※この作品はR-18です。

TSF短編集   作:ゔぁいらす

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

世界一のインキュバスになる夢を持った淫魔の少年が一人前の淫魔になるまでの物語です。

成分:可逆、女体化、精神女性化、異世界、サキュバス、シーメール、ニューハーフ、レベルドレイン、ショタ


オレは絶対サキュバスなんかにならねぇ!!(R-18作品)

「オレは絶対に世界一のインキュバスになるんだぁ!」

 深い森の中に少年の声が響く。

 声がした方では二人の少年が何やら口喧嘩をしている。

 はたから見ればありふれた子供同士の口喧嘩なのだが小さな角と翼、そしてしっぽが生えていて彼らが人間ではない事を物語っていた。

 そう。彼らは人間ではなく淫魔の子供なのだ

 そんな二人どうやら将来の話で喧嘩になっているようで……

「あっははははは! いや失敬。弱いオルトロスほどよく吠えるということわざをこれほどにまで体現したヤツを見たことがなくってついつい笑ってしまったよ。 第一君みたいなちんちくりんがこの気高い血族の生まれの僕を差し置いて世界一のインキュバスになんてなれるわけ無いだろう? ニンゲンのメス一人食べたことのない君が?」

 啖呵を切った少年をあざ笑うのは目鼻立ちの整った金髪で赤い目をした少年だ

 それに比べて啖呵を切った方少年は赤い目の少年と比べて背も低く髪も黒くくすんだ色をしていて絵に書いたような田舎の子供と言った外見のお世辞にも世界一のインキュバスになれるとは思えない身なりをしていた。

「う、うるせー! 気高い血族ってムラムラした吸血鬼に無理矢理孕まされただけだってお前のカーチャンから聞いたぜ! 吸血鬼の血が混ざってるクセに血どころかモタート(この世界で言うところのトマトのような果実)ジュースすら飲めねーによく言うぜ!」

「フン……! 君みたいなちんちくりんが幾ら吠えたところで負けケルベロスの遠吠えにしか聞こえないね。 僕と張り合いたいなら人間のメスを何匹か食べてから減らず口を言ったらどうかな? ま、僕はもう何匹ニンゲンのメスを食べたかなんて覚えてないけどね」

 金髪の少年は彼の言うことなどどこ吹く風と言わんばかりに鼻で笑い自慢を仕返した。

「なにをぉ!? ちょっとニンゲンのメスにモテる見た目してるからって調子乗りやがって! オレだって……!」

 その時少年の腹がグウと大きな音を立てる

「おやぁ? もしかして君、お腹が空いているんじゃないかな? そりゃそうだよねぇ。そんな貧相な見た目じゃメスにもありつけてないんだろう? 僕知ってるんだよ? 昨日も街でニンゲンに軽くあしらわれて泣いて帰ってきたってね ニンゲンに相手にされないで帰されるなんて淫魔族の恥だよ!」

「な、なんでそれを……!」

「知りたいかい? だってそのニンゲンは僕がその後頂いちゃったからさ! その時に君を軽くあしらった記憶をそのニンゲンから読み取ったんだよ その時の君の姿が滑稽すぎて危うくヤってる最中に中折れしちゃうところだったね」

「ぐぬぬぬぬぬ……オレだって本気を出したら人間のメスくらい……」

「ああ無理無理 君、貧相なのは身体だけじゃなくてチンコもだろう? そんなんじゃ処女のメスも満足に鳴かせられないだろうに そうだ。君、今からでも女になってサキュバスを目指した方がいいんじゃないかな? どれだけ貧相な身体でもブスでもニンゲンのオスなら拾ってくれるよ……多分ね」

「なにー!? オレは男だぞ?絶対女になんか……サキュバスなんかにならねぇ! ニンゲンのオスに媚びて精を吸うなんて死んでもゴメンだぜ!」

「あーそうかい。ならせいぜいあがいてみるといいよ ま、君の場合サキュバスになる選択をする前に野垂れ死んでそうだけど……あっ、そうだ。これから眷属のニンゲンに会いに行く約束をしていたんだった。 君みたいな落ちこぼれと話してるヒマは多忙な僕にはないのさ せいぜいその貧相なモノでがんばりなよ。 あ、そうそう。最近この辺で淫魔の行方不明者が多発しているそうじゃないか。ケルベロスも歩けば弓(ボウ)に当たると言うだろう? 少しは気をつけることをおすすめするよ。 この僕からかわいそうな君へのせめてもの情けさ。それじゃあねリラくん」

 そう言うと金髪の少年は羽を羽ばたかせて明かりが灯る人間の街めがけて飛んでいった

「くそー……ヴィオのやつ……ちょっと吸血鬼の血が入ってるからって調子乗りすぎだろ……オレだってやればでき……」

 虚勢を張った瞬間彼の腹がまた大きな音を立てた。

「うう……とは言ったもののここ数日何食っても全然腹も膨らまねぇしそろそろオレも大人になりかけてるのか動物の肉だけじゃ全然力も入らねぇし……本当にこのままじゃオレ……選定の夜までに死んじまうかも……早く……早くそれまでにせめてニンゲンのメスを食ってまずはインキュバスにならねぇと……オレがちゃんとしたインキュバスになればヴィオなんて……」

 彼が焦っているのには事情があった。

 まだ彼もヴィオもサキュバスでもインキュバスでも無い存在で、この世界の淫魔の子供は外見的な特徴を個人差はあれど自由に雌雄どちらの姿にも変えることができる。

 しかし年頃になると選定の夜と言われる新月の日にどちらかの姿に固定され、そこで初めてサキュバスとインキュバスへと分かれるのだ。

 その年頃になった淫魔はいわば進路を決め始める頃の学生の様に自分がどちらになるかを思い悩む淫魔をこの森ではよく見かけることができる。

 それに子供の淫魔の段階ではタンパク質を摂ることで自らの栄養分を得ることができるのだがサキュバスやインキュバスとなるとそれだけでなく人の精気と言われるいわば人間の感情や魔力もくらわなければ生きていけない体になってしまい、その兆候が彼にも現れ始めていてこのまま選定の夜までにでも人間の精気を吸うことができなければその頃には餓死してしまう。

 選定とは淫魔の性別を決めるという意味合いだけでなく上手く狩りを行えない者をふるいに掛ける淫魔にとって正に明暗を分かつ夜でもあるのだ。

 

 空腹に耐えながらよろよろと森を歩く彼の耳に他の淫魔たちの話し声が聞こえてきて、その声のする方では淫魔の少女二人が何やら話をしている。

(なんだ? 近所に住んでるリンとルゥじゃねぇか……やっぱりどっち選ぶかの話か?)

