※この作品はR-18です。

誘惑禁止条例 ※性犯罪被害は条例違反にあたらない   作:大中小太郎

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幕間(ヒロイン視点)

 

 

最近は、妖魔界と人間界の間で『通話』をすることも可能になっている。

それを利用して、久しぶりに母と会話をしていた。

 

「そう……残念ね」

 

耳にした実家の近況は、親族の縁談がお流れになったこと。

私の実家は貴族家の傍流で、本家は領主の地位に就いている。

しかし一族の間には、いま『子供』がいない。

お世継ぎがいない一族は領主の座から降りるのが、国の慣習だ。

人間界からすると、まるで大昔の武家のような話だが、それが通る。

 

「相手側はなんて? ……え?」

 

破談について、未亡人である自分の存在が災いしたのかと懸念してみれば、母の説明は予想外のものだった。

 

縁談の相手となる男性――つまり生粋の妖魔界人の男だ。

その人が『結婚』それ自体を拒んでいるのだという。

夫という役割に拘束され、自由を失うのは嫌だと。

家の強権によって結婚させられ、何人もの女と子を作らされ、男児はまだかと催促される。

男性にそのようなことを押し付けるのは、男性差別なのだと。

人間界との出会いは、そういう妖魔界の封建社会に、何かと影響を及ぼしているのだという。

縁談の男性もそれに刺激され、『他者の押し付けた役割になんて従わない、僕は僕だ』的な思想になっているらしい。

人間界に住んでいるから分からなくもないが、それは『役割の完全放棄』ともとれる。

 

なんにせよ、そのような精神状態で円満な夫婦もへったくれもない。

よって縁談の『入札』は中止、実家は別方面から婿(むこ)捜しを始めるという。

 

「そう……仕方ないわね」

 

そんなに男が欲しいなら人間界に有り余っているのでは? とも思うだろう。

しかし血統を重視する一族だと、『異世界人』というのはハードルが高い。

ただ、お家断絶よりはマシなので……いまとなってはそれも選択肢だという。

今後も婿を取れなかったとき、それが一族の救世主になるかもしれない。

そこで、未亡人である自分に「夫の弟さんにお情けを掛けてもらってはどうか」と提案されるに至ったわけだ。

縁談が流れたことで、その期待感はより強まった。

 

「ええ、夫のことはもう平気よ。周りの人たちがよくしてくれているから」

 

電話口の母は、娘の傷心に気を配りつつも、探りを入れていた。

――弟さんとの関係はどう? と。

未亡人の娘に申し訳ないと思いつつも、期待を込めた問いだった。

その人と深い関係になれていたりはしないか、と。

以前なら「夫を裏切れというのか」と激怒したかもしれないが……

 

「いい人よ」

 

修吾のことを、そう伝える。

イエスでもノーでもない、質問を回避する答えだ。

肉体関係にあることはもちろん、犯されているだなどとは、母にも伝えていない。

もし寵愛を授かっていると言えば母は喜ぶだろうが、それが修吾を実家の政略に巻き込む可能性もある。

だから修吾との関係は明言せず、子供だけ授かって妖魔界に帰るつもりだ。

 

「え?」

 

ふと、母からの言葉に、耳を疑った。

 

「……お見合い? 彼と?」

 

ヘラが、ではない。

 

――もしよければ、縁談が流れた一族の娘に、彼を紹介してくれないか。

 

そんな頼みが、一族の本家から実家に届いたという。

 

「……っ」

 

ヘラの手がスマホを握り込み、僅かに軋む音を立てる。

 

修吾さんが? お見合い? 私の親族と?

ああなるほど、一族には男が必要だけど、別にその相手は私でなくてもいい。

 

そうなれば……彼が私以外の娘と、よい仲になれば……

 

彼はもっと若い子と、煩わしくない夫婦になれて……

 

自分はひっそり、亡き夫を偲ぶだけの人生を……

 

「――ダメよ」

 

自分でも驚くような低い声が出ていた。

その後でハッとする。

別に私は、彼の恋人でも妻でもないのに……と。

 

「彼には……」

 

息を整えて、意を決して、母に伝える。

 

「あの人には――()()()()()()()()()()()()()()()

 

母はそれ以上、見合いの話を続けなかった。

電話を切ってしばらく……私は奇妙な胸の高鳴りを感じながら、その場に立ち尽くしていた。

 

 

 

 

