誘惑禁止条例 ※性犯罪被害は条例違反にあたらない 作:大中小太郎
リディアが風邪から復帰して、しばらくが経った頃。
「兄様? このアニメ、一緒に見てくれませんか?」
夕食後、リビングのテレビを前に、リディアがそんなことを頼んできた。
「ん? あー、懐かしいなーこれ」
日本人なら最低でも制作スタジオくらいは耳にしたことがあるだろうという、アニメ映画だ。
「妖魔界でも近日上映らしいですよ? 私はすれ違いになっちゃったので」
妖魔界から魔人種が来ているように、人間界からも様々なものが輸出されている。
日本からは、やはりというかアニメ系が結構人気だそうだ。
「大昔の日本を舞台にしているんですよね? ちょっと分からない部分がありそうで……」
「ああ、そりゃ分からないところも多いよな」
ある程度でも地球を舞台にしている作品だと、時代背景などが魔人種には伝わりにくい。
それに関する注釈が欲しいということなのだろう。
「いいよ。俺も久々に見たいし。飲み物とお菓子を準備しよう」
「それなら私が……それと、その……」
リディアがもじもじとしながら、ソファーからこちらを見る。
「きょ、今日の……おねだり、なんですけど……」
今日のおねだり――先日の約束から始まった、隆史とリディアの暗黙のルール。
リディアが家事の大半を担ってくれる代わりに、隆史は日に一度、大抵のおねだりを聞いてやる。
「ああ、なにしてほしい?」
甘えてくれるのは大歓迎なので促すと、リディアは気恥ずかしそうにこう言った。
「兄様の……お……お膝にっ……座っても、いいですか?」
上目遣いのおねだりは、思わずくらっとするほど可愛らしかった。
○
いざ座らせてみると、可愛いだけでは済まされなかった。
「えへへ……兄様のお膝、乗せてもらっちゃいました……♡」
隆史がソファーに腰掛けると、その膝の上にリディアが座る。
隆史の脚の付け根に、肉付きのいいヒップが乗り、太股が重なる。
女の柔らかさが脚全体を包むかのようで、隆史の鼓動が高鳴る。
「兄様? 寄りかかっても、いいですか?」
「ああ……いいよ……」
リディアはそのまま腰を沈めて、背中を隆史の胸板に預けた。
(細い、なぁ)
胸に寄りかかったリディアの背中は狭く、小さい。
自分の半分くらいの肩幅しかないんじゃないかというほど、腕の中に簡単に収まる。
「重く、ないですか?」
「軽い軽い、ちゃんとご飯食べてるか心配になるくらいだ」
「もう、いつも兄様と同じのをいただいてますのに」
くすくすと笑うリディアが、隆史の顎の下あたりに、黒髪を伸ばす頭部を置いた。
シャンプーだろうか、とてもいい香りがして、思考が麻痺しかける。
「兄様、ぎゅーってしてください♡」
「ぎゅーって?」
「はい♡ ……駄目ですか?」
そんな声で聞かれたら、駄目と言えるはずがなかった。
「…………こうか?」
隆史は生唾を飲んだ後、両腕でリディアを挟むようにして、お腹の前に手を交差させる。
「あっ♡ ふぅ……」
リディアはひどく色っぽい吐息を口にして、軽く身を震わせると、より体重を預けてきた。
「はぁ……兄様の腕、長くて大っきいです♡」
リディアは隆史の両腕に、細腕を絡めるように重ねた。
「胸板も、広くて、分厚くて……あぁ♡ すごい♡ 私、王侯貴族にでもなったみたいです♡」
「王侯貴族って……」
「だってこんな、男性を椅子にするようなこと、妖魔界なら時の女帝でもできませんよ?」
男性が希少な妖魔界では、たしかに体験しにくいことだろう。
「逞しい腕に抱かれて寛がせていただくなんて……あぁ、もう死んでもいいです……♡」
「こらこら、大げさな」
