異世界召喚されたユウキのスキルを知った女性達は今日も彼を愛する 作:昆布 海胆
昼食と言う文化が無いこの世界、ユウキの為に用意されたのはまさしく軽食と呼ぶに相応しい量の料理であった。
それでも先程ローザの口内に射精したばかりのユウキは空腹で、出されたサンドイッチに似た料理を美味しそうに平らげた。
「ユウキ様、量は少なかったでしょうか?」
「シズさん・・・で良かったよね?ありがとうございます。でもこれで丁度良い量です」
食べる過ぎると眠くなる、特にユウキは今朝から既に2度も射精を行なっているのだ。
そのユウキの笑顔にポッと頬を赤く染めつつ、先程感じた妙な感覚が今は無い事にシズは違和感を覚えている・・・
(不思議な人・・・)
特に城で勤めを果たしていると、どうしても傲慢な態度で接する男性が多い。
それもあってシズにとってユウキは親近感と共に、近くに居ても苦痛を感じない相手と認識されていくのであった。
「今戻りました」
「あっ・・・あぁお帰りなさいユウキさん、昼食は如何でしたか?」
「大変美味しく頂きましたよ、あれ?ローザさん1人ですか?」
昼食を終えてシズと共に個室に戻るとそこにはハナの姿は無く、ローザが1人壁に体重を預けて立っていた。
少し汗をかいているのか少し顔が赤く、火照っている感じである。
「えぇ、ハナは小用で席を外していますわ」
「そうですか、ゼロさんもまだみたいですのでそれまで少し良いですか?」
珍しくユウキからローザに聞きたい事があると声がかかり、驚きつつもキリッとローザはユウキに王宮魔道士としての態度で返す。
だが着ている衣類の下は乳首が勃ち、下着は愛液で塗れている、ゆったりとした動きで席に着くユウキの側へローザは近寄った。
「どうしましたか?レベルが上がって体調に違和感でも?」
「そうですね・・・」
そう言ってユウキは自らの手を見詰め、握ったり開いたりを繰り返す。
その仕草に自らの胸を揉まれるのを想像したローザ、ゾクゾクっと背中を走る快感で興奮するのに耐えていた。
エルフと言うのは長命なので性欲は非常に少なく、普段感じた事の無い感覚に戸惑いながらもシズの姿も在るので態度を崩さないローザ。
「正直レベルが上がって身体能力も上がるって話でしたが、こうしていると特に変化は無い様に思いますね」
「ちょっと失礼しますわね」
ユウキをローザは邪念を振り払ってスキルを使って見詰める。
ローザに限らず一定の者が持つスキルに『鑑定』と言った物がある。
これは内部ステータスと呼ばれる物を、見詰めている時間に応じて徐々に解き明かしていくスキルである。
人だけでなく物にも有効であるが、一定距離以内で一定時間以上見詰める必要があるのだ。
この世界のレベルアップシステムが自分と同レベル以上の命を奪わなければならない、と言う事からこの鑑定は必須とも言えるのだ。
「・・・」
「・・・」
見詰め合うローザとユウキ。
ユウキはローザのスキルが見詰め返さなくても効果を発揮すると言うのは知らず、会話の途中で見詰められたので見詰め返しているだけである。
会話をする時は相手の顔を見て話す、それがユウキが子供の頃からしっかりと両親に教え込まれた常識であるからだ。
だが先日から初恋とも呼べるほど気持ちを持っている相手に見詰め返されている状況で、ローザの内心はバクバクであった。
それでもこれは必要な行為だと自分に言い聞かせスキルを発動させ続ける・・・
「・・・」
そして、それを直ぐ横で見ているシズにも変化が起こっていた。
見詰め合う2人がまるで今にも口付けを交わしそうで、メイド服の裾をギュッと気付かない内に握り締めていたのである。
シズにとっても初めて感じる嫉妬の感情、だがそれを嫉妬と認識していないシズはそれに気付かずに居た。
「・・・僅かですがステータスの上昇は確認できましたわ」
限界だったのかローザが顔をそらして口を開いた。
長い耳がピクピクと真っ赤に染まりながら痙攣し、ユウキに対して親愛と好意を示すのだがエルフ以外にはそれは分からない。
それを安堵しつつもローザは続ける。
「ですが本当に僅かですわね、見えたのは基礎となるステータスだけですが私の覚えている限りでは数値として1か2程しか上がってないですわ」
「それでも一応強くはなっているんですね!」
ユウキは知らないので嬉しそうな笑顔を見せる、だがローザにとってそれは悲しい事実なのだ。
通常レベルが上がるとその度に詳細は変化するが、一定量以上のステータスの上昇は毎回起こる。
それがユウキは殆ど変化をしていないのである。
事実、力を込めたシズやハナに対してユウキは同レベルの6に達してもこのままではまるで歯が立たないのである。
「そう・・・ですわね」
「ありがとうローザさん」
真っ直ぐな気持ちの感謝をするユウキに対してローザはユウキをそのまま抱きしめた。
座っているユウキを立っているローザが抱きしめたのでユウキの顔はローザの胸に埋まる。
だがそれは決して性的な事ではなく、ローザは考えてしまったのだ。
魔王バラモヌが復活し、ユウキは戦わなくてはならない。
だがこの基礎ステータスとレベルアップの上昇を見る限り、かなり過酷な日々が待ち受けているのは確実である。
「ごめんなさい、私達が沢山フォローしますからね」