「ねぇリンーあんたもうどっちにするか決めた?」

「え、えっと……私はインキュバスになろうかなって……」

「えー意外〜てっきりリンはサキュバス志望かと思ってたわ〜」

「あ、あの……私この大きいおっぱいがずっとコンプレックスで……でね、試しに男の姿になってみたらあの……その……すごくって……ああ……もっとニンゲンのメスをいっぱいブチ犯したい……!」

「そ、そうなんだ……こんなに良いおっぱいしてるのにもったいないわねぇ……ま、ウチはサキュバスかなー 貧乳でも結構需要あるって知れたし! オッサンたちをいじめながらヤるのすっごい楽しかったし精気も美味しかったからこのままいこっかなって!」

「そうなんだ…… はあ……この姿でいれるのもあとちょっとかぁ……この大きいおっぱいともお別れだと思うとちょっと寂しい気もするなぁ……」

「そっかぁ……そうだよね〜 なんか名残惜しいねぇ……でもウチら別々の道を進んでもズッ友だからね!」

「…うん!」

 

 

「くそっ! なんだよリンのヤツ陰気だと思ってたらインキュバス志望だったのかよ!! それも結構楽しそうにしてやがった!」

 彼はずっと気弱な少女だと思っていたリンがインキュバス志望どころかもうどっぷりと女性をもう何人も犯して精を得ている事を聞き、敗北感から逃げるようにその場を離れた。

その時また大きく腹が音を立てる。

「ううっ...あいつにだってできるんだからオレにだって……! ま、まずは一匹だ…一匹でもニンゲンのメスを…………」

 彼はうわ言のようにそう繰り返しながら街を目指してよろよろと歩き始めた。

 

 しばらくして森の入口付近にさしかかると彼は人影と匂いを感じる。

(この匂いは……相当上物のメスの匂い! それに辺りに他の淫魔やインキュバスもいなさそうだしこれはチャンスだ!)

 その匂いは今までに嗅いだことが無いほど魅力的だったようで彼は狙いを定めると獲物を捉える獣の様にその影へと飛びかかった。

「こんな夜中に一人で淫魔の森に近づくなんて不用心だぜニンゲンのメスゥ! このオレ様がお前を食ってや……」

(あれ……? 身体に力が入らない……)

 しかし飛びかかったところで彼の力が抜け意識が徐々に遠のいていく

(くそっ……こんな時にエネルギー切れかよ…… せめてイグナッド(この世界で言うところのフグによく似た生物)の白子でも食べてくるんだった……)

 彼の意識が薄れゆく中

「あらあら……こん……くる……はねぇ……」

 そんな艶やかな声がゆらりと彼の脳裏に響き渡りそのまま完全に意識を失ってしまった。

 

「ん……? ここは?」

 彼が目を覚ますとベッドの上だった。

 辺りを見渡すとそこは誰かの家の寝室の様で、狙った人影から香ってきた匂いがほのかに香っている。

「一体誰がこんな事を……と、とにかくニンゲンの前で力尽きただけじゃなく介抱までしてもらったなんてバレたらそれこそ淫魔の恥だ! 早く逃げなきゃ……!」

 丁度手頃な窓があり、そこから逃げようとよろよろと立ち上がって窓に手をかけようとした瞬間

「あら〜? もうお目覚め?」

 力尽きる前に聞いた艷のある声、そして森の入口で嗅いだ女性の匂いが彼の鼻に香ってきた。

「お、お前! オレが狙ってたメス!」

「あらあらアタシ狙われちゃってたのね〜 でもレディーをメス呼ばわりはダメよ? アタシにはトキシィって名前があるんだから」

「ど、どうしてオレを連れてきたんだ?」

「どうしてもこうしても急に飛んできたと思ったら倒れちゃったから家まで運んできたのだけれど」

 彼の言葉にニッコリと微笑んだトキシィと名乗る女性は優しい口調でそう言った。

「そ、そうかよ……でも礼なんて言わねぇぞ?」

「別にお礼なんて良いわよ。アタシはただ自分がしたいことを下だけだから気にしないで」

 トキシィは彼に優しく笑いかける。

(なんだこのメス……すげえいい匂い……それにおっぱいもでけぇしオレに警戒心すら抱いてなさそうだ…… 淫魔を家に連れ帰るなんてとんだバカだな! 寝てちょっとは回復したみてぇだしさっさと食っちまうか……?)

「な、なあアンタ、オレは淫魔だぞ? 魔物なんだぞ? 怖くねぇのか?」

「ええ全然。こんな可愛い淫魔のボウヤだったら大歓迎! なんだか体調も優れないみたいだし気が済むまでウチに居てもいいのよ? あっ、そうだ。あなたすっごく軽かったしお腹すいてるんでしょう? お口にあうかどうかわからないけれど昨日作ったスープを持ってきてあげるわね」

 トキシィはそう言うと彼に背を向ける。

(何だコイツ……本当に警戒心一つ抱いてないじゃないか! それにスープだって? そんなニンゲンの食うようなモノ要るかよ! それより美味そうなもんが目の前にあるんだからなぁ!)

 彼はこの機を逃すまいと力を振り絞って背を向けたトキシィ目掛け飛びかかりその場に押し倒した

「きゃぁっ! な、何するの?」

「何するのじゃねぇよ決まってんだろ? 淫魔を家に連れ帰るなんて不用心なメスだぜ へへっ……喜べ! お前はこのリラ様の最強インキュバス伝説のいしずえになるんだからな!」

「い、いやぁ!」

「その恐怖の声がオレを求めるヨガり声に変わるのが楽しみだぜ!」

トキシィを押し倒した彼は勝ち誇ったように強気に出てみせると力いっぱいトキシィの服を引き裂き、破れた服からたわわな胸が顕になる。

「や、やめて……」

「やめねぇよ! なかなかいい胸してるじゃねぇか……下はどうなってんだろうなぁ!」

 そして彼がトキシィのスカートを引き裂いた次の瞬間、彼の表情がどんどん青ざめていった。

「な、なんだよこれ……」

 スカートを破ったその先で彼が見たものは下着の中で異様に膨らむ何かだった。

 本来あるはずのないその膨らみを見て彼の手は動きを止める。

「お、お前もしかして……」

「あらぁ? 気づかなかったのかしら? バカなボウヤ♡ 魔法で女っぽく見えてるけどアタシこう見えても男なのよ」

「お、おおおおお男!? お前オスなのか!?」

「ええ。美貌を求めるプリーストよ。ムサい男の姿よりこの姿のほうが若い女の子ともセックスしやすいし色々便利で最高よね!」

トキシィは女ではなく自らの外見を魔法によって女性化させていた男だったのだ。

「じ、自分で美人とか言うなこの変態! オスのクセに女みてぇな格好と匂いさせやがって!!」

「あらあら淫魔に変態って言われちゃったわぁ〜 でもアナタはアタシの匂いに引き寄せられて虫みたいに寄ってきたんでしょ?」

「えっ……?」

「丁度子供の淫魔の角と羽と目玉がほしかったのよ〜 もちろんアタシの美貌の為にね。 だから淫魔の森近くでオンナの香りをばらまいてたってわけ。もう隠す必要もなくなった事だし……えいっ!」

 そう言うとトキシィは彼の両腕を力強く掴んだ。

 その握力は華奢そうな見た目からは想像できないほど強く、簡単に彼を押さえつける。

(な、何だこの力の強さ……! さっきまでとはぜんぜん違う!)

