「なあ大和……ここまで来といてなんやけどホンマにええんか?」
二人がやってきたのは街の外れにある寂れたホテルだった。
虎太郎は戸惑いながらも大和を連れここを訪れチェックインを済ませ部屋に入ったまでは良かったのだが自分がやっていることが本当に間違いではないのか急に不安になってしまう。
「何を今更。お前が連れてきたんだろう? 男が一度決めたことをウジウジと悩むな。今夜は男らしくしっかりエスコートしてくれよ?」
そんな不安そうな彼の表情を見てか大和は優しく微笑んでみせた。
「あ、ああうん……でもアレだけ男だから……とか言ってたのにホンマにお前のこと女として好きになってこんなことしてええんかなって急に不安になってきて……」
「ああ。確かに俺は男だ……いやもう身体は女なんだが……それを今まで受け入れないようにして生活してきた。でもお前と一緒に居るうちに女の身体であることを忌避する必要はない。そう思えたんだ……それにさっきの言葉も本来俺が男であれば突然同性の同僚から好意を持たれているなんて言われて嬉しいはずがないのに嬉しかったんだ。だからこの身体が……ちゃんと女なのかどうか確かめたくてな……だから頼む。お前がそんな俺のことが好きだと言うのなら俺のこの身体のこと……お前に任せてみたくてな」
「大和……」
「今更何を迷ってるんだ? 男なら一度決めた事をウジウジ悩むんじゃない! 俺だってそうやってお前にこの身と心を預ける決心をしたんだからな!? 結構恥ずかしいんだぞこれ……」
その言葉は以前から何も変わらぬ大和そのものだと思えた虎太郎は緊張がほぐれたのか笑みをこぼす。
「なんややっぱり変わってへんやん……ま、それでこそワイの知っとる大和や」
「そうだろ? 人はそう簡単には変われないよ。それに俺の生き方を変えるつもりもない。それでも男の心と女の身体……そのどちらも受け入れようと思えたのはお前のおかげだ……そう思わせてくれたこととても感謝している。ありがとう虎太郎」
大和はそう言うとコートと中に着ていたワンピースを脱ぎ下着姿になった。
その下着は今まで彼がよく身につけていた地味なスポーツブラとショーツではなく可愛らしいデザインのものを身に着けていた。
「下着もちゃんとした女モンなんやな……」
「あ、ああ……これも何度か無理やり付けさせられた事はあったが今日はじめて自分の意志でつけてみたんだ。改めて付けてみるとこれが結構快適でな……身につけるのに難儀はしたがいつものスポーツブラよりも収まりが良いし肌触りも……って何をジロジロ見ているこの変態!!」
嬉々としてブラジャーの説明をしていた事が途中で恥ずかしくなったのか大和は胸を手で隠して虎太郎を睨みつけた。
「自分から脱いどいてなんやそれ!!」
「だ、だってお前が俺を見る目がこれまでで一番いやらしかったから……そんなやつにはお仕置きだ。ちょっとの間そこで正座して目をつぶって歯を食いしばってろ」
「は……はい……?」
虎太郎は言われるがまま目を瞑るとしばらくして唇になにか柔らかいものが触れる。
思わず目を開けると大和の顔が真正面にあり唇を重ねていて、彼が目を開いたのに気づいた大和はゆっくりと唇を離す。
「や、大和……!?」
「おいこら目を瞑ってろって言っただろ……? でも結構悪くないなこれ……もう一回良いか?」
そう言うと大和は虎太郎を抱きしめ再び唇を重ねる。
大和の温かな唇とその吐息を感じながら虎太郎も彼を抱きしめ返し、しばらくお互いの鼓動を直に感じていた。
「ぷはっ……2回もキス……してしまったな……」
「お、おう……」
「虎太郎は嫌だったか?」
「そんな訳ないやん……! それより大和からそんな事してくるのに驚いてもうて……」
「俺も驚いてるよ。この身体になってからお前に抱いていた小さな感情がいつの間にかこんなに大きくなっていたんだからな。虎太郎……もう一度聞くが俺の身体と心……お前に預けてもいいか?」
「も、もちろんや! 大和がそれでええなら」
「……ああ。ありがとう虎太郎」
