※この作品はR-18です。

TSF短編集   作:ゔぁいらす

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思想強めの敵の攻撃によって文字通り紅一点にされてしまった戦隊ヒーローのレッドが元に戻れないまま最後まで戦い抜くお話です。

成分:女体化、精神的BL、褐色、戦隊モノ


日輪特機サンバイザー 〜ウチのレッドがある日文字通り紅一点になりまして〜 「chapter:1.ポリコレイノスの卑劣な一撃」(非R-18作品)

 平和な街を突如炎が包み、その中から異形の怪物が現れた。

 この世界は女帝ヘラジーナ率いる悪の宇宙帝国ジャガンボード帝国によって狙われていて、今日もそんなジャガンボード帝国から放たれたシソーマと呼ばれている怪人の魔の手が地球に、そしてこの街に迫っているのだ。

「この街……いやこの世界は間違いだらけです! この星を征服する前にこの世界の誤りをこの私、ポリコレイノスが正して差し上げます!」

 ポリコレイノスと名乗るジャガンボード帝国が送り込んだ怪人はそんな事を言いながら手に持った棍棒を振り回して破壊の限りを尽くしており人々の悲鳴が街にこだまする。

 このまま悪の力にこの街は、人類は屈服してしまうのか? 

 人々が恐怖に怯えもうダメだと思ったその時……! 

「そこまでだ! シソーマ!!」

 そんな声とともに三人の青年が怪人の前に立ちはだかった。

「現れましたねサンバイザー! 今日こそ我々ジャガンボードの邪魔になるあなた方には消えていただきます!」

 その三人を見た怪人は彼らを忌々しそうに見つめ襲いかかる。

「今日の怪人さんも血の気多いなぁ……せっかくなら可愛い女の子にこんくらいの勢いで迫られたいんやけど」

 三人の中の黄色い服を着た青年が少々イントネーションの怪しい関西弁で頭をかきながら言った。

「……どんな相手だろうとオレ達はその企みを砕くまでだ」

 それを見た緑の服を着た青年もクールにそう言うと怪人に対して構えを取る

「虎太郎、風磨、行くぞ! バイズ・オン!!」

 そんな二人に声をかけた赤い服を着た青年が先頭に立ちポーズを取り、他の二人も同じ様にポーズを取り声高に叫ぶと腕に装着されたブレスレットが光り輝きだす。

 その光に包まれた三人の姿がみるみるうちにかわっていき三人の青年はそれぞれ赤、黄、緑の戦士へと姿を変えた。

「天駆ける炎 アカホーク!」

「迸る稲妻 キタイガー!」

「吹きすさぶ疾風 ミドホッパー!」

「「「[[rb:日輪特機 > にちりんとっき]] サンバイザー!」」」

 姿を変えた彼らは名乗りとポーズを怪人に見せつける。

 彼等こそ地球を狙うジャガンボード帝国の魔の手から地球を護るために戦う三人の戦士、日輪特殊機動防衛隊通称日輪特機サンバイザーなのだ!! 