「くそっ……離せ! 離せよぉ! さっきまでのは演技だったのかよ!」

「あらあら本当に騙されてくれたのね。そりゃこんな屈強なオンナノコどこにも居ないでしょう? そりゃ見た目どおりのか弱いオンナノコみたいなフリ位するわよぉ〜それにしてもちっちゃいけど活きのいい淫魔のボウヤだこと。きっと良い美容魔法の触媒になるわねぇ。 だ・い・じょ・う・ぶ♡痛いのは最初だけだから。 まずは視界的恐怖を取り払う為に目玉からくり抜いてあげましょうか。 そしたら抵抗する気もなくなるでしょうし」

 トキシィは舌なめずりをして彼の頬を優しくなでた。しかしその目は先程までの優しいものではなく狂気をにじませている。

(そう言えばここ最近森の近くで行方不明になった淫魔がいっぱいいるって……もしかして全部コイツの仕業なのか!?)

「や、やめろぉ!! なんでそんな事するんだよぉ」

「なんでってそんなの簡単よぉ。アタシが綺麗で可愛くなるためよ。そのためには人間を誘惑する淫魔の素材を触媒にするのが一番なの。男のアタシがこれだけナイスバディでキレイな女みたいな姿になれたのも全部あなた達淫魔のおかげってワケ♡本当に感謝してるわぁ……アナタもアタシの美しさの一部になるのよ?」

 トキシィはまるで高級な料理を見つめる様に彼を見つめ舌なめずりをする。

(やばい……こいつの力も強いしオレも腹減って力が出ないしこのままじゃオレ……野垂れ死ぬより先にこのサイコなオッサンに身体かっさばかれて殺される!!)

「ゆ、許して……ください……! お、オレ……何でもするから……!」

 とっさに出た言葉がトキシィを興奮させたようで

「あらあら何でもするですって……そんな事言われたらアタシ勃っちゃうじゃない……」

 トキシィは下着をずらすとそこから大きな肉棒が顔を出し その大きさに彼は恐れおののいた。

 淫魔の森で見たインキュバスの肉棒に勝るとも劣らないほどの大きさだったからだ。

(す、すげえチンポ……オレのなんかより何倍もデケェ)

「アナタまだ子供の淫魔なんでしょ? それなら女の姿になってアタシを楽しませてよ。そしたら見逃してあげようかしらねぇ」

「い、嫌だ! オレは女の姿になんてならない! オレはこの世界で一番のインキュバスになるんだぁ!」

「がっはっはっはっは! あら失礼。 そんな貧相なモノで世界一になるなんて聞いたらつい笑っちゃったわ」

「な、何を!? オレだって淫魔の端くれだ本気を出せばニンゲンのメスをヒイヒイ言わせられるんだからな!」

「こんな小さいちんちんで女がなびくわけ無いでしょ!」

 次の瞬間トキシィは彼の股間をぎゅっと掴んだ。

 どれだけ小さくともそこを力強く掴まれたらどれほどの痛みが走るかは男性ならば想像に容易いだろう。

「ぎいぃぃぃっ!」

「アナタまだ反抗できると思ってるのかしら? 自分の立場もわきまえられないなんて所詮下級の魔物ね」

「う、うるさ……ひぐぅっ!」

彼が言い返そうとする度トキシィは握る力を強めていく

「折角だし子供淫魔のおちんちんも貰おうと思ったけどあのサイズじゃどのみち使いみちもないでしょうし値段もあんまり付かないでしょうから先に握りつぶしたほうが良いかしら?」

 トキシィは更に彼の股間をギリギリと力を強めながら握り続ける。

 彼は殺される恐怖、そして男として一番大事な部分を握りつぶされる恐怖からトキシィの言うことを聞くしか無かった。

「ぐっ……わかった……わかったから……言うこと聞くからそれだけは許して……」

「あらあら結構物わかりのいい子じゃない。 それならそうねぇ…ほら、まずはしゃぶりなさい? 少しでも歯を立てたら生きたたま解剖してあげようかしら?」

 そう言うとトキシィは彼の両角を掴み彼の顔を股間部へ持っていき無理矢理肉棒をしゃぶらせようとした。

 肉棒を目の前にした途端ツンと鼻を突く匂いが彼の嗅覚を刺激する。

「うぅっ……」

(く、臭っせぇ……サキュバスになったらこんなのしゃぶらなきゃいけねぇのかよ……そんなの死んでも嫌だ……! で、でも変に逆らったら殺される……それはもっと嫌だ!こんなことは今日だけだ このピンチをなんとかしてオレは一人前のインキュバスになるんだ!)

 彼が意を決して口を開けたその瞬間

「あらぁ? しゃぶらないの? それじゃあこっちの好きなように使わせてもらうわよ!」

 業を煮やしていたのかトキシィは彼の口を無理矢理こじ開け大きな肉棒を強引に口の中にねじりこんだ。

 トキシィのそれは一瞬にして彼の小さな口内を貫き喉の奥まで入り込んでいく

「んぶっぐぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!」

「はぁっ……ほら、何でもするんでしょ? それならアタシの為にオナホになりなさい! 口はオスだろうがメスだろうが関係ないんだから!はぁっ……♡子供淫魔の口……最高っ!」

「ん”ぐっ……ぶむっ! お”ごっ……! んげぇっ!!

 トキシィは彼の口に肉棒を入れるや否や手を緩めること無く腰と両手で掴んだ彼の頭を激しく動かして乱暴に 扱い、彼は苦悶の声を上げるが肉棒で口を塞がれ曇った奇声となって部屋に響く。

「ん”おっ……お”ぐっっごぉぉぉぉぉぉ!」

(苦しいっ……それに臭いし気持ち悪い……)

 彼はもはやトキシィにされるがまま声にならない声を上げるしかなかった

「ほらほらアタシをもっと気持ちよくしてもらわないとアナタ死んじゃうのよ?」

「んぉぉぉぉお”っ……んぁっ♡……あぐぅっ! ……んっ♡」

 最初は苦しみの声を上げていた彼だったがその声の中に徐々に甘い吐息が混じり始める。

(気持ち悪いはずなのに……臭くて嫌なはずなのになんでオレ…………こんなドキドキしてるんだ……? そんな……オスのチンポ加えさせられて気持ちよくなるなんてどうかしてるのに……)

「んっ……んむぅっ……んぉっ……んむぅぅっ♡」

「お”ほっ♡良いわよアナタ……こんな無理矢理させられてるのにその気になってきたなんてさすが淫魔ね♡ほらそろそろ射精するからアタシの濃厚なザーメン全部飲みなさい♡んぉ”っ♥出る出るっ♥子供淫魔の口マンオナホでイっちゃうわぁぁぁ♡」

 次の瞬間彼の口の中に濃厚な精液が勢いよく流し込まれた

「んぶっ……んっ……ぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

 射精が終わり肉棒が精液で糸を引きながら彼の口からゆっくりと抜かれ、口からドロドロと白く濁った濃厚な精液が垂れて床に落ちていく。

「ふぅ……気持ちよかった。アナタなかなか良いじゃない」

「……げほっ! げほっ……! おえぇっ!! に、苦げぇ……」

(ニンゲンのオスに無理矢理チンコしゃぶらせられて精液まで飲まされて最悪だ……で、でもなんだこの感覚……なんか身体が熱い……それにすげえ苦いはずなのになんでこんなに美味しいんだ……? いや……これは久々のメシだったからであって断じてニンゲンのオスの精液なんか……なのになんで……? オレなんでこんなにドキドキしてるんだ?)