そう言うと大和は両手で虎太郎の右腕を掴んだ。
「虎太郎……お前の手、大きいな」
両手でやっと包み込めるような大きさの虎太郎の手に触れて自分がいかに以前より小さくか細い身体になってしまったかという事を改めて感じ、寂しそうにそう呟いた。
「せやろか?」
「ああ。今の俺の手がそれだけ小さくなったんだな…」
大和は掴んだ彼の手をゆっくりと自分の下腹部に持っていく。
「……触ってみてくれ……なんだか湿っていて落ち着かないんだ。それにちゃんとそういうことができる身体なのか……お前に確かめて欲しい」
「……えっ!? それって……」
「……は、早くしてくれ……!ここまで連れてきておいて何もしないつもりか? あまりダラダラしているとすぐに朝になってしまうぞ?」
「せ、せやな……」
虎太郎は張り裂けそうな程胸を脈打たせゆっくりと大和のショーツの中に指を這わせる。
「ひぁっ……♡」
柔らかな太ももに触れた瞬間いつもの大和はいつもの彼からは想像もつかないほど消え入りそうで弱々しい声を漏らし褐色の肌を跳ねさせる。
そして手探りで指で彼の股間に触れるとわずかに湿った音がしてピクリを身体を震わせた。
「んっ……♡あっ♡」
「大和……? 大丈夫か? もしかして痛かった?」
「い、いや……ここを他人に触られるのは検査の時以来で少しびっくりして……でもあの時よりすっと優しくて温かい……もっと触ってくれ。女になった俺を……」
「ああ。わかったで大和……」
大和に促され優しく指を動かし始めるとその度に彼はピクリと身体を震わせ甘い息を漏らしていく
「んっ……♡あんっ♡こ、虎太郎ぉっ♡そこっ♡そこ……あっ♡そこ触られたら……ひゃんっ♡そこ……いいっ♡」
大和は可愛らしい声と吐息を漏らしながら虎太郎の愛撫を受け入れていき愛液がショーツに湿った染みを作っていく。
「虎太郎っ♡もっとっ♡もっとだっ♡……あっ♡もっと俺に女の体の気持ちよさを感じさせて……ひゃぅっ♡もっと気持ちよくさせてくれぇっ♡」
大和は指で股間を弄られる快感に酔いしれながら更に虎太郎を求めていき、その度に彼を愛おしく思いながら腹の奥から広がるその快感を味わっていた。
そしてしばらくそんな快感に酔いしれているととうとう大和に限界が近づいてきて……
「あんっ♡虎太郎っ♡来るっ♡腹の奥がきゅっ……てっ♡きゅってなるんだぁっ♡あっ♡あんっ♡イくっ♡俺っ♡虎太郎に女としてイかされるぅっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あぁぁぁぁぁっ♡」
大和は快感に表情を歪ませ悦びの入り混じった悲鳴のような声を上げて絶頂を迎えた。
「はぁ……はぁ……虎太郎……お前結構器用なんだな……凄く気持ちよかった……」
「え? マジ? そりゃよかったわ……めちゃくちゃ濡れとるな」
「ああ。しかし女の身体は一回イったくらいじゃまだ満足できないみたいだ……だから……俺の今の身体で虎太郎の事……もっと感じさせてくれないか?」
大和は絶頂を迎えてとろりとした瞳で彼を見つめる。
そんな大和の申し出を虎太郎はゆっくりと頷き受け入れ二人はベッドの上で抱き合った。
「ふふっ……虎太郎、もうこんなに大きくしてるじゃないか。この感触……最早懐かしいな」
大和の指に触れたその感触は今はない男の感触であり少しその硬さに寂しさを覚えながらも自分をみてこんなにも固くしてくれたということに薄っすらと高揚感を覚えながら悪戯な笑みを浮かべてズボン越しに虎太郎の股間を撫でた。
「そ、そりゃあんな可愛い声で喘がれたら嫌でも勃つっちゅーねん……」
「本当にそれだけか……?」
「い、いや……正直これまでもお前と一緒にトレーニングしてた時も勃起隠すの結構大変やって…」
「お前が良く前屈みになっているところは何度も見たことが有ったがずっと俺をそんな目で見てたんだな……♡俺は一応男なのに……いけない奴だな。このヘンタイ♡」
大和はそう言いながら更に虎太郎の股間の膨らみを細い指でくすぐるように弄ぶ。
