誘惑禁止条例 ※性犯罪被害は条例違反にあたらない 作:大中小太郎
「旦那様……どうぞ」
シーアの部屋の前で、藤次は彼女の呼ぶ声を聞いた。
閉じていた扉を開くと、物の少ない殺風景な部屋のベッドに、シーアが腰掛けている。
――扇情的な、黒い下着姿で。
「ああ、シーア……」
思わず感嘆の吐息を口にする。
シーアの身に付けている下着は、藤次が買い与えたものだ。
恐縮するシーアに「自分が脱がせて愉しむため」と言って、至ってまともな服を買い与えた。
下着だけはシーア一人で選ばせたのだが、しっかり男受けするものを買っていたらしい。
『準備してくるから、部屋のベッドで待っていること。下着姿がいい』
藤次がした『命令』を、シーアはちゃんと守ったのだ。
「へ、変じゃ、ないですか……?」
「よく似合っている。見違えるくらい大人っぽいな」
「旦那様……視線が、熱いです……♡」
いまさら裸など恥じる仲でもないのに、シーアは胸元を隠す。
その仕草すらも男心をくすぐるもので、藤次は内心で舌なめずりした。
「さっきも言ったけど、本当に綺麗だよ……すごく興奮する……」
「はい……ありがとうございます……♡」
藤次に褒められると、シーアは頬を染ながら、藤次を見上げる。
潤んだその瞳は、「綺麗だよ」よりも「興奮する」という言葉に反応しているように見えた。
「このまま押し倒して、貪ってやりたいけど……今日はお仕置きだからな」
藤次は持ってきた紙袋から、道具の一つを取り出す。
「だ、旦那様? それは……?」
少し怯えたように、しかし興味を掻き立てられたように、シーアは紙袋を見る。
「まずは目隠しだ」
「め、目隠しって……」
藤次が仕事帰りに専門店で購入した、SMプレイ用のアイマスクだ。
「ま、待って……私、そういうのは、したことなくて……」
「命令だよ?」
不安そうなシーアに、藤次は笑顔で命じる。
内心興味があるように見えたシーアは、予想通りその言葉に食いついた。
「は、はい……♡」
シーアは目を閉じて顔を差し出す。
「そうそう、従順な奴隷で可愛いな」
「あぅ♡」
ひどい言葉だというのに、シーアは容姿でも褒められたように息を吐く。
そんな彼女の顔に目隠しを装着すると、花のかんばせが無骨な黒い生地に覆われる。
「さあ、次は両手だ。顔の前で手首を揃えるんだ」
「っ♡ お、仰せのままに……」
藤次は続いて、短いチェーンで繋がれたリストバンドを取り出す。
両手首を、囚人の手枷のように揃えさせる拘束具だ。
「さあ、できた。ああ、こうして見ると、本当に奴隷みたいだ……」
最初からつけていた奴隷の首輪もあって、目隠しされて両手首を拘束されたシーアは、悪党に連れ去られたエルフそのものだ。
「本当にも何も、私は最初から、旦那様の奴隷です……」
このような有様でありながら、シーアは口元に笑みさえ浮かべていた。
「まだ余裕があるみたいだな。命令だ、両手を頭の後ろに」
命令という言葉を感知した奴隷の首輪が光り、シーアに従うことを促す。
その命令に対して、自白剤を打たれたように、脳が抵抗できなくなる。
「は、い……♡」
シーアは言われた通り、拘束された両手を上げて、手枷の鎖を首後ろに掛けた。
胸元が腕で隠されなくなり、むしろ藤次に胸を差し出すような格好だ。
「いい子だ。そのまま足を開け」
「あぅぅ……これ、恥ずかしい、です……♡」
羞恥と期待の入り混じった声で返事をして、シーアは自ら両足を開いた。
ベッドの縁に腰掛けたまま細い足が開かれれば、既に湿っているクロッチが露になる。
「んっ、ふぅ……っ♡」
シーアは藤次の命令通りにしているだけだというのに、呼吸が乱れている。
これからされるであろう行為に期待して、秘所から蜜を溢れさせているのだ。
