誘惑禁止条例 ※性犯罪被害は条例違反にあたらない 作:大中小太郎
太智はノーラを連れてホテルに入る。
先日も別の女性とセックスしていた、ママ活男子ご用達のホテルだ。
ホテルに来たことで、いよいよ意識してしまったらしく、ノーラは落ち着かない様子で室内を見回している。
「あの……お金、先に払った方がいいですよね?」
やがてノーラが口火を切り、財布からお札を取り出した。
素朴だが魅力的な妖女が、性の対価として現金を差し出してくる光景は、何度見ても慣れない。
「ありがとう。じゃあ前金として半分だけ受け取らせてもらうね」
「半分だけ?」
「うん。もしも内容が気に入らなかったら……例えば僕がすごく下手なセックスをしてご満足いただけなかったら、残りの半分はいただきません」
というわけで、ノーラの手元からお札を半額分だけ受け取る。
意地汚く財布には入れず、近くの小机に置いた。
「あ、あの……本当に、こんな金額でいいんですか? 桁を間違えてるんじゃ……」
「妖女さんにはよく言われるけど、間違ってないよ?」
「でもっ、妖魔界で男性と夜の機会を得るときは、本当にこの百倍くらいの心付けが必要でっ」
「あはは、妖魔界の男性は強気だね。でも、人間界の男は妖魔界の百倍多いって言うくらいだし、そう考えると百分の一で妥当な価格じゃない?」
そうなんでしょうか……と、ノーラは常識の崩壊で目を回している。
「それに、僕自身も気持ちよくなれることだしね」
「あ……っ♡」
じれったいのでノーラを抱き寄せ、顔を近付けて見つめ合う。
少し熟れた肢体は柔らかく、しかし男を知らないせいか緊張して硬くなっている。
それを解すために、ゆっくりと唇を近付けてキスをした。
「ん……♡ んちゅ……♡」
ノーラは目を丸くするが、抵抗はしない。
間違いなくファーストキス、それもセックスを前提とした濃密なもの。
自分が男性とこういうことができるなんて、思ってもみなかったという様子だ。
そのせいか、最初は戸惑い気味だったが、事が始まれば妖女の本能が勝ったらしい。
ノーラの手は太智の背を抱き、唇をついばむ太智の口に、同じことを返してきた。
「ちゅっ♡ れろ……っ♡ ちゅるっ♡」
どちらからともなく舌先を出し、お互いの唇や舌先を軽く舐める。
最初は遠慮がち、徐々に大胆に。
そして、やがて舌を絡め合わせ始めた。
「ちゅっ……ちゅるっ♡ くちゅ……♡ じゅるっ♡」
接触が深まるのは口だけではない。
ノーラの両腕が太智の背中を堪能するように動き、ロングスカート越しに太股を絡め、乳房を胸板に押し付けて擦る。
初めて女の肌に触れた男のように、ノーラは太智の身体に夢中だった。
気弱な性格も、失礼が無いようにしようという事前の決意も、若い男に抱きしめられた途端に瓦解している。
「ママ、落ち着いて?」
「っっっ♡」
太智が口を離して囁くと、ノーラの顔が赤く染まる。
はしたなく求めていたことを自覚すると同時に、ママなどと呼ばれたせいだろう。
「あっ♡」
「慌てなくても、僕の方からしてあげるから」
ノーラが動揺している間に、太智はベッドへ誘導して、背中を抱くようにして優しく押し倒す。
「あ、あの……わ、私……け、経験、無くて……上手く、できるか……」
顔は待ちわびているのに、言葉は躊躇っていた。
自分がなにをされるかではなく、不心得で相手の男性を不満足させないかどうかを恐れている。
「なら、僕がいっぱい気持ちよくしてあげるね」
「あぁ♡ お願い、します……」
覆い被さりながら優しく宣言すると、ノーラは恥ずかしそうに顔を反らしながら、無抵抗に仰向けになる。