「や、大和っ……!」
「なぁに俺にもお前と同じようなものがつい半年ほど前まで付いていたんだ。何かのきっかけで固くなることくらい分かってるよ。それじゃあ次はお前のそれも気持ちよくしてやらないとな♡」
大和はそう言うと彼のベルトを緩めてズボンのチャックを下ろしパンツをずらすとそこから固く勃起した肉棒が顔を出す。
「もうこんなに大きくなってるじゃないか……それに先から汁まで垂らして……相当俺の事見て期待してたんだな」
それを見た大和はツンと鼻につく男の匂いを鼻に感じつつ少し前まで自分にも付いていたそれをまじまじと見つめた。
「あ、あんま見んとってくれ……」
「それならさっさと来い……♡そんなに固くしてるってことは入れたくてたまらないんだろ……? んっ……♡ほら……今夜は俺のここ……好きにしてくれて良いから……でも女の体では初めてなんだ……できるだけ優しく……してくれよ?」
大和はそう言って自分の女性器を指で広げて誘惑した。
彼自身も虎太郎のソレを見て更に身体が疼いていたのだ。
「あ、ああ……わかっとるってそんなん」
虎太郎はそんな大和の誘惑を前にしてコンドームを付けるとゆっくりいきり立った肉棒を彼の股間に擦りつける。
その瞬間大和の身体には電流のように快感が走り身体をビクリと跳ねさせた。
「あんっ♡こ、虎太郎の硬いのが俺のに当たって……ほら……そんなウジウジしてないで早くっ……♡早く俺の[[rb:膣内 > なか]]に入れてくれぇっ♡」
言われるがまま虎太郎は亀頭の先端をゆっくりと挿入していくとその度に大和は可愛らしい声を漏らしながら身体を跳ねさせつつ彼の肉棒をゆっくりと受け入れていく。
じわじわと押し入られるその感覚に僅かな痛みと快感を感じながら大和は更に虎太郎を求めていった。
「あぁぁぁぁっ♡虎太郎のがっ……んぅっ♡虎太郎のが俺の[[rb:膣内 > なか]]にっ♡[[rb:膣内 > なか]]に入ってきてるぅっ♡あっ♡ダメだっ♡まだ虎太郎のことちゃんと気持ちよくできてないのにまたくるっ♡虎太郎のチンコ入ってきただけなのにイくっ♡処女喪失してイっくぅぅぅぅぅぅぅ♡」
大和は再び痛みと快感の中で絶頂を迎え膣内をぎゅっと締め付ける。
それが気持ちよかったのか虎太郎の肉棒が更に硬さと大きさを増していくのを体の奥で大和は感じていた。
痛みや身体の中に何かが入ってくる異物感や恐怖みたいな物も少しは感じたが大和はそれ以上に快感を覚えていた。
「はぁ……はぁ……♡女の身体すごいぃっ……♡ちょっとチンコ入れられただけでこんなのとになるなんてぇ……でもっ……♡俺をその気にさせてハジメテまで奪ったんだから最後まで……んくっ♡最後まで責任取れよ……虎太郎っ♡」
絶頂の波が引いてきた大和はゆっくりと虎太郎を抱きしめそう耳元で囁いた。
すると彼はその声にゆっくりと頷き更に大和の奥の奥へ肉棒を進めていき、その度虎太郎の肉棒を大和の肉壺は優しく包み込み受け入れていく。
「んっ♡あぁっ♡虎太郎の……奥まで入ってきてる……♡身体の奥でお前のこと感じる……っ♡」
大和は彼と一つになれた多幸感に包まれ愛おしくなって彼の肉棒を受け入れた自分の腹を優しく撫でた。
そして虎太郎の「動くで?」という優しい声とともに肉棒が膣内を前後に動き奥を何度も突き始める。
「あっ♡あんっ♡やっ♡あぁっ♡虎太郎っ♡虎太郎ぉっ♡虎太郎のが動いて……やんっ♡俺の奥ゴリゴリ突いてくるぅっ♡こんなの知らないっ♡女の身体気持ちよすぎて癖になるぅっ♡もっとっ♡もっとだ虎太郎♡俺にもっとこの女の気持ちよさを感じさせてっ♡お前ももっと気持ちよくなってくれぇぇっ♡」
何度も体の奥を肉棒が前後にかき回し体の奥を突かれるという未知の快感に大和は強制を上げ更に虎太郎を求めていく。
そんな大和の求める声に虎太郎はただただ答え、激しく腰を打ち付け続け、更に手で優しく控えめに膨らんだ大和の胸をもみ始めた。
控えめながらも男の胸板とは比べ物にならない柔らかさを貪るように虎太郎は大和の膨らみを揉み、揉まれる度に大和もくすぐったいような気持ち良いような感覚に酔いしれていく。