 彼の胸の高鳴りは恐怖や怒りの感情によるものではなかった。

 その時彼の身体に異変が起こる。

 

「ふぅ……最近ご無沙汰だったからいっぱい出しちゃったわ♡ アナタ世界一のインキュバスになるって言ってたけどサキュバスの方が向いてるわよ」

「う、うるさい……ぐっ……あっ……身体が……なんか…………うっ! あぁっ!!」

 次の瞬間彼の身体が小さく痙攣し始めもともと細かった腕はさらにか細く、そして体全体が柔らかみを帯びていった。

「あらあらさっきまで女の姿になんて絶対ならないって言ってたのにちょっと強引にイラマさせられただけで女の姿に変わっちゃうなんてそうとう淫乱なのねアナタ」

「う、うるさい! オレは女になんて……あれ……? なんか声が……えっ……? それに身体もヘン……」

 トキシィの言葉に反論しようとした彼の声は明らかに前より高くなっている。

 声だけでなく身体に違和感を覚えた彼が身体に目をやると胸元には小さな膨らみが有り、股間に合ったはずの感覚がなくなっていた。

「えっ? ない! チンコがないっ! なんでオレ女になってるんだ!?」

「そりゃ下品でヤる事しか考えてない淫魔なんだからアタシのチンポしゃぶってる間にもっと欲しいとでも思ったんでしょう? でも全然見た目変わらないわねぇ……これなら男でも女でも一緒じゃない」

 トキシィの言う通り女になった彼の姿は少し体の特徴や顔立ちが女性的になっただけで余り男の時と変わらなかった。

「ち、違う……これは身体が勝手に……こんなのオレじゃない……オレは世界一のインキュバスに……」

 いままでサキュバスになることを忌避していた彼は今初めて女の姿になったのだが自分が仮にサキュバスを選んだとしても結局はほぼ変わりがない事に絶望し声を震わせる

(お、オレ……やっぱりダメな淫魔だったんだ…… 女の姿になってもこんな身体じゃサキュバスとしてもまともに食っていけない……)

「それにしてもほんと女の姿になっても全然変わらないのねぇ 女性らしさとおちんちんの大きさは比例するって言ってた人が居たような気がするけどあなた男のときも可愛いおちんちんだったけど女になってもおちんちんと一緒でこんな幼児体型だなんてやっぱりオスの姿でも魅力のない淫魔はメスになっても大して変わらないのね〜」

「う、うるさい……! オレは……オレは……!」

 彼は突きつけられた現実を受け入れることができずトキシィを睨みつけた。

 トキシィの言葉を認めてしまったら彼自身の夢はおろか淫魔として行きていく未来そのものを否定することと同義だからだ。

「あらあら何その反抗的な目、でもさっきよりはちょっと可愛いしそそるわね……それにまだ終わりじゃないのよ?」

「えっ……?」

「あんなのでアタシが満足するとでも思ってた?」

 トキシィの肉棒は先程射精したばかりだと言うのに既に勃起していた。

 それも先程までとは比にならない程に血管をビキビキと浮かせながら

「今までのは前戯よぜ・ん・ぎ♡ やっぱり抱くならメスの淫魔のほうが気持ちいいに決まってるわよねぇ……」

「ひっ……!」

 身の危険を感じた彼は大急ぎで立ち上がり窓から逃げようとするが

「あ、開かない……!」

「バカねぇ。普通鍵くらいかけとくわ……よっ!」

 鍵が開かずに慌てふためく彼のしっぽを掴み、トキシィは力ずくでベッドに叩きつけてその上に覆いかぶさった。

「きゃぁっ!」

「あら、可愛い声出すようになったじゃない♡アタシそそられちゃう。ほらその着てるんだか着てないんだかわかんない服全部脱ぎなさい」

「嫌ぁっ……や、やめ……ろ……!」

 彼の震えた抵抗の声などトキシィ気にもとめず彼の身にまとっていた物を抵抗も虚しく全て強引に引き剥がしていく。

「あらあら……本当に処女なのねアナタ……淫魔のくせに」

「う、うるさい! オレは将来世界一のインキュバスになる男だぞ! 男に股なんか開く訳……んやぁぁっ♡」

 彼は自分に言い聞かせるようにそう言ってトキシィを威嚇したがトキシィに乳首を摘まれた途端甲高い少女の様な声を上げてしまう。

「何よぉ〜そんなナリになって乳首つねられただけでそんな可愛い声上げるクセにまだ言うの? さっきまで気持ちよさそうにチンポしゃぶってたし今はもう女の姿じゃない 無駄にプライドだけ高い何もわかってないガキは嫌いよ アナタはアタシに無理矢理しゃぶらされられただけで女になっちゃう淫乱なメス淫魔なのよ!」

「そ……そんな訳ないだろ!? オレは男……だぞ! 将来は世界一のインキュバスに……ひあぁぁんっ♡」

 トキシィの言葉を必死に否定しようとする彼だったが股間を軽く撫でられてまた甲高い声を上げてしまった。

 彼の股間を撫でたトキシィの指はわずかに湿っており、彼は股間からはぽたぽたと愛液を滴らせている。

 トキシィは指に付いた愛液をこれでもかと言うほど彼に見せつけた。

「口ではそんなこと言ってもおまんこをこぉんなに濡らしちゃって……ほら。アナタのおまんこアタシにやられるってわかってこんなに湿ってるのよ? これだけ全てを否定されて強引に犯されそうになってるのに身体は男を求めるなんてやっぱり淫魔なんてヤれれば何でも良いと思ってる下級な魔物よねぇ〜」

「う、うるさい! オレの事はともかく淫魔の事をを悪く言うな!」

「何よ?もうどうだって良いじゃないそんな事、アナタはどうせアタシが気持ちよくなって飽きたらその後アナタはアタシの美容魔法の触媒になるのよ? アナタにはもう淫魔としての未来はないの。 アナタの未来はアタシの美容の一部になる。 ただそれだけの素材なのよ?」