(こんなに、熟れた身体なのに、初々しいなぁ……)
そういうところが堪らない。
年上なのに可愛らしい顔立ち、肉感的な肢体、なのに男を知らない。
純朴なのに性欲は強く、長年にわたって自慰を繰り返してきた身体に、男を教える。
ママ活を止められない理由のひとつだった。
(胸、母さんと、同じくらいかな)
頭の片隅に、そんな思考が浮かぶ。
コレットの、毎日のように見ているのに、触れることは無いし許されない、あの爆乳――
日頃から押さえ込んでいる彼女への想いを解消するように、太智はノーラに手を伸ばしていった。
〇
同時刻――コレットは寝室のベッドで身悶えていた。
「んっ……あ……っ♡ はぁ……‥んんっ♡」
自慰をしていた。
コレットの細い指が、豊満すぎる乳房に深く食い込む。
数字にして100センチオーバーもある爆乳が、指を呑み込んでいるようでさえある。
「んはっ♡ んっ♡ あんっ♡」
もう片方の手は脚の間に入り込み、恥裂の隙間に指を踊らせている。
そこは既に濡れそぼり、膣口から垂れた愛液がシーツに染みを作っていた。
くちゅくちゅという水音が寝室に響き、口から零れる甘い喘ぎ声も高くなっていく。
(足り、ない……こんなんじゃ……っ♡ 男の子の手は、もっと……太くて、強くて……っ♡)
コレットは自分の細い指を恨むように、胸と秘所に指を食い込ませる。
自慰にしては強い刺激だ。
しかし、彼女が思い浮かべている男性の指は、この程度のものではない。
女のそれと違って、彼らの指は太くて長くてゴツゴツしていて、なのに器用に動く。
それが自分の肢体を掴み、愛撫し、敏感な部分を責めるところを想像して、コレットの指先に力が入る。
(太智、くん……っ♡)
コレットの脳裏に浮かぶのは、愛する養子である太智だった。
食事のときなどに目にする彼の指先を思い出すと、自慰のために描いていた妄想のリアリティが急激に増す。
身体は鋭敏になり、指先にはより力が込められ、走る快感が増していく。
「あっ♡ ああっ♡ あああんっ♡」
(太智くんっ、だめぇ……っ♡)
妄想の中で、コレットは太智に襲われていた。
自分の熟れた身体に辛抱できなくなった彼が、養母である自分にとうとう手を伸ばしてくる。
自分はそのことに驚き、必死に彼を制止しながらも、男の強い力に抗えず、乳房と秘所を責められるのだ。
「んあっ♡ あっあっあっ♡ ふぅぅぅっ♡」
(ごめんね……太智くんっ♡ ごめん、ねっ♡)
母にあるまじき、息子への劣情。
それを自覚しながら、どうしても他の男を思い浮かべることができない。
日々の暮らしの中で彼に男性を感じる度に劣情は蓄積され、コレットを自慰に走らせる。
オナニーの最中、脳内で勝手に演じられるのはいつも、あの素直な愛息子がケダモノとなって自分を求める光景だった。
「ふぐっ♡ うぅぅっ♡ んぁぁぁっ♡」
(許してっ♡ いまだけっ♡ こんな、いけないお母さんのことっ♡ 許してぇっ♡)
なんて浅ましい、なんて卑しい、口に出すのも憚られる劣情。
手塩に掛けて育てた息子に欲情するなど、母のクズそのもの。
そうと分かっているからこそ、背徳感が背筋を駆け上がり、コレットの性感帯を鋭敏にしていく。
「くはっ♡ あっ♡ っっっ、んぁぁっ♡ ふうっ、ふうっ、ふうっ♡」
せめて自分を罰するかのように、コレットは自慰の手つきを荒々しくする。
もう絶頂が近いことを悟りながら、決して手を緩めない。
妄想の中の太智は、こちらの罪悪感や抵抗など構わず、自分を絶頂に導こうとしているから。
快感を怖れる女の制止を聞かず、男の腕力で拘束しながら強引に果てさせようとしているから。