夫と同じ血を引く彼だけど、セックスに関しては夫とは別物だった。

なんと言っても逞しい。

夫は眼鏡の似合う文系で、細身で、セックスのときも優しさと愛情表現を重んじてくれた。

私もそれに甘えて、行為のときはこちらが上になって腰を振ることが多かった。

 

「ふぅー、気持ちいいよ、ヘラ」

「あんっ♡ よかった、です……♡」

 

彼はその逆だ。

スポーツをやっていたそうで体付きは男らしい。

こうして風呂場で体を洗わされていると、筋肉の厚みと弾力を強く感じる。

夫よりも強い雄――そんな浅ましい感想が、体に湧いてくる。

 

「どうしたの? こんなに積極的にしてくれるなんて。珍しい」

「別に、なにも……♡ 修吾さんは、楽になさって……っ♡」

 

最近、お風呂は一緒に入ることが多い。

彼に全身を洗われて喘ぐこともあれば、今日のように逆もある。

いわゆるソーププレイで、私は仰向けになった彼の胸板に己を滑らせていた。

 

「その水着、やっぱり似合ってる。ヘラのエッチな体にぴったりだ」

「こ、こんなの……ここでしか着ませんから……っ♡」

 

私の体は、彼が購入した水着に包まれている。

いや、包まれているというより、飾られているというべきか。

なにせ乳首と秘所に最低限の三角形があるだけで、後は紐というような水着だ。

 

こんな恥ずかしいものを着せたがるなんて……私を人形だとでも思っているのか。

まるで……自分の所有物であるかのような……

 

そんな扱いを、嫌だと思っていない自分がいる。

 

「んぅっ♡ んっ♡ んぅっ♡」

「こーら、いまは俺に奉仕する時間だろ? 自分ばかり気持ちよくなるなよ」

 

水着越しに擦れる乳首の快感で声を零すと、彼にヒップを掴まれる。

 

「んあっ♡ ごめん、なさい♡ 精一杯、ご奉仕しますからぁ……♡」

 

水着がズレるのにも構わず、胸やお腹、両手両脚を、彼の同じ部位に擦り付ける。

体を洗身の道具として捧げ、女肉の感触を味わってもらうために。

 

「そうそうその調子、プロのソープ嬢みたいだよ。行ったことないけど」

「あっ♡ はぁっ♡ あっ♡ んっ♡」

 

いつの間にか私には、奉仕の快感が目覚めていた。

夫に対しては、対等であるか、自分が守らなければという目上の感覚だった。

 

彼は違う。完全に私が格下だ。

これまでのセックスで上下関係を叩き込まれた結果、義弟である彼を目上の存在に感じている。

当初は『逆らえない』というだけだったのに、いまは『尽くす悦び』すら感じている。

 

私なんかの体で、彼が悦んでくれるなら――と。

 

日夜、様々な形で体を求められても、唯々諾々と従ってしまうほどに。

 

最後に彼の要求を拒もうとしたのはいつだったか――もう思い出せなかった。

 

 

 

 

「あああぁぁぁっっっ♡ 修吾さん待ってっ♡ いまイってりゅっ♡ イってりゅからぁっ♡」

「いいねぇ、目隠ししたら急に敏感になったじゃないかっ!」

 

風呂の後、私は布団で、絶頂したばかりの膣内を突き上げられていた。

目隠しで視覚情報を絶たれた意識は、自然と体の方に集中している。

そのせいで、ごく普通の正常位による抽送でも、いつもより短い時間で果ててしまった。

義弟はそんな私を更に責め立てようと、絶頂の落雷に襲われている子宮に、追加のピストンを送りつける。

 

「んおっ♡ おぉぉっ♡ おふっ♡」

 

不意打ちで乳首を軽く抓られて、おかしな声が出る。

奥でイかされているだけで女は狂うのに、乳首イキまで追加されたら、もう声の制御はできない。

女の身体が、妖女の被虐嗜好が、こんなに浅ましいものだなんて、知らなかった。

彼に()()()()()()()、初めてそれを知ったのに、日に日に記録を更新されている。

 

「やめっ♡ 許してぇぇぇ♡ こわいのっ♡ イキしゅぎなのこわいのぉぉぉっ♡」

 

夢中で懇願する。

こんなことが続いたら、来週には気が触れているんじゃないかと、本気で思う。

 

「よしよし、怖かったね。ほら、いい子いい子」

 

