※この作品はR-18です。

誘惑禁止条例 ※性犯罪被害は条例違反にあたらない   作:大中小太郎

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第一話 後編

 

 

 

藤次もかつては妻がいた身だ。

セックスについては、それなりに場数を踏んでいる。

だというのに――シーアの唇を奪うことには、かつてない興奮を覚えた。

 

「ちゅぷ……れるっ、んっ♡ ぴちゃっ」

 

舌と唾液を交換し合う水音が、部屋の中で響く。

シーアは目を半開きにして、藤次にされるがままになっている。

 

「ぷぁっ♡ あむっ♡ ちゅるるっ」

 

長身の藤次は、シーアに上から覆い被さるように。

小柄なシーアは、精一杯の背伸びをしながら見上げるように。

二人の唇は、水平方向というより垂直方向で重なり合う。

 

「んんっ♡ ぷあっ♡ あむうっ♡」

 

藤次はシーアの後頭部に手を回し、貪るように唇を()む。

シーアは目を潤ませながらそれを受け入れ、藤次の背中に両手を回した。

彼女の舌も唇も、藤次を拒んでいない。

ぎこちなく舌を絡め、唇を(ついば)む姿は、彼女が不慣れな乙女であることを強く感じさせた。

 

「ぷぁ……っ」

 

シーアの足が、藤次に押される形で後退する。

膝裏がベッドの縁に触れると、自然と腰を下ろし、そのまま背中からベッドに倒れた。

 

「はぁ……っ、はふぅ……っ♡」

 

呼吸も忘れていたのか、頬を紅潮させたシーアは、放心気味にこちらを見上げている。

 

「楽にして。全部任せていいからね」

「はい……♡ 旦那様の、お好きなように……」

 

シーアは献身を口にするが、この様子からして、男性経験はないのだろう。

妖女は成長過程で処女膜を失うので、破瓜の痛みは心配ないが、それでも男に身を預ける怖さはあるはずだ。

だから藤次は理性を総動員して、赤子を扱うような慎重さで、シーアの体に手を伸ばす。

 

「あっ♡ はぅっ♡」

 

耳や首筋にキスをしつつ、服の上から壊れ物を扱うように愛撫していく。

童貞のような焦りのない紳士的な手付きに、シーアの表情が蕩け始めた。

 

「旦那、さまぁ♡ あぅ♡ そんな……キス、たくさん♡ お手々、優しい……っ♡」

 

シーアは藤次の頭を抱いて、キスの雨と愛撫のそよ風を甘受した。

いつの間にかメイド服の胸元が開かれ、白いブラに包まれた丸い乳房が解放される。

一般的な妖女に比べれば慎ましいが、華奢な小柄に比べれば十分に豊かな胸だ。

 

「はふっ♡ 旦那様……どうぞ、ご遠慮なさらず……シーアは、平気ですから……♡」

「いいんだよ。無理をしなくても。慣れてきたら、おねだりしてごらん」

 

シーアが男の手に慣れるまで、藤次はゆっくりと事を進める。

強張りがちな体を解すように、冷えた体を肌の熱で温めるように。

それでいて少しずつ服をはだけさせ、ブラが外され、スカートがまくり上げられる。

 

「そんな……旦那様ぁ♡ これじゃ、駄目です……♡

 これじゃ、私が……奉仕、されてるみたいで……っ」

 

シーアはもっと粗忽なものを想定していたのだろう。

妖魔界では、女性の身分によって、男による『丁重さ』が変わるらしい。

彼女の常識だと、人間男性が人間女性にするような前戯は、『献身的な奉仕』となるようだ。

 

「私……できます♡ ちゃんと、旦那様を、受け止められますからぁ……♡

 我慢、なさらないで……?」

 

シーアは女として、藤次の劣情を正面から受け入れたいようだ。

操を捧げることを決めた女の誇り――その中に隠れた『おねだり』。

藤次はそれを読み取り、シーアの乳房を小猫のように撫でながら、

 

「いい子だな。じゃあ、ちょっとだけ雄になるぞ?」

 