「こんなに濡らして……シーア、分かってるのか? ただ目隠しされて拘束されただけだぞ?」
「ひうっ♡」
息を吹きかけるように耳元で囁くと、シーアがぴくんっと震え上がる。
「エッチなところなんて指一本も触れてないのに、どうしてもう濡れてるんだ?」
「そ、それは……旦那様が、褒めて、くださったから……っ」
「それだけか? 命令だ、正直に答えろ」
奴隷の首輪が反応する。
強い酒が注入でもされたように、シーアの吐息が熱くなった。
「き、期待……して、ました……っ♡
旦那様に、どんな風に、してもらえるんだろうって……っ♡」
「こんなものを使われても?」
目隠しを指先でコツコツと軽く叩くと、シーアの呼吸は更に昂ぶる。
「はい……っ♡ 目隠しで、見えなくなって……手枷で、抵抗できなくなったら……っ♡
私、旦那様に、オモチャみたいに好き勝手されちゃうんだって……っ♡
怖いのに♡ ゾクゾクするの、止まらなくて……っ♡ ああ、私、これじゃまるで……」
「ああ、シーアはMな子だな。苛められるのが大好きなんだ」
藤次はシーアの銀髪を撫でつつ、ゆっくりと前髪を掴んで顔を上げさせた。
「そんな、はず……ない、のにぃっ♡」
手付きこそ優しいが、乱暴を予感させる行為に、シーアは甘い声を零す。
下着の湿りが広がっていることに、彼女自身は気付いているのかどうか。
「でも、喜ばれてばかりじゃお仕置きにならないな――これも使おう」
藤次が紙袋から取り出したのは――ディルドローターだ。
手動でも遠隔でも振動をオンオフできる、ありふれた仕組みのものだが、
「ひぅっ!?」
ヴィィィィィッ! という音が鳴る。
見えていないシーアは、機械的な音に過剰な驚きを示した。
「なん、ですか? なんの音ですかっ!? 旦那様ぁ」
「ああ、やっぱりこういうのは初めてか。ディルドローターだよ、聞いたことはあるだろう?」
「ディルドって……その、男性の……模型、のような?」
シーアの出身国は技術力が遅れ気味だったという。
宗教的な理由から自慰行為に使う器具も禁制だったそうで、ローターは未知の存在に近い。
「そう、中の機械で振動していてね。例えば――」
不意打ち気味に、命令通り開いたままになっていた脚の間、秘所の部分へと押し当てる。
「ひあぅぅぅっ♡ やっ♡ これっ♡ これぇっ♡ なにぃ……っ!?」
人生で初めて体験するのだろう、性感帯へのバイブレーション。
それは、先ほどまでシーアの中にあった余裕を、一気に吹き飛ばした。
「下着越しに割れ目だけでこれか? じゃあクリトリスはどうだ?」
「あっ、あっ、あ゙あ゙あ゙~~~っ♡」
下着の上から、ぐりゅん、と強く押し付けると、シーアは濁った悲鳴を上げる。
「だめっ♡ これっ♡ ひぁうっ♡ やあっ♡ 旦那様っ♡ これっ♡ いやですぅっ♡」
声は明らかに感じていたが、珍しく『嫌だ』と口にした。
「まだ振動は最弱なんだがな。そんなに嫌か?」
「だ、だってぇ……それ、旦那様のじゃない……から……っ。
旦那様の、お手々や、あれじゃないと……いやです……っ」
思ったよりも、可愛らしい理由からの『嫌』だった。
この時点で、目隠しも手錠も外して頭を撫でてやりたかったが――
「どんな辱めでも、耐えてみせるんだろう?」
「っ!」
自分の言葉を思い出させると、シーアの雰囲気が変わる。
「も、申し訳ございません……っ♡ 私、奴隷なのにっ♡ おこがましいことを……っ♡」
明らかな喜色の色があった。
奴隷らしくあることに誇りを持っているシーアだが、どうやらそれが性欲と結びついたらしい。
不自由な状態で辱められるという状況に、奴隷と妖女の感情が同時に燃え上がっている。
「どうぞ、旦那様ぁ♡ シーアに、奴隷の務めを果たさせてください♡