なにやら感極まっているリディアだが、隆史としても至福の心地だ。
膝の上と胸板に、リディアの細く柔らかな体を感じる。
温かく鼓動する細身を抱きしめていると、得も言われぬ幸福感があった。
(っ、やばい……)
気がつけば、ズボンの中で股間が隆起してしまっていた。
あまりにも『女体』を感じさせられ、体が反応してしまったのだ。
今日までの生活で兄妹らしくなれたつもりでも、脳はまだリディアを異性として見ていた。
おまけに、リディアのヒップが乗っているため、隆史の逸物は服越しに尻肉に挟まれている。
「兄様……」
リディアは気付いているのか、いないのか、どこか蟲惑的な声と共にしなだれかかる。
鎖骨に頭を乗せてきたリディアを見下ろすと――春物のシャツの胸元が見下ろせた。
「っっっ!」
この視点から見ると、彼女の胸がどれだけ大きいかが、前方へ突き出した質量から分かる。
少し開いた襟元からは谷間を覗き込むことができたし、白いブラまで垣間見えた。
「兄様? 私の抱き心地、いかがですか?」
おまけにそんなことまで聞いてくるものだから、隆史の理性は破れる寸前だった。
「ああ、まあ……悪くないけど」
「ふふ、よかったです♡ どうぞ、お好きなように抱きしめてくださいね……」
リディアは力を抜いて、隆史の腕に重ねた腕に少しだけ力を加える。
上方向に――自分の胸へと導くように。
隆史の腕を動かすには弱く、しかし方向性を示すには充分な強さで。
胸に、触ってもいい――そういうメッセージであるかのようだった。
「…………」
隆史はそれに……半分だけ従った。
「あっ♡」
リディアが悩ましい声を上げる。
隆史の腕が拘束するようにリディアを締め付け、腕が腹と両肩に回る。
左右の下腕が、リディアの胸部の上下を回っていた。
「あ、ふぅ……♡ 兄様が、抱きしめて、くれてます♡ んんっ♡」
「痛いか?」
「平気、です……力強くて、素敵です♡」
義兄の逞しさを総身に感じているせいか、リディアはいつもより従順で、色っぽく見えた。
彼女が身じろぎすると、座られている股間部に尻が擦られ、ズボンの上から逸物が愛撫される。
「あぁっ♡ はぅ♡ 兄様の体温、気持ちいぃ……♡」
リディアの声音に甘えが増し、隆史の耳を溶かすように響いた。
既にテレビで始まっているアニメ映画なんて、どちらも見ていない。
兄妹が仲良くアニメを見ている――という構図さえできれば、それでよかったのだ。
(誘ってる……この子、絶対に、誘っている……)
いまさら言うまでもないことだった。
今日までの生活の節々に、その兆候はいくらでもあった。
親の再婚でできた義理の兄妹――隆史がリディアをときおり性的な目で見てしまう以上に、リディアもまた
「兄様? なんだか、私に遠慮してませんか?」
「っ、遠慮って?」
「なんだか、お辛そうです……紳士的な場所だけに触れるようにしようって、無理してます……」
リディアの、白魚のような指先が、隆史の手を優しく撫でた。
「私、嫌じゃないですから……兄様のお好きなように、抱きしめてくださいね♡」
リディアは少し首を振り返らせて、耳元というより首筋に囁くように、息を吹きかける。
尻が少し左右に動かされ、ズボンの中の陰茎をからかうように刺激する。
淫魔だ――
清楚可憐だと思っていたリディアも、その正体は立派な魔人種の女性――サキュバスだった。
「……っ!」
兄としては、もうリディアを突き放すべきだった。
そうすべきだという理性の声は、たしかに聞こえていた。
でも、それをしてしたら――二度とリディアを抱きしめられないのではないかと思った。
そうなるくらいなら、いっそ……っ!