そうされたときにこそ、女が自分の意思では怖くて越えられない先にある大きな悦楽があると、知っているから。
「あっあっあっあああぁぁぁっ♡♡♡」
自分の妄想が、現実の自分とシンクロする。
そして――絶頂を迎えた。
「太智、くん……♡」
恍惚感の中で、コレットは声に出して太智を呼ぶ。
男性であれば賢者タイムに入るところだが、妖女は逆だ。達したことでスイッチが入る。
どれだけ清純に振る舞っていても、コレットもまた妖女、人間女性よりも強い性欲を秘めている。
太智がアルバイトから帰るまで、その劣情を秘める必要もない。
(まだ……時間、ある……太智くんが、帰ってくる前に……)
コレットは準備していた器具に手を伸ばす。
息子には間違っても見つけられないように隠し持っている、ディルドローターだ。
(こんな、気持ち……晴らしておかないと……っ)
この浅ましい本性が、彼に気づかれないように。
下手に欲求不満のまま態度に出てしまうよりも、綺麗さっぱり解消してしまうために。
これはそのために必要なことなのだと――言い聞かせるように。
(太智くん……いいよ♡ 私の中に、きてぇ……っ♡)
彼の肉棒を想像しながら、コレットは手にしたディルドを膣口へとあてがうのだった。
〇
服を脱がせたノーラの身体に、太智は前戯を繰り広げる。
「ふあっ!? あっ♡ んっ……っく、ああんっ♡♡♡」
マシュマロのように白くきめ細やかな肌に、太智の指と舌が踊る。
ブラを外された豊乳の片方を愛撫しながら、もう片方を口に含み、同時に秘所への手淫も行う。
左右の乳房と股にそれぞれ異なる刺激を与えられたノーラは、驚きの混ざった嬌声を上げていた。
「あぁ……吸って、るっ♡ 本当に、男の子がっ♡ 私のおっぱい、吸って――んぁぁぁうっ♡」
男に愛撫されるというだけで、ノーラは夢見心地だった。
自分とは大きく異なるオスの指が、ただ膨れているだけだった乳房を楽しげに揉んでいる。
もう片方は当然のように口に含まれ、熱い舌が上下左右や円軌道で先端を弄んでいる。
そして何より、濡れそぼった淫唇と膣口に、巧みな手淫が繰り広げられている。
どれ一つ取っても、ノーラがこれまでしてきた自慰とは桁違いの快感と興奮だった。
「ママの身体、気持ちいいよ。もっと触れていい? おっぱい、吸ってもいいよね?」
「んぁっ♡ あっ、あぁぁぁっ♡ いいっ、いいです♡ こんな身体でよければっ、お好きに♡ ひあぅぅぅっ♡」
当初は鮮烈な快感に戸惑っていたノーラだが、僅かな時間で嬌声も甘くなっている。
同時に身体が痙攣し始め、膣口からは愛液が滴り落ち、太智の手を濡らしていた。
(こういう妖女さんの身体は、素直でやりやすいなぁ)
男を知らずに生きてきた妖女の肉体は、扱いやすい。
性欲は強いので自慰だけは散々しており、多少の刺激には怯えない。
それでいて男性に触れられた経験はなく、妖女の深く広い性感帯を男の力で刺激してやれば、経験したことの無かった鋭い快感に翻弄される。
最初こそ、予想以上に力強い刺激に抵抗を示すが、妖女の身体は容易に快感を拾い始め、多少の痛苦など頭から吹き飛ばしてしまう。
雑なテクニックでも大いに喘いでくれる、難易度の低い敏感ボディだ。
「乳首を吸われるの、気に入ってくれたみたいだね。エッチな声、もっと聞かせて?」
「ああっ!? そんなっ♡ ああんっ♡ あひっ、ひぁぅっ♡♡」
乳首に歯を立てながら強く吸い立て、膣内ではGスポットを指先で擦り上げる。
ノーラの性感帯は、あっという間に絶頂へと駆け上がっていく。
「あっ♡ ああぁっ♡ だめっ、もうっ……♡」