シーアの乳首を口に含んだ。

 

「んぁうっ♡」

 

びくんっ! と、シーアの体が軽く跳ねた。

そのまま唇と舌を使って、片方の乳首を可愛がっていく。

 

「あっ♡ んんんっ♡ んっ♡ んっ♡」

 

シーアは藤次にしがみつき、喉の奥を鳴らす。

 

「旦那、さまぁ♡ 旦那様が……私の、胸ぇ♡ 吸って、るぅ♡」

 

母性が刺激されたのか、シーアの声音から怖れが消えてきた。

 

「もっとしていいか? シーア」

「はい♡ どうぞ……ううん、ご命令ください♡

 旦那様の、奴隷に……お役に立てって、命じてくださいませ♡」

 

あくまでも奴隷として、主人に乳房を捧げたい。

そんな献身の恍惚を感じる言葉に、いよいよこちらの理性も品切れだ。

 

「シーアっ」

 

藤次は乳輪に歯を立てるようにしゃぶりつき、もう片方の乳房を鷲掴みにする。

 

「ひゃあんっ!? はぅ、あうっ♡ 旦那様っ、力強いっ♡」

 

シーアは藤次の頭を抱きしめて悶える。

藤次は構わず、シーアの柔肉を揉んでいく。

 

「んぁあっ♡ 旦那様っ、そのままっ♡ どうかそのままっ♡ あんんんっ♡」

 

シーアの言葉は、奴隷として主人の好きにさせているようにも聞こえた。

だが、それだけではない。

刺激に慣れてきた妖女の体が、「もっとして欲しい」と、快感に食いついているのだ。

 

「そうか、ならこっちもしてやろうな?」

 

藤次は左右の乳房を刺激しながら、片手をシーアの下腹部へ運んでいく。

 

「ひぁうっ♡」

 

下着のクロッチを手で包むと、シーアは嬌声と共に震える。

驚いたような表情は、藤次の手がゆっくりと愛撫していくことで、瞬く間に陶酔へ変化した。

 

「ああぁっ♡ だんな、しゃまっ♡ そこっ♡ はぁうぅっ♡」

 

藤次はシーアのショーツの中に手を突っ込み、直接秘所を触診した。

 

「ふわぁあっ♡ あっ♡ あっ♡ うそっ♡ こんなっ♡ 感じ、ひぁぁぁっ♡」

 

指先で割れ目をなぞるだけで、この乱れよう。

男を知らなかった体が、妖女の本能に目覚め、急速にセックスの準備を始めている。

シーアにとっては、自分の肉体が内側から作り替えられているかのような衝撃だろう。

 

「あうっ♡ あぁっ♡ 旦那しゃまっ♡ 指っ、いいっ♡ それっ、好きぃっ♡」

 

シーアは無意識のうちに腰を上げ、自ら股間を押し付けてくる。

その動きに応じて、藤次も深く指を食い込ませていくが、痛がる様子はまるで無い。

肉体が慣れてくれば心もついてくるもので、シーアは藤次に与えられる快感を歓迎し始めている。

 

「痛かったら言うんだぞ……っ」

 

藤次は一度指を止めて、ショーツの中に滑り込ませていく。

 

「言い、ません……っ。ちょっと痛いくらい、我慢して……ふぁぁぁっ♡」

 

シーアが何かを言いかけた瞬間、膣内へと中指を突き入れた。

 

「ふぁぁぁっ♡ 旦那様の、手がぁ……♡」

「よしよし、ゆっくり解してやるからな?」

「あぅぅっ♡」

 

シーアは甘い声で鳴きながら、藤次に抱きつく腕の力を強めた。

やはり処女膜はないようだが、拒むような膣の締まりを見るに、器具を使った自慰はあまりしていないようだ。

慌てず慣らすのが男の務め。藤次は内壁を撫でながら、少しずつ奥へと指を侵入させていく。

 

「んく……っ♡ 中に、入って、きて……るぅ♡ ひぁんっ♡」

 

早速、よい反応を示す部分が見つかった。

 