愚かにも増長していた私に、誰がご主人様なのか、教えてください♡」
シーアはより足を開き、胸を突きだして、藤次に肢体を誇示した。
体を差し出すことで忠誠心を証明し、同時に肉欲を満たそうとしている。
「よく言った」
ごくりと唾を飲んだ藤次は、振動するディルドを、再びシーアの性感帯に押し付けていく。
「ひぅぅぅっ♡ 当たってっ♡ ぶるぶる震えるのっ、当たってりゅ♡」
下着の上から陰核に押し付けると、そこから振動が広がったように、シーアの全身が震えた。
そのまま先端でなぞるように、シーアの臍から胸へと撫で上げていく。
「ふぁっ♡ くぅっ♡ ひぁっ♡ だっ♡ だんなしゃま♡ くすぐったい――」
そう言ったシーアは、しかしディルドが乳房に触れると、ビクンッと背筋を反らす。
「はぁっ♡ はぁっ♡ あぁっ♡ んぁっ♡」
ディルドの先端は、シーアの下乳から時計回りに動いて、乳房の上を滑る。
渦巻きを描くように動いた先端は、やがて黒下着の中心部、乳首の上へと到達した。
「あひうっ♡」
ぐりっと強く押し付けられた瞬間、シーアが悲鳴を上げた。
「命令だ、動くな」
体を逃そうとしたシーアに命じると、奴隷の首輪が光って彼女の身動きを禁じる。
それはシーアに対して、全身をセメントで固められたような、手枷以上の拘束だった。
「あっ、あっ♡ あああぅぅぅっ♡」
ヴヴヴヴッと音を立てながら、ディルドの先端がシーアの乳首を奥へと押し込んでいく。
すっかり敏感になった乳首から、乳房全体へと振動が伝わっていくと、シーアの声が高くなっていった。
「はぁぁぁだめっ♡ 旦那様これだめぇっ♡ おっぱい、先っぽっ♡ 溶けちゃいますぅっ♡」
シーアは首だけ左右に振りながら、未知の快感に困惑しながらも、小刻みに達していた。
それを見て、藤次はディルドを引いて乳首から離す。
「はふっ♡ はぁっ♡ はぁぁっ」
快感の責め苦から解放されて、荒い呼吸を繰り返すシーア。
目隠しをされた顔や、黒下着に包まれた褐色肌には、珠の汗が浮いていた。
「まったく、ちょっと撫でてやっただけでこれか?
ディルドの使い方は、本来こうじゃなくて――」
藤次はシーアのショーツに手を伸ばし、クロッチをズラして中身を露出させる。
「んん……っ♡」
シーアは一瞬恥ずかしそうな声を出したが、抵抗はしなかった。
「こうやって使うんだぞ?」
今度はディルドの先端が、肉棒を欲してひくついている陰唇へと押し付けられた。
「ひあっ♡ だ、旦那様っ♡ そこは……っ♡」
「安心しろ、本物ほど大きくはないから」
既に藤次の大きさに開発されている膣は、より小ぶりなディルドを、あっさりと受け入れる。
しかし、音もなく吸い込まれていくディルドは、その振動をシーアの膣内に広げていった。
「あぁぁぁっ♡ これっ、なかで、震えてっ♡ やぁぁぁっ♡」
ヴィィィン……という低い振動音が、シーアの膣内に隠されていく。
「こんなっ♡ ああんっ♡ 旦那様ぁっ♡ ごめんなさいっ♡ 私っ、こんなオモチャでっ♡ 感じ、てっ♡ あひゅううっ♡」
シーアの体は、早くもバイブレーションによる快感に適応し始めたようだ。
ディルドに触れた指先に、彼女の膣内が起こす快感の収縮が伝わってくる。
「エッチな子だなぁ。俺のモノじゃなくても感じちゃうのか? ちょっと悲しいぞ?」
「やぁっ。違うんですっ♡ 旦那様だからっ♡ 旦那様の手でっ、動かされてるからぁっ♡」
主人のもの以外で感じていることを指摘すると、シーアは必死に弁明する。
その様は、まるで別の男がシーアを感じさせているかのような、普段と異なる背徳感を生み出した。
「なら、試してやろう……」
藤次はディルドの端部から手を離すと、ズラしていた下着を戻して包む。
