誘惑禁止条例 ※性犯罪被害は条例違反にあたらない 作:大中小太郎
思えばシーアとは、デートのひとつもしていない。
藤次がそこに思い至ったのは先週末のこと。
だから日曜日の今日、藤次はシーアと外出することにした。
「お、お待たせしました……」
先に部屋を出て車の前で待っていると、シーアがやってくる。
普段のメイド服ではなく私服姿だ。
「ああ、可愛いな」
「そ、そんなことは……」
袖がシースルーになった肩出しのシャツと、膝丈までのスカート。
妖魔界の様式を取り入れた人間界のものであり、シーアからすると着慣れないらしい。
奴隷になる前のシーアは武門一筋の体育会系だったそうで、おめかしとは無縁だったという。
「さあ、乗って。車酔いしたときはちゃんと言うんだぞ?」
「はい、ですがその前に――」
紳士ぶって助手席を開いてやった藤次に、シーアはぴしっと指を突き付ける。
「旦那様? 本日はくれぐれも、私のための無駄遣いはお控えくださいっ」
「お、おお……」
財布の紐をしっかり握ったような釘刺しに、軽く気圧される。
「デートで最初にそう言う女性も珍しいな」
「人間女性はどうか知りませんが、妖女なら普通ですっ」
言葉を交わしながら、二人で車に乗り込む。
「人間女性がそれを喜ぶという理屈は分かります。
自分と子供を養ってくれる、飢えさせない男性を求めるのは、必要とされて培われてきた本能でしょう」
発進した車の助手席で、シーアは説く。
実際、人類の原始時代は、オスが狩猟採集をしてメスが巣で子育てだ。
こうした頃から、オスは胸が大きくて腰が括れたメスを求めていたという。
理由は、胸のある方が母乳が出て、骨盤の広ければ出産時の事故率が下がるからだ。
逆にメスは、より多くの糧を獲得してくれるオスを求めるので、背の高い屈強な男性を好み、分かりやすい証明として『奢ってくれること』を喜ぶ。
広義の意味ではこれも『性欲』、性別に大きく関わり、生殖のために備わった欲。
一見して我欲に見えるそれら、実は男女どちらも子供のために培われてきたものなのである。
「ですが、妖魔界においてそれはまかり通りません。
むしろ、女が男にご馳走するなりなんなりして、自分たちの『力』をアピールするものです」
よって、妖魔界出身の妖女だと、デートでは男性が奢るものという慣習からして無い。
それを聞いた妖女は、人間男性が女性に奢らせる男性を見たときと同じ反応をするそうだ。
そうでなくても、奴隷として遠慮深いシーアだ。
いま着ている服とて、布さえあれば自分で作ると言い張るシーアを説き伏せてようやく買い与えたのである。
「分かった分かった。今日は俺の買い物に付き合ってくれ。二人で使うものを、二人で選ぼう」
「もう、前もそう言って贅沢させようとしたじゃないですか……」
シーアは軽く頬を膨らませる。
今日こそは何を買い与えようとしても断るぞという固い決意が見て取れた。
「どうしてもというなら、お金はこの子のために……ね?」
極めつけに、お腹を撫でながらそう言われては、藤次も財布の紐を締める他になかった。
とはいえ、何の特別感も無かったらデートにならない。
そこを加味して、シーアと計画を立てた結果、二人が来たのは――
「わぁ……こういう風になってるんですねっ」
ラブホテルだった。
「うわ、ベッドがふかふかですっ。トランポリンみたいですよっ。
この透明な部屋はシャワー室? な、なんだか恥ずかしいですね。
はうわっ!? 旦那様っ? なんだかベッドが回転し始めたのですが何かの儀式ですかっ!?」
はしゃぐシーアである。
デートということもあり私服姿だが、そちらは清貧な彼女らしく簡素なもの。
いつもは下ろすか結うかしている髪型を少し工夫しているくらいだろうか。
それは魅力的なのは、何も不満は無いのだが……
(どこか行ってみたいところはないかとは聞いたが、ラブホテルかぁ……)
食事もせずにいきなりホテルという、人間女性が相手なら平手打ち必至のデートプランだ。
「人間界にはセックスのための専用施設があるって本当だったんですねぇ……」
というように、シーアもここがどういう場所なのかは知っている。