「大丈夫だぞ? シーア……声を我慢しなければ、苦しくなくなるぞ?」

 

藤次はシーアの耳元で囁き、背中をさすりながら、見つけた弱点を愛撫してやる。

 

「んぁぁっ♡ 旦那様っ♡ そこっ♡ そのままっ♡ はぁっ♡ あっあっあっあああぁぁぁっ♡」

 

シーアは堪らずといった様子でおねだりを口にする。

それを指摘せず、くすぐるように弱点を擦り続けると、甘い声は嬌声へと変わっていき――

 

「ぁぁぁぁぁっ♡」

 

ガクン! と大きく震えて、絶頂した。

 

「はふっ♡ はっ♡ あぁ♡ いま、私……なに、が……♡」

「イってくれたんだな。可愛いぞ、シーア」

 

自分に何が起きたか分かっていない様子のシーアに、藤次は額へのキスを送る。

自慰をしたこともない、というわけではないだろう。

ただ、男の手で達したことは、これが初めてのようだ。

その絶頂は、彼女の想像を超えるものだったらしい。

 

「気にせず、少し休んで」

「……だめ、です」

 

気を遣う藤次の言葉を、シーアが遮る。

目を合わせると、頬を紅潮させ涙目になりながらも、シーアは真っ直ぐ藤次を見上げていた。

 

「私、奴隷なのに……っ♡ 私ばっかり、よくされちゃ、だめなんです……

 ちゃんと、旦那様を……お慰み、させてください♡」

 

自分への心配は無用だと、シーアは続きを促す。

強がりなのは明らかだが、シーアの目は真剣だ。

 

「可愛がられてばかりじゃ、嫌です……ちゃんと、シーアを、旦那様の女にしてくださいませ♡」

 

彼女が口にしていた、奴隷の誇り。

というより、稚児のような扱いを拒む、大人の女のプライドか。

 

「そうだな……」

 

どちらにせよ、これ以上の甘やかしは、彼女に失礼というものだろう。

藤次は上半身を起こすと、ズボンの中から、ずっと窮屈に我慢していた逸物を取りだした。

 

「あ……っ」

初めて見る男性器に、シーアが息を呑む。

 

「そんなに怖がるな。俺のモノも、お前に負けないくらい熱くなっているぞ?」

 

藤次は逸物の根を手に取ると、シーアの割れ目に触れさせる。

 

「あん……っ♡」

 

シーアは震えるも、腰は引かない。

大陰唇を擦るようにして探ると、濡れそぼったそこは、いつでも受け入れられそうだ。

少女の外見に反した淫らさは、彼女がもう一人前の妖女(おんな)であることの証だった。

 

「いい子だ。力を抜きなさい」

 

藤次はそう言って、亀頭を秘所の入り口にあてがい――

 

「はい……お願いします、旦那様♡」

 

シーアの返事を待ってから、ゆっくりと腰を押し進めていく。

 

「んっ……ふぁっ♡ 入って、あぅぅっ♡」

 

シーアは顔をしかめて、藤次の体にしがみつく。

 

「痛いか?」

「いえ、平気……です……っ♡ 続けて……下さい……っ♡」

 

亀頭を受け入れた程度だが、シーアの顔には興奮の色が濃く見えた。

膣圧は半ば拒むようでいて、奥へと吸い込もうとするようでもある。

 

「旦那様……来て……きてぇ……♡」

 

しばらくそのままにして、シーアが慣れるのを待っていると、藤次の腰に彼女の足が絡み付く。

流石は妖女というべきか、膣が早くも肉棒に適応し始めた。

それでも藤次は、シーアの負担を軽くするよう、ゆっくりと腰を進めていく。

 

「あぅぅ♡ おっきぃ……旦那様のっ♡ くるっ♡ 来てますっ♡ なのに、優しい……っ♡」

 

シーアは小刻みに震えながら、藤次の服の背中を握り込む。

亀頭が膣内の各所を擦るたび、彼女の体に快感の紫電が走っているのが分かる。

 