太智が膣壁を擦る度に、ノーラは腰を浮かせて快感を訴える。
直後、脳天まで突き抜けるようなオーガズムが、彼女の身体を駆け抜けた。
「ひぐっ♡♡ あ゙あ゙あ゙ぁぁあああぁぁっっっ♡♡♡」
ぷしっ、と愛液が飛沫をあげる。
がくっ、がくんっ! と、ベッドの上でノーラの身体が跳ね、豊乳が派手に踊った。
「はひっ♡ はぁっ♡ あっ、いまっ、わたしっ♡ イっ、イって……?」
ノーラは頬を紅潮させ、焦点のぶれた瞳で自分の身体を見る。
自分の肉体に走った絶頂の強さが、信じられないという顔だ。
「男にイかされると、違うでしょ?」
「は、はい……こ、こんなこと、いままで……はぅ♡」
ノーラは両頬を押さえて感極まる。
いままで自慰しか知らなかった妖女が、初めて男にイかされたときにする顔だ。
ママ活で幾人もの妖女を抱いてきた太智が、何度も見てきた顔だ。
「イってる顔、すごくエッチだよ。ママはエッチする素質あるかも」
「そ、そうです、か? 自分では――あんっ♡」
達した身体をゆっくり愛撫すると、ノーラが小さく嬌声を上げる。
一度イったことで性感が鋭敏になっていることが確認できた。
「これなら、本番に入っても大丈夫そうだね」
「ほ、本番って……っ♡」
太智がズボンのベルトを外し始めると、ノーラは次の展開を理解して息を呑む。
男性が脱ぐ様を見るのも初めてなのだろう。まるで初心な少女のように顔を赤くしている。
しかし、その表情に怖れや怯えは感じられない。ただ強い興奮を隠しきれずにいる。
つまり、淫乱な妖女の、期待の表情だった。
「っ!」
やがて太智の取り出した逸物に、ノーラは目を見開いた。
勃起した太智の男根は、ノーラが知っているディルドローターよりも、赤黒くて生々しい肉の塊だ。
(ほ、本物……大きい……大きく、なってる♡ わ、私で……私なんかで……っ♡)
男性が自分に勃起しているという事実に、嫌悪感は無かった。
妖魔界では下層階級だった自分に、格の高い女たちの顔色をうかがっていた自分に……
その女たちは数少ない男性との逢瀬を必死に待っているというのに、自分はその順番をごぼう抜きにして、殿方に求められている!
彼女の胸中たるや、硝子の靴を履かされたシンデレラさながらの、幸福感と優越感に満ちていた。
「怖かったり、痛かったら言ってね?」
太智はその肉棒を秘所に触れさせる。
くちゅり――と淫猥な音があがる。
「ひぁうっ♡」
「ゆっくり、進むからね?」
「……っ♡」
優しい声に脳が蕩ける。
男性にここまで丁寧な扱いを受けるなんて、妖魔界ではあり得なかった。
身体は勝手に、喜びに打ち震えている。
自分が女に生まれたのはこの瞬間のためだったのだと、心と体が同時に理解していた。
(やっぱりこの人も、妖女なんだなぁ)
そんなノーラの、誰の目にも明らかな淫乱さを確認して、太智はほくそ笑む。
苦労して人間界を訪れ、金を払ってでも男を求め、簡単な愛撫で容易に達し、ペニスをあてがわれただけで感極まる。
いっそ気の毒なくらい好色で、心配になるくらい手玉に取れる淫乱な、熟れた妖女。
(あの人も、そうなのかな……)
太智の視界で、ノーラの顔が、よく知った別の妖女と重なる。
その女性を目掛けて、太智は剛直を突き入れていくのだった。
〇
コレットの指先に導かれたディルドローターが、彼女の膣内にすんなりと滑り込む。
「太智、くん……ああっ♡」
コレットの甘い声が、知らぬ間に息子の名を呼んだ。
用いているディルドは、震動もしていないし、殊更に大きくもない。
ヴァイブレーションは肌に合わなかったし、小さめの方が可愛らしいと思ったからだ。