正真正銘、彼女の希望を聞いた結果、噂に聞くこの場所を見てみたいという返答だったのだ。
「旦那様? またそんなお顔をして……私は別に気を遣ったわけじゃないんですよ?」
「ああ、それは分かってるんだけどな……せめてちょっといい店で食事くらい……」
「ですから、それはこの子が産まれた後に。食事や遊園地には三人で行きましょう」
晴れやかな笑顔でそう言われては、藤次も二の句がない。
「そうだな。そのときはシーアにもたっぷり楽しんでもらうからな?」
「はいっ」
「観覧車とかジェットコースターとか、世の中には楽しいことが沢山あるって、おじさんが教えてやるからなっ! ううっ、う……っ!」
「ですからっ、不幸な身の上の子みたいな扱いはお止めくださいっ」
シーアは困り半分に怒り出すが、藤次としては涙腺が緩む。
人間界に生まれていれば、友達と遊園地に遊びに行ったり、男にデートで奢らせたり、そういう年相応の楽しみを味わえただろうに――と。
もちろんそれは、他人の幸不幸を外野から定めるという傲慢なので、これ以上は控える。
「そんなに気が咎めると仰るなら……その……」
シーアは仕方なさそうに息を吐くと、頬を染めて藤次の胸に顔を寄せる。
彼女の方からこうやって甘えてくるのは珍しい。藤次は喜んでその身体を抱きよせた。
「今日は、旦那様を独り占めさせてくださいませ♡」
こちらを見上げるシーアのおねだりは、眩暈がするほど可愛らしかった。
最近はユスティネやニナという同居人が増えて、二人きりというのは久しぶりだ。
セックスに関しても、どこか他の二人に聞こえたり見られたりすることを気にしている。
それでも3Pをしたりはするが、二人きりで気兼ねなくという解放感は不足していた。
シーアが行先にホテルを選んだのは、そういう意図もあったのだろう。
「いいぞ、今日の俺はシーアのものだ。なんなら、立場を逆にして命令したっていいんだぞ?」
「そ、そんな恐れ多いこと……っ」
シーアはいつものように断ろうとしたが、それはそれで藤次の気持ちを蔑ろにしていると感じたらしい。
少し迷うように目を泳がせて、ベッドに視線を止めた後、改めて藤次を見上げる。
そして、恐る恐る口を開いて、こう言うのだった。
「……今日だけ、ですよ?」
男に二言はないが、いざ命じられるとなると、なにをされるか不安になるものだった。
○
改めて、誘惑禁止条例というものがある。
妖女が
逆に言えば――夫婦であれば問題はない。
妖魔界において『誘惑』とは、妻が夫にするものであり、男が女に全幅の信頼を示すとき許すものである。
「ほ、本当に、いいんですか……?」
「ああ、シーアならいい」
だから藤次は、シーアに『誘惑』を使うことを提案した。
「で、ですが、夫婦といっても、籍はまだ……」
「妖魔界では、愛の証明としても使われるんだろう? なら、俺もそうしたい」
「はぅぅ♡」
シーアは頬を押さえ、耳まで赤くなる。
妖女にとっては、一生に一度でいいから聞いてみたいという熱烈な言葉だった。
「さあ」
藤次はベッドで仰向けになり、シーアを自分に覆い被させる。
普段なら騎乗位の命令だと解釈するところだが、今回は完全な女性上位。
「はっ、はふ……っ♡ だ、旦那様……わ、私、旦那様を、押し倒して……っ♡」
シーアの瞳は、興奮と背徳感で焦点を失いかけていた。
妖女の本能は、本来ただ男に抱かれて孕みたいという受け身なものだけではない。
誘惑という能力を駆使して男を虜にして、跨がって子種を搾り取りたいという、逆レイプの本能でもある。
シーアは生まれて始めて、そういうメスの獣として振る舞うことを許されていた。
「い、一度だけ……一度だけ、ですから……っ♡」
シーアは藤次の腰に跨がり、両手を伸ばして夫の頬を包む。
「後で、どんなお仕置きでも受けますから……っ♡」
そうして顔を近付けると、可憐な顔立ちの大きな両眼に、魔力の光が瞬いた。
「どうか……許して……♡」
目の光を認識した瞬間、脳裏に火が灯るような感覚を覚えた。
どこかから電波でも受信したかのように、自分の意思に反して性欲が燃え上がる。