「地球をお前たちの好きにはさせん! 行くぞ!」

 アカホークと名乗った鷹と炎の力を宿した赤い戦士が啖呵を切り飛ぶように先人を切って怪人へと向かっていく。

 彼の名は[[rb:飛鷹大和 > とびたかやまと]]。

 アカホークに変身する熱い心と正義感を持つ青年で、サンバイザーのリーダー的存在だ。

「お前はいつも突っ走りすぎだ。まずは敵の弱点を探れ。と言っても無駄か。やれやれ……ホークに合わせてやるとするか」

 そう言ってアカホークに続くバッタと風の力を宿した緑の戦士ミドホッパーはその場で高くジャンプし怪人との距離を詰めていく。

 ミドホッパーに変身する彼の名は[[rb:皇樹風磨 > すめらぎふうま]]。

 クールな性格で頭脳明晰敵を分析して追い詰めるサンバイザーの頭脳的な存在だ。

「ちょっと待ってぇな! ワイもおるでー!!」

 そんな二人を追うように大げさなリアクションを取りながら怪人に向かっていく虎と電気の力を宿す黄色の戦士キタイガー

 彼は[[rb:藤浪虎太郎 > ふじなみこたろう]]。

 軽い性格だがどこか憎めないそんな男だ。

「えっ、ちょっと待ってワイの説明それだけかいな!? もうちょいなんかあるやろ!!」

 キタイガーは明後日の方向に指を指しながら虚空にそう吠え、そんな彼を訝しむようにミドホッパーは見つめる

「タイガー、こんな時に誰と話している? 戦いに集中しろ」

「は、はいすんまへん……! よっしゃ行くで!」

 一喝されたキタイガー構えを取り直して獣のように飛びかかると目にも止まらぬスピードでパンチを高速で繰り出していく。

 そんなキタイガーの攻撃の後ろからアカホークの飛び蹴りが決まり、更にジャンプと高速移動で怪人の後ろに回っていたミドホッパーのパンチが炸裂。

 一糸乱れぬ三人の連携が怪人をみるみるうちに追い詰め、とうとう怪人は彼らの猛攻によりその場で膝を付いた。

「くっ……やはり一筋縄では行かないようですね……」

「どうだ! これが俺たちサンバイザーの力だ!」

 アカホークは誇らしげに地に膝を付いた怪人に見栄を切る。

 怪人もやられっぱなしでなるものかとよろよろと立ち上がりサンバイザーの3人を睨み返した。

「私がこんな所で負けて良いはずがありません……何よりも間違っているのはあなた方の方なのだから!」

「なんやて!?」

「どういう事だ?」

 キタイガーとミドホッパーはそんな怪人の言葉に反応するが、自らの発した言葉の意味を理解できていない二人を嘲笑うように怪人は更に続ける。

「簡単な事です。この世界は間違っているのです。そう、第一あなた方のような存在が許されている事がね!!」

「間違いだと?」

 アカホークは突如チームを貶され怒りで拳を震わせ、そんな彼を見た怪人は呆れたような素振りを見せた。

「やれやれ……まだわからないのですか? 具体的にはそう……あなた方の時代錯誤な方針のチーム構成がですよ!」

「時代錯誤だと?」

「今どきメンバーが全員日本人で更に女性が1人も居ない! それどころかリーダーは赤で男性という古き凝り固まった風習に縛られたあなた方がこの世界の守護の代表をしていること自体が間違いなのです!!」

 突如怪人は持論を展開し始め、三人はあっけにとられてしまう。

「あの……それどういう意味や?」

 あまりに突飛な事を言われキタイガーは首をかしげたが怪人はそんな彼の言葉に耳を貸すことなく更に雄弁に話を続ける。

「あなた方は世界に目を向けたことがあるのですか? 今世界では性別や人種の差をなくそうという動きが活発になっているのですよ? それなのにあなた方ときたら未だにそんな流れに逆らった時代錯誤のメンバー構成。そんなあなた方を国防の要に据えるような連中がのさばっているからこの国は人権後進国に成り下がってしまったのですよ。恥を知りなさい!!」

 怪人は怒りで震えた指でアカホークをビシッと指差した。

「な、なんだこいつ……」

 怪人のあまりの熱量にアカホーク達は圧倒されてしまう。

「あなた方はこの国を守ると言いながら女性や外国人、その他マイノリティの方々の社会進出を阻害し差別を助長するヘイト組織なのですよ!」

「いや……我々が所属しているのはあくまで日本支部だから日本人が多いのも当然で組織には女性隊員はもちろんのこと外国籍のメンバーも居るのだが……」

「それにワイらサンバイザーに女の子がおらへんのも募集かけても一人として応募がなかったからなんやけど……ワイかてメンバーに女の子の一人や二人居てほしかったっちゅーねん!」

 ミドホッパーとキタイガーは怪人の言葉に反論するがそれが更に怪人の怒りの炎に油を注いでしまったようで……

「言い訳など不要! そんな事グローバルな観点から見れば聞き苦しい言い訳に過ぎないのです! それに黄色! 貴方は女性を消費する目的でしか見ていませんね!? 私はそんな誤った常識で地球を守るなどとのたまっているあなた方を倒しジャガンボードの名のもとにあらゆる差別と格差のない社会を実現させるのですよ!! ヘラジーナ様は私にそうお約束してくださったのです!!」