「じゃあ……少しだけ……な?」
隆史の手が、リディアの肩と腹を滑るように、その間にある膨らみへ近付いていく。
ゆっくりと、リディアに拒む機会を充分に与えられるように、忍び寄るように手の平が動く。
リディアがその手を押しとどめることは、ついぞなかった。
そして、とうとう――隆史の両手がリディアの胸に触れた。
「ふぁ……っ♡」
ぴくんっ――と、リディアの体が、小さく跳ねるように震える。
服の上からなのに、柔らかさと温かさがはっきりとわかる。
掌に収まりきらない大きさの乳房は、張りがありながらもしっとりとした感触で、指先を動かすたびにふわっと押し返してくる。
「あっ♡ 兄様ぁ……んんっ♡ そ、そこは……胸……あんっ♡」
隆史の指が沈み込む度に、リディアの口から甘い声が零れた。
あたかも制止するようなことを言っているが、その手は隆史の手を振り払おうとしない。
むしろ興奮を示すように、尻を少しだけ前後に動かして、隆史の下腹部を愛撫した。
「に、兄様ぁ♡ お手々が……触って……ふぁっ♡ 胸に、触って、ますぅ♡」
「触っていいって、言っただろ?」
「い、言ってません……あんっ♡ 抱きしめてもいいって、んあっ♡ 言った、だけで……ぁっ♡ そんな、意味じゃ……あっ♡ やっ、だめです♡ おっぱい、そんな風に、触ったらぁ♡ ひゃうっ♡ エッチな、エッチなことに、なっちゃいますよ?」
いけないことだと、指摘している。
でもその口調は、こちらを挑発しているようにしか聞こえない。
その証拠に、リディアは隆史の膝から退こうとせず、体重を預けてきている。
(こいつ……清楚なふりして、ずっとそうやって誘惑して……っ!)
隆史の性欲に怒りが加わると、それは指が触れる力の強さに表われた。
リディアの服に深いシワが刻まれるほど、指が食い込む。
「ひゃうんっ♡ に、兄様っ♡ ちょっと、痛い、です♡ あふっ♡ お、怒らないでぇ♡」
「怒るに決まってるだろっ」
隆史はリディアの服越しに、乳首の位置を探り当てて、軽く抓る。
「ひぁうぅぅっ♡」
大きく震えたリディアは、嬌声を上げながら隆史の袖を指で掴んだ。
「何度も何度も、俺を誘惑してっ! あんな自慰まで見せつけてっ!」
「そ、そんなこと……きゃうっ♡ はぁ……はぁ……♡ 兄様、待ってください♡ んああっ♡」
抓られた乳首が敏感になり、揉み回す動きによりブラの中で擦られ、リディアの声が甲高くなる。
「俺は、お前のことを、可愛い妹だと思って……いい兄さんになろうって、思ってたのに!」
隆史はリディアの服の裾を掴むと、一気に持ち上げた。
白いレースのブラと、それに包まれた豊乳が、リビングの照明に晒される。
「あぁ♡ 兄様、ごめんなさい♡ だって、兄様がぁ♡ 素敵だから、格好よかったからぁ♡」
ブラの上から胸を掴まれ、前よりも快感が増したのか、リディアが体を反らす。
「本能、なんです♡ いいなって、思っちゃったら、止まらなくてっ♡」
だとすれば、物欲しそうに腰を動かし、隆史の陰部へ擦り付けるのも、本能だろうか。
「それで、こんな風に誘惑したのか……ずっと俺を、そんな目で見てたのかっ!」
リディアの長耳に口を寄せ、裏側から叱りつける。
「ひゃうっ♡ 声っ、おっきい声ぇ♡ だめ、変になります♡ 兄様に、叱られてるぅ♡」
まるでマゾのような反応を示すリディアに、隆史は歯噛みする。
「くそっ、こんな悪い子だなんて、知らなかったぞ!」
隆史はリディアのブラを掴んで捲り上げる。
すると――ぷるんっ、と音が聞こえそうなほど大きな乳房が、こぼれ落ちた。
「あっ♡ 兄様ぁ♡ 恥ずかしいっ♡ 私の、おっぱい♡ み、見ないで、くださぃ♡」