「もうすぐだ。もうすぐ一番奥まで届くぞ?」

「はいっ♡ 旦那様ので、埋め尽くしてくださいませ……っ♡」

 

シーアの表情は、すっかり蕩けきっていた。

藤次は彼女にキスをすると、シーアの膣が許すように緩んだ瞬間、音もなく腰を沈める。

 

「っっっ、んぁぁぁっ♡」

 

子宮口に触れる感触がすると、シーアが目を見開いて嬌声を上げた。

人間の女性なら、ポルチオは時間を掛けて開発しなければならない。

しかし妖女であれば、最初から最も鋭敏な性感帯だ。

 

「ここだな? わかるか? 今、俺のが、お前の奥に届いた」

「は、はひっ♡ わかりましゅっ♡ シーアの中っ、旦那様でっ、いっぱいにぃ……っ♡」

 

奥に当てたまま腰を止めると、シーアは小刻みに震えながら息を荒げる。

始めて受け入れた男性器のもたらす快感に、認識が追いついていない様子だ。

 

「あっ♡ はふっ♡ これぇ♡ すごい♡ あっ♡ お腹からっ、体中にっ♡ びりびりって♡」

 

膣壁は感触を確かめるように絡み付いており、時間が経つほど意識が快感を拾っていく。

男根を「気持ちのいいもの」と学ぶなり、膣内のうねりは貪欲になっていき、シーアの腰が自然と動く。

 

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ なにかっ♡ なにかくるっ♡ きますっ♡ きちゃうぅぅぅっ♡」

 

あろうことか、藤次が腰を動かすまでもなく、シーアは絶頂を迎えた。

指の愛撫による軽い絶頂ではない、肉棒による、子宮口での、「奥でイク」と呼ばれる大絶頂だ。

 

「かふっ♡ はふっ♡ あああぁぁぁっ♡ いま、なにが……ひゃうぅ♡

 旦那様っ、ごめんなさい♡ こんなっ♡ こんなに、なりゅなんて……私、知らなくてっ♡」

 

シーアは恥ずかしそうに顔を覆いながら、自分の体に起きた未知の絶頂に驚いている。

 

(初めて男を受け入れて、これか……っ)

 

妖女の体が淫らであるとは聞いていたが、噂以上だ。

処女なのに、簡単にイキまくって乱れ狂う、生まれつきセックスが大好きな種族。

シーアはいま、そんな妖女として、秒刻みで覚醒していっている。

 

「旦那、さまっ♡ どうぞ、動いてくださいっ♡ 私、もう十分、気持ちよすぎて……っ♡

 だから……旦那様もぉ、気持ちよくなってっ♡ シーアを、お役に立たせてくださいっ♡」

 

シーアは藤次の顔を包むように手を伸ばし、腰を動かす許しを与えた。

男性がそうするものだという知識はあるのだろう。奴隷の誇りを語る彼女らしい献身でもある。

しかし、藤次の見間違いでなければ――もっと大きな快感を得たいと、望んでいるように見えた。

 

「ああ、動くぞシーアっ!」

 

できるだけシーアに負担を掛けないようにという理性が、とうとう底尽きた。

藤次はシーアの太ももを掴んで足を開かせ、斜め上から腰を突き落とす。

 

「ひゃあうんっ♡」

 

シーアは目を大きく開き、喉を仰け反らせて喘ぐ。

 

「あんっ♡ あっ♡ 旦那様っ♡ しゅごい♡ あふっ♡ わたしっ♡ またっ、きちゃうっ♡」

「イクって言うんだっ。イクときはちゃんと言いなさい!」

「は、はひっ♡ イキますっ♡ シーア、旦那様にっ♡ 突かれてぇ、イっちゃいますっ♡ あああぁぁぁ~~~っ♡♡♡」

 

シーアは藤次に言われるまま申告すると、再び全身を痙攣させた。

 

「はふっ♡ ふーっ♡ ふぅぅぅ♡」

「大丈夫か?」

 

藤次が尋ねると、シーアは小さく首肯した。

 