ディルドはシーアの膣内に残され、下着のクロッチが被さり、抜けないように蓋をされていた。
「ひあっ♡ ああぁぁっ♡ 旦那様っ♡ 中にっ、入ったまま……んんんんっ♡」
シーアは歯を食いしばって、声を堪えている。
『命令』により腕は下ろせず、足も開いたままなので、ディルドの振動を受け流すことができていない。
「ほら、いまは俺も触れてないぞ? まさかオモチャの振動だけでイったりしないよな?」
「ひうっ♡ イキ、ません……っ♡ 旦那様の、以外で……っ♡ イったり、なんかぁ……っ♡」
藤次の意地悪に、シーアは気付いた上で、強がってみせた。
この様子だと絶頂は遠くなさそうだが、だからこそ藤次はこう告げる。
「もしイってしまったら、もっと酷いお仕置きをすることになるぞ?」
「はぅぅっ♡ イキませんっ♡ 耐えて、耐えてみせましゅ……っ♡」
その反応は、お仕置きをされたくないのか、されてみたいのか、判別できない。
「そうか。なら、振動を強めてみようか」
藤次はリモコンを手にした。
端部のスイッチでもリモコンでも振動を操作可能な品だ。
「つ、強くって……あああぁぁぁっ♡」
シーアのショーツから聞こえる振動音が、一回りほど大きくなった。
『微弱』から『弱』になったくらいだが、シーアにとっては劇的な変化だろう。
「ふぁぁっ♡ ああぁぁっ♡ だめっ♡ 旦那様ぁっ♡」
膣内で振動し続けるディルドに、シーアは悶え苦しんでいる。
勢い余って仰向けに倒れても、両手と両足の姿勢は変えていない。
「ほら、もう一段階」
更に、『弱』から『中』へと振動数を上げる。
ヴィィィンと響く振動音が、先程よりも大きくなっていた。
「あひっ♡ あひぃっ♡ やめっ♡ だんなさまっ♡ 止めてっ♡ お止めくださいっ♡」
シーアは首を振って懇願するが、藤次の嗜虐心は止まらない。
「イってるんじゃないか? 命令だ、イったときはしっかり言うんだ」
「い、イってますっ♡ ごめんなさいっ♡ イって、イっていますっ♡」
「そうか。なら約束通りお仕置きだ」
今度は振動数を最大の『強』まで上昇させる。
「ひゃうっ♡ そんなっ♡ またっ♡ こんなっ♡ あっあっあっあっ♡ んんんんん~っ♡」
シーアの体がビクンッと跳ねた直後、膣内のディルドをぎゅっと締め付ける。
ショーツの中では愛液が噴出しており、下着はびしょ濡れになっていた。
「このまま、俺が飽きるまで弄んでやるからな?」
藤次はリモコンを操作して、強から弱へ、弱から強へと、波のように変化させていく。
「やぁっ♡ うそっ♡ こんな、ことってっ♡ ああぁぁっ♡ 旦那様ぁっ♡ 許してぇっ♡」
振動音の変化に合わせて、シーアの喘ぎも変化する。
膣内では、膣壁が収縮を繰り返し、膣圧でディルドを押し出そうとするが、ショーツに阻まれて戻される。
「ひぁぁぁっ♡ わたひっ♡ そんなっ♡ 旦那様にっ♡ 触れられてないのにっ♡
あひぅっ♡ 操られて、るっ♡ 旦那様にっ、体中っ、操られてましゅっ♡」
シーアは目隠しされた顔を仰け反らせ、藤次に犯されているかのような台詞を口にする。
「まったく、オモチャひとつでそんなにイキまくって……」
「ああぁぁうぅぅっ♡ 違うんですっ♡ 旦那様にっ、していただいてるからっ♡
オモチャでもっ、旦那様にっ、愉しんでいただけるのがっ、嬉しくてっ♡ ひぁぅぅぅっ♡」
駆動音と共に響くシーアの嬌声。
ベッドの上でびくんびくんっと体が跳ね上がり、それらは藤次のディルド操作で増減していた。
まるでシーア自身が、藤次に動かされるラジコンになってしまったかのようだ。
「っ」
女を一人、指先で操れるオモチャにしている――そんな背徳感と優越感に襲われる。
「あああぁぁぁイクイクまたイキましゅっ♡ 旦那様ぁぁぁっ♡♡♡」