「あっ♡やんっ♡胸っ♡胸揉むなぁっ♡下も上も一緒に責められたら俺っ♡俺おかしくなるぅっ♡」
そうこうしているうちに行為は更に激しさを増し、何度も唇を重ね溶け合う様にお互いを求め合う。
もう大和は自分が男だなんてことはどうでもよく、ただただ愛おしい人が自分をこうして求め、愛してくれることが心の底から嬉しかった。
「あぁんっ♡虎太郎っ♡好きだっ♡お前のこと……あんっ♡大好きだぁっ♡」
その声に答えるように虎太郎は再び唇を重ね、とうとう大和にも虎太郎にも限界が訪れる。
「虎太郎っ♡俺っ♡またイくっ♡お前に女の部分犯されてイきそうなんだぁっ♡俺の[[rb:膣内 > なか]]にっ♡俺の[[rb:膣内 > なか]]に虎太郎の出してっ♡俺に女の身体の気持ちよさを刻み込んでくれぇぇっ♡」
大和はそう叫びながら強く腹の奥に力を入れ虎太郎の肉棒から精液を絞り取るように締め付けた。
すると虎太郎ももう限界のようで腰をびくりと動かし大和への愛の言葉を叫びながら彼の膣内へ精液を流し込んだ。
「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡きたっ♡虎太郎の精液いっぱい[[rb:膣内 > なか]]に流し込まれてっ♡俺もイくっ♡イく♡イく♡イく♡イっくぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」
ゴム越しに腹の奥で温かなものを感じながら彼は再び女の絶頂を迎えた。
それからしばらく二人は余韻に浸りながらお互いの身体を撫であったり他愛もない会話をしながらもう以前のような関係には戻れない事を少し寂しく思いながらもお互いのことをベッドの上で見つめ合っていた。
「……虎太郎……凄かった……お前のそれも……女の身体も……これで何もやり残したことは無い」
「せやな……めちゃくちゃに乱れる大和……めっちゃ可愛かった」
「や、やめろ……! 思い出したら結構恥ずかしくなってきた……俺……今更だが本当に女になってしまったんだな……なんだか踏ん切りが付けられたような気がするよ。ありがとう。でもこれは二人だけの秘密だからな?」
大和は顔を赤らめ小さな声で言い、彼の所作が虎太郎には心から愛おしく思えていた。
「大和…… せや! お前の秘密聞いたがてらワイの秘密も教えたるわ」
「……なんだ突然?」
「ワイ実は関西出身でもないし関西に住んでた時期も3ヶ月くらいやねん。球団も阪神より中日のが好きやし……」
「えっ……!?」
「いやな、ワイの両親は結構引っ越しが多くて各地を転々としとって友達もあんまおらんかったんや。それで大阪から埼玉に引っ越したときに大阪から来ましたって言ったら結構みんなの食いつきが良くてな。全然喋られへんのにそれっぽく関西弁喋って新喜劇のギャグパクってみたら新喜劇なんかやってない埼玉の子たちはオリジナルのギャグやと勘違いしてめっちゃウケてもうて……」
そうして虎太郎は大阪に3ヶ月しか住んでいなかったのに関西人キャラを演じる羽目になってしまい、それもまた転校するまでの辛抱だと関西人を演じていたら学校にもすぐに馴染んでしまい更に両親の仕事も軌道に乗りそれから転校することもなく関西人キャラを貫き通すしか無くなってしまったことを明かした。
「それからはもう中学行っても高校行っても見知った顔がおるわけやし実はウソでしたーとも言えへんままずっとこの調子や。でももうこれが板に付いてもうたから今更標準語喋んのもなんかヘンやしたまーに本当のワイってどんなんやったんやろ? って思う事もようあってん」
「虎太郎……」
「やからずっと男やからとか自分に言い聞かせて男らしく居ようとするお前見とったらなんかそんときのワイを思い出してもうてな……やから今日はそんなお前が今まで我慢してた事に付き合おうと思ってん。あんま自分にウソはつかんほうがええで。気づいた時には後戻りできへんくなってるかもしれへんから」