 怪人は拳を握りしめ雄たけびを上げている。

「なんや仰々しい事言うてるけどそのための手段として街を破壊して現在進行系でこの国を征服しようとしてる奴が言えた口かいな」

 キタイガーは呆れたようにそう突っ込みを入れると目に見えて怪人が怒りで奮えだしているのがわかった。

「やはり貴方がたのような女性と外国籍の方々を廃絶した排他的な日本人男性だけで固められた集団に何を言っても無駄のようですねぇ……」

「貴様の言うこと等身も蓋もなく全く身に覚えなどない! サンバイザーに女性が居ないのは単に応募がなかっただけで俺達3人は厳正なる入団試験をクリアしたからここに居る。そこに人種も性別も関係はないはずだ!」

「貴様ァ……! 自分たちが最も優れているとでも言いたいのかァ!!」

 アカホークの言葉でとうとう堪忍袋の緒が切れたのか怪人はそう怒号を上げると持っていた棍棒を振り回してサンバイザーに襲いかかるがそれを素早い身のこなしで躱していく

「フンっ……その様な怒りに身を任せた独りよがりな攻撃など俺には効かんッ!」

 アカホークはその攻撃を華麗に回避する。

「せやで。なんやあんさん口だけで大したことないやん」

「何だとぉ!?」

 キタイガーは余裕の表情で怪人を煽ると怪人の標的は彼へと切り替わる。

「おっと……なかなか重い攻撃やけど……おりゃ!」

 怪人の攻撃を受け流しつつ攻撃を加えるキタイガー、しかし一瞬の隙きを突かれ怪人の棍棒が腹部にヒットしてしまう

「ぐあっ……!」

 キタイガーはそのまま吹き飛ばされ壁に激突して痛みでうずくまる。

「大したことが無いのはそちらだったようですねぇ……まずは貴方に消えていただきましょう!!」

「くっ ワイとしたことが……!」

 敵前に膝を付いてしまうキタイガーに怪人はゆっくりと近づいていき棍棒を真上から振り下ろさんとしたその時……

「タイガー!」

 既の所でアカホークがその間に割って入り振り下ろされた棍棒をなんとか受け止め危機を救ったが怪人はその時を待っていたと言わんばかりのニヤリと不敵な笑みを浮かべ……

「ふふっ……カモではなくタカがネギを背負ってそちらからやってくるとは……私は始めからこれを狙っていたのですよ! 棍棒をこの距離で受け止めていては回避はできませんね!?」

 次の瞬間怪人の目が怪しく光るとそこから光線が発射されアカホークを包み込む

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 光線に包まれたアカホークは苦悶の叫び声を上げる。

 その声は徐々に高くなっていきとうとう女性の悲鳴のような叫びに変わっていった。

「ホーク!!」

 目の前で敵の光線に焼かれるアカホークをキタイガーは一瞬のことでただ見ているしかできず、アカホークを包む光は徐々に小さくなり、アカホークはその場に脱力するように膝をついた。

「大丈夫かホーク!!」

 ミドホッパーが駆け寄り二人を抱きかかえて怪人から間合いを取ったがその時彼はとてつもない違和感を覚えた。

 180cmを超える身長のアカホークだったがその身体は目測で150cmほどに縮んでいたのだ。

 それどころか強化スーツ越しに見えていた彼の鍛えられた肉体はか細く柔らかみを帯びた物になっており胸筋の張った彼の胸にはわずかに柔らかな膨らみがあるだけだった。

 そしてアカホークはゆっくりと立ち上がりその違和感は更に大きなものになっていく。

「ああ……大丈夫だ……えっ?」

 ミドホッパーの呼びかけに応えたがその声は以前のものとは似ても似つかない甲高く可愛らしいものに変わっていて、それを聞いた怪人は勝ち誇ったように高笑いを浮かべる。

「どうやら私の作戦の第1段階は成功したようですねぇ!」

「だ、第1段階やと!?」

「ええ。まずは貴方がたサンバイザーの時代錯誤なメンバー構成を変えて差し上げたのですよ。アカホーク。貴方を東南アジア系の女性に変えさせていただきました。これでサンバイザーもリーダーのレッドが女性で外国人というグローバルな観点から見ても多少はマシな集団になったのではないでしょうか?」

