」
微笑みながらアリアと向かい合って夕食を頂いた。
食後、部屋に戻ったユウキはベットに腰掛けてハナがやって来るのを待つ。
今夜はハナともっとゆっくり繋がりたい、そんな思いが頭の中を巡りドキドキしてまつユウキであった。
そんな頃、ハナはアリア姫に呼び出されユウキの事で分かった事を説明されていた。
「子供が作れない・・・ですか?」
「そう、彼は貴方の望む子種を提供出来ないようだけどどうする?」
「・・・私は続けたいと思います」
「分かったわ、それじゃユウキさんも貴方を指名していたから沢山可愛がってあげてね」
「ありがとうございます」
そう言ってハナはユウキの元へ向かう。
その表情は望んでいた子供が出来ないと言う事実に少し沈んでいたが、直ぐに気持ちを切り替えていつもの微笑を浮かべる。
そんなハナの前に王宮魔道士ローザが現れる。
「どうなさいましたローザ様?」
「んっちょっとね・・・良かったらご一緒しても良いかしら?」
「それは・・・ユウキ様にお聞きしませんと」
「そう、なら一緒に行きましょ」
と何故かユウキの部屋に2人で向かうこととなったのであった。