「なっ……!? 気持ちよくしたら助けてくれるって言っただろ!?」

「嘘に決まってるじゃない。 人間をあんまり信用しないほうが良いわよ? ただ最近魔法薬の調合しててこもりっきりでムラムラしてたから少し気晴らしに生意気な淫魔のガキを犯してやろうと気まぐれで思っただけなんだからぁ♡ はぁっ……♡ 全てを否定され絶望に染まった下等な淫魔を最後にかっさばくのは本当に楽しいの……! ま、最初で最後のセックスなんだし思う存分楽しみなさい……よっ!」

 次の瞬間トキシィがその巨根を彼の女性器に突き刺した

 彼は悲鳴をあげるが女性器はメリメリと徐々にその肉棒を受け入れていく。

「いや……痛いっ……こんなでかいの入るわけ……いっ……ぎぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 彼は自分の中に異物が入り込んでくる恐怖や痛みから悲鳴を上げた

「あらあらいい声で鳴くわね。あははっ! レイプされて処女失う淫魔なんて前代未聞じゃない? これでもまだ自分を男だって言い張るつもりかしら?」

「いっ……痛いぃ……ぬ、抜いてくれよぉ……」

「ええ。お望み通りさっさと気持ちよくなってヌいてあげるわよ」

 そしてトキシィは腰を動かし巨根を彼の膣内への出し入れを繰り返していく

「んぎっ……ひぐぅっ! ……あぁっ……んぁっ♡ひゃんっ♡」

(痛いっ……ニンゲンのオスに入れられるなんて絶対イヤなのに……嫌なのになんでオレの中……こんなにきゅんきゅんするんだよぉ……!)

 淫魔の性なのか腰を打ち付けられる度彼の身体に痛みの中に少しの快感が駆け抜けた。

「んんぅっ♡ あらぁ? とうとう気持ちよくなってきちゃったんじゃない? 急に締め付けてきちゃって」

「あっ♡気持ちよくなんか……ひゃうぅん♡気持ちよくなんかぁ……♡きゃうぅぅん♡」

 口ではそういうものの段々と彼に走る痛みが徐々に快感へと変わり、声は嬌声へと変わっていく。

(なんだよこれ……なんでこんなチンコ入れられるのが気持ちいいなんて…… やっぱりオレが淫魔だからなのか……? こんなの逆らえるわけないっ…… 女のセックス……オナニーなんかよりずっと気持ちいいっ!)

「あっ♡あんっ♡やっ♡やぁんっ♡そこだめっ♡」

 とうとう彼は壊れてしまったのか女の淫魔としての才能が花開いたのかトキシィを誘惑するような声を上げ始める。

 そんな彼を見てトキシィの肉棒は更に硬さを増していき……

「あらあら可愛い声で鳴くようになったじゃない。それじゃあこれはどうかしら?」

 そんな状況をトキシィは面白がったのか更に腰の動きを早め、彼に激しく打ち付け、腰を打ち付けられる度に全身を駆け巡る快感に彼は更に溺れていく。

「んぁっ♡ひぅんっ♡腹がぁっ♡チンコ入れられる度にぼこってなって……んぉぉぉっ♡こんなのオレしらないぃ♡しらないのぉぉぉぉ♡」

(やばいっ! こんなのメスとセックスする前に覚えさせられたらオレもう男に戻れなくなるっ……! 戻る? なんでオレそんな男であるにこだわってたんだ? こんなに気持ちいいのに……そっか。別に男だからって無理にインキュバスになろうとしなくたっていいんだ! だってこんなに気持ちいいんだから それならオレは……!)

 「もっと…♡ もっとオレのことぐちゃぐちゃに犯してぇ♡ 女の気持ちよさもっと知りたいのぉぉぉぉ♡」

 彼はいつの間にか侵される快楽に身を委ねていて、その姿は紛れもなくオスから精液を搾り取るサキュバスそのものだった。

「あっ♡あんっ♡良いっ♡ニンゲンのオスにマンコぐちゃぐちゃに犯されるのいいっ♡」

「あらあらとうとう壊れちゃったのかしら。でも良いわよ……お”ぐっ♥締め付けも良くなってるしアナタ見た目はダメだけどなかなかのマンコしてるじゃない……んぉっ♥やべっ……アタシもうイっちゃいそう……」

「あんっ♡出してっ♡オレにいっぱい精液ちょうだいっ♡オレのマンコにドクドク精液注ぎ込んでぇ♡」

「んぉ”っ♥ええっ……言われなくても膣内にいっぱい出してやるわよ……お”ほっ♥いぐっ♥処女サキュバスマンコでイグゥぅぅぅぅぅ♥」

 トキシィは雄叫びにも似た声を上げ彼の膣内へドクドクと精液を流し込んだ。

「あぁぁぁぁっ♡きてるっ♡精液流し込まれてオレ……マンコでイッちゃうぅぅぅぅぅ♡」

 それと同時に彼も甲高い声を上げて絶頂し、肉棒が引っこ抜かれるとドロリと濃厚な精液が彼の膣内から溢れ出してくる。

(ああ……これがサキュバスなんだ……こうやってオスを誘惑して精を吸い取る……これ……すっげぇ気持ちいい……それにお腹もいっぱい満たされてくる……でもまだこんなんじゃ足りない……もっといっぱい欲しい……! もっといっぱい……?)

 絶頂を迎えた彼の心にはもっともっとたくさんのオスの精気が欲しいという欲望が湧き上がる。

 

「ふぅっ……なかなか良かったわよアナタのマンコ……♡ちょっと素が出ちゃったくらいにはね。もうこれはパーツ取りは止めて両手両足を切り落としてオナホにしてもいいかもね……♡はぁっ……こんな激しいセックス下の久しぶりだしどのみちそれはもうちょっと後にしてあげるわよ」

 そう言ってトキシィが立ち上がった瞬間、彼もベッドの上でよろりと立ち上がった

「ま、待てよ……」

「あら? 今更命乞いしたって遅いわよ? アナタはもうアタシのオナホになるんだから」

「命乞い……? しねぇよそんなもん。 アンタはたった2回っきりで満足なのか?」

 よろりと立ち上がった彼の目は鋭くトキシィを見据えている。

 その目つきは先程までの弱々しいものとは違い、獲物を狙う獣の様だ。

「えっ……? な、何? このプリーストであるアタシとやろうっての?」

「ああ。もちろんヤるつもりさ。 アンタの全部絞り出すまでなァ!」

 彼はか細い腕でトキシィを捕まえ押さえつける。

 「きゃぁっ! 何よ急に元気になっちゃって どのみちアンタみたいなヒョロヒョロの淫魔がアタシに力で勝てる訳…」

 トキシィはそれを振りほどこうとするが彼は全く離れようとしない。

 それどころかトキシィの力強さを逆に利用してバランスを崩させその場に倒れさせてしまった。

「痛えぇ!! ちょ……何するの!? やめなさい!」

「何するってもちろんナニだよ。 アンタに犯されたおかげでオレもう収まりがつかなくなっちまったみたいでさ オスの精が欲しくてたまんないんだ」

彼は倒れたトキシィの股間目掛けて強引に覆いかぶさる。

「は、離れなさい! 離れろ淫魔のガキ風情が! この俺様に…人間様に楯突いてタダで済むと思ってんのかァ!」

 トキシィはもはや女の様に取り繕うのも忘れどすの利いた声で彼を脅すがそんな脅しなど気にもとめずトキシィの肉棒に手を伸ばす。

「淫魔を家に連れ込んだことをあの世で後悔するんだな……! それにニンゲン様だ? 何を勘違いしてるか知らねーけどオレ達からしたらお前らなんてただの餌なんだよ それに口ではどう言おうとアンタのチンコまた立ってるじゃねぇか。 口ではそう言ってもオレとまたセックスできると思って興奮してるんじゃねぇか? やっぱニンゲンなんて気持ちよくなれればどうなっても良い単純な生き物なんだな」 