隆史が見ると、リディアの乳首はピンと尖っていた。
「いまさら、なに言ってるんだ!」
隆史がリディアの乳首を摘まむと、その瞬間にリディアが目を見開いた。
「ひぁぁぁっ♡ らめっ♡ 兄様っ♡ そこ触っちゃ♡ 直接っ、したらぁ♡」
がくがくっと、顕著な反応を示して震えるリディア。
乳首だけでは我慢せず、隆史は両手の五指を食い込ませて、リディアの乳房を堪能する。
「誘惑したのは、お前だぞ?」
「ちが、違いましゅ♡ あああっ♡ 甘えた、だけっ♡ はひっ♡ 妹が、兄様にぃ、甘えただけですっ♡」
「こいつっ、それで押し通す気か! まるで、俺だけが悪いみたいに!」
リディアの乳房を蹂躙しながらも、首筋に吸い付く。
「ひゃふっ♡ だって、だってぇ♡ 条例、だから♡ 私が、誘惑したことに、なったら、駄目だからぁ♡」
誘惑禁止条例――女性は男性を誘惑してはならないし、求められても合意してはならない。
だから――襲わせる。
リディアはある意味、条例を守ろうとしているのだ。
「でないと……兄様と、一緒に居られなくなっちゃう……から……」
万が一にも国外退去させられないために。
涙目でこちらを振り返ったリディアの本心は、そこにあった。
それは、ただの劣情というだけではなく、どこか健気で、縋るような。
性欲抜きでも、抱きしめてやりたくなる姿だった。
「…………」
隆史は手を止めて、そんなリディアを見詰めることしばし――唇を奪う。
「んむ……ちゅっ♡……はぁ……♡」
舌と唾液を交換しながら、隆史はリディアを強く抱き寄せた。
「ぷぁ……兄様♡」
リディアが嬉しげに目を細める。
その瞳は、キスを通じて隆史の気持ちを感じ取ったように見えた。
「なら、襲ってあげるよ」
「っ♡」
まるで愛の告白でも受けたように、リディアの目が潤み、頬が紅潮する。
文言こそ犯罪の宣言だったが、そこに込められた気持ちは、文面通りではなかったからだ。
「誰にも言わないって、約束できるな?」
「はい♡ 兄様のお立場を、悪くしたりしません……っ♡」
隆史の手が、リディアの服を優しく脱がせていく。
「ちゃんと……いい子に我慢できるな?」
「はい……♡ できます♡ いい子にします♡ 兄様の言うことに、逆らったりしません♡」
リビングの床にリディアの上着が落ちて、続いてブラが堕ちる。
「俺なんかで、いいんだな?」
「……兄様以外なんて、嫌です」
リディアを膝から下ろして、ソファーで仰向けに寝かせる。
その上に隆史が覆い被さり、再びキスを交わす。
不義を犯す義理の兄妹のように、あるいは想いを通じ合わせた恋人のように。
しかしこの場合、そのどちらも正解ではない。
これは『性犯罪』――加害者は隆史で、被害者はリディア。
誘惑を禁じられたサキュバスのために演じられる、柔らかなレイプだった。
○
隆史はリディアをソファーに押し倒して、体にキスの雨を降らせた。
「あぁっ♡ はぁぁっ♡ んっ♡ 兄様っ♡ 兄様ぁっ♡」
びくっ、びくんっと、リディアの体が痙攣する。
そのたびに、彼女の体からは甘い香りが立ち上る。
魔人種の女性は興奮するとフェロモンを出すというが、それに間違いはなかったようだ。
隆史の理性は失われ、夢中でリディアの首筋や鎖骨に吸い付き、左手は逃すまいとするようにリディアの背を抱き上げ、右手は乱雑に乳房を揉み回す。
ブラを失ったリディアの巨乳は液体のように柔らかく、指の隙間からはみ出そうだった。
「あんっ♡ あっ♡ ふぅっ♡ ふぁああぁ~っ♡」
リディアの体は敏感だった。
隆史の唇に、手に、押し潰してくる体そのものに、様々な種類の快感を覚えている。
「あぁ、リディア……すごい、エロいな」