「ふえっ?!ちょっローザさん?!」
相変わらず力のステータスの差が凄まじく、胸に抱きしめられるユウキは抵抗してもまるで歯が立たない。
そんな2人を見て胸を痛めるシズ・・・
そして、部屋の前で会話を聞いていたゼロは思考を巡らせていた。
(レベルアップの際のステータス上昇を確認する手間が省けたのは良いが、それも人並み以下なのか・・・)
ローザがユウキを抱きしめている姿を見てゼロはローザの気持ちを理解する。
事実、騎士団の団長を務めるゼロは部下達のステータスに関しても出来るだけ頭に入れて編成などを行なう。
その為、生まれや立場ではなく実力や成長具合も考慮する必要があるのだ。
その中でもユウキは過去に例を見ないほど弱いと言うのがローザの態度で理解できたのだ。
「願わくば裏方で能力を発揮できるタイプであればいいのだがな・・・」
そう呟いて部屋にノックをするのであった。
「それでは今日はここまでにしましょうか」
「はい、ありがとうございました」
ゼロがユウキに対する講義を少し早めに終えて部屋を出て行く。
歴史と共に地理を学んだユウキは座ったまま「んんっ!」と伸びをする。
「お疲れ様ですユウキ様」
シズがユウキに声を掛けて笑顔を返す。
その微笑に間違い無く心を打ち抜かれているシズ、表情には出さないが心躍っていた。
「シズ、夕食まではまだ時間があるようだから、ユウキさんは部屋に戻ってもらうわね」
「畏まりましたローザ様」
そして、ローザと共にユウキは自室へ向かう。
昼以降ハナが一度も個室に来なかったのが気になるユウキであったが、部屋を出てから妙に密着するローザの態度に驚き直ぐに忘れてしまう。
まるでカップルの様に腕を組んでくるローザの態度に違和感しかないのだが、悪い気持ちは持たないのでそのままにしていた。
文化の違いで何かあるのかもしれないし、この行為自体が何かスキルを使うのに必要なのかしれないと考えたのだ。
そして、それは事実でもあった。
ローザはユウキに対して幾つかの加護の魔法を使用する為に触れていたのだ。
バラモヌが復活し数日、そろそろ何か動きがあってもおかしくは無いのだ。
その中には暗殺と言った類が無いとも言い切れない、それに対処出来るようにローザは腕を組んでユウキに補助魔法を重ね崖していく・・・
炎抵抗、冷抵抗、雷抵抗、物理抵抗、呪抵抗・・・
効果は一定時間しか続かないが必要な事なのだ。
「これは・・・」
「私の魔法ですわ」
自身の体をローザの魔法が包み込む感覚にユウキも気付いて驚く。
そして、それがローザが自分を守ろうとして使用してくれている魔法だと理解し、ユウキは抵抗せずにそれを受け入れる。
実は肌が触れているだけでこの魔法は使用できる、なので手を繋ぐどころかローザが指先で触れるだけで良かったりするのだが、腕に抱き付いてユウキの肩に頭を乗せる必要は本来全くない。
知らぬがほっとけ、である。
「それと一つお知らせがありますわ」
ユウキの部屋が近付いてきた時にローザが口を開く。
そして、ユウキが部屋の扉を開いて驚きを露にした。
「お帰りなさい、ユウキ」
そこにはメイド服ではなく私服姿のハナが立っていた。
動きやすい肌着に花柄のスカート姿である。
さん付けではなく呼び捨てにされた事にユウキはドキッと胸を躍らせた。
そして部屋が色々と変えらえておりユウキは驚く。
特に目立つのが、ベットが大きくダブルベットになり、タンスの様な物が設置されていた。
「今日からハナも一緒の部屋で暮らせる事になりましたわ」
「えっと・・・えぇっ?!」
そう、昼食の間に出て行ったハナはアリア姫の所へ行って交渉してきたのだ。
そして、許可が下りて自室からユウキの部屋への引越しを日中行なっていたのだ。
それは今夜からは朝までハナと一緒と言う事である。
夜中にユウキとの行為の後に部屋を抜け出して、自室に戻る必要が無くなったということなのだ。
更に・・・
「これからは二人共どうぞ宜しくねユウキさん」
「へっ?」
ローザはユウキの腕に抱きついたまま告げる。
そう、ローザは言ったのだ。
今日からハナ『も』と・・・
少々混乱するユウキにハナが近付き、ユウキに口付けをする。
フワッとハナの香りがした。
彼女のユニークスキル『アロマヒーリング』で疲れを癒しているのだ。
といってもキスする必要は全く無いのだが。
「ふふっ、私は後で良いので食事の時間まで2人で先にどうぞ」
そう言ってローザはユウキから腕を解いて部屋を出て行った。
彼女も部屋を移動するのに必要な物が色々あるのだろう。
そう考えるユウキの耳にそれは聞こえた、いや聞こえてしまった。
「ずるい・・・私とユウキの2人だけの部屋の予定だったのに・・・」
ローザを見送ったハナが少し沈んでいたのでユウキはハナを抱きしめる。
自分にとってやっぱり一番はハナなのだ。
そのユウキの背にもハナの腕が回され2人は自然とベットの方へ移動する。
「ユウキ・・・」
「ハナ・・・」
2人はどちらと言わずキスを交わして互いの体を自然と撫で合う・・・
そこに居たのは勇者とメイドではなく互いを求めるただの男と女であった・・・
そして、ハナはまだ知らない・・・
この後ユウキの真の能力をその身をもって味わうことになるとは・・・