彼はさっきまでの仕返しと言わんばかりに勃起したトキシィの肉棒を突いて悪い笑みを浮かべ、その妖艶さにトキシィも恐怖を覚えたのか身体を震わせた。

「や、やめ… わ、わかった! もう淫魔の素材を使うのは止める! それにお前を立派なインキュバスにする魔法を教えてやる!だからこの辺で…」

「今更そんなこと言ったって遅せぇよ んふっ♡こんなにチンコ立たせてオレに精を吸い出してくれって言いたげじゃねぇか オレにオスの味を覚えさせた責任んはきっちり取ってもらうからな それじゃいただきま……あむっ♡」

 彼は勃起したトキシィの肉棒を見て舌なめずりをするとそのまままるで赤子のようにしゃぶりついた。

 それからというもの淫魔の森から少し離れた場所に立っていたトキシィの家からは恐怖とも歓喜とも取れない悲鳴と快楽に溺れる女の声が数時間もの間響き渡ったという

 

 そして

「んっ……♡はぁ……なんだよぉもう終わりかよつまんねぇの 悪いな。女になるのもやるのも初めてで加減できなかったぜ」

 部屋には破れた女性ものの服を着た干からびた初老の男性の遺体とそれにまたがり男から精を搾り取る悦びを知ってしまった彼の姿があった。

 彼はトキシィが干からびるまで交わり続け、魔力も精気も全てを吸い尽くされたトキシィは本来の初老の男性の姿に戻り死んでしまったのだ。

「はぁ……それにしてもオレ、なんであんなにインキュバスになることにこだわってたんだろ?」

 干からびた死体の上から降りた彼は今まで自分が男だという観念に囚われ続け維持を張ってインキュバスになると言い張っていたことをバカバカしく思い、そして決意を固める。

「オレやっぱインキュバスになるの辞めてサキュバスになろっと! だってこんなに気持ちいい事できるし……そうと決まれば……たしかこうしてこうやって……んんっ♡あっ♡きたきたきたぁっ」

 彼が指で身体をなぞりながらブツブツと呪文を呟くと身体がメキメキと音を立てて変わり始めた。

 まつ毛は伸び、唇はみずみずしく艶を増し、黒っぽかった髪は鮮やかな紫に変わり腰くらいまで伸びていく。

 身体もフラットな少女のような姿からみるみるうちに胸や尻が膨らみ柔らかみを帯びたむちむちとした女性へと変貌を遂げた。

 この世界の淫魔達の間ではヤり様ヤり真似という言葉があり、淫魔は交わった人間の頭の中を覗き見て知識や能力を多少なりコピーし、完全ではないもののある程度は再現することができる。

 彼はこのトキシィから吸い取った魔力と自らに用いていた美容魔法の知識を使いその美貌を手に入れたのだ。

「ふぅっ…… それにしてもコイツ美容魔法で相当歳とか見た目とか胸とか盛ってたんだな。 ま、それも全部オレが吸い取って使わせてもらった訳だけど……どれどれ? このニンゲンのメス……いやオッサンの美容魔法で盛ったオレの姿はっと……」

 声もか細い少女のようなものから色香の漂う艶のある声へと変わり、歩く度に髪と胸を揺らしながら彼は部屋に置かれていた鏡の前に立ち胸をもんでみたりポーズを取ってみたりして自分の変貌した身体をたしかめる。

 そこには背の低くちんちくりんだった淫魔の子供の面影などもう無く、人間のオスを誘惑して精気を搾り取る事に特化した彼の姿があった。

「これが……オレか……! うおぉ! すっげぇエロいじゃん……胸もこのオッサンよりデカくなったし……んひぁっ……♡すげぇ柔らかくて敏感…… それに……んぁっ♡マンコってこんな形してたんだな……やべ……見てたらまた濡れてきやがった……」

 彼は自分の身体を食い入るように見つめ、気が済むまでその身体を堪能し続けた。

 

「あぁっ♡良いっ♡女のオナニーがこんなに気持ち良いなんてぇ♡こんな事ならもっと早く女の姿になってしとくんだったぁ♡あんっ♡あっ♡またイクっ♡イっちゃうぅぅぅぅぅぅ♡」

 

 こうして自らの女体を堪能しているうちに一夜が明け、彼はトキシィの部屋にあった服を何着か物色し鏡の前に立っていた。

 一度人間の男の精気を味わってしまった彼はその虜になってしまい変装して街で男を食い漁ろうと考えたのだ。

「よし……サイズはちょっとでかいけどまあいいだろ。 この姿ならヴィオに吠え面かかせてやれるわ! あら?アタシなんだか喋り方変になってない? 色々吸いすぎちゃったのかしら? 喋り方までこのオッサンに感化されちゃったみたい。 ま、こっちの方がサキュバスっぽくて良いかもね。 それじゃあアンタがせかせか集めた美貌とやらはアタシが精集めに有効に使わせてもらうわね。さようなら若作りしてたオ・ジ・サ・マ♡」

 まるでトキシィの口調を真似するようにそう干からびた男に吐き捨てたサキュバスはトキシィの隠れ家を後にし、それからというもの選定の夜まで気ままに人間の男を襲い精気を吸い続けたのだった。

 

「はぁっ……もっと……もっとほしいのぉ♡女って……サキュバスってさいこぉ……♡」

 その日からというもの男性の上でそう呟き恍惚の表情を浮かべるサキュバスを見たという証言が後を絶たなかったという……

 

 そして選定の夜当日……

 彼はその後一度も男の姿に戻ることなくままその日を迎えていて、身体に意識を集中させてみるが豊満に膨らんだ胸やしなやかな骨格に変化が起こることはなく女性の姿で固定され男だった頃の身体に戻れなくなったことをその身を持って感じていた。

「んっ……はぁ……ほんとに男に戻れなくなってる……結局ニンゲンのメスは一匹も食べられず終いだったわねー ま、もうそんな事どーでもいいんだけど」

 サキュバスになることにもう何の迷いもためらいもなかった彼だが世界一のインキュバスになると大見得を切っていた事や初めて襲った相手が女性ではなく男性だった事、そして結局選定の夜までに一人も女性を襲うことができなかったことがほんの少し心の奥で引っかかっていた。