「な、なにぃ!?」

「う、嘘やろ……」

 怪人の言葉に二人は驚愕するしかなかったがアカホークの姿は見慣れた彼の姿ではなく小さくか細い少女のようになっているという現実だけが目の前にあった。

「ま、まさか……オレが女に……」

 アカホークは以前よりも細く小さくなった自分の手を見て恐る恐る身体に触れてみるとスーツ越しに触った股間には慣れ親しんだ感触はなく、胸の控えめな膨らみからは確かに自分が触れられている感触と柔らかな感触があるだけで怪人の言葉が嘘でない事を理解した彼は力が抜けたようにその場に内股でへたりこんでしまった。

 それを見て更に勝ち誇るように笑う怪人を見つめキタイガーは怒りで拳を奮えさせそのまま怪人に殴りかかる。

「お前ぇ! よくもアカホークを! あれやろ? いつもみたいにお前を倒せばホークは元に戻るんやろ!? そんならさっさとワイが……ワイがお前を倒す!!」

「無駄ですよ。既に貴方もアカホーク同様に本来あるべき姿へ変えて差し上げます。そうですねぇ……貴方は黒人のトランスジェンダーにでも変えて差し上げましょうか」

 怪人はそう言うとキタイガーに向けて手をかざし目からビームを発射した。

 しかしその瞬間キタイガーは横に吹っ飛び光線を回避する

 その先にはミドホッパーが居て、どうやらキタイガーを蹴り上げる事で無理やり光線から回避させたようだった。

「いてててて……何すんねんホッパー!」

「あまりそう熱くなって一人で突っ走るな。言われのない言いがかりでオレたちのことを頭ごなしに否定した上アカホークをあんな風にされて憤っているのはお前だけじゃない」

 いつもクールなミドホッパーもその言葉に怒りを顕にしていることがわかり、キタイガーは立ち上がる。

「せやな……せやけどアカホークをあんな目に遭わせたあいつは絶対に許せへん……!」

「ああ。それはオレも同じだ。だが、冷静さを欠いていては勝てるものも勝てなくなるぞ」

「わかっとるわ……!」

「フッ、ならいいんだがな……! さっさと倒してアカホークを男に戻すぞ……!」

「おう!」

 キタイガーとミドホッパーは互いに一瞥して怪人へと向かっていく。

「ふんっ、無駄だとまだわからないのですか?レッドがそのザマでは得意の連携もロクにできないでしょうに……良いでしょう。残り二人も新しいスタンダードにアップデートして差し上げます!!」

 怪人は呆れたように再び目から光線を放ち二人を仕留めようとするが……

「遅いッ!」

「そんなもん当たるかい!」

 二人はそれを難なく回避するとミドホッパーが怪人の腕を掴んでそのまま投げ飛ばす。

「ぐっ! この私を投げ飛ばすとは……!」

 怪人は地面に叩きつけられ苦しそうな表情を浮かべる。

「もういっちょお見舞いしたろか!」

 キタイガーはその隙きを突いて怪人に近づき飛びかかった。

 その時再び怪人の目が怪しく光り、光線が発射される。

「うそやろ……?」

 空中で怪人に飛びかかる体制を取っていたキタイガーはその光線の直撃ルートを最早免れることができない。

「まずい……ここからでは間に合わんッ!」

 ミドホッパーも急いで彼のもとに駆け寄るが彼が駆け寄るよりも先に光線はキタイガーを今にも包み込もうとしている。

 しかしその瞬間

「何ィっ!?」

 怪人が驚きの声を上げた。

 キタイガーの眼の前にはアカホーク立っていて、身を持って光線を受け止めていたのだ。

 そして光線を受け切るとアカホークは怪人に渾身の蹴りをお見舞いする。

 その威力は男だった時よりも多少は下がってはいたものの身につけたスーツによって強化された脚力から繰り出された蹴りは弱った怪人を吹き飛ばすには充分だった。

「アカホーク!? 1度やのうて2度も……」

「1度受けてしまえばもうこんな光線など怖くはない。いくら身体が変わったからと言ってお前たち二人が戦う所を指を加えてみている訳には行かないからな。さあ、早く奴を倒して元の体に戻してもらおうか!」

アカホークは甲高くなった声でそう言って怪人を睨み返し、女の身体に変えられても勇ましく怪人を前にする彼を見てキタイガーも態勢を立て直した。

「そ、せやな……サンキューホーク!」

「貴様ァ……折角非力な女性に変えて差し上げたのにそのようなはしたない攻撃を……!」

 怪人はアカホークの早すぎる戦線復帰が予想外だったのか持っていた棍棒を杖によろよろと立ち上がる。

「結局女が進出とかほざいてた割には非力な女性だとかはしたないとか好きに行ってくれるな。お前は結局自分の気に食わないものに大義名分をつけて排除したいだけじゃないのか?」

