※この作品はR-18です。

TSF短編集   作:ゔぁいらす

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初めて描いたオリジナルのTSモノ小説です。

成分:他者変身、改変、異能、女体化


客層キー(非R-18作品)

僕はコンビニでアルバイトしているしがない24歳のフリーターだった。

僕の働くコンビニのレジには客層キーというキーがある。会計をしている客の年齢や性別を大雑把に判断しそれに当てはまるキーを押すと言う物だ。

別にレシートに印字される訳でもなくただ統計としてのデータが取れるだけでそんなもの僕はどうでも良いし店長も気にしないと言っていたので僕はいつも適当なキーを押して会計をしていた。

そう。あの日までは・・・・

 

僕はその日もいつもの様にレジで接客をしているとガラの悪そうな老人がズカズカと店に入って来た。

「いらっしゃいませー」

僕は条件反射の様にそう発声する。

その老人はそのままレジの方まで一直線にやって来て

「タバコ」

とだけ言った。

「はい?」

僕がそう聞き返すと

「タバコやって言ってるやろ!」

その老人はそう怒鳴り散らす

ああーめんどくさい客だ・・・・僕は少しげんなりしながら

「申し訳ありませんお客様・・・どのお煙草でしょうか?」

と尋ねた。すると

「あれやあれ・・・・」

あれってなんだよ・・・・全く・・・自分で買う煙草くらい覚えとけよ僕も少しイライラして来たので

「お客様どちらですか?」

と後ろの煙草の陳列されているケースが見やすい様に横にずれた。

すると老人は

「あーあれやあれ」

と指をさす

「こちらメビ○スの8ミリですね?」

僕はそれを取り出して間違いが無いかどうかを確認する

「は?メビ○スってなんじゃ!?ワシが欲しいんはマイルドの8ミリじゃ!!!」

また老人は声を上げる。マイルド○ブンがメビ○スに変わったのまだ知らないのかこのジジイ・・・・それに何の煙草か分かってるなら最初から言えよ・・・僕は心の中でそんな不満を漏らしながら

「あの・・・お客様?これがそのマイルド○ブンなんですよ。数年前に名前が変わったんです」

僕は渋々分かりやすくその老人に説明するが

「はぁ?マイルド言うたらマイルドやろ!?お前何いうとんじゃ!?まあええわ・・・それくれや」

またこのジジイ怒鳴りやがった・・・こいつ自分が間違ってるのを認めたくないから仕方なしでそれにしてやるみたいな感じを装うつもりだ。全く・・・店員をなんだと思ってるんだ?ジジイの介護なんて給料に入ってないんだけどなぁ・・・

僕は心の中で不平不満をもらしへこへことその老人に頭を下げレジにメビ○スを通した。

すると

『年齢確認ボタンをタッチしてください』

という音声がレジから流れる。しかしその老人はそんな事知らないと言わんばかりに

「おい!早よせえやトロいなぁお前・・・・」

とまた悪態を突いてくる。

僕はとっとと帰って欲しいので

「お客様・・・そちらのタッチパネルのボタンを押して頂かないとレジが通らない様になっているんですよ。お手数ですがタッチをお願いします」

僕は老人にそう促す。しかし

「何が20歳未満じゃ!ワシが20歳より下に見えんのか!?」

老人はまた気に障ったのかそう怒鳴ったあとタッチパネルをドンと叩いた。はぁ・・・態度悪いジジイだなぁ・・・もしパネルこわれたら弁償出来んのかおまえは・・・僕はそう思いながらも

「440円です」

と言った。すると

「ああ今これしかないねん」

そう言うと悪びれもなくポケットから取り出したビニール袋をひっくり返し、そこに入った無数の一円玉をレジにじゃらじゃらと撒き散らした。

「これ、440円分見ろや」

そのふてぶてしい態度に僕の堪忍袋の緒が切れた

「すみませんお客様・・・同じ小銭は20枚以上使えない事になっているんですよ」

僕はそう老人に言った。しかしそれをはいそうですかと言う訳もなく

「はぁ?何言うとんねん?ワシ客やぞ!?やれや!」

老人はもはや癇癪と言って良いレベルで僕を怒鳴りつけた。

はあ・・・このままおとなしく帰ってくれる訳もないだろうしなぁ・・・・

僕は渋々440枚1円玉を数えた。

「440円丁度お預かりします」

僕はそう言って1円玉をレジに入れると

「ホンマお前トロい奴やなぁ!」

まだ言うかこのジジイ。僕は流石にぶん殴ってやろうと思ったがそんな事出来る筈もなく

はぁ〜このクソジジイもっかい1から人生やり直してくれ!!僕はそう思いながら10代未満の客層キーを押した。

もちろん煙草は20歳以上でないと買えないのでレジにはエラーが表示される。

「おいお前何ちとんねんはよせえや!!」

老人はまた僕を怒鳴りつけた。しかしそのとき不思議な事が起こった。

僕はその光景に目を疑う。

目の前に居たのは老人ではなく5歳くらいの女の子だったのだ

「あれ・・・・?」

僕は目を擦るがその先に居るのは女の子のままだ。

「おい!はよちぇえや!わちええかげんおこるで!!!」

目の前では女の子がきゃんきゃんと僕にそう言っている。一体どうなってるんだ・・・?