幼い頃、一緒にお風呂に入った頃の記憶でしか、太智のそれを知らないというのも一因である。
「だ、めぇっ♡ んぁっ♡ だめなのぉ……っ♡」
そんな幼さを残した太智が、コレットの脳内で、彼女を犯す。
母への愛が行きすぎてしまった可愛い息子が、目覚めたばかりの性欲を堪えきれず、過ちを犯してしまう――そんな出来事の被害者となることが、彼女のオナネタの常だった。
「んっ♡ あっあっあっ♡ っ、くぅぁぁぁっ♡」
ディルドの後端を掴み、膣壁に擦り付けて刺激する。
コレットも妖女の端くれ。その性欲と性感は強く、ディルドを出し入れするペースも速い。
膣に対して余裕のある大きさの逸物が、子供らしい必死さで暴れ回るくらいの刺激が、彼女のお気に入りだった。
(ごめん、ね……っ♡ 太智くん……っ♡ こんな、こんなお母さんで……っ♡)
息子には死んでも明かせない劣情を、自慰の最中に悔やむ。
それと同時に、ディルドをより奥へ、子宮口へ届くところまで押し込む。
「んっぁぁぁぁっ♡」
ごりごりと最奥部が擦られ、快感の中にも苦しさが混ざる。
その痛苦を感じたときこそ、コレットは手を緩めず、己を苛むようにディルドを擦る。
これは、自分にある母として許されない感情を満たし、晴らし、そして罰するための自慰だった。
恥ずべき劣情を抱いた自分に、罰を与えるべきなのだ。
コレットはそうすることで、息子を思いながら自慰に耽る自分を肯定していた。
「だめっ♡ 太智、くんっ♡ 突いちゃだめっ♡ 奥っ♡ ひぁうっ♡」
白々しいことに、口では太智を制止している。
妄想の太智は止まらず、自分の膣内に包まれた逸物に快感を覚え、夢中で突いてくる。
あの逞しくなった身体に押さえ込まれた自分は、その行為に逆らえず、喘がされるのだ。
(やっぱり、無理っ♡ 太智くん以外の男、思い浮かべられない……っ♡)
動画で見た美男子などを想像しようとするが、どうしても消え失せる。
知らぬ間に愛息子と置き換わり、気がつけば自分の手は乳房を掴み、ディルドで膣内を掻き回す。
ぴちゃっ、くちゅっ! と淫靡な水音が響き渡り、愛液の飛沫が散っていた。
「ふぅぅぅっ♡ んぅぅぅっ♡」
コレットは意識して乳首を抓り、自分に痛みを与える。
保護した息子に卑猥な感情を向ける、母の風上にも置けぬ色魔。
そんな自分を痛みで罰することで、勝手に許しを与えて肯定するための行為だ。
(痛い、のにぃ♡ 痛くしてるのにぃっ♡ 気持ちいいっ♡ 気持ちいいの止められないっ♡)
気がつけばコレットの身体は、快感に痛みが混ざることを許容してしまった。
最近は条件反射がついたのか、軽い痛みならかえって身体が盛りつくようになってしまった。
これも一種のマゾヒズムなのだろうか……と不安に思いながらも、コレットはディルドを限界まで押し込んだ。
「っっっ、んあああぁぁぁっっっ♡」
悲鳴に近い嬌声を上げたコレットの全身に、鮮烈な快感が駆け巡る。
すぐに訪れたのは、臨界点を超えた火山が噴火するような、猛烈なオーガズムだった。
……最近は、一度だけでは満足できなくなってきた。
〇
初めて本物の男根を受け入れたノーラが、その快感を知るまで、さほど時間は掛からなかった。
「っ♡ んぁっ♡♡ あ゙あっああっ、あ゙ぁぁあぁぁ~~っっ♡♡♡」
ガクンと腰を跳ね上げるように浮かせて、ノーラはオーガズムを迎える。
「どう、ママ? 僕のセックス、気に入ってくれたっ?」
「ひぁいっ♡ しゅごいっ♡ 知らないっ♡ こんな、こんな気持ちいいの知らなくてっ♡ あああぁぁぁっ♡」
ありふれた正常位だった。
太智はベッドの上に膝を付いて腰を落とし、仰向けになったノーラの腰を引いて抽送する。