 アカホークは怪人の前に立ち甲高くなった声でそう怪人に吐き捨てる。

「何をぉ!? 私はグローバル的な視点で世界を見ているのですよ! 古く凝り固まった狭い視野でしか物事を考えられないあなた方とは違う!」

 怪人はアカホークの言葉に苛立ったのか地面に棍棒を叩きつけて声を荒げた。

 その間にアカホークの元に二人が駆け寄る。

「アカホーク……? 行けるのか?」

「ああ。いくら身体が女になったからと言ってお前ら二人に任せてばかりはいられないからな」

 ミドホッパーの心配そうな問にアカホークは気丈に答えて見せる。

「そうか。それでこそオレたちのリーダーアカホークだ」

 ミドホッパーは身体を変えられても先陣を切るアカホークの姿がとても頼もしく思え仮面の下で自然と笑みを浮かこぼれていた。

「よし! タイガー、ホッパー! トドメを刺すぞ! サンバイザータイフーンだ! 今日はお前が決めろキタイガー」

「おうよ! 任しとき!」

「それじゃあ行くぞ! ホッパー!」

 アカホークの声に二人が答え、彼はラグビーボールのようなものをどこからともなく取り出すと、それをミドホッパーに向かって投げつけた。

「おう! 行け! タイガー!」

 それをミドホッパーが天高く蹴り上げるとそのボール目掛けてキタイガーは飛び上がるとボールを両手でがっしりと掴む。

 そして……

「よっしゃ! サンバイザータイフーン! トライエンドォォォォォォ!!!!!」

 キタイガーは叫びながら必殺の一撃を怪人めがけて叩き込んだ。

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 私が死すともポリコレ死せず……!! いずれ貴方がたも私の正しさに気付く時が来るでしょう。貴女はその身を持ってマイノリティの苦しみを一生味わい続けるが良い!! この世界が間違い続ける限りこの身は滅びるともこの意思は消えませんよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 3人のエネルギーのこもったボールをまともに食らった怪人はアカホークを指差し呪詛じみた断末魔を上げ爆散した。

 

 戦いを終えた三人は変身を解除したが変身を解いた大和の姿を見た二人は絶句する。

そこに居たのはいつもの見慣れた彼では無くブカブカでサイズの合っていない赤いユニフォームを着た髪の長い少女だった。

 怪人は確かに倒されたはずだが大和の姿は元に戻っておらず、これまでスーツを着ていて確認できなかったが怪人の言うようにどこか異国情緒の漂う褐色の少女になっていたのだ。

「大和……なんか? なんでや! なんで怪人倒したのに女のままなんや……?」

 目の前の少女がこれまで共に戦ってきた大和だと信じられない虎太郎は声を震わせた。

 しかし次の瞬間

「ぐっ……!」

 大和はその場で足を押さえるように倒れ込み、それを見た虎太郎と風磨は彼のもとに駆け寄った。

 彼の足はひどく出血をしていて、その痛みに苦しんでいたのだ。

「大和どうしたんやその足……! お前まさか……!」

 虎太郎はその傷が先程自分を守るために怪人を蹴り上げてできたものだと悟った。

「酷い怪我だ……まさか変化した身体がバイズスーツの出力に耐えられなかったのか?」

「大和……男の時のスーツの出力設定のままじゃ身体が耐えられへんのにワイを無理やり助けてくれたんか……?」

「ああ……自分でもここまでキツいとは思わなかったけどな……でも仲間一人守れないでこの星が守れるか……」

 大和は虎太郎に心配をかけさせまいと無理に笑ってみせたが、その笑顔が虎太郎には逆に痛々しく思えて頬を涙が伝っていた。

「大和ぉ……」

「おい、感傷的になるのはいいが早く基地へ連れて帰るぞ。足の怪我もそうだがまずは大和の体を元に戻すのが先決だ。大和、少し痛いかもしれないが我慢してくれよ?」

 風磨は以前よりも小さくなった大和を抱きかかえて三人は急いで基地へと帰還した。

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