そして一際強く、シーアの全身が大絶頂に震え上がる。
大きく背中を反らし、小刻みに痙攣し続け、やがて糸が切れたように脱力した。
藤次はディルドの振動をオフにして、シーアの様子をうかがう。
「はぁっ♡ はぁっ♡ はひぃ……っ♡」
目隠しで両眼が隠されていても、彼女が恍惚に溺れていることが、口元で分かった。
「まったく、旦那様をほったらかしにして、自分ばかり気持ちよくなって」
藤次はシーアの膣内からディルドを引き抜いた。
愛液に塗れたディルドは、先端部から糸を引いている。
「あひゅう♡ 申し訳、ございません♡
今度は、旦那様がぁ♡ 気持ちよくなってください♡
シーアの体で、気持ちよくなってぇ♡ 旦那様の、本物のが、欲しいです……っ♡」
いよいよ逸物を挿入されると思ったのか、シーアは犬のように息を吐きながら藤次を求める。
その要求に応えたいのは山々だが、そうはいかない――
「シーア……誰が、おねだりを命じた?」
クリトリスを軽く指で挟み、つねるように刺激する。
「ふぁぁぁぁぁっ♡」
それだけで、シーアは絶頂していた。
ディルドのときには刺激されていなかった陰核は、不意打ちだったようだ。
「ごめんなしゃいっ♡ 驕っていましたっ♡ 奴隷なのにぃ、旦那様の命令もなくっ、おねだりなんてぇっ♡」
クリトリスを揉むように刺激すると、シーアは嬌声と共に謝る。
「今日は立場を思い知らせる日だろう? なのにお前ときたら、自分が気持ちよくなるために旦那様のおちんぽを使うつもりかっ!? 立場が逆だろう!」
藤次はわざと声を荒げて、シーアのブラを破るように外す。
「ひぎゅぅぅぅっ♡ お許しくださいっ♡ 旦那様ぁっ♡ 怒らない、でぇっ♡」
まろびでた巨乳を五指で掴み、深く食い込ませて揉み回すと、シーアは涎を零しながら懇願する。
妖女の性感帯を乱暴に刺激すると、これほど顕著な反応を示すものなのか。
「今夜のお前の仕事は、俺を気持ちよくすることだろうが。分かったら床に膝を付け」
「はひっ♡ ご命令いただき、ありがとうございましゅ……っ♡」
藤次はズボンのチャックを開いて、逸物を取り出す。
やっと出番が来たとばかりに、肉棒は張り詰め、脈打っていた。
シーアはフェラチオを要求されているのだと察して、床で膝立ちになる。
「両手はそのままだ。目隠しも外さない。口だけでおちんぽを探して咥えるんだ」
「はぃ♡ 仰せの、ままに……♡」
藤次の意地悪な命令に、シーアは興奮を隠さない。
明らかになってきた被虐嗜好が、この短時間で成長しているかのようだ。
「はふっ♡ ぁぁ……旦那様の匂い♡」
手も使えず目も見えないシーアは、鼻先で目の前の空間を探る。
藤次は肉棒の根元を指で抓み、その先端を目隠しの上から額に当てた。
「あっ♡ あった――あ、れ?」
シーアは顔を上げて舐め上げようとするが、藤次は肉棒を横に動かして、シーアの口から逃がす。
「だ、旦那様ぁ? どこ、どこぉ?」
顔を動かして再び肉棒を探し、頬に触れた感触を追っては咥えようとするが、また逃げられる。
「旦那様ぁ♡ 意地悪ですぅ♡ 動かされたら、お口で、ご奉仕できない……はうっ♡」
肉棒の先端を追っては、虚空を噛むように取り逃してしまうシーア。
藤次が少しずつ後退すると、膝で歩くようにして、必死に追ってくる。
その姿は健気で、哀れで、なにより扇情的だった。
「シーア、本当は自分が咥えたいだけじゃないか? お口で気持ちよくなりたいんだろう?」
「あっ♡ そ、そんなことは……っ♡」
「命令だ」
「はいっ♡ 申し訳ありませんっ♡ 旦那様の雄々しいものを、お口で感じたいんですっ♡
ご命令にかこつけてっ、お口を埋め尽くしていただきたくてっ♡
お許しくださいっ♡ 弁えないシーアを、お許しくださいっ♡」
嬉々として従ったかと思えば、やはり本心はそこにあったらしい。
口内にも性感帯が豊富な妖女には、フェラチオも大きな快感なのだ。
「従順なふりをして、また自分が得をしようとしていたのか……これは、普通にフェラチオさせてもつまらないなぁ」
「ああっ、そんなっ。旦那様ぁ」
藤次の興味が去ってしまうと思ったのか、シーアは泣きそうな声になる。
そんな彼女の頭に両手を置いて、銀髪を撫でながら藤次は命じた。
「イラマチオだ。思いっきり口を開けて、喉でしごけ」
「あっ♡ はいっ♡ 喜んでっ♡ シーアのお口、ご存分にお使いくらはいっ♡」
シーアは待ちきれない様子で大きく口を開いた。
「いままでのように優しくしないぞ? お前が窒息しようと、オナホみたいに突いてやるぞ? いいのか?」
「はひっ♡ どうか、思いのままにっ♡ 私の浅ましい体にっ、旦那様の怖さ、思い知らせてくださいっ♡」
乱暴されると宣言したのに、この返答。
いよいよ藤次も、獣性を抑えきれなくなってきた。
「その言葉、本当かどうか……試してやる!」
藤次はシーアの銀髪を握り込むと、彼女の可憐な唇を割り開いて、赤黒い肉棒を突き込む。
「んぶぅぅぅっ!? おふっ♡ んおっ♡ お゙っ♡」
上顎を抉るようにして侵入した逸物は、すぐさま喉奥に到達。シーアをえずかせる。
「命令だっ、歯を立てるな!」
藤次は腰を振って、シーアの頭を揺すり始める。
「お゙ぅっ♡ じゅぽっ♡ んぉぉっ♡ じゅぶっ♡ ぁぁぁっ♡ ぢゅるるっ♡」
シーアの負担など、なにも考えていないような行為だった。
目の前にある少女の頭部を、まるでよくできたダッチワイフのように、掴んで使う。
シーアは苦しげに顔を歪めながらも、口内の擦り上げる逸物に、鮮烈な快感を覚えていた。
「おほっ♡ おぉぉっ♡ んぼぉっ♡ ちゅばっ♡ れろぉ♡ ぢゅぷるるるっ♡」
まるで歓迎するように、舌を絡め、口をすぼめて吸い付き、自ら首を前後に動かす。
「ははっ、すごいな。口の動きで分かるぞ? こんな乱暴にされながら悦んでいるんだな」
藤次はそれこそ立ちバックで膣を突くように、シーアの口腔へピストンを繰り返した。
「おぐっ♡ んぉぅっ♡ おっ♡ おっ♡ おっ♡」
シーアは必死に鼻呼吸で酸素を取り入れながら、頷くように首を振っている。
ときおり全身に痙攣が走ることから、感じているどころか達していることが分かった。
「よし、今度は自分で動くんだ。できるなっ!?」
「んぐぅっ♡」
命じられた通り、シーアは藤次の手を借りず、自ら頭部を動かす。
両手を頭の後ろに揃えたまま、顔を下腹部へ叩き付けるようにして、喉奥まで肉棒を吸い込んだ。
自らの動きで口内を犯すように、そうすることでしか得られない快感を思い求めて。
「おごっ♡ おぅっ♡ んぁっ♡ おぉぉっ♡」
シーアは喉を鳴らしながら、激しくえづき、そのたびに絶頂する。
それでも決して藤次のものを吐き出そうとせず、体ごとぶつかる勢いで巨根を呑み込んだ。
「これは、すごいな……っ」
予想もつかないシーアの姿と、口内が与えてくれる快感。
油断すればこのまま射精して、一滴残さず搾り取られてしまいそうだ。
「そこまで。よくできました」
「ぷあ……っ♡」
藤次がシーアを引き離すと、口から陰茎を抜かれたシーアは、大きな呼吸を繰り返す。
酸欠で意識が朦朧としているようだ。万が一のことがないよう、目隠しを外して顔を確認する。
「はぁっ♡ あっ♡ あふっ♡」
明らかになったシーアの両眼は、女の悦楽に染まり、爛々と輝いていた。
口から涎を垂らし、頬を紅潮させたその顔は、悦び以外の何も描いていない。
「だんな、しゃまぁ♡ わたひ、もっと、がんばれるのにぃ……♡」
射精するまで続けなかったことを、シーアは藤次の気遣いだと受け取ったようだ。
ここまでされてなお、彼女は、慈しまれることより『使われる』ことを望んでいる。
「……っ」
献身的――なんて綺麗な言葉には収まらない。
これと決めた雄の心を捉え、子種を獲得するためなら、身も心もなげうつ、妖女の狂気だ。
目の前にいるのは奴隷であるはずなのに、おとぎ話の魔女に誘惑されているような気分になる。
「最初の射精は、やっぱりシーアの中がいいからな」
気を取り直した藤次がシーアを撫でると、彼女は目を輝かせた。
「はいっ♡ ありがとうございますっ♡ 旦那様っ♡」
膣内射精を宣言された途端、この喜びよう。
内心で微苦笑しながら、藤次はシーアの両手から手枷を外して自由にする。
そしてベッドの上で仰向けにさせると、
「足を上げろ」
「あんっ♡」
シーアの膝裏を掴んで、体ごと二つ折りにするように、肩より上まで上げさせた。
「やだ……旦那様、これぇ……恥ずかしいです……っ」
シーアの秘所が露わになり、濡れそぼった割れ目がヒクついている。
「奴隷なら、それ相応の体位で犯してやらないとな」
藤次は、シーアの腰の下に枕を入れて高さを出す。
ベッドの上で膝立ち気味になり、二つ折りになったシーアの体を包むように覆い被さる。
「あぅ♡ 奴隷の体位……素敵ぃ♡ なるっ、なれるっ♡ 旦那様の性奴隷になれちゃうっ♡」
両頬を押さえて興奮するシーアに、思わず生唾を飲む。
今日は特殊なプレイが続いているせいか、シーアの奴隷精神もかなり触発されているようだ。
「どうぞ、旦那様っ♡ 私のことなんて、なにも心配いりませんからっ♡
どんなに突かれても、何回イっちゃっても、構いませんからっ♡」
シーアは自ら足を掴んで、自分の体位を固定する。
「なにも我慢なさらずに、私のこと……犯し抜いてくださいませ♡」
藤次は大きく息を吐くと、シーアの太腿に手を添える。
「分かった。どうなっても止めないぞ?」
「はい……っ♡」
ゆっくりと挿入していくと、シーアの体がビクンと震えた。
「あ……あぁ……っ♡ おっきぃ♡ これっ♡ やっぱり、旦那様のがっ♡ いいっ♡」
ディルドとは大違いの、生きた人間の逸物に、シーアが唇を震わせる。
膣内は熱くうねり、蟻地獄のように肉棒を奥へ吸い込もうとしていた。
「旦那様っ♡ きてっ♡ きてきてぇっ♡」
「おねだりは、命令してないって――言っただろう!」
ドスン! と、不意打ち気味に、最奥部まで突き落とす。
「んぉぉぉっっっ♡♡♡」
シーアが背筋を伸ばして痙攣する。
「はひっ♡ んぉっ♡ お、ぉ、ぉっ♡」
子宮口を押し潰され、ぐりぐりと動かされる、シーアは鯉のように口を開閉する。
見開かれた目は焦点を失っており、膣内の激しい収縮が、大きな絶頂を物語っていた。
「ああ、やっぱり入れただけでイったな? でも待たないぞ!」
藤次はシーアの真上から、杭打ちの姿勢で容赦なくピストンを開始する。
「んおっ♡ あああっ♡ ひあああっ♡ あおっ♡ んぉあぁぁぁっ♡」
パンッ、パァン、と、肌同士がぶつかり合う音が鳴る。
シーアは絶頂している最中だというのに、同様の衝撃と快感を叩き込まれ、また絶頂する。
それが多重になり、連続絶頂が巻き起こると、シーアはいよいよケダモノめいた嬌声を上げた。
「おおっ♡ あはぁっ♡ イクのっ♡ とまらなっ♡ ひぃっ♡ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ♡」
「気持ちいいかっ!? 命令だっ! どう気持ちいいのか正直に言うんだっ!」
「はいっ♡ はいぃっ♡ おちんぽっ♡ すごいっ♡ 太くて、長くてっ♡ あふぅっ♡ 私の中っ、埋め尽くされてっ♡ ああんっ♡ 気持ちいいとこっ、ぜんぶ擦れてましゅっ♡ 奥ぅっ♡ 奥がしゅごいのぉっ♡ どすんって突き込まれるとっ、イっちゃうっ♡ 勝手にイっちゃうっ♡ 旦那様が来る度にイっちゃうのぉぉぉっ♡」
シーアの乱れ用は凄まじい。
首を振り、銀髪を振り乱し、体は幾度も跳ね上がる。
「いいぞ、次はおねだりだ。命令だ、して欲しいことおねだりしてみろ!」
「はいいっ♡ 旦那様のっ、ご立派な体でっ♡ 私の卑しい雌穴っ♡ ずぽずぽしてくだしゃいぃっ♡ 旦那様のっ、殿方がしたいことっ、全部シーアにしてくだしゃいっ♡
私がっ、旦那様のっ、一番の奴隷になるんでしゅっ♡」
吐き出されていく被虐的な本性。
「恩返しっ、なんでしゅっ♡ 旦那様はっ、私の人生をっ、救ってくださったからぁ♡
だからっ♡ 旦那様にっ♡ 人生、捧げたいんですっ♡ 女としてっ、捧げたいのぉっ♡
旦那様にはっ、私のことっ、自分のモノにする資格があるんですっ♡」
嘘偽りない本心だと分かるが故に、藤次の背筋を悪寒めいたものが走る。
それに突き動かされるように、シーアの乳房を両手で鷲掴みにすると、
「んぉぉぉぉっ♡ おっぱいぃ♡ おっぱいもぉ♡ 気持ちいいっ♡ 乱暴な手付きっ♡ 力強いのっ♡ 好きぃっ♡ もっとっ♡ もっと強くっ♡ 私のマゾメスな体っ、もっと苛めてくだしゃい♡ これなのっ♡ これでないとぉっ♡ ああ来るっ♡ すごいの来ますっ♡ しゅごくイっちゃうの来ちゃうぅぅぅっっっ♡♡♡」
シーアは背筋を反らせ、全身を硬直させた。
「お……お……お……っ♡」
シーアはガクンガクンと体を震わせ、舌を突き出したまま、声も出せない絶頂に震える。
妖女だけが味わえるという、絶頂の天井を越えた大絶頂を、彼女も味わっているようだ。
「っぐ!」
そして藤次も、堪えきれず射精する。
逸物が心臓になったかのように、脈打ちながら白い体液を放出した。
「んぉぉぉっ♡ でて、りゅっ♡ おっおっぉぉぉっ♡ だんな、しゃまがっ♡ 私をっ♡ 孕ませ、て――っ♡」
シーアは膣内射精でも絶頂を迎え、朦朧としていた意識を呼び覚まし、膣圧で藤次の精液を搾り取る。
「く、ぁ……」
「はひゅっ♡ はひぅっ♡」
脱力した藤次は、シーアを押し潰すように体重を預ける。
シーアも藤次の背中に腕を回して抱き留めた。
もう言葉すら要らない、セックスを通じて、お互いの心の奥底は曝け出された。
その上で同時に絶頂した――どんなに言葉を尽くすよりも、雄弁な応答だ。
「シーア……」
射精して落ち着いたこともあり、藤次は普段の慈しみある主人に戻る。
「はい♡ もう一度、ですか……?」
シーアはそんな藤次もまた愛おしいというように、両頬に手を沿えて見上げた。
「いいや――」
藤次は微笑み、シーアの額にキスをして、こう告げる。
「これから、ずっとだ」
○
街の一角に立つマンションの一室には、一組の主従が住んでいる。
妻と離婚して仕事に没頭していた男性と、彼が雇った妖魔界の奴隷。
その姿を見るようになった当初は、主従だった。
数日も経つ頃には、どこか親子のようでもあった。
しかし、最近は――
「もう、旦那様っ? また私に無駄遣いしようとしてっ」
「でも、シーアも欲しがってただろう?」
「欲しいと必要は別なのです。もっとちゃんと資産を管理していただかないとっ」
仲睦まじく、遠慮も失われたその姿は――夫婦のそれによく似ていた。
ご一読いただきありがとうございました。
ハッピーエンドっぽく締めましたが、奴隷編はまだ続きます。
次話からは奴隷ヒロインが増える予定です。
※たびたび、誤字訂正をいただき感謝いたします。
自分はどこに目を付けてたんだ……というようなミスが多くて恐縮です。