上半身をはだけて、スカートをめくり上げられたノーラの裸身が、全て見下ろせる。
火照り、汗ばんだ肌。揺れ動く豊乳に、蕩けきった表情。ときおり起きる絶頂の痙攣。
自分の肉棒で喘がされる妖女の姿に、太智は口角を引く。
「いいんだよ。格好なんか気にしないで、僕に全部任せて、好きなだけ喘いでいいからねっ」
「んあっあぁあんっ♡ おくっ♡ 奥すごいっ♡ 奥からっ、体中っ♡ イっちゃうぅぅぅ♡」
先ほどまで男を知らなかったはずのノーラは、いま入口から子宮口までの膣全体で、男を感じている。
やはり妖女――膣内には広く性感帯が行き渡り、どの角度でピストンしても、快感として受け取ってくれた。
ごく普通のペースで腰を動かすだけで、全身をくねらせて容易に達するため、主導権は常に太智のものだ。
「男とのセックスはこんなものじゃないよ。ほら、こうしてお豆もくすぐってあげると……」
「ひっ♡ だめっ♡ そこ、一緒にされたらまたすぐイっちゃうからぁっ♡」
陰核も責めてやれば、また電流が走ったように跳ね上がる。
素直で淫靡な身体だ。クリトリスを触るだけでも面白いくらい感じてくれる。
「わ、私、もう何度もっ♡ イっちゃってる♡ 一回だけって、約束、なのにぃ……っ♡」
「ああ、そのこと?」
事前の約束では、『明確に一度イかせるまで』ということになっている。
太智がノーラを膣内で絶頂させた時点で、これでお終いとしてしまっても、契約通りなのだが――
「この程度のイキかた、妖女さんには『一回』のうちに入らないよ」
「ひぁぁぅぅうっ♡」
クリトリスを片手で愛撫しつつ、もう片方の手で乳首を捏ねてやると、快感を追加されたノーラが更に乱れる。
腰は緩やかなピストンを維持しており、絶頂の直前を長引かせるような悦楽を与え続けていた。
「知ってるよ? 妖女さんにはあるんだよね? 普通にイクのとは違う、頭がおかしくなっちゃうくらいの強いイキかた」
「そ、それって……っ」
ノーラは目を剥いた。
絶頂にもレベルのようなものがある。
軽くイクこと、大きくイクこと、そして――意識が飛ぶほど深く激しく達すること。
人間女性なら熟練の男が手練手管を尽くして稀に到達する強烈なオーガズム、妖女はそれに、容易に辿り着く。
「だめっ♡ 来ちゃうっ♡ このままされたら来ちゃいますっ♡ おっきくてすごいイキかた来ちゃって、あたま真っ白になっちゃいますからぁっ♡」
ノーラも自慰の末に体感したことがあるのだろうか、怯え交じりの様子で訴える。
分かるのだろう。このまま男とのセックスで快感を積み重ねられたら、人生で体験したこともないオーガズムに襲われると。
「ほしくない? せっかく人間界に来て、僕とセックスできたのにっ。
男とする本物のセックスでしか味わえないイキかた、してみたくない?」
「っっっ♡」
太智が上体を倒し、半ば覆い被さるように顔を近付けて問う。
その動きで肉棒を押し込まれたノーラは、その快感に打ち震えながら、逡巡の顔で息を呑む。
太智は返答を急かさず、ゆっくりと胸を揉みしだいた。
「……して、みたい、です♡」
ノーラがそう答えるのは、分かりきっていたからだ。
「じゃあ、ちょっと激しくなるよ……っ!」
太智はノーラの腰を掴んで軽く浮かせると、自分の股間で彼女の尻を持ち上げるようにして、腰を突き入れる。
「ひぁぁぁっ!?」
ノーラが不意打ちに声を出す。太智は構わず、律動を始めた。
そして、最初の宣言通り――そこからの抽送を一気に速めていく。
「はぎゅっ♡ んあああぁぁぁっ♡ 待っ、深いっ、つよいっ♡ 突くのぉっ♡」
ぱんっ! ぱちゅっ! ずんっ!