「あの・・・・さっきまで居たおじいさん知らないかな・・・?」

僕は女の子にそう問いかける

「はぁあ?わちはずっとここにいるやろ!!かねはらったんやからはよたばこだせや!!」

見た目から何から違うがその口調はさっきまで居た老人そのものだ。しかし老人が女の子になるなんてそんな事ある訳が無い・・・・しかし流石にこんな女の子に煙草を渡す訳にもいかないので

「あの・・・ごめんね。20歳未満の人には煙草は売れないんだ」

そう目の前に居る女の子に言った。

「はぁ?わちが20ちゃいよりちたにみえんのか?ってさっきもいったやろ・・・・ふぇ・・・・・ふぇえええええんたばこはよわたちてやぁああああああ」

女の子はさっき老人が言った事と全く同じ事を言った後泣き出してしまった。

ああどうしよう?そう思っていると

「すみませんうちの子来てませんか?あっやっぱりここに居たのね?」

そう言って女性が店に入って来た

「うえええええええんこいちゅわちにたばこうってくれへん〜!!!!!」

女の子はべそをかいて入って来た女性に言った。

「もう!あなたみたいなちいさい子に煙草なんかうってくれる訳無いでしょ!?すみませんご迷惑おかけしました・・・!」

「はなちぇ・・・!わちちいちゃくないもん!!」

女性は女の子を抱えてそそくさと出て行ってしまった。

はあ・・・なんだったんだろう?

僕は今目の前で起こった事を信じられずに居た。

それからしばらくして僕と同年代くらいの男性がコンビニにやってきた。そしてエロ本のコーナーからエロ漫画をもってレジにやって来た。

うわぁ〜僕この作家さん好きなんだよね。もう新刊出てたんだ。今日は品出しやってないから気付かなかったけどバイト終わったら買って帰ろう。そんな事を思いながら20代のキーを押したのだが考え事をしていた僕はうっかり女性の20代のキーを押してしまった。

すると目の前にはさっきまでの男性ではなく漫画の表紙に描かれているような女性が立っている。

その女性は顔を赤らめて恥ずかしそうに

「あっ・・・ありがとうございます・・・」

と袋に入れたエロ漫画を持ってそそくさと出て行ってしまった。

えっ?さっきまでたしかあの人男の人だったしあんな美人じゃなかったよな・・・・?

僕は不思議に思いさっきまでに起こった事を整理した。

そして次にレジにやって来た40代くらいの昼休みのサラリーマンで気の毒ではあるが自分の頭に浮かんだ仮説を試してみる事にした。

しかしあまり変化があってはいけないと思ったので僕は会計時に頭でOLを思い浮かべながらさっきと同じ様に女性20代のキーを押す。

すると目の前の40代くらいのサラリーマンは見る見るうちに20代くらいの初々しいOLへと姿が変わっていった。

「あれ・・・・えっ!?胸!?俺どうなってるんだ!?」

彼も変化に気付いたらしく驚きの色を隠せていない様だ。

「すっ・・・すみませんトイレお借りしますうううう!」

そのOLはそう言ってトイレに駆け込んだ。

その後トイレから

「なっ・・・ない!!なんで・・・なんで俺女になってるんだ!?」

という声がレジにまで聞こえて来た。

それからしばらくしてトイレから出てきた彼は

「とりあえず出社しなきゃ・・・課長になんて説明しよう・・・」

とぼやきながらコンビニを後にした。

まったく日本のサラリーマンというのは自分の性別が変わっても律儀に出社しなきゃいけないのかと思うと僕はこのままフリーターのままでも良いんじゃないかとも思ってしまう。

そんな彼・・・もとい彼女を見て僕は確信した。

どうやら何かを思い浮かべながらこのレジの客層キーを押すと客がその押したキーの年齢くらいの頭で思い浮かべた姿になる能力を得てしまったのだと。

そして僕はその能力を把握するべくその日来る客全てにその能力を試した。そしてその日のバイトが終わる頃この能力を自分なりに分析しまとめた。

 