思春期の頃、初めて自覚する性欲というものに戸惑ったときの感覚、それを十倍にしたかのよう。
(これは……驚いた……っ)
妖女の誘惑を受けるのは初体験だが、これほど強制的に昂ぶらせてくるものなのか。
なるほど禁じられるわけだ。信頼できない相手からされたら、精神的な尊厳を傷付けられた気分である。
「シー、ア……」
「あぁ……っ♡ 旦那様、そんな、お顔で……っ♡」
呂律すら怪しくなった藤次を見て、シーアは可愛さと罪悪感を同時に覚えたような感嘆を零す。
そんなことはいいから抱きたい、すぐにシーアに挿入して思う存分に腰を振りたい。
欲求に従って手を伸ばそうとすると、
「いけません♡」
手がシーアの身体に触れる直前、彼女の優しい声で硬直する。
甘い声音だというのに、子供が大人に怒鳴られたかのように従ってしまった。
「旦那様は、じっとしていてください。今日は……ぜーんぶ、シーアが決めますからね♡」
シーアはそう言うと、悩ましい手付きで服を脱ぎ始める。
わざとゆっくり、早く肌を見たいと目で訴えるこちらを焦らすように。
「ああ、そんな物欲しそうなお顔をして……おかわいそう♡ いま、お見せしますからね♡」
シーアは腕を交差させてトップスを頭から引き抜き、上半身を露にする。
まるで初めて恋人を脱がせた日のように、琥珀色の肌が目に焼き付いてきた。
「次は、こっちです……♡」
待てを命じられた犬を愛でるように、シーアはスカートのホックを外す。
スカートの布地が降りていき、扇情的な下着や鼠径部、少女的な太股が解放される。
「さあ、ご覧になってください♡ これから、旦那様を気持ちよくする身体です♡」
藤次を跨いで膝立ちになったシーアは、まだ膨らみの目立たない腹から胸元を指で撫で上げた。
必至に腕を動かし、邪魔な下着を剥ぎ取ろうとするが、『誘惑』の効果で動きを封じられている。
もどかしい、まるで絶頂の寸止めを受けたような感覚が、動かそうとした各部で起きていた。
「シーア、早く……」
「まあ♡ 旦那様が、おねだりしてくださるなんて……♡ ふふ、いつもと立場が逆ですね」
シーアは白い息を吐きながら、ブラとショーツを外していった。
見慣れているはずの妻の全裸、それがまるで、積年の悲願であったかのように心を奪う。
「さあ、旦那様も脱ぎ脱ぎしましょうね♡」
シーアもノってきたようで、子供をあやすように言いながら、藤次のベルトに手を掛けた。
カチャリ、という金属音が響く時間が、拷問のように長く感じる。
「はぅ♡ おかしいです。このくらい、いつもしてるのに……♡
まるで、旦那様を、辱めているみたいで……っ♡」
シーアは不徳な悦楽を告解しながら、藤次の逸物を解放した。
その肉棒はいつも以上に張り詰め、血管の凹凸が激しく見える。
「あぁ、こんなに漲られて……いいんですよね。私が、旦那様を、好きにして……あむっ♡」
我慢できないという様子で、シーアは藤次の分身を口に含む。
「んむっ♡ んぐっ♡ ぢゅるるっ♡」
「うぉ……っ」
藤次は思わず声を漏らしてしまう。
シーアの口内が熱い。火傷しそうなほどの熱量なのに、とても柔らかくて心地好い。
いや違う――シーアの口が変わったわけではない、自分の逸物が普段より過敏なのだ。
これも『誘惑』によるものなのだろう、シーアの舌どころか吐息まで、鋭敏に感じ取っている。
「シーア、そのまま……っ」
「ぷあっ♡ 旦那様、いつもより敏感です♡ いっぱい、気持ちよくして差し上げますね♡」
シーアは口を離している間も、白魚のような細指で陰茎を扱き、亀頭を転がすように撫でる。
再び口内に呑み込むと、藤次の弱点へ的確に舌を絡めてきた。
口内の性感帯を刺激したがる妖女のフェラではなく、扱い慣れた夫を感じさせる妻の口淫だ。
「くっ……」
藤次は歯を食い縛って耐えようとするが、シーアのテクニックはそれを許そうとしない。
「ぢゅぶっ♡ んんんっ♡ ぷぁっ♡ あむっ♡ じゅっ♡ んぐぅっ♡」
鈴口から裏筋、カリ首まで余すところなく舐られ、快感で腰の奥から射精欲がこみ上げてくる。
「ぷはぁ♡ ふふ、旦那様?