激しい衝突音が繰り返され、その度にノーラの嬌声が高くなる。
「んおっ♡ はぁふぅっ♡ しゅごっ♡ イクのっ、続いてるぅっ♡」
当初は驚くようだった顔は、一突きごとに陶酔の色を強めていく。
自慰では辿り着けない領域の快感に、彼女の意識が沈んでいっているのが、視覚的に分かる。
「乱暴でごめんね、ママ。でも気持ちいいでしょ? 女の人はね、こうやって男の力で、体重を掛けておちんぽ押し込まれないと、得られない快感があるんだよっ?」
「んあああぁぁぁ♡ 来てますっ♡ おっきいのが奥まで来てますっ♡ 私の中っ、全部押し広げられてっ♡ 押し潰されてっ♡ 気持ちいいですぅっ♡」
ノーラは太智の下で何度も身体を跳ね上げる。
初めて体験する、膣内で暴れる男根。自分の身体をオスの粗忽さで掻き回される体験。
それを瞬く間に快感として受け取ってしまう、天性の淫乱にしてマゾ。
ノーラの身体はいま、人生で最も妖女だった。
「きてぇ♡ やめないでっ♡ このままっ、ずっとイキたいっ♡ ああぁぁ来る来るきちゃうっ♡ おっきいのきちゃうぅぅぅっっっ♡♡♡」
ノーラが太智の身体に手足を絡めて悲鳴を上げる。
太智もその昂ぶりに合わせて腰を加速させると、逸物に感じる膣が急速に痙攣し始めた。
「んあぁあぁぁあああ゙あ゙ぁっ♡」
ガクガクガクッ! と、ノーラの全身が、巨大なオーガズムに打ち震える。
「はひっ♡ ふぁっ♡ あっ♡ はぁぁ♡ あふっ♡」
太智が動きを止めても、ノーラの絶頂は止まらない。
目は虚ろで、顔は幸福そうに蕩けきり、身体は小刻みに震えている。
びくんっと、数秒に一回ほど身体が跳ねるのは、大きすぎる絶頂の余韻による軽イキだ。
「ママ、どうだった? 僕のセックス、気持ちよかった?」
「は……はひ♡ しゅご、かったぁ……こんな、きもちひいこと♡ 生まれて、はじめて、で♡」
ノーラは涎を垂らしながら、呂律の回らぬ口で悦びを語る。
男に与えられる快感が、気絶するほど鮮烈なものなのだと知ってしまった、妖女の顔だ。
また、純朴な妖女に、男を覚えさせてしまった――
そんな昏い喜びにほくそ笑みながら、太智はノーラの耳元で囁く。
「追加でいただけるなら、僕がイクまで延長戦してあげるよ?」
「っ♡ お願い、しますっ♡ いくらでも払いますからっ♡」
即答するノーラは、全財産を投じても構わないという様子だ。
過去に抱いた他の妖女たちも、全員そうだった。
ずっと年上の女性が、自分のセックスに夢中になり、服従と言ってもいいほどに媚びる。
この瞬間の、優越感と征服感がたまらない。
「じゃあ、いっぱいイかせてあげるからね」
せっかくなので、ノーラには様々な体位を経験してもらう。
ホテルの時間いっぱいまで、ノーラの嬌声が鳴り止むことはなかった。
〇
多くの家庭が夕食をとる時間帯に、太智は『アルバイト』から帰ってきた。
「おかえり、太智くん」
「ただいま、母さん」
出迎えるコレットと、玄関で靴を脱ぐ太智。
どちらも、妙にすっきりした表情だった。
心なしか、肌がツヤツヤしているようにも見える。
「お疲れさま。お仕事、大丈夫だった?」
「まだ心配してるの? 普通の『接客』だってば」
漫画喫茶でスタッフをしていることになっている太智は、コレットの問いに何食わぬ顔で答える。
「ならいいけど。ああ、お夕飯、すぐに食べるよね?」
「うん。部屋で着替えたらすぐもらうよ」
いつも通りの、母と息子のやりとり。
しかし、太智が自室へ向かうためコレットの傍を通り過ぎると、
「……っ」
コレットが小さく息を呑む。
太智はそれに気づくことなく部屋に入り、扉を閉めた。
