誘惑禁止条例 ※性犯罪被害は条例違反にあたらない 作:大中小太郎
プロローグ (挿絵あり)
性犯罪とは、時に権力勾配によって起きる。
つまり、上下関係。加害者と被害者の間に、要求を拒ませない関係があるときだ。
強すぎる権力は、被害者に同意を口にさせる首輪となり、行為を強要する鎖となる。
ましてやそれが――主人と奴隷であれば。
「ぢゅぷっ、ちゅぱっ、じゅるるっ、ぢゅるっ♡」
ベッドの縁に腰掛けた藤次は、脚の間で前後する少女の頭に手を置いていた。
「いいぞシーア、その調子だ」
「んんっ♡ ちゅるっ、じゅぷるるっ♡」
シーアの長い銀髪が揺れて、ダークエルフの耳に絡む。
背中に流れた髪が、華奢で小柄な体を包むメイド服を彩った。
浅い褐色の可憐な顔立ちには朱が差し、小さな口の中に、藤次の肉棒が呑み込まれる。
「日に日に上手になっていくな。物覚えのいい子だ」
「ふぅぅっ♡ じゅぷっ♡ んぉっ♡」
藤次が褒める声を聞くと、シーアの口淫が勢いを増す。
首を前後に倒して逸物を呑み込み、舌が裏筋を擦り上げ、上顎に亀頭が滑る。
その快感もさることながら、自分の肉棒がシーアのような美少女の口内を征服しているという事実に、得も言われぬ優越感を覚えた。
「苦しいかい? それでも続けるんだ。旦那様の言うことが聞けるだろう?」
「ぐぽっ、ずぶっ、おぶうっ……♡」
藤次に頭を掴まれて、シーアは喉奥まで陰茎をねじ込まれた。
いや、厳密に言えば自ら顔を突き出し、喉奥まで呑み込んだのだ。
頭を掴まれたことで、強要されているという『体裁』が整ったからだろう。
「おごっ♡ んおっ♡ ぢゅぶるるっ♡ ぢゅぷっじゅるっ♡」
息苦しさに目を剥き、涙目になりながら、シーアは首の動きを止めない。
妖女であるシーアの体には、人間よりも深く広く性感帯が散りばめられている。
口内、特に喉奥もそのひとつ。
シーアは藤次のペニスを使って、指や舌では届かない喉奥の性感帯で、快感を得ているのだ。
「そうだ、もっとだ。気持ちいいぞシーア、もっと喉の奥に擦るんだっ」
自らの快感のために、そしてシーアの悦楽のために、藤次は命じる。
命じなければならない。
自分は彼女の主人であり、奉仕を要求する権利があるから。
彼女は藤次の奴隷であり、自分からは求められないから。
「んぉふっ♡ ほぉっ♡ んぐっ、ぁぁぁっ♡ おっおっおっ♡」
シーアの口から漏れるのは、苦悶というより喘ぎに近い。
もはや藤次への奉仕というより、己の快感のための口淫だ。
琥珀色の肌に珠の汗が浮かび、銀髪を貼り付け、ロングスカートに包まれた尻が左右に揺れる。
可憐なダークエルフの少女には不釣り合いな淫らさに、藤次の興奮は高まり、やがて射精の瞬間を迎えた。
「っぐ」
「っっっ♡♡♡」
どくっ、とシーアの小さな口内に精液が吐き出された。
シーアは目を見開き、一瞬だけ硬直するも、すぐに口内の白濁を飲み下していく。
「んっ、んんっ……ごくっ♡」
嚥下しながら、舌は愛おしそうに裏筋を舐め上げていた。
まるで、気持ちよくしてくれたお礼をするかのように。
「ぷぁ……旦那様ぁ……♡」
藤次を見上げるシーアの顔は、行為を強要された哀れな少女というよりは、褒めて欲しそうな犬だった。
期待に応えて銀髪や頬を撫でてやると、シーアは嬉しそうに、藤次の手を両手で包む。
「旦那様……もう、これ以上は、だめです♡
奴隷に、このようなことを命じては……だめ、なんです、よ?」
言葉とは裏腹に、シーアの濡れた瞳は、更なる悦楽を求めている。
「これ以上は……旦那様のお立場を、悪くしてしまいます……♡