1.頭で容姿や職業を思い浮かべながら女性の客層キーを押すとその会計をしている客は僕が頭に思い浮かべた容姿でキーを押した年齢に変化する。

2.この能力は男性のみに作用し、女性には何も変化は起こらない

3.変化した男性が元々男だった事を知っているのは僕とその男性だけで、他の人間は元々その男性を女性だったと認識し、そう辻褄を合わせる様に人間関係や周りの人間の年齢等も変化する。例えばあの老人を迎えに来た女性は調べた所元々はその老人の娘でその後に来た高校生のカップルは女友達と言う事になっていた。

4.変化した男性の記憶や人格までは書き換えられずに元の男性のままだが知識や精神年齢などは変化した後の物が優先される。

5.僕以外の人間がそのレジを操作しても何も起こらないし僕がそのレジ以外を操作してもこの能力は発動しない。

 

この能力にはそんな5つの条件が有り、レジに不思議な力が宿った訳ではなく僕自身に宿った超限定的な特殊能力だと言う事がその日のうちに分かった。

僕は次の日からカンに触る客を片っ端から好き勝手に女性に変えていった。

風呂に入っていないような浮浪者を10代のアイドルに、ヤンキーを70代の老婆に、横柄な態度のオッサンを小学生3年生の女の子に、高校時代に僕をいびっていた部活の先輩を不細工な女子高生に、小学生の悪ガキを40代の美魔女に、エロ本を立ち読みしていた中学生をキャバ嬢に、酔っぱらいのオッサンを黒ギャル女子高生に、恋人の前だからと粋がっている男を30代の美人CAに・・・他にもついうっかり楽しみにしていたアニメの事を考えながら接客をしていたら見るからにキモヲタみたいな男がそのアニメのヒロインにそっくりな姿になっていた事もあった。

僕はいつの間にか自分自身は正義の元にその能力を振う神にも等しい存在なのではないかと錯覚する様にまでなっていたが、その反面女性客には全く効果がないので態度の悪い女性客へのイライラは能力を手に入れる以前よりも増していたのでそのストレスを解消せんとばかりにいつしか来店する男性客をもれなく変化させる様になっていた。

変化した男性の反応はすぐに気付くもの、気付かず出て行く者、コンビニを出てから気付く者など千差万別で見ていて飽きなかったし何より見ていて楽しかった。

中でも一番面白かったのが

「ぼくおとなになったらなおちゃんとけっこんするー!」

「わたしもともくんとけっこんするー!!」

なんて言いながら入って来た幼稚園児の男の子と女の子の2人組の男の子を20代の花嫁に変えてやると女の子の方はその花嫁の娘と言う事になっていた事でそれはとても興味深かった。

さっきまで結婚を誓い合っていた女の子に突然ママと呼ばれて突然の変化にどうすれば良いか分からず泣きじゃくる花嫁、その後その花嫁の夫を名乗る人物がやって来て事無きを得たがその後あの子達はどうなったのか?とても気になっている。

そんな感じでどんどんと僕の力で客を女性に変えていき、いつしか町には女性が多くなっていった。

それだけでなく老人を若い女性にしていったので僕の町の高齢化問題は著しく改善していったし素行の悪い不良やガラの悪いオッサンもまともな職業に就く女性に変えたりや暴れられないような姿に変えたりしていったので町の治安も格段に良くなっていった。

もはや僕を止められる者など居ない!!僕こそが神だ!!ブゥワハハハハハハハ!!!!なんて悪趣味な高笑いすらもはやその時の僕には恥ずかしくも何ともなかった。なんたって人とその人を取り巻く環境を思う通りに変化させる事が出来るなんていう凄まじい力を僕は持っているのだから!!!!

 

そんなある日・・・

「君〜今日新人入っってくるから色々教えといて〜」

僕は店長から新人の研修を押し付けられた。くそぉ・・・相変わらず人使いの荒い店長だ・・・でも店長は基本的にこのコンビニで買物をすることはないので女に出来ないしクビになってしまってはこの能力が使えなくなってしまうので僕は渋々彼の言う事を聞いてやっている。

でももし店長にこの能力が使えたらどんな女性にしてやろうか・・・?僕はそんな事を考えながら今日も接客をしていた。

それからしばらくすると。

「おはようございます!私、今日からこのコンビニでアルバイトする事になりました!新井由貴です!よろしくお願いしますっ!」

そうはきはきと挨拶をしたのは可愛らしい女性だった。

やばい・・・超可愛いじゃん・・・・僕はそんな彼女に一目惚れしてしまった。

僕は先輩であり神だ。だからきっと僕が告白すれば彼女は僕と付き合ってくれるだろう。

僕の増長した自意識がそう自分に語りかける。

そして彼女にレジの打ち方や接客等を格好をつけながら教えるところから始めたが彼女の飲み込みが悪いのなんの・・・レジのうち方すら覚えられず僕が横に居なければ何も出来ない酷い有様だった。何故僕の言った事を理解出来ないのか?何故僕の思い通りにならないのか?最初はそんな感情をぐっと堪えて良い先輩を演じていた僕だったが途中から僕はどんどんイライラして