「はいっ♡ 平気です♡ 私のことより、旦那様です♡ シーアは、ちゃんと、できてますか?」

 

絶頂で意識を朦朧とさせながらも、不安そうに聞いてくるシーアは、あまりにいじらしい。

藤次はそんなシーアを力強く抱きしめて、再び腰を突き落とす。

 

「当たり前だろうっ、こんなに気持ちいいことは初めてだ!」

「あぁんっ♡ 嬉しいっ♡ あぁうぅっ♡ 気持ちよく、なって、いただけてっ♡ ああっ、そこっ♡ 奥にいっ♡」

 

実際、シーアの膣内は名器だった。

藤次が知る、人間女性だった妻のものとは、まるで違う。

ひどい例えだが、これまで雑巾しか知らなかった人間が、シルクの質感を知ったかのようだ。

 

「ああぁぁイクッ♡ 旦那様っ、ごめんなさいっ♡ また、私ばかりっ♡ んぁぁぁぁっ♡」

「いいんだっ! いくらでもイっていいんだ! 男はな、自分とのセックスで女が感じてくれるほど嬉しいんだ!」

 

本心からの言葉だったが、シーアは衝撃を受けたように首を振る。

 

「そんなっ♡ そんなのだめぇっ♡ これじゃ、立場が、逆ですっ♡

 わたしがっ♡ 旦那様をっ、気持ちよく、しないと、いけないのにぃっ♡」

 

言葉を交わす間にも、二人のまぐわいは激しさを増していく。

ベッドが軋む音を上げ、結合部の水音と衝突音が部屋に木霊していた。

 

「なら命令だ! もっと乱れろっ! 俺のセックスで、イキまくって気持ちよくなれ!」

 

奴隷の首輪が反応した。

感情を操るようなことはできないが、己の快感に対して正直にさせることはできる。

 

「あひゅうっ♡ 気持ちいいっ♡ 気持ちいいのぉっ♡ 旦那様の、セックスっ♡ どんどんっ、好きになるっ♡ 私の体がぁ♡ 旦那様のことっ♡ 大好きになってるのぉっ♡」

 

シーアの顔が歓喜を隠さなくなり、言葉は肉体の変化を白状する。

 

「命令だ。して欲しいことがあるなら言うんだ!」

「あぁぁぁっ♡ もっとっ♡ もっとしてぇっ♡ 優しくなくて、いいのぉっ♡ 旦那様のっ、雄々しい姿っ♡ もっと見たいっ♡ 感じたいですっ♡ シーアのことっ♡ もっとぉ、求めてくださいっ♡ 強くっ、深くぅっ♡」

 

シーアはより強い刺激を求めていた。

人間女性より性感帯が深く広い妖女の体は、自然と力強いセックスを求める。

それは男を獰猛にしなければ得られないから、結果として被虐の先に悦びを見出してしまう。

シーアはいま、そういう貪欲な妖女として開眼したのだ。

 

「いいぞっ。さあ、後ろを向いて四つん這いになるんだ!」

「はい♡ 聞きますっ♡ 旦那様のご命令、聞かせてください……っ♡」

 

シーアは嬉々として従う。

妖女の被虐趣味と、奴隷の忠誠心、その二つがすっかり混ざり合っていた。

 

「膝を立てて、お尻を上げるんだ」

「はぅぅ♡」

 

言われた通りにしたシーアの尻を撫でつつ、メイド服のスカートをまくり上げ、可愛らしい貝殻のような割れ目に剛直をあてがう。

 

「あぁぁぁ~~っ♡」

 

シーアは、正常位とは異なる角度で肉棒に貫かれ、喉を仰け反らせた。

藤次はシーアの腰を掴んで引き寄せながら、背後からのピストンを開始する。

 

「あふっ♡ はぁんっ♡ んふっ♡ ううっ♡ あふっ♡ ふあぁっ♡」

 

藤次の激しい突き入れに、シーアは言葉を紡ぐ余裕もなく、喘ぐことしかできない。

しかしその嬌声は、彼女がより大きな快感を得ていることを、如実に物語っていた。

 