「……ふぅ……っ♡」
コレットは太智に背を向ける形で硬直しており、吐息に熱を帯びさせる。
頬は紅潮し、スカートの中では軽く内股になっていた。
(太智くん……やっぱり、なんだか色っぽい……っ)
コレットの内心では、衝撃が渦巻いていた。
ここしばらく、太智に近付くと、猛烈なフェロモンを感じる。
特に『アルバイト』から帰ってきた直後などは、僅かに体臭を感じただけで興奮させられる。
まるで――ついさっきまで、そういうことをしていたかのように。
(だめなのに……そういう目で見ちゃ駄目なのに……っ♡)
コレットは太智の色気を、自分の見る目がいやらしいからだと解釈した。
自慰をして、欲求不満を解消していても、いざ本人を前にすると子宮が騒ぐ。
いよいよ否定できない――自分の身体は、守るべき息子に男を感じてしまっている。
自分が、児童を保護しておきながら成長したら涎を垂らすような、極めて卑賤なメスなのだと思い知る。
(忘れなきゃ……忘れられると、思ったのに……っ)
ここ最近は特に、自慰だけでは劣情を晴らせなくなった。
太智を思って散々に自慰をした身体は、むしろそれこそが前戯であったかのように、本物の太智を前にすると熱を帯びる。
このままでは、なにか、取り返しの付かない過ちを犯してしまうかもしれない――
(やっぱり、オナニーじゃ、足りないのね……)
薄々感じていたことだ。
太智を施設から保護する形で母となったコレットは、生まれてこの方、男を知らない。
そんな自分の拗らせた性欲は、もう指やディルドでは飽き足らなくなっている。
これを解消するにはどうしたらいいのか?
答えは以前から、コレットの頭に浮かんでいた。
「…………」
太智が部屋から出てくる前に、コレットはスマホを取り出す。
開くのはウェブページ。
(オナニーじゃ、足りないなら……)
――ママ活を募集する男子を記載した、言わば売春紹介サイトだった。
サイトにはママ活を求める少年や青年たちのSNSアカウントが紹介されている。
買いたい女はその中から選んでコンタクトを取り、どこかで待ち合わせて一線を越えるのだ。
少年たちの脱税売春が問題視されていると知り、実態調査という名目で調べた結果、ここに行き着いた。
(誰か、男の人に抱いてもらったら……もしかしたら……っ)
コレットは考えた。
自分は欲求不満のあまり息子にさえ浅ましい感情を抱いている。
なら、いっそ男を知ることで、色欲の対象を別の誰かに上書きできないだろうか?
そうすれば、自分の劣情はその人に向くようになり、息子という許されざる相手に向かうことは無くなるかもしれない。
(一度、だけ……誰にも、見つからないように……一回、だけ……っ♡)
コレットは生唾を飲み、表示されているママ活男子を流し見る。
男たちは芸名のようなものを使っており、真偽不明のプロフィールや、目元を隠した自撮り画像などが表示されている。
それこそ……息子とそう歳の変わらないような子まで。
(一回だけ……だから……っ)
このリストの中から選んだ子にDMを送って応じられれば、後は財布を手に待ち合わせるだけ。
そんな背徳的な名簿の中から、コレットは一人の少年を見定める。
真実から多少はズラしているだろう生年月日や職業。
目元を隠した自撮り写真と、ママ活の値段や内容に関するルールの明記。
どこの誰かなんて家族でも分からないだろう――というほど制限された個人情報だ。
なのに、コレットはなぜか、この少年に親しみやすさを感じていた。
(名前は……『イチ』くん……)
ご一読いただきありがとうございました。
ママ編の続きですが、まだママとやってません。