「ニンゲンのメスは一匹も食べられなかったけど代わりにオスの方は相当食べてきたし今となっては喋り方も姿もこっちの方がしっくり来るしも決まっちゃえばどうってこと無いわ。 それにあれから一度も男の身体には戻ってなかったしねー ま、これからは切り替えて世界一のサキュバスでも目指してみようかしら? さ、今夜もお腹へったしオス漁ったり眷属作ったりしにいきましょっか! さーてオトナのサキュバスになって初の食事よ! リラちゃんの最強サキュバス伝説がこれから始まるんだから!」

 立派な翼を羽ばたかせて彼……いや彼女が街へ飛ぼうとしたその時

「待ちたまえリラくん」

 彼女をどこか聞き覚えのある声が呼び止める。

 声の先には金髪で赤い目をした気品と色気のあふれるサキュバスが立っていた。

「誰よアンタ。同業(サキュバス)っぽいけど何? アタシになんか用?」

「なんだい君! 僕の事を忘れたとは言わせないぞ! あっ、そうか。失敬失敬。君ほどの記憶力じゃ数日顔を会わせなかっただけで見知った淫魔も忘れてしまうのかな?」

「僕……? それにその髪と目……それにそのイラつく喋り方……もしかして……ヴィオ!? なんでサキュバスになってるのよ!」

 その姿はまるで以前とは違っていたが綺麗な金色の髪や吸い込まれるような赤い瞳、そして鼻にかかけたような態度はたしかに彼をバカにしていたヴィオそのものだった。

「それは眷属のメスを抱いていたときにあまりにも気持ちよさそ……いや急に君がその姿になってサキュバスになると聞いた時は遂に諦めたのかと思ったけれど噂を聞いてからはなんだか君に負けるのも癪でね。僕もサキュバスになることにしたのさ。どうだい? サキュバスになっても僕は魅力的だろう?」

 散々彼のことをバカにしていたヴィオも何故かサキュバスになっていたのだ。

「な、何よ! あれだけインキュバスインキュバスって言ってたのにそんな理由だけでサキュバスになったの?」

「それは君も同じことだろう? それにチンコがなくなったのは少し残念だったけれど僕ほど魅力的なサキュバスとなればニンゲンのオスだろうがメスだろうが抱けるからね」

 ヴィオは勝ち誇った顔をして更に彼の対抗心を煽っていく。

 しかしそのヴィオの言葉で彼の心の中にあった少しの引っかかりが微塵もなく消え去った。

(でもそっか……別にサキュバスになったからってニンゲンのメスから精が吸えなくなるわけじゃないんだ……)

 サキュバスは効率よく人間の男性から性を吸い取ることができるが女性からも少量なら摂取できる。

 食らう目的ではなく楽しむ目的で女性と交わるのも悪くないと彼は思った。

 そんな事に気づかせてくれたヴィオに礼を言いたかったがここで彼を認めてしまうと早速負けたような気になってしまい……

「な、なによ……結局はアタシに嫉妬してサキュバスになっただけのクセに!」

「嫉妬? 僕がそんな事するはずないだろう? 見ておくれよ。この美しい髪、それにこの美しい肌……嗚呼っ……自分で自分に見とれてしまいそうだよ……それに比べて君は頭の悪そうなみてくれになったものだね。そんなのが多いからサキュバスはバカだの下品だのとニンゲンから罵られるんだよ。僕たちはただ快楽と安らぎをニンゲンに提供するのと引き換えにその精を貰う。ただそれだけの種族なのに悪いイメージばかりなのが僕は許せないんだよ」

 ヴィオは伸びた自分の髪を愛おしそうに撫でながら恍惚の表情を浮かべる。

 そんなヴィオの美しくサラサラでシルクのような髪を見て彼女は少し腹を立てた。

「バ、バカですってぇ!? でもアタシのほうがおっぱいは大きいんだから! もしかしてスタイルで負けたからって負け惜しみかしら?」

「ふっ……! わかってないねぇ君は……サキュバスの良さはそんな些末なものだけでは決まらないんだよま、見ててよ。すぐにでも君を超えるサキュバスになってみせるから。 そして所詮君じゃ高貴な僕の足元にも及ばないと証明してあげようじゃないか」

「言ったわね? アタシだって少し前までのアタシと思ったら大間違いよ! アタシは世界で一番のサキュバスになって一時の迷いでサキュバスになったこと後悔させてあげるんだから!」

 こうして選定の夜を越え、一人前になった二体のサキュバスは人間のオスを求め我先にと月のない暗い夜空へ飛び立っていくのだった

 

 

 それから人間の感覚では世代が2~3回変わる程の長い時が流れ……

「あんっ♡良いわよ♡貴方の精をもっとちょうだいっ♡あっ♡あんっ♡貴方童貞のくせになかなか良いおちんぽしてるじゃない♡あっ♡もうだめイクッ♡イクイクイクイクぅぅぅぅぅぅ♡」

サキュバスのリラは今日もせっせとライフワークである精気集めに勤しんでいた。

相手は小太りの中年男性で精気を吸われ気を失っている。

「ふぅ……♡サキュバスで童貞卒業しちゃったらもうニンゲンのメスじゃ満足できないかもね♡ま、でもたまに精を吸いに来てあげてもいいわよ? ってもう気絶してるじゃない まだまだこれからだってのに情けないオスねぇ……」

 リラは気絶した男を指でつついてみるがやはり返事はなく幸せそうな顔をしながら白目をむいている。

「なによもうっ面白くないわね! 眷属から精を吸い取るのも飽きたし久々にオスの踊り食いでもしようと思ってたのにもう辺りのオスの精はみんなヴィオとその眷属に喰われちゃってたから折角こんな僻地までわざわざ来たってのにこんなつまらないオス一匹しか居ないなんてぇ! もっといっぱい精吸わなきゃ満足できないに決まってるじゃない! はぁ……あのマジックアイテムでも手に入れられればヴィオなんて目じゃないのに……」

 どうやら彼、もとい彼女のサキュバス稼業はライバルであるヴィオに大きく差をつけられている様だ。

「ま、精と魔力はなかなかにいっぱい吸えたしこの子の知識とか魔力も吸い取ってやったんだから使えそーなら使ってあげましょっか。この子こんな僻地で引きこもって何してたのかしら? 他にニンゲンも居なさそうでこのまま帰るのももったいないし暇だしちょっと貴方の頭の中覗かせてもらうわよ? もしつまらなかったら精気を搾り取って吸い殺してやるんだから」