「ああぁイクッ♡ イクイクイクぅぅっ♡」

 

そうして瞬く間に絶頂し、背中を大きくのたうたせる。

 

「はは、バックが気に入ったみたいだなっ。男の味を知った途端これかっ、エッチな子だ!」

「ひぁうぅ♡ お許し、くださいっ♡ 勝手に、イってばっかりでぇ♡ ごめんなさいっ♡」

 

銀髪を振り乱しながらこちらを見るシーア。

目は涙目でありながら欲情に染まり、口からは涎と嬌声が止まらない。

 

「いいぞ、許してやるっ。その代わり、もう俺も遠慮しないぞ!」

 

藤次はシーアの細い腰を掴むと、自らの快感のために腰を振る。

ぱんぱんぱんぱんっ! と、シーアの柳腰には過剰なくらいの衝突音を、短い間隔で打ち鳴らす。

 

「あああぁぁぁっ♡ しゅごいっ♡ 旦那様がぁっ♡ 私をっ、征服してりゅっ♡ 征服してましゅっ♡ あぁぁイクッ♡ イってりゅのにぃっ♡ またイっちゃいますっ♡」

 

シーアはもはや、自分が何度達しているのか、数えることさえできなくなっていた。

 

「いいぞ、お前は最高の奴隷だな、シーアっ」

「ああぁぁ♡ 嬉しいっ♡ もっとぉ♡ 旦那様ぁっ♡ もっとぉ、支配してくださいっ♡

 可愛がるだけじゃなくてっ♡ 私のっ、心も体もっ♡ 従えてくださいませっ♡」

 

シーアは完全に、蹂躙されるようなセックスを愉しんでいた。

自分は無遠慮な手付きで弄ばれるほど快感なのだと、心身ともに理解してしまった。

 

「いいぞっ。このおまんこも、おっぱいも、体中全部! 今日から俺のものだ!」

 

背後からシーアの胸を掴み上げ、膝立ちにさせて高速ピストンを打ち上げる。

 

「あひゃあっっ♡ すごっ、すごいですっ♡ 旦那様っ♡ なるっ♡ なりましゅっ♡

 シーアのからだっ♡ だんなさまのものなのぉっ♡ 旦那様のっ♡ 慰み者に、してぇっ♡」

 

シーアは喜悦に咽び泣きながら、自ら尻を押しつけてくる。

 

「もちろんだっ! 望み通り、滅茶苦茶にして、ずっと可愛がってやるっ!」

 

気がつけば藤次の理性も焼き切れ、性獣としか呼べない情欲に支配される。

それがシーアを服従させたというより……シーアの魔性に、そうさせられていた。

 

両者とも、それを自覚することもなく――

 

「っぐ、出るぞ!」

「ああっ♡ 来てっ♡ 旦那様ぁっ♡ シーアの中でっ、イってくださいっ♡」

 

同時に絶頂を迎えた。

どくんどくん、とシーアの膣内で脈打つ肉棒。

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ っ っ っ ♡♡♡」

 

雄叫びのようなシーアの嬌声が、寝室の壁を震わせた。

 

「はぁ、はぁ……っ」

「はひっ♡ はぁぁ♡ あっ♡ ああぁぁ……っ♡」

 

藤次は半ば放心状態で荒い呼吸を繰り返し、シーアはほとんど意識を失っている。

 

(ああ……やってしまった……)

 

結局、シーアを抱いてしまった。

いいや、主人と奴隷の立場に漬け込んで、犯してしまった。

もはや言い訳も後戻りもできない――彼女やその家族が望んだ通りの展開だ。

 

(まったく……妖女というものは、聞いていたより恐ろしいな……)

 

この日、シーアの体を支配したのは藤次だが――

 

藤次の欲望を支配したのは、間違いなくシーアだった。

 

 

 

 

 

翌日、シーアがどうなったかというと――

 

「~~♪」

 

とても上機嫌だった。

 

「朝から豪勢だな……」

「はいっ。旦那様には精を――こほん。

 主人の健康を保つのも奴隷の務めですのでっ」

 