ですから、どうか……どうか、お許しください♡」
奴隷と主人の間には、契約がある。
その中には、奴隷への虐待を禁じるもの――性的な行為の強要も含まれている。
ただし、契約によっては努力義務に過ぎないものとなり、黙認されるのが常だ。
「そんなに物欲しそうな顔をして、なにを言ってるんだ?」
「あ……っ」
藤次はシーアの手を引いて、ベッドの上に引き上げると、その華奢な体を押し倒す。
「妖女の体が、男のナニだけしゃぶって、それだけで満足できるはずないだろうっ」
藤次はわざと乱暴な手付きで、シーアの体を服越しにまさぐる。
その度にシーアは身を震わせ、切なげに吐息した。
「はぁっ♡ あっ♡ んぅぅっ♡ それ、は……仕方なくてっ♡
あぅぅっ♡ 申し訳、ありません……っ♡ 身の程も、弁えずっ♡ 体が、火照って♡」
激しい衣擦れの音と、シーアの嬌声が、寝室に響く。
他者の目が届かない家という密室の中で、主人が使用人の少女に乱暴せんしている――絵面だけ見ればそうだ。
しかし、それにしては、シーアの表情はあまりにも、喜悦に染まっていた。
「ああ、そうだろうな。そんなになっても、奴隷の方から主人を求めるわけにはいかないよなぁ」
主人が奴隷に手を出してはいけないように、奴隷もまた主人と関係を持ってはならない。
むしろ罰則の厳しさで言えば、こちらの方が重要だ。
女の奴隷が主人を誘惑するなど、男の奴隷が奥様を襲うかのようなもの。鞭では済まない。
「ひゃぅぅぅっ♡ 旦那、さまぁ♡ 胸、そんな、強くぅ♡」
だから、シーアは藤次を求めてはいけない。
誘うなどもってのほか、求められても受け入れてはならない。
それでも、体はどうしようもなく求めていて、藤次にはシーアを従える権限がある。
「俺に逆らうのか? シーア」
「あっ♡」
だから――これが
「主人の言うことが聞けないのか?」
「あっ♡ はうっ♡ あぁぁ♡」
高圧的な脅迫を受けて、シーアがぴくぴくと震える。
上下関係による強要を受けた恐怖――とは見えない、欲情の顔だ。
それでも――そういう状況は整った。
「お許し、ください♡ 旦那様……どうか、シーアを、お見捨てにならないで……♡」
シーアは自ら藤次の手首を掴み、自分の乳房へ引き寄せる。
「私は、奴隷ですから……旦那様のご命令には、どんなことでも……従いますから♡」
脅迫を受けた途端に、シーアの色気が増した。
被害者という、大手を振ってセックスができる大義名分を、手に入れたからだ。
そして、襲う側である藤次の興奮に、絶対服従の姿勢を示すことで薪をくべている。
「旦那様へのご恩を思えば……このくらい、なんでもありませんから♡
どうか……シーアの粗末な体を、思う存分、お使いになってくださいませ♡」
これぞ、妖女。
男に自分を犯させる術を覚えた、被虐の罠で精気を搾り取る、淫魔だった。
「いい子だ――さあ、四つん這いになれ。犯されるためのポーズをとるんだっ」
「はい、仰せのままに……♡」
シーアは嬉しそうに、言われた通りにする。
ロングスカートを捲れば、ショーツはもう愛液でぐしょ濡れになっていた。
乱暴に掴んで引き落とすと、褐色肌のヒップと割れ目が露になる。
腰の細さに反して肉付きのいい尻から、妖女の香りが立ち上った。
妖女のフェロモンなのか、藤次の脳内で性欲を司る部分が急加速していく。
先ほど口で抜いてもらったはずの逸物が、何日も禁欲していたように張り詰めていた。
「さあ、尻を上げるんだ」
「はぁ♡ 申し訳、ありません……っ」
シーアは膝を揃えて立てると、逆に頭を低くしてベッドに伏せる。