「ひゃうっ♡ ごめんなさい、ごめんなさい兄様♡ 私の体が、エッチだからぁ♡ 兄様に、悪いことをさせて、ごめんなさい♡」
襲われているというのに、リディアは謝りながら隆史の頭を抱いた。
「いいんだよ。リディアを抱けるなら、刑務所に入ってもいいや」
「っっっ♡」
言葉と共にリディアの乳首を口に含むと、細い体が大きく反り返る。
「はぁんっ♡ だめぇっ♡ そんな、胸、吸っちゃ――」
「感じてる? もっと感じてほしい」
「はいっ♡ 兄様ぁ♡ 兄様ぁっ♡」
リディアは隆史の舌先に操られるかのように、身をよじり、首を左右に振った。
「言いませんっ♡ 兄様っ♡ 私、このこと、誰にも言いませんからぁ♡ 兄様を、悪い人になんか、させませんからぁ♡」
「そうか、リディアは『いい子』だな。ほら、ご褒美だ」
隆史は反対側の乳首をちろちろと舌先でくすぐりながら、もう片方の乳首を親指で転がす。
リディアはもう声も出ない様子で、ひたすら体を震わせていた。
「はぁーっ♡ はぁーっ♡ はぁーっ♡」
「大人しくするんだよ?」
隆史はリディアのスカートを脱がせて、ショーツ一枚の姿にさせる。
涙ぐんだ瞳、乱れた黒髪、紅潮した白磁の肌に、折れそうな腰、たった一枚の白いショーツ。
こんな美しい義妹を、これから自分のものにできるのだと思うと、隆史の中に嗜虐心が生まれる。
「兄様っ!? そ、そこは……」
「ああ、俺のことを呼びながら、たくさんオナニーしてたここ。今度は本物の兄様がしてやるよ」
隆史はリディアのショーツ内に指を滑り込ませると、濡れそぼった感触を掴みながら、ゆっくり愛撫し始めた。
「あっ♡ あぁっ、あぁあぁっ♡」
「どうした? さっきよりずっと気持ち良さそうだぞ」
「はいぃっ♡ だって、兄様の手、優しくてっ♡ あぁっ♡ だめっ♡ そこっ♡ 敏感でっ、ひぁうっ♡」
隆史はクリトリスを指先で擦りながら、リディアの胸にキスをして、たまに乳首を吸い上げる。
「ほら、教えるんだ。オナニーしてるとき、リディアはどんな風にしてほしかったんだ?」
「やぁ♡ そんなの、言えない――」
「言わないと……乳首を噛むよ?」
軽く前歯で引っ掻くと、リディアの体が震える。
「ひっ♡ いやぁっ♡ そんなの、ひどいですぅ♡」
「じゃあ教えてくれ。リディアは、どうしてほしかったのかな」
脅すように乳首を甘噛みしながら、手淫の動きを早めていくと、リディアの喘ぎ声が甲高くなっていく。
「ああぁぁっ♡ 言いますっ♡ 兄様にっ、兄様に襲われるのを想像しながらっ、オナニーしてましたぁ♡」
「へぇ、妄想の中の俺は、どんな風に襲ってたんだ?」
「それは――ひゃうっ♡」
「ちゃんと言えたら、もっと気持ち良くさせてあげるよ」
隆史がリディアの耳元で囁きながら、さらに手を加速させると、リディアは観念したかのように言った。
「兄様は……私を、ベッドに押し倒して……いまみたいに、胸を貪りながら、あそこを責めるんです……はぅぅぅっ♡」
その妄想を再現するように、両胸と秘所で三点責めにしてやると、リディアの声が高まる。
「その後は? 正直に言うんだ」
言葉こそ脅しだが、違う意味も含んでいた。
リディアがしてほしかったことを、全てしてあげる――という意味でもあった。
このセックスは、隆史による強姦でなければならない。だから抵抗を許さない。
その一方で、リディアに『妄想の告白』という体裁を取らせることで、事の内容を決めさせる。
怖いのならソフトなことを言えばいいという、いまの隆史にできる最大限の優しさであることを、リディアは理解していた。
だから……ごくりと唾を飲んで、リディアは言う。
「犯され、ました……♡」