シーアがこちらに目を合わせて言うと、下半身に不可解が現象が起きる。
まるで見えない栓でもされたように、絶頂の直前でブレーキが掛かった。
堪えようとするまでもなく射精できず、逆に放とうとしても解放されない。
寸止めどころではない、自分の身体が自分の意思に反した行動を取っている。
「な……っ、これ、は!?」
「魔力を強めると、こういうこともできるんですよ?」
シーアが艶然と微笑する。
妖女が、自分の逸物を愛撫しながら唇を舌で湿らせている。
まるで、悪い魔女に捕らえられた少年のような気分だった。
自分はいま、ピンクハザード時代に多発したという事件のように、妖女の『誘惑』で弄ばれているのだ。
「あぁ、旦那様、そんな顔なさらないで……もう少し、もう少しだけ、許してください……っ♡」
シーアは身を起こす。
紅潮した顔では、罪悪感と欲情がせめぎ合っていた。
酷いことはしたくないが、どうしても自分を止められないという、犯す者の顔だ。
何をされるのか分からなくて怖い。
その一方で――こんな顔をしている相手を拒めない、受け入れて果てさせてやりたいという感情も生じる。
「……っ」
ひょっとすると、自分はいつもこんな顔でシーアを抱いていて、シーアはこんな気分で抱かれているのだろうか。
だったら、今日は自分がシーアを自由にさせてやるべきではないか。
「……いいぞ、好きにしてごらん」
「あぁ……はい♡」
短い言葉でも気持ちは伝わったようだ。
シーアは嬉しそうに足を開き、片手で藤次のペニスを手に取ると、口を開いた陰唇でキスをする。
「んっ♡ はぁぁぁぁっ♡」
騎乗位での挿入は、滞りなく済んだ。
自分の匙加減で挿入したせいか、シーアの反応は普段ほど激しくない。
しかし藤次に跨りながら髪を掻き上げる仕草からは、普段以上に大人びた色香を感じた。
「んぅっ♡ 旦那様、いかがでしょうか? 敏感おちんぽ、気持ちよくできてますか?」
「ああ……っ、すごく、締まって……っ」
シーアの膣内を、陰茎の表面全体で感じ取る。
過敏になっているせいか、締め付けがきつく感じる。肉ヒダの一本まではっきり分かる。
「ふふ、嬉しいです♡ いつもは、旦那様にお任せしてばかりですけど……♡」
シーアは腰を上下させるだけでなく、円を描くように動かしてみた。
「っく」
「今日はぁ、シーアが全部いたしますから♡ 旦那様は、動いちゃだめ♡」
誘惑の力で命じられたせいか、本当に身体は動かない。
快感に身をよじることもできず、シーアの動きひとつで、快感により征服されるようだ。
「んっ♡ んっ♡ んぅ~っ♡」
シーアは腰を上げ下げし、藤次の剛直を味わう。
水音と肌のぶつかる淫靡な音が、ホテルの部屋に響く。
藤次は脳裏に白い火花を散らしながら、先端部に子宮口の硬さを感じて我に返る。
「シーア、奥は……っ」
お腹の子に負担がかかるようなセックスはよくないと訴えるが、
「大丈夫っ♡ ですっ♡ この子、だって♡ このくらいっ♡ へっちゃらですからぁ♡」
シーアは藤次の腹部に両手をついて、激しくない程度に腰を上下させる。
「ふぅっ♡ んぁぁっ♡ はぁぁっ♡」
シーアの息遣いが荒くなり、甘い声が笛の音色さながら奏でられる。