「なんでわかんないんだよ!?これくらい出来て当然だよね?」

と高圧的な態度を彼女にとる様になっていた。

「はいっ・・・・ごめんなさい・・・」

彼女は申し訳無さそうに頭を下げる

「ああもう何でこんなのでバイトしようと思ったの!?親の顔が見てみたいよ全く・・・」

僕は彼女にその日一日厳しい言葉をかけ続けた。そしてその日僕は彼女よりも早く退勤する事になっていたので後の面倒は店長になすり付けてさっさと帰る事にした。あっ、そうだ。洗剤が切れてたんだ。帰りに買って帰らなきゃ

僕は制服から私服に着替え洗剤を持ってレジへと向かった。

もちろんレジに立っているのはダメダメな新人の女の子だ。

そして彼女はレジに洗剤を通し

「324円です・・・・すみません・・・この後どうするんでしたっけ・・・?」

彼女は申し訳無さそうに僕に聞いて来た

「ああもう!何回言わせれば分かるんだよ!お金をもらったら客層キーを押すんだよ!!ほらここだよここ!!」

僕はレジ越しに手探りで客層キーを押す。

そのとき異変が起こった。

あれ・・・身体がなんか変だぞ・・・・?

僕はまさかと思い自分の押した客層キーを確認した。するとそのキーには女性10代と書かれている。でも僕は何も思い浮かべていない。それなのに変化するなんて一体どうなっちゃうんだ・・・・?

僕の身体は徐々に変化していき服は私服からコンビニの制服へ・・・そして髪は伸びていった。

僕はすかさず鏡を見る為にトイレへ向かう。その間にも身体はメリメリと音を立てて変化していきトイレに着く頃にはもう遅かった。

「あれ・・・噓!?僕新井さんになってる?」

その声も鏡に映し出された姿もダメダメな新人バイトの新井さんそのものだった。

僕は走ってレジに入り何度も自分の姿を思い浮かべながら男性20代のボタンを連打するがもちろん何も変わらない。そう言えば新井さんは何処に行ったんだろう?さっきから姿が見えない。

すると

「由貴!何してるの!?」

そう僕を怒鳴りつける声がする。由貴・・・?それは僕の名前ではない筈なのに頭ではそれを自分の名前だと認識している。これはあの能力のせいだ。僕は本当に新井さんになってしまったのだ。

そしてその声の方に振り返るとそこには新井さんに良く似た40代くらいの女性が立っている。そして僕はそれが誰なのか認識する事が出来た。お母さんだ。正確には僕のではなく新井さんの・・・・

「あんたねぇ・・・バイトしたいって言うから私のパート先を紹介してあげたのに初日から何やってんのよ!?私に恥かかすんじゃないわよ!!全く・・・どうして由香はあんなにしっかりしてるのにあんたはいつもそうなの?」

お母さん・・・いや彼女は僕をそう叱りつける。彼女の言う事には僕は高校生になってアルバイトを始める事になり、彼女が働くバイト先であるこのコンビニで働くという事になったらしい・・・我ながらご都合主義にも程がある能力だ。僕が新井の親の顔が見てみたいって言ったからこんな事になってしまったのか・・・僕はその日から新井由貴として生活する事になってしまった。

その後家に帰ってから分かった事だがお母さんが言っていた由香という人物は僕の双子の姉に当たる人物で今の僕に瓜二つな容姿をしていて推測するに元々の新井さんが置き換わった姿らしい。彼女はとても非の打ち所がない女性で、多分僕が新井さんに完璧を求めたからそうなったのだろう。全く我ながら凄まじい精度の能力だ。

彼女に完璧を求めた結果僕は皮肉にも見下していた彼女と比べられて生きていくことになってしまったのだ。

そして元の僕はどうなったのかというとコンビニでは僕の代わりに新井さんの母親がずっと働いている事になっており、僕自身にまつわる物は全て消えていて元々居なかった事になっていた。もちろん能力も何度も試したが特に何も起こらず終いで僕の存在は能力とともに完全に消えてしまったらしい。

元の僕は我ながら変な超能力を持った人間にしてはあっけない最期を遂げたのだった。

というか今となっては僕の存在と僕の能力が本当に存在したかどうかなんて証明出来る人間など誰1人として居ないので僕は最初から新井由貴だったのではないかとさえ最近では思い始めていて、今の僕はしがない女子高校生アルバイトとしてせっせとあのコンビニで新井さんのお母さんや店長に怒鳴られながら毎日働いている。

 

(終)

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