目を瞬いた隆史に、リディアは頬を染めた笑みで、荒い呼吸と共に告白する。
「兄様は、ケダモノみたいに、殿方の象徴を私に叩き込んで、無理矢理に喘がせるんです♡
お止めくださいという私を押さえ込んで……『愛してる』って、『俺のものになれ』って、私を屈服させるんです♡」
リディアは自分の脚を隆史の脚に絡めながら、手を胸元に沿えて、過激な妄想を白状していく。
「大好きな兄様に、そんなことをされて……私は、気持ちよくて、イっちゃって♡
体がどんどん兄様に服従していくんです♡ そのうち、兄様をお慰みすることが自分の使命だと思うようになって……♡」
これから、その妄想通りにされることを承知で、リディアは続けた。
表向きは『義兄の命令で羞恥的な吐露をさせられている』という形で、しかし実際は――
「とうとう私は、兄様に犯され続けて、兄様の虜にされてしまうんです♡」
――レイプ願望の告白だった。
「だから、だめ♡ だめですよ? 兄様♡ 私の体、すっごくエッチで、快楽に弱いんです♡
兄様に犯されたら、きっとすごく乱れて、淫らにされて、兄様のものになっちゃうんです♡
この先ずっと、兄様に体を捧げ続ける
リディアの手が伸びて、隆史の首後ろで交差した。
「だから、兄様♡ どうかお願いです……」
目を丸くしている隆史を愛でるように、邪心を吹き込むように、桜色の唇が、呪文のように言葉を紡ぐ。
「私のこと――
そのとき、リディアの両眼が――赤く輝いた。
チャーム――魔人種の女性が持つ、男性を欲情させる魔法。
性欲を掻き立ててケダモノに変え、夢中で自分とセックスさせて、子種を獲得するための手段。
それを掛けられた隆史は――理性を奪われた。
襲うという体裁を取りながら優しくしようとしていた心が、一匹のオスとして塗り替えられた。
「リディア!!」
隆史はリディアへの責めを再開した。
乳首を引き抜こうとするほど強く吸い上げ、もぎ取ろうとするように掴み、手淫は激しい水音が響くほどに。
「あぁんっ♡ あっ♡ あああんっ♡」
リディアは快感に身悶えし、艶めかしい声を響かせる。
苦痛を伴うほどの責めであるはずなのに、
激しくされればされるほど、リディアの体に走る快感の電流は増すばかりだった。
「はぎゅうっ♡ にいさまっ♡ 待って♡ しょんなっ、激しっ♡ あああぁぁぁイっちゃう♡ イっちゃうぅぅぅっ♡」
リディアは腰を浮かせて痙攣させ、膣内を締め付けることで、絶頂を迎えたことを隆史に伝える。
(くそっ! 止まらない!)
だが、隆史は止まることができない。
まだ満足していない。もっとリディアを犯したい。リディアを味わい尽くしたい。
気がつけば服を脱いで露にしていた、この肉棒で。
これまでの人生で見たことがないほど大きく張り詰めている、この陰茎で。
「リディア、『誘惑』したな!? 許さない、もう許さないぞ!!」
「ひぃいっ♡」
怒号と共にペニスを膣口に押し付けられ、リディアは怯えと笑みが混じった奇妙な顔をする。
「ごめんなさい♡ ごめんなさひっ♡ 兄様の好きにしていいですからぁ♡ 許してぇ♡」
「駄目だ! お前みたいな淫らな女っ、俺が兄として躾けてやるからな!」
隆史の肉棒が、亀頭が沈む程度まで挿入される。
「ふぁああ♡ 兄様の、熱い♡ おっきいです♡ これ、こんなの、どうなっちゃうか……」
リディアはそれだけで、子宮が蕩けそうなほどの快感を覚える。
魔人種の膣内に処女膜はない。成長と共に薄れて、自然と血も流さずに消えていく。
だからといって、こんなものを入れられたら、膣道が拡張されてしまうのは明白だ。
自分の身体が、とうとう義兄のものにされるのだと――リディアは感極まっていた。
