誘惑禁止条例 ※性犯罪被害は条例違反にあたらない 作:大中小太郎
花房哲の教室で、あえてカーストの頂点を選ぶとしたら、それはライヤに他ならない。
白髪の角系妖女という幻想的な風貌。
球技で活躍できそうな長身はスレンダーで、折れそうな儚さを帯びている。
性格は品行方正、成績は優秀、生徒・教員からの覚えもめでたく――次期生徒会長である。
「お疲れさま、ライヤ」
「ええ、お疲れさま。といっても、立候補の届出をしただけなんですけどね」
選挙管理委員会への立候補届け――先ほど、ライヤはそれを済ませたところだった。
「哲くんも、いくら推薦人だからって付き添わなくても大丈夫だったのに」
「できるだけ手伝うって言っただろ?」
放課後、哲とライヤは歩調を揃えて廊下を歩く。
「クラスの皆が言うには、一緒に行動してた方がいいらしいからね」
「ふふ、そうね。現会長の弟さんを連れていると、私も言外の説得力を得られるわ」
哲の姉は、当校の生徒会長を勤めている才媛だ。
といっても真面目さだけが取り得で、クラス委員長を押し付けられるような流れで会長になったようなものだが。
「普通なら、こんなどこにでもある学校の選挙に、こういう戦略なんか必要ないんだけどな」
「仕方ないわ。負けるわけにはいかないんだもの」
「ああ、なにせ……対立候補の公約が『あれ』だもんなぁ……」
哲とライヤは、二人揃って嘆息する。
そもそもこの学校では、選挙自体が滅多に行われない。
例年、生徒会長への立候補者が一人しかいないからだ。
もっと言えば、誰もやりたがらないからだ。
現職の会長や教師陣が適当な人間を選んで、生徒も仕方なくやることになる――というのがお決まりだった。
生徒会の仕事も前例踏襲が基本で、たまに細々とした校則の変更のために生徒総会が開かれるくらい。
しかし、今年の会長候補が掲げようとしているらしい公約を聞いて、哲とライヤは顔色を変えた。
『誘惑禁止条例に基づく不純異性交遊の禁止』
誘惑禁止条例は、妖女が『誘惑』を用いて男性を強制発情させることを禁じた条例だ。
しかしこの『誘惑』は拡大解釈が容易で、妖女が男性をセックスに誘うこと、逆に誘われて合意すること、しまいには服装や体型の強調といった歳相応のセックスアピールにまで及ぶ。
取り締まる側の匙加減で、恋人同士がキスしていてもアウト、あなたは胸が大きくて太股もむちむちだからアウト、などという暴論が正当化されてしまう。
いまのところは、男性が妖女からの誘惑被害を訴えたときに適用されるものに留まっているが……
「候補者の子と、推薦した先生、やっぱりアレだよね。ちょっと思想を拗らせてるというか」
「誰も聞いていないし、はっきり言ってしまいましょう――反妖主義者の似非保守論者よ」
反妖とは、反妖魔界、または反妖女。
人間界に続々と流入している妖女たちや、妖魔界からの政治的影響に反発する者たちだ。
自国に住み着く外国人が増加することや、自国の政治が他国の顔色を窺うことに反発するのは、哲にも分かる。
異論はあるだろうが、保守層ならそういうものだろうという範疇だ。
しかし、ここで言う『反妖主義の似非保守』とは、尊重に値しない。
その手の者たちの言説を紐解いていくと、以下のような思考が常に導かれる。
『男性と妖女がこれ見よがしにイチャつくのが不快だ』
『妖女を見ていると劣等感が刺激されるので不快だ』
『妖女が条例違反で裁かれたと聞くのは痛快だ』
『妖女を選んだ男性が不幸せになると快感だ』
あとは、動機を肯定してくれる適当な大義を並べ、動機の方を満たすための行動をとる。
やっていることは大抵、妖女のSNSアカウントの揚げ足をとって炎上させたり、CMに男と妖女の一夫多妻家庭が出たら抗議の電話を鳴らしたり――といった非生産的なことばかりだ。
立候補者の人間女子と、立候補を勧めた人間女性の教師には、明確にその嫌いがあった。
「あれは驚いたなー。ナチュラルに男性を『オス』、妖女を『Q』って呼んでたし……」
男性の方はそのままの意味で、妖女が『Q』なのは、SNSでよく見られる蔑称だ。
妖女の蔑称である『サキュバス』の『キュ』を抜いて『Q』というわけである。
人目の無いところで会話しているのを偶然耳にしたら、その連発だった。
「適当なカップルを処分して見せしめにする、とまで言っていたわね」
誰も聞いてないと思って、教師と生徒がひどい計画を立てていたのだ。
「会長に頼まれたときはちょっと困ったけど、流石にあれは、次期会長に素通りさせられないわ」
事態に逸早く気付いたのは、哲の姉である現会長。
姉は対立候補を生み出すことで、生徒会に尖った思想が持ち込まれるのを阻止したがっている。
だからライヤを次期会長に推し、弟の哲にサポートを頼んだ。
「じゃあ、僕たちで学校の平和を守るとしますか」
「ええ、先方が言うところの『不純異性交遊』のためにね」
肩を竦める哲と、くすくすと笑うライヤ。
対立候補に生徒会の椅子を取らせれば、公約に沿って過剰な『取締り』をしかねない。
恋人同士である哲とライヤにとっては、なんとしてでも当選を阻止したかった。
「それで……ちょっと『会議』をしたいのだけど……」
ふと、ライヤが頬を染めて、さりげなく胸元に手を添える。
妖女にしては珍しい、慎ましい胸元だ。
そこだけ発育をし忘れたのではないかというくらい、カーブを感じない。
しかし、そこになにがあるのかを……哲はよく知っている。
「寄り道……していいかしら?」
「前にも言ったろ? いつでもいいんだよ」
「うん……」
どこに寄り道して、どんな会議をするのかなんて、分かりきっていた。
哲とライヤは急ぎ足で教室に戻って鞄を手にすると、まるで友達以上恋人未満といった微笑ましい距離感で下校していく。
やがて学校から遠ざかったところで、静かに手を繋ぐのだった。
○
哲は実家を離れて、学校が生徒専用に契約しているアパートに暮らしている。
その簡素なワンルームに、ライヤと手を繋いだまま帰宅した。
「お手洗い、借りるね」
ライヤは部屋に入るなり、頬を染めてトイレに向かう。
いつものことだ。
哲は二人分のクッションを出してテーブルを片付け、飲み物も出しておく。
「お待たせ……」
ライヤはすぐにトイレから出てきた。
用を足していたわけでないことは、時間の短さと――その姿で分かる。
「いやぁ、相変わらず……よく隠せてるよね、その胸」
「……エッチ」
ライヤの胸が、急激に大きくなっていた。
いくら妖女が異世界人だからといって、胸が膨張するようなことはない。
つまり、いま大きいことが偽乳であるか、最初から大きかったのを隠していたかだ。
「幻術を使えば、触られない限り気付かれないものよ」
ライヤは後者、本来は豊満な乳房を、浅いと見せている側だった。
「幻術かぁ。流石は妖魔界、お洒落やお化粧も魔法を使うんだね」
「ええ、お肌の負担も少ないし、写真詐欺なんて言われる心配も