「虎太郎……ありがとう。俺……今日お前と一緒に色々な事をして……少しは自分に正直になれた気がするよ。だから虎太郎……この戦いが」
「ああちょっと待って! この戦いが終わったらワイと結婚してくれへんか!?」
大和が言いかけた所で虎太郎が割って入る様に早口で言った。
「なっ……けけけけけ結婚!?」
予想外の言葉に大和は目を丸くする。
「あれ……ちゃうかった? こういうのは言ったら縁起悪いし大和に言われるくらいならワイが先に……と思てんけど」
「い、いや……流石に結婚……とまでは行かないが戦いが終わってからも俺の側に居て欲しい……それにそれにまたやりたいことができて勇気が出なかったら側で背中を押してほしいと思っただけで……」
「……なぁんやそんなん当たり前やろ? 結婚なんて言うて損してもうたわ。」
「でも結婚……か…………それも悪い話じゃないかもしれないな。一応身体はもう女な訳だし…………こんな俺で良ければ考えておいてやる。ただしお前が言った通り戦いが終わった後でな」
「それマジで言うてる!? しっかしこれでワイに死亡フラグが立ったわけや」
「あ、あまり縁起でもないことを言うな! そうならないように俺がお前を守る。これでも一応日輪特機のリーダーだからな……! だからお前が死ぬなんて……あれ……おかしいな……なんで俺……泣いてるんだ?」
気がつくと大和の目からは大粒の涙が流れていた。
「あれ……?おかしいな……男がこんな事で泣いてちゃいけないのに……俺たちの犠牲くらい地球の平和のためなら仕方のないことだと思っていたはずなのにお前や風磨が死ぬなんてことちょっとでも考えたら悲しくて……怖くて……俺も死にたくないっ……皆に会えなくなるのは嫌だ………………!!」
大和がそう言っている間にも瞳からは涙が溢れてくる。
彼が泣いている所など見たことのなかった虎太郎はそんな彼を見て驚きを隠せなかった。
「ご、ごめん大和……言いすぎてもうた! 冗談やて冗談! ワイは死なへんしお前も風磨も死なさへん様に必死のパッチで頑張るから……ずっとお前の近くにもおるから! やから泣かんといてくれ……!!」
虎太郎は必死に泣き出した彼をなだめようとするが虎太郎の言葉を聞いてその涙は更に勢いをましていく。
「うわぁぁぁんっ……! 虎太郎のバカ! いやアホ!! お前が変なこと言うから色々考えちゃったじゃないか……! 今まで……そんな事ちゃんと考えたこと無かったが失うことってこんなに怖くて悲しいことだったんだな……ううっ……涙が止まらなくなったじゃないか……」
いくら我慢しようとしても涙が止まることはなく、必死にソレを拭おうとする大和を虎太郎は優しく抱きしめた。
「わかったわかった。それやったら今日は満足行くまで泣いたらええ。全部秘密にしといたる。それに男とか女とか関係あらへん。泣きたい時は泣いたらええねん。きっとそれは今の事だけやなくてこれまでずっと我慢してたのがとうとう出てきてもうたんやな……あんま我慢しすぎるのも身体に毒やで?」
「うう……虎太郎……うわぁぁぁぁんっ!! お前は絶対に俺が死なせない……! いやお前だけじゃない! 風磨も地球の人たちだって……ぜぇぇったい守るんだぁぁぁぁぁ!!」
「ああ。せやな……絶対地球も守って三人で生きて帰ろな……」
大和は虎太郎の胸の中でまるで子供のように声を上げて泣きながら決意を新たにし、そんな彼の背中を虎太郎は優しく撫でてやる。
それからしばらくして大和は今日一日慣れないことをしすぎたからか泣き疲れたからか子供のように虎太郎から離れないまま眠ってしまった。
そんな彼の可愛らしい寝顔を見た虎太郎は
(せや……作戦も絶対成功させて三人で生きて帰るんや…………!)
と決意を固め彼を起こさないように抱きしめた。
そのまま二人はベッドの上で抱き合いながら一夜を共にし、次の日ホテルから出ると互いに昨日のことを思い出し少し恥ずかしくなって別々の道を通ってE.G.M.の基地へと帰るのであった。