彼の手付きが途端に優しくなり、子宮口はゆっくり圧迫され、乳房は柔らかく愛撫される。

激しくされた後にこうされると、愚かな私は急に安心しきってしまう。

目の前の彼が、世界で一番優しい男なのだと錯覚すらしてしまう。

 

(あ、この手付き……あの人と、そっくり……♡)

 

夫の愛情豊かなセックスを思い出してしまった。

やっぱり兄弟なんだな……と、妙に可愛らしく思ってしまった。

 

「っ!!」

 

そんな自分の思考に、強い自己嫌悪を覚えた。

いまのは、夫への裏切りだ。

ある意味、どちらが気持ちいいかを比べるより、酷い思考だった。

体はどうなっても、彼の子を孕んでも、心だけは夫のものだと誓ったのに……っ!

 

「んん? どうしたの? やっぱり物足りない?」

「んっ♡」

 

義弟の問いかけも、外れてはいない。

彼に調教されてしまったこの体は、私の意思とは裏腹に獰猛なセックスを望んでいる。

犯されるくらいの荒々しさがないと、辿り着けない絶頂があると、犬みたいに覚えてしまった。

 

「……て」

 

その淫らな体と、自己嫌悪に駆られていた心が、目的を一致させた。

 

「犯して……犯してくださいっ♡ いつもみたいにぃ、無理矢理、私を奪ってぇ♡」

 

自ら腰をくねらせ、見えない彼に手を伸ばす。

女が絶対に口にしてはいけないようなことを、媚びた声音で歌う。

目隠し越しでも、彼の嗜虐心に火がついたことを、肌で感じた。

 

「いいよ。いけない兄嫁に、お仕置きしてあげる」

 

不思議なくらい優しい声音がすると、腰が彼の両手に掴まれる。

どちゅん! と、休まされていた子宮が、お腹の側へと押し潰された。

 

「ひぎゅぅぅぅっ♡♡♡」

 

軽い絶頂を伴う快感が炸裂する。

一度ではない、彼が腰を突き入れる度にだ。

体には、先ほどの絶頂が余熱を残していた。だからあっという間に燃え上がる。

 

「そうっ♡ それぇ♡ 犯してっ♡ もっと♡ ()()()()、滅茶苦茶にしていいのぉっ♡」

 

被虐趣味とは別の動機が、そう叫ばせていた。

犯されればいい。こんな私なんて、滅茶苦茶にされればいい。

夫を裏切り、夫の弟を誘惑し、悦んでしまっている私なんて。

最近は心の中ですら、夫を忘れる時間が増えてきた私なんて。

 

「おぉぉっ♡ しゅごいのっ♡ イったばっかりなのにっ♡ またイっちゃうのぉぉっ♡」

 

だから、これは罰なのだ。

行きすぎた快感は肉体を苛む鞭になる。

彼にそれを振るわせることで、夫への贖罪にする。

自ら鞭を受けることが、夫への愛の証明なのだと――私はそう思い込むことにした。

 

「っ……いいとも、イキまくって痙攣してるおまんこ気持ちいいからね!

 ほらっ! もっと喘げ! 獣みたいな鳴き声を上げちまえっ!!」

 

彼も悦んでくれている。

粗忽に扱っても悦んでくれる女というのは、男の夢みたいなものらしい。

自分が虐げられるのは、不徳な関係を持たせてしまった彼へのお詫びも兼ねてのことだ。

 

「んおっ♡ おっおっおぉぉっ♡ しゅごいっ♡ 修吾さん素敵ですっ♡ あぅんっ♡

 私のからだぁ♡ ああぁぁっ♡ もっと、好きにしてっ♡ ぁぁぁっ♡ いいのぉっ♡」

 

抱き上げられ、体面座位で揺らされながら、彼を雄々しくするための言葉を紡ぐ。

体は快感のために、心は贖罪のために。

そうして心と体が一致すれば、後は何も考えずに喘ぐだけ。

 

「ほら、腕を出して」

 

いつの間に用意したのか、手錠で両手首を拘束される。

両腕が体の前に揃えられるそれは、どこか祈るようでもあって、いまの私には最適だった。

 

「後ろを向けっ。ドMなお尻を叩きながら突きまくってやるよっ!」

「はいぃっ♡」

 

乱暴な命令にも、抵抗なく従う。

お尻を突き出し、揺らして誘う――もうこの一連の動きは癖になってしまった。

 

「思い出せよ。ヘラの旦那さんは誰だ? 俺の兄貴だよな?」

 