「俺の、女に、なれ!!」
そしてついに、隆史が腰を打ち付ける。
巨根は一気にリディアの最奥部まで突き進み、ゴールの子宮口に激突した。
「おほぉおおおっ♡」
リディアは下品なほどの声を上げながら、体を仰け反らせる。
その表情には、深いオーガズムによる悦楽と、被虐的な快楽に溺れるメスの顔があった。
「なんだ、そのエロい顔はっ! そんなに気持ちいいのか!?」
「はい♡ きもちいいれすぅ♡ 兄様にレイプされて♡ わたし、しあわせれしゅ♡」
リディアは涙を零しながら、舌足らずになった口調で言う。
隆史と同様に、彼女の瞳からも、理性の色が失われていた。
今の彼女は、ただひたすらに男を求めるだけの牝と化している。
サキュバスの業とでも言うのか、普段の清楚可憐な義妹の姿は見る影もない。
「なら、犯してやる! 俺が、力尽くで、お前を奪ってやるからな!」
隆史は夢中で腰を振り始めた。
「あひゃうっ♡ しゅご、しゅごい♡ 私の中っ、全部にっ、擦れてるぅ♡
奪われちゃう♡ 私の体、兄様のものにされちゃうっ♡」
激しい抽送でソファーが揺れて、脚が軋む。
それをリディアの嬌声がかき消して、隆史の手が乳房を掴むと、より獣めいた声が上がった。
「んっ、ちゅぷっ♡ にいさま、すき♡ だいしゅきぃ♡」
隆史がキスすると、リディアの方から積極的に舌を伸ばしてくる。
「俺も好きだ、リディアッ! お前はっ、誰にも渡さないっ!!」
愛情のあまり襲い掛かる――リディアが胸をときめかせていた展開そのものだった。
実際に味わうそれは、オナニーとは比べものにならない快感で、リディアを間断なく絶頂させる。
「あっ、イく、またイクッ!! すごいぃ、兄様がぁ、私の中で、暴れてましゅっ♡
犯されてるのにぃ♡ 愛情、感じすぎてっ♡ あああまたイクいきますぅっ♡」
リディアは半狂乱になって隆史に抱き縋り、脚を腰に絡めて喉を反らす。
「ぐ、もう出るぞ、リディア、中に出すからな!!」
「はい、出して、くださいぃい♡ 私の子宮の中までっ、兄様のものにしてくださいっ♡」
隆史の射精と同時に、リディアの膣内が激しく痙攣する。
「おほっ、おっほぉおお♡ 熱いの、いっぱい出てっ、イッてるぅ♡」
膣内射精を受けたリディアは、気絶寸前の大絶頂を迎えながら、義兄の背中に爪を立てた。
隆史は長い射精に腰を震わせ、荒々しい吐息と共に脱力する。
「リディア……」
「はひ♡ はひぃ♡」
リディアは意識をもうろうとさせながら、大きな絶頂の『揺り戻し』に震えていた。
「……やっぱりお前は、『悪い子』だ」
誘惑したことにしないためのレイプだったのに、結局リディアは隆史を『誘惑』した。
合意してはいけないのに、途中から快楽のあまりおねだりしていた。
隆史は加害者となり、リディアは条例の『違反者』になったのだ。
「部屋に連れて行くぞ、リディア」
「あっ♡ にいさまぁ……♡」
お姫様抱っこで持ち上げると、我に返ったリディアが首に腕を絡める。
「部屋で続きだ。動けなくなるまで、たっぷりお仕置きしてやるからな」
隆史は微笑みながら宣言して、リディアはどこかキュンとしたように驚く。
「はい……兄様♡」
こうして、二人の義兄弟はこの日、加害者と被害者になった。
どちらがどちらであるのかは、もはやどうでもよいことだった。
ご一読いただきありがとうございました。
思ったより文章が伸びて日が開いてしまいました。
エロシーンと日常シーンのバランスが難しい……
日常シーンを雑にするとエロが低減してしまうし。
何気なく読んできたエロ漫画も、限られたページ数でそのへん上手にしてたんだなと、改めて感じた次第です。