藤次は扱いやすい位置に来たヒップを掴み、逸物の先端をシーアの秘所にあてがう。
「ひうっ♡」
藤次の手と先端を感じただけで、シーアの背中がびくっと震えた。
そして挿入に備え、力を抜いていく。
肉棒を受け入れることに従順な姿は、自分が少女を支配下に置いていることを実感させてくれた。
「当てただけでこれか。まったく、こんなに可愛いのに、淫乱な子だ」
「ひあっ♡ やぁ♡ 旦那様ぁ♡ 擦っちゃ、らめ♡ 変になるっ♡ それ変になりましゅっ♡」
フェイントを掛けるように膣口へ引っ掛けると、その度にシーアの腰が震え、数を重ねるごとに震えが大きくなる。
入口を擦られるだけで、絶頂寸前。シーアの体はそこまで燃え上がっていた。
「これなら、一気に奥まで入れても大丈夫そうだな」
「あっ♡ 待って、旦那様――」
慌てて振り返ったシーアの中に、亀頭が滑り込む。
「きゃうぅぅぅっ♡」
それで達してしまった彼女へ、ノータイムで追い打ちを掛けるように――
「あああぁぁぁっっっ♡♡♡」
一気に奥まで突き入れた。
シーアはベッドに突っ伏したまま、大きく口を開いて痙攣した。
絶頂している間に、より強い刺激を受けて、絶頂を拡大されたのだ。
「おお……すごいな。おまんこが吸い付きながら痙攣してるぞ?」
藤次はシーアの媚態に驚く。
受け入れたときはあっさり子宮口まで呑み込み、引き抜こうとすると熱い柔肉が締め付けて逃がさない。
バイブレーションのような絶頂の痙攣が、これまた別の生き物のように精を搾り取ろうとする。
「あひゅっ、ひぅ、あぁぁ♡ おっき……い……旦那様の、おっきなのがぁ……♡」
シーツを掴んでうわごとを口にするシーアに対し、藤次はゆっくりを腰を前後させた。
「あっ♡ まだ、動いちゃ、だめぇ……っ♡」
シーアは真っ赤な顔を振り返らせて懇願するが、その表情は、こちらの嗜虐心を煽るような艶笑だった。
膣内の蠢きはより雄弁で、根元から亀頭まで波打つように、催促の収縮を見せている。
「ん? なにが駄目なんだ?」
「ひあうっ♡」
軽く尻を叩いてやると、シーアは可愛らしい悲鳴を上げて、言動を一変させた。
「ごめん、なさいっ♡ どうぞ、お好きになさってくださいっ♡
私の体っ、旦那様が気持ちよくなれるように、使ってくださいっ♡」
そう言わされている、という体裁で、シーアは抽送を求めた。
誘惑行為を禁じられた妖女が好む、男を雄々しくさせるための手管だ。
「いい子だシーア、ほら、行くぞ!」
その期待に応えて、藤次はシーアの腰を両手で掴むと、勢いよく腰を前後させる
ぱんっぱんっと、肉と肉がぶつかり合う音が響く。
「あひぃっ♡ はいっ♡ きてますっ♡ 旦那様のっ♡ 逞しいのがぁっ♡」
シーアの細身の体が、乱暴に揺さぶられていた。
ベッドの軋む音が行為の激しさを物語り、嬌声が壁に反響する。
「はぁっ♡ 旦那様っ♡ 旦那さまぁっ♡ もっと、気持ちよくなってぇ♡ シーアの体でっ、ああぁぁ♡ お慰み、させてっ♡」
いつしかシーアも尻を振っていた。
藤次の腰使いに合わせて尻を振ることで、より深く、強く肉棒に貫かれるようにしている。
献身的に体を使わせていると見せかけて、己の悦楽を追求しているのだ。
そんなシーアの浅ましさすら、可愛らしい。
だから指摘せず、彼女の望む『奴隷を性欲処理に使う主人』という役に徹する。
「そうだシーア、もっと喘げ! 旦那様を楽しませろ!」
「あっ♡ あっあっあっあっあっ♡ だんな、しゃまっ♡ しゅごいっ♡ こんなにっ♡ おっきのがっ♡ あああぁぁぁっ♡」
シーアは命じられた通り、快感に対して声を堪えず、喉を枯らすように嬌声を上げる。