 リラは倒れた男の額に自分の額をくっつけると目を閉じる。

 こうすることでサキュバスは人の夢を介してその人間の思考や能力、性的指向からその他諸々まで覗き込むことができるのだ。

 それからしばらくして男の頭の中を覗き終えたのかリラが額を離す。

「へぇ……こんな僻地に引きこもってこの世界の他にある世界についてずっと研究してたの……なにそれ?」

リラは男のその研究に対する記憶に凄まじい感情や情熱を感じ興味を惹かれた。

 リラが部屋を見渡すと見慣れない文字や絵が書かれた本が無造作に置かれ、壁には描きかけの魔法陣が描かれている。

「この世界の他に世界がある? 言ってる事はさっぱりだけどこれだけ大量にそれっぽい資料があるのならあながち嘘でもなさそうね」

 リラは僻地で他に狙える獲物もおらず、移動するのに疲れていたので暇つぶしにとその中から男が書き残したと思われる日記をリラは手に取り読み始めた。

「この日記…この子の記憶の中にも出てきてたわね。アタシが来る直前までずっと書いてたみたいだけど……えーっとなになに?」

 

【XX日XX月私達の住む世界とは別に平行世界と呼ばれる様々な異なる世界が無限に存在しているらしい。 中には魔物が存在しないどころか空想上の産物や戒め、あるいは言い訳に使われる架空の存在として語り継がれ、魔法の代わりに電気工学やいんたーねっと……? なる世界をつなげる術式が普及する世界が存在するという。その話を聞いたときから私はその世界に心を奪われた。それからというもの私はまだ見ぬ世界に思いを馳せ、その世界へ行き魔法を使ってモテまくるという算段を立てている。私はその世界の一つをターゲットとし、異世界「A」と仮称している。因みにこの奇妙な文字である「A」とはその無限に存在する世界のうちの一つの文字で始まりを表す……らしい】

 

 日記には何やら汚い字で異世界と呼ばれる世界の話が書かれていて、その内容をリラは信じることができず首を傾げる。

「うわ……なにこれ 気持ちの悪い妄想じゃないの? 創作文字まで作って設定まで書いちゃうなんて痛さ全開ね。 最近のニンゲンのオスってこんな年まで童貞だと世界に絶望してあるかどうかもわからない他の世界とやらに思いを馳せちゃうものなのかしら?  あら? まだ続きが……」

 

【その夢がとうとう叶う。私が異世界「A」について研究するきっかけになったのはそんな異世界「A」から転生してきた男だと自称する少女にこの世界とは異なる世界についての話を聞かされた事だった。 始めはとんだ妄想癖のある少女だと思っていたが……】

「いやいや妄想癖があるのはアンタでしょ!」

 リラはそんなツッコミを入れつつ日記を人間の創作物として面白半分で読み進めていく。

 

【どうやらその少女…いや男の話は嘘ではなかったらしい。そうしてこの世界とは異なる世界の存在を確信した私は男の元いた世界である異世界「A」へ行くための研究に人生を捧げることを決めたのだ。それから苦節30余年……長かった。 人生すべてを注ぎ込み、遂に異世界「A」への移動術式を私は完成させたのだ! とうとう魔力の差と身分の格差に左右され続け、魔物に怯えて暮らし続けたこの世界ともおさらばできる!異世界「A」で輝かしい第二の人生が私を待っているのだ!】

 

「はぁ……変な研究してるプリーストとかは散々食ってきたけどここまで痛いのは珍しいわね…… それにしても高々30年で苦節って……ほんと人間ってすぐ死ぬ割にこういう事には無駄に熱心なのよね。でもなんだか逆に面白くなってきちゃった!  で、その移動術式とやらは……?」

 リラが日記に目を通すと異世界へ移動するための術式が事細かに記されていて、壁に書かれた描きかけの魔法陣は日記に描かれた物に酷似していた。

 更に日記を読み勧めていくうち、それらの研究はデタラメと吐き捨てるにはあまりにも出来すぎていてリラもその内容に更に興味を惹かれていく

「あれ……これってもしかして本気のやつなの……? もしそうなら魔物の居ない世界ってことはサキュバスも居ないってことよね? それならニンゲンのオス食べ放題じゃない! そうと決まれば善は急げよ!」

 リラは指をまるで糸を引くように動かすと気絶していた男がゆらりと立ち上がった。

 男は今半覚醒状態になっていてリラの思うように動く言わば操り人形になっているのだ。

「さ、貴方が書いたこの転移呪文の魔法陣、アタシも手伝ってあげるからさっさと続きを描きなさい?」

 リラがそう言うと彼はこくりと頷き魔法陣の続きをゆらゆらと書き始め、男が魔法陣を書いている間、リラは覗き見た男の記憶と吸い取った魔力を頼りに他の準備を進めた。

「よし! こんなものかしら……さて魔法陣の方は……と」

 準備を終え、魔法陣を書き上げる男の方を見るが所詮半分寝ている人間のやることなのであまりにも進んでいなかった。

「ああもうじれったいわね! もう貴方は寝てなさい! えーっと……こうでしょ? んでこうでしょ? ちょっと! ここ間違ってるじゃないの! 貴方が考えたんだからちゃんとやりなさいよ! で……ここをこ・う・し・て……」

 リラは指を動かし男をその場に倒れさせると文句を言いながら吸い取った男の知識のお陰で慣れた手付きで魔法陣を描き上げていき、スムーズに魔法陣は完成した。

「ふぅ……やっとできたわ……まさか半分以上書き直す羽目になるとは思わなかったけど……で、えっと……魔力を込めながらこの呪文読めば良いんだったわよね? これも見慣れない文字ね……でも読める……! 読めるわ……えーっと……? サモサモキャットベルンベルン……ああもう長いわねこれ!」

 そこには見たこともない文字の羅列が書かれていたがリラはこれも書き上げた男の知識で難なく読み上げることに成功した。

 しかしあまりにも長い上に意味不明な羅列だったため魔法陣を描くことに集中しすぎていたリラは頭が痛くなってしまう。

「ほら! 魔法陣は描き上がったんだからあとは貴方の仕事よ! さっさとこの魔法陣を発動させる呪文を読みなさい! 魔力はアタシが込めるから ま、その魔力も元はと言えば貴方のだけど」

 再びリラが糸を引くように指を動かすとその場に倒れていた男がゆらりと立ち上がり

「はい……わかりましたリラさま……サモサモキャットベルンベルン……」

 感情も抑揚もない声で呪文を詠唱し始めた。

 その詠唱に合わせリラは魔法陣に手をかざし魔力を込める。

 

「ホネセンチギガマンホネダンセル……!」

 男が呪文を最後まで読み上げると魔法陣が光り輝きだし中央に大きな穴がぽっかりと開く。

 穴の遠い先には見たこともない建造物が立ち並ぶ世界が広がっていて半信半疑だったリラもそこまでのものを見せられてはその先にまだ見ぬ世界があることを信じるしかなかった。

「嘘……! これほんとに異世界転移魔法だったの!? ってことはこの穴が通じてるのは魔物の……サキュバスの居ない世界! 術式も全部覚えたしこの日記の内容が本当ならオス食べ放題眷属作り放題だし言うことなしね! 待ってなさい異世界「A」のニンゲンのオス! アタシが一匹残らず美味しく頂いてあげるんだから!!」

 リラは新天地に胸を踊らせながら魔法陣に開いた穴の中へと飛び込んでいった。

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