朝食の席には、妖魔界の食材をふんだんに使われた料理が並んでいた。

それでいて味付けには味噌や醤油が使われ、日本人にも食べやすい。

人間界に来てから、人間界の料理を学んできた成果だろう。

 

「疲れているだろうに。せめて午前中くらい休んでいいんだぞ?」

「はぅ♡」

 

疲れを指摘されたシーアは、昨夜のことを思い出してか赤面する。

メイド服の中で内股気味になり、僅かだが身をくねらせていた。

 

「お、お気遣いありがとうございます……ですがその、むしろ元気をいただいたといいますか、興奮冷めやらぬと申しますか……と、とにかくっ、お休みになるのは旦那様の方ですのでっ!」

 

昨日はあの後も、シャワーを浴びた後にたっぷり愉しんだ。

「命令だ」と言われる度に燃え上がるシーアとは、もう一通りの体位を試してある。

体に疲労はあるだろうが、それ以上に多幸感が残っていて、じっとしていられない様子だ。

 

「そうか、ならゆっくりさせてもらおうかな」

「はいっ」

 

シーアの言葉に甘えさせてもらうと、彼女は喜色を隠さない。

流石に学んだ。

シーアにとっては仕事が楽になるより、仕事をさせてもらう方が安心するのだろう。

 

「はぁ……これです。これが奴隷のあるべき姿なんです。

 姫のように可愛がられるなんて言語道断っ。身を粉にして尽くすことでしか得られぬ誉れがあるのですっ」

 

なにやら身を抱きながら独白しているシーアを見て、藤次は小さく溜息を吐く。

肉体関係を持ったことで、気付いたことがある。

 

「ですから旦那様も、どうかご遠慮なく……『ご命令』、くださいまし♡」

 

以前は、シーアはその立場から、藤次に対して過度の忠誠を誓っているのだと思った。

もちろんそれもあるのだろうが――たぶん、一番の理由は、当人の性癖だ。

求められたり、頼られたり、必要とされたりすることが嬉しい。

粗略な扱いを受けても、「これは自分にしかできないことなんだ」と苦痛を快感にすり替える。

平たく言って、少し屈折したMである。

 

「なら、早速だが――」

「はいっ、なんなりとっ」

 

目を輝かせたシーアに微苦笑しつつ、藤次は箸を置く。

 

「今日は君の服を買いに行くから、ついてきなさい」

「はいっ、旦那さ……ま?」

 

こてん、と首を傾げられた。

服を買い与えることについては、先日も抗議を受けたばかりだが、

 

「勘違いをするな。いつもメイド服ばかりじゃ飽きるからだ。

 夜の相手をしてくれるなら、色んな服装で愉しまないとな」

「はぅ……そ、そういうこと、なら……♡」

 

わざといやらしい顔で笑うと、シーアは身を抱きながら従う。

 

「食事も休息も俺と同じものをしっかりとるように。

 痩せて肉付きの悪い女では抱き心地が悪いからな」

「はい……仰せのままに♡」

「勉強も怠らないように。学のない女は飽きも早い」

「はい――え?」

 

なんだかおかしいと気付いたのだろう、シーアは小首を傾げた。

 

「ああそうだ、ご両親にも改めて手紙を書かないとな」

「旦那様?」

 

シーアが頬をぴくぴくさせながら、問いかける。

 

「鬼畜なご主人様っぽく命令しつつ、実際は私を可愛がろうとしてしませんか?」

「俺の奴隷をどう扱おうと、俺の勝手だろう?」

 

悪役みたいなことを言うと、シーアは嬉しさ半分お怒り半分といった表情で赤くなる。

 

「もうっ! それじゃ肝心なところが変わってないじゃないですかぁぁぁっ!」

 

シーアの抗議する声が、窓からマンションの外へと響き渡るのだった。

 

 

 




ご一読いただきありがとうございました。

今回の主人公は大人なので、なかなか手出ししませんでしたね。
この主従を描く奴隷編は、もうしばらく続きます。
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