誘惑禁止条例 ※性犯罪被害は条例違反にあたらない 作:大中小太郎
プロローグ(挿絵追加)
優しさが痛い――
人の心には、そんな瞬間もある。
あなたを大事に思っている、健やかに笑って生きてほしい、傷付けたくない。
傷心の人間には、時にそういう善良な声が痛みになるのだ
だから――火野修吾は『優しさ』を捨てた。
少なくとも彼女は、優しさだけでは救えなかった。
「遅かったね、ヘラさん」
「……ごめんなさい、修吾さん」
夜、人々が布団に入る頃。
火野家の一角にある修吾の部屋に、一人の妖女が訪れる。
彼女の名はヘラ。
他界した兄の残した妻だ。
側頭部から湾曲した角を生やす、角系妖女である。
サキュバスと異名される妖女だが、最もサキュバスらしい外見の種族と言える。
と言っても、ヘラの雰囲気は、往年のエロ漫画に描かれたサキュバスとは大きく異なる。
ひどく、陰があった。
角と同色の長い黒髪は、どこか幽霊のよう。
伏し目がちの両眼は悲しげで、白すぎる肌には生気が欠ける。
薄いネグリジェに覆われた肢体も、その豊満さに反して儚げだ。
それだけに……普通の妖女とは異なる色香がある。
それはきっと、彼女が未亡人であることに起因するのだろう。
「…………」
修吾はそんなヘラの香気を吸い込むように、息を呑む。
亡き兄の妻を、夜になって部屋に呼び付ける――そんな状況に、背徳的な興奮が湧き上がってきた。
修吾は意識して、その興奮に身を委ねる。
「ほら、早く来いよ」
「……はい」
ヘラは言われるまま、修吾の座っていた布団に近付く。
楚々とした仕草で布団に膝をつくが、そこまでだ。
手を伸ばせば届く距離で、それ以上は近付かない。
「あ……っ♡」
だから修吾の方から手を伸ばし、ヘラの手首を強引に掴んで、引き寄せた。
ヘラは抗わない。
かといって、嬉々として応じてもいない。
どこか諦めたような顔で、義弟に導かれるまま、布団に引き込まれていった。
「ぢゅぷっ♡ んっ♡ ぢゅっ♡ んんっ♡ ちゅるっ♡」
胡坐をかいて座った修吾の股間に、ヘラは顔を押し付けている。
片手で黒髪を整えながら、もう片方の手で義弟の肉棒をとり、口での奉仕をしていた。
膝をついた姿勢は、目の前の男に平服するかのようで、その表情はどこか悲しげだ。
「んー、ヘラさん、もうちょっと情熱的にならない?」
どこか淡泊なヘラの口淫に、修吾は苦笑する。
「ぢゅるっ♡ れろぉっ♡ れるぅっ♡」
一応、ヘラは注文に応えてくれて、フェラチオのペースを上げた。
しかし、それでも情熱的に舐めしゃぶることはない。
「気持ちがこもってないなぁ。兄貴にもそんな下手なフェラしてたの?」
「っ! いや……っ」
溜息と共に言うと、ヘラは肉棒から口を離して、抗議の目で見上げてくる。
「あの人のことは、言わないで……」
亡夫のことを出されて涙目になっているヘラに、修吾は嗜虐的な笑みを浮かべる。
「ああ、そうだよね。ヘラさんが愛してるのは兄貴だけだもんね。ごめんごめん」
フェラに気持ちがこもっていないのは当たり前だった。
たとえ死に別れても、彼女は夫を愛しているのだから。
夫以外の男に、媚びるような舌使いをするなど、許されざる『裏切り』なのだ。
「でも、自分の立場分かってるよね?」
だから修吾は、自分から動くことにした。
脅すように言いながら膝立ちになり、角系妖女であるヘラの側頭部に手を伸ばす。
「あ……っ」
側頭部から伸びる角を、まるで自転車のハンドルでも握るように、両手で掴んだ。
そうして、膝立ちになった自分の股間部に、彼女の顔を上げさせる。
これから何をされるのかを予感してか、ヘラの体がびくっと震えた。
「ほら、口を開けろよ」
「や……待って、修吾さん……っ」
「二度も言わせるなよ」
ヘラは怯えた声を漏らすが、修吾が高圧的に繰り返すと、ゆっくりと口を開いていく。
そして――強引に、喉奥まで肉棒を押し込んだ。
「んぐっ!? おごっ!」
「歯を立てたり、噛んだりしたらどうなるか、分かるよね?」
「んんっ♡ んっ、んぐっ……♡」
掴んだ角を引きながら、修吾は腰を動かし始める。
逸物が兄嫁の口内に侵入して、上顎を擦って喉奥に入っていく感触。
先ほどの淡泊なフェラよりも、よほど気持ちがいい。
「ふっ♡ うぅっ♡ うぐっ♡ んおっ♡」
ヘラは苦しそうな顔をしながらも、健気に口を開き、受け入れていた。
しかしその顔は、自分からフェラをしていたときよりも、興奮の紅潮が見られる。
妖女は口や喉にも性感帯がある。そこを肉棒で擦られたことで、否応なく感じているのだ。
それがまた、征服欲を満たしてくれる。
「ははっ、口ではああ言って、体は妖女だなぁ。イラマチオで感じてるね」
「んむっ♡ ぢゅるっ♡ んんっ♡ ぢゅるるっ♡」
修吾の言葉を否定しようと首を振ろうとするが、角を掴まれているため叶わない。
両手で修吾の腰を押し返そうとするも、その抵抗は弱々しい。
「あー、こういうとき角って便利だなぁ。ほら、こうやって自転車のハンドルみたいに掴んでると、遊園地の乗り物みたいだ」
「んんっ♡ んっ♡ んんっ♡」
修吾はそうして、まるで物を扱うように、兄嫁の口を犯す。
「ははは、ヘラさん、顔真っ赤だよ。可愛いね」
「んん~っ♡ んんんんんっ♡」
修吾が笑うと、ヘラも何か抗議するように目で訴えかけてきた。
だがその目は潤んでおり、まったく迫力がない。むしろ煽情的ですらある。
「ほらほら、早くイかせないと終わらないよ?」
修吾が意地悪く言うと、ヘラは必死になって舌を動かす。
「んぢゅるるっ♡ ぢゅぷっ♡ ぢゅるるっ♡ れるぅっ♡」
「そうそう、その調子。素直になったお口まんこ気持ちいいよっ」
窓から月明かりだけが差し込む部屋の真ん中で、修吾は義姉の口に腰を振り続けた。
ヘラはフェラをしながら、時折ビクッと体を震わせて、軽く達しているようだ。
「ああ、そろそろイキそうだ。ほら、喉奥まで呑み込んで!」
「んぶっ♡ んおっ♡ おっおっおっ♡」
ヘラが一際強く吸い付いてくると同時に、彼女の頭を引き寄せる。
そしてそのまま、喉の奥に射精した。
「んぐぅっ♡ んんんっ♡ んっ……ごくっ♡」
「ふぅー、出た出たぁ。ちゃんと飲み干して偉いね」
「んっ……♡ はあっ……♡」
ようやく角から手を離すと、ヘラは肉棒から唇を離す。
その顔色は、当初よりも瑞々しかった。
口内を好き放題に蹂躙され、屈辱的な射精を受けたにも拘わらず、生命力を取り戻しているように見える。
まるでサキュバスの異名通り、男の精気を吸収したかのように。
「っ、修吾さん、もう十分でしょう? お休みに、なられた方が……」
しばらく放心していたヘラは、我に返ったように修吾を拒む。
「ん? なに言ってるのさ」
修吾はヘラのネグリジェに手を伸ばすと、胸元を勢いよく左右に開く。
すると、豊満すぎる乳房がぶるんっと揺れながら露わになる。
「きゃっ!?」
修吾はそのまま、大きな乳を鷲掴みにした。
「ひゃうっ♡ やっ♡ 修吾さんっ、止めて――」
「だからぁ、ヘラさんには拒否権なんか無いんだって」
兄嫁の乳房を好き放題に弄びながら、指先で乳首を抓んで軽く抓り上げる。
そのたびにヘラは身を捩って反応し、甘い声を上げる。
「兄貴が居ない以上、この家の主は俺だよ? 追い出されたくないでしょ?」
「ううっ♡ ふうっ♡ ……はい」
ヘラは悔しそうにしながらも、最後は敗北を認めるように頷く。
そして修吾に促されるまま、ネグリジェを脱いでいくのだった。
パン! パンッ! パァン! と、男女の音が木霊する。
四つん這いにさせたヘラに向けて、修吾が腰を打ち付ける音だ。
「ふっ♡ ふうっ♡ ふぁっ♡ んんっ♡」
修吾のピストン運動に合わせて、ヘラは荒々しく息を吐き続ける。
感じている顔を見られまいとしているのか、枕に顔を埋めていた。
「こら、声を我慢していいなんて誰が言った?」
修吾はヘラの腰を掴んでいた手を片方離して、真っ白で大きなヒップに叩き落とした。
「ひあぁんっ♡」
ヘラは悲鳴のような声を上げて、背中を大きく仰け反らせる。
修吾は構わず、さらに何度も平手を叩きつけた。
「あひっ♡ 痛いっ♡ あっ♡ やめっ♡ んあぁっ♡」
ヘラは痛みを訴えながらも、その表情は明らかに快楽に染まっている。
「はは、スパンキングで悦んじゃうとか、やっぱりヘラさんも妖女なんだね。
男に乱暴なくらい抱かれるのが一番気持ちいい、天性のドMだねぇ」
「そんなっ♡ 私はっ♡ ああんっ♡ らめっ♡ 奥っ♡ ぶつから、ないでぇ♡」
否定しようとするヘラだったが、修吾が突き込むとすぐに甘えた声で悶え始めた。
「いまさら何を貞淑ぶってるんだ? 兄貴が居なくなってから欲求不満なこの体っ、何度も可愛がってやったじゃないか! いつになったら素直に喘ぐようになるんだ!?」
「ひぅぅぅっ♡ いや、ですっ♡ あの人、以外に……聞かせたり、なんか……っ」
ヘラはそう言うと、歯を食いしばって嬌声を堪えた。
たとえ義弟に脅され、犯されようとも、心だけは亡き夫のものだと、そう訴えるように。
「そうそう、
修吾は満足そうに微笑むと、腕を前に伸ばすと――ヘラの首に回す。
そのまま、肘の内側で顎の下を挟むようにして、ヘラの首を締め上げた。
「かっ……!?」
ヘラは目を見開いて、苦しげに身を捩る。
「いい加減に学ぼうよ。ヘラさんがどんなに嫌がっても、俺は犯すの止めないよ?
本気で痛い目を見たくなければ、俺を愉しませないとね?」
彼女の意識が落ちる寸前まで絞め続けた後、ようやく手を離す。
「ごほっ、おぉっ……おほおおおっ♡」
ヘラは咳き込みながら、ビクンと体を震わせる。
首を絞められながらも子宮口を突かれ続け、解放された瞬間に気が緩み、達したようだ。
「あはは、ヘラさんて本当にマゾだよね。首絞められてイクなんてさ」
「んおっ♡ あっ♡ ああぁぁっ♡ らめらめぇっ♡ イってりゅ♡ イってますからぁっ♡」
修吾が嘲笑いながらも腰の動きを再開すると、ヘラは甘い声を上げながら身悶える。
絶頂を引き延ばすような追加の快感に、とうとう彼女も声を堪えきれなくなっていた。
「はは、また締まりが良くなった。ほら、大人しく負けを認めてイキまくっちゃおうね」
「あひっ♡ あっ♡ だめっ♡ ああっ♡ わらひぃっ♡ もうっ、許してくだしゃいっ♡」
ヘラは涙を浮かべながら、叩き付けられる快感の連打に悲鳴を上げる。
どれほど夫への愛を貫こうとも、体は妖女の本能に逆らえず、夫と同じ遺伝子を持つ義弟の肉棒を悦んでいた。
「んおっ♡ おっ♡ おおっ♡ またっ、いぐっ♡ あっあっあっあっあああぁぁぁっ♡」
ヘラは再びの絶頂宣言と共に果てると、膣内が激しく痙攣する。
その締め付けに誘われるようにして、修吾も射精に至った。
「っく、出るぞっ……」
ドクッ! と、下腹部から体内に音が響く。
本来なら兄だけのものであったヘラの子宮に、弟の精が注ぎ込まれていく音だ。
「んっ♡ ふあぁぁっ♡ 熱いの出てるっ♡ んんんん~っ♡」
ヘラは背筋を大きく仰け反らせ、悦楽の声を上げる。
夫への貞操を保とうと抵抗していたときの顔は、もう面影も無い。
夫との子を成せなかった体が、新しい男の子種に歓喜してしまっている。
ヘラの掲げていた妻の矜持は、その悦楽に、内側から塗りつぶされていた。
「ふぅ……」
兄嫁に欲望の限りを尽くした修吾は、息を吐く。
「はひっ♡ あぁ♡ ふぁぁ♡」
目の前では、足を揃えて横倒れになったヘラが、絶頂の余韻にぴくぴくと震えていた。
脚の間から零れる白濁液が、義弟に辱められたことを物語っている。
「陽司、さん……」
無意識のものなのか、ヘラは兄の名前を口にしていた。
詫びるように、或いは愛していると改めて誓うように。
「…………」
自分の名ではなかったことに、修吾は寂しげに笑う。
(死んだ後まで、愛されてるな……兄貴の幸せ者め)
心の内で、修吾は亡き兄に恨み言を向けた。
ヘラの体を何度抱いても、彼女の心はいまだ兄のもの。
それを変えてしまいたいのか、それとも守りたいのか――
最近は、修吾自身にも、分からなくなっていた。
ご一読いただきありがとうございます。
久しぶりの新章です。
いままでよりしっとりした内容になるかも。