釣られるように藤次のピストンも昂ぶり、肉のぶつかる音が甲高くなっていく。
「んおっ♡ おおぉっ♡ 旦那様ぁ♡ 素敵、でしゅっ♡ ああぁぁっ♡ 雄々しいのぉ♡ 私の、中からっ、体中がっ♡ 征服っ、されてりゅっ♡ あっあっあああぁぁぁっっっ♡♡♡」
シーアの乱れようは増すばかりだ。
妖女の性感帯は、人間女性と比べて、深く広い。
それが与える快感も人間女性とは比較にならず、より強く大きな刺激を求める。
結果として生じるのが、男に蹂躙されることを好むような、天性のマゾメス体質だ。
シーアもまた、銀髪美少女の見た目にそぐわず、獰猛なほどにオスを求める妖女だった。
「っくう! こいつめ、突けば突くほどイキやがって!」
「あひぃっ♡ ごめんな、さいっ♡ だって、旦那様がぁっ♡ 優しいからぁっ♡ ああぁぁっ♡ シーアのおまんこっ♡ 優しく、苛めて、くれてっ♡ あああイクッ♡ またイッちゃいますぅっ♡」
シーアは藤次の逸物に乱れ狂う。
既に十回は達しているが、藤次は止まらず、シーアも止めない。
妖女の淫乱ぶりは、瞬く間に連続絶頂に到達し、それを更に加速させるべく体を動かす。
男の肉棒に向けて腰を振り、男をケダモノになるよう言葉と態度で仕向ける。
藤次は率先してその術中に嵌まり、普段は可愛がっているシーアを、豹変したように突きまくる。
「あっ♡ あっあっあっあっ♡ すごひっ♡ おちん○ん凄いぃっ♡ 旦那さまぁっ♡ 私もうだめですっ♡ だめになっちゃいまひたぁっ♡」
そこからのシーアは、もはや言葉を紡げなくなった。
赤子か泣くように、動物が鳴くように、ただ喘ぐのみ。
それを藤次の抽送に合わせて変化させながら、終わらないオーガズムに意識を沈めていく。
「ああ、まったく! もう獣みたいな声を上げて……こんなに、乱暴に、犯してるのに! お前はどれだけ淫乱な奴隷なんだ!」
藤次は一心不乱に腰を振りながら、底抜けの淫乱であるシーアを責めた。
「おっおっおっ♡ ああぁぁぁああぁっ♡ んあっあっあっ♡ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ♡♡♡」
もはや藤次のことすら意識にないのか、シーアは己の連続絶頂に酔い痴れている。
肉棒を搾る膣圧も凄まじく、藤次は自然と臨界点を迎え、ためらう間もなく精を解き放った。
「出すぞシーアっ!」
「あひぃっ♡ はいっ♡ 出してくださぃっ♡ 旦那様のっ♡ 熱くて濃いのっ♡ シーアの中にっ♡ いっぱい注いでくださいぃっ♡」
藤次の射精は長かった。
シーアの子宮口に亀頭を押し付けたまま、大量の白濁液を吐き出していく。
「あ――っ――く――ぁ――っ♡」
シーアは大きく口を開いて、声にならない声を鳴らす。
対して媚肉は貪るように逸物を締め上げ、藤次の精液を一滴残らず吸い取った。
そして、両者とも同時に脱力、息を吐く。
藤次はベッドに腰を落として、荒い呼吸を繰り返す。
シーアはベッドに突っ伏して、膣内射精による大絶頂を味わい続けていた。
(はは……これじゃあ、どっちが性奴隷なのか分かったもんじゃないぞ?)
こんな激しい情事が続いたら、音を上げるのは藤次の方かもしれない。
「まったく……出会ったときは、あんなに弱々しかったのに……」
メイド服を着て、主人の精気を根こそぎ奪う、ダークエルフの美少女奴隷。
そんな彼女との出会いは、およそ一ヶ月ほど前のことだった――
ご一読いただきありがとうございます。
新編として奴隷編スタートです。
挿絵はとりあえず外見把握のため表紙のみ。