パシッ! と軽くヒップを打たれる。

 

「ひうっ♡ そう、です……陽司さん、です……ごめんなさい……っ♡」

 

打たれている。暴力を振るわれている――()()()()()()()()()

 

「じゃあ、いまヘラが尻を振って誘惑してる相手は誰だ!?」

 

パシン! とより強く叩かれる。

私がいま、どんなに不徳なことをしているのか、再認識させるように。

 

「あぁっ♡ 修吾さんっ、ですっ♡ あの人のっ、弟にっ♡ 許してっ♡ 許してぇっ♡」

 

いけないことをしている――そう実感するだけで、子宮から全身に興奮が広がる。

でも、仕方ない――()()()()()()()()()()()()()()

 

「そうだ、謝るんだ。兄貴に懺悔するんだ!」

 

パパン! と、両手が時間差を付けて叩き付けられる。

その痛みと衝撃にさえ、全身に甘い痺れが広がった。

亀頭が秘所にあてがわれるのを感じると、甘美な震えが背筋を駆け上がる。

 

「ああぁぁ♡ ごめんなさいっ♡ あなたっ♡ ごめんなさ――」

 

ずぷぅっ! と、言葉の途中で、彼の長大なものが子宮口まで滑り込んできた。

 

「ふぉぉぉっ♡ おっおっぉぉぉっ♡」

 

一瞬の空白の後、強烈な快感が脳天にまで響いた。

視界が明滅し、呼吸が止まる。膣内を圧迫する剛直の質量に、子宮と意識が潰される。

 

「ほらっ、アヘ顔ばっかりしてないで、兄貴に言うことないのか!?」

「んぁぁごめんなさいあなたっ♡ 気持ちいいっ♡ あなたの弟さんのセックス気持ちよすぎるのぉっ♡ おっきくてっ、硬くてっ、雄々しくてぇっ♡ わたしのおまんこ新しくされちゃったんですっ♡」

 

夫への告解を叫びながら、彼の興奮を煽る。

もっと興奮してくれれば、もっと気持ちよく、ああ違うこれは罰なの罰だから――

 

「ああぁぁまたイっちゃうっ♡ 何度もっ♡ あなたのときよりいっぱいあぁイクまたイっちゃうのぉぉぉっ♡」

 

突かれる度にイって、イってる途中に突かれ、一度目が終わる前に二度目三度目とイキ続ける。

 

「許してあなたぁっ♡ 赤ちゃん欲しいのっ♡ あなたが残してくれなかった忘れ形見っ♡

 修吾さんにもらうのぉっ♡ あなたの血を残すためっ、だからぁっ♡ あひっ♡

 気持ちいいの許してっ♡ んおっ♡ イクの許してぇっ♡ あっあっあっあっあああっ♡」

 

早鐘を打つ心臓よりも早いペースで、絶え間なく反響するオーガズム。

気がつけば揉まれていた胸からも、彼に叩かれる尻からも、別の絶頂が合奏のように加わる。

 

「お゙お゙お゙ぉ ぉ ぉ っ♡♡♡ 来てるのぉ♡ あなたよりすごいイクの来てるのぉぉぉ♡

 これしゅきっ♡ 犯されイキしゅごいぃぃぃっ♡ 見てっ♡ あなたっ♡ 見てぇ♡

 あなたの弟さんっ♡ 立派にっ♡ わたしのこと孕ませてっ♡ あひゅぅぅぅっ♡」

 

ああ――もう、無理――あたま、真っ白――

自分で、なにを――言ってる、のか――

 

「――っ♡ っっっ♡ ――、――――っ♡」

 

自分で自分の声が聞き取れなくなった後も、私はなにか言っていた。

きっと、聞かされている彼でさえ、伝えるのをためらうような内容だろう。

 

そんなことすら、どうでもよかった。

 

気持ちいい。ただ気持ちいい。

イってない瞬間が無いくらいの悦楽の極地に、いまはただ溺れていたい。

全ての思い煩いから解放される、天国のようなこの時間が、ずっと続いてほしい。

頭の中が全てそれで覆い尽くされる直前――ふと思った。

 

 

 

こんな私に……夫への愛なんて高尚なものが……あとどのくらい残されているのだろうか?

 

 

 




ご一読いただきありがとうございます。

心は浮気していないつもりでも、
いつの間にか独占欲を抱いてしまっていた兄嫁でした。
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