単純な快感の絶対値で言えば、藤次が動いているときの方が強いだろう。
しかし、シーアの瞳に浮かぶ恍惚感は、主人の身体を思うがままにするいましか味わえないものだった。
「旦那様っ♡ まだイかないでっ♡ 私がっ、いいで言うまでっ♡ イっちゃだめですからぁ♡」
「ぐ、あっ」
藤次にはもう、返事をする余裕がない。
誘惑による射精管理状態に置かれ、絶頂寸前のまま、敏感になったペニスを膣内で弄ばれる。
「あぁ、旦那様……っ♡ お辛そうっ♡ 許してっ♡ いまだけっ♡ 旦那様のことっ♡ 苛めさせてぇ♡」
シーアは両手で藤次の胸板を愛撫して、乳首を指で擦る。
ちゅぱんっ、ちゅぱんっ――と音を立てる結合部。
控えめな音に反して、藤次に与えられる苦楽は激しい。
上下運動、前後運動、円運動と、シーアの腰付きだけで肉棒から全身が翻弄されるかのよう。
「シー、ア……っ!」
「旦那様っ♡ イキたいっ? イキたいですかっ?」
シーアも小刻みに達しながら、快感に苦しむ藤次から目を離さず、どこか嗜虐的に聞いてくる。
「ああ、っ! 出したい、シーアに……っ」
「あぁっ♡ はいっ♡ 私もイクっ♡ 旦那様と一緒にぃっ♡ 一緒に、
シーアがそう言った途端、これまで栓をされていた射精が、急に許された。
中出しは拙い! と思って、自由になった腕でシーアの腰を掴む。
シーアもぎりぎりのところで腰を浮かせ、藤次の肉棒を膣外へ抜く。
肉棒が白濁液を放ったのは、その直後だった。
「っぐ!」
「あぁぁぁぁっ♡」
どぴゅう、と勢いよく放たれる精。
シーアの秘所に、腹に、胸元にまで届いて、琥珀色の肌を白く汚す。
「ぁ―――♡」
シーアは自分の身体にかかったスペルマを見て、陶然とした表情を浮かべていた。
「ふぁぁ♡ 私、旦那様を……犯して、犯しちゃいました♡ あぁ、なんてこと……っ」
頭が冷えてきたのか、シーアは自分のしたことの重大さに気付いたように顔を覆う。
「俺から言い出したことだ、気に病むな」
身体を起こして、シーアを抱き寄せる。
いつの間にか身体の自由は戻ってきており、性感過敏な状態も去っていた。
「気持ちよかったか?」
「うぅ……その……はい。新鮮でした……」
腕の中、シーアは俯いて顔を隠しながらも肯定した。
相手の身体を自分の思い通りにできる悦び――いつもは自分がシーアに味わわせてもらっているものを、彼女にお返しできたようだ。
「でも……」
恐る恐る、シーアが顔を上げる。
先ほどまでの艶然とした妖女の顔ではなく、可愛らしい甘え下手な少女の顔で――
「やっぱり……いつもみたいに、してほしいです……♡」
『
第二ラウンドがいつも以上に長く激しくなったのは、言うまでもない。
○
帰宅した後、藤次はメールをチェックする。
休日だというのに仕事の連絡がないか気にしてしまうのは、もはや習慣だ。
なぜなら――
『弊社CMが炎上しているようです。
明日にでも報告求められると思われるので、確認お願いします』
こういうメールが、届いていたりするからだ。
ご一読いただきありがとうございました。
更新が遅れてしまい申し訳ございません。
詫び挿絵を加えつつ、シーア回となります。
取り急ぎ、他のヒロインとのHも描きつつ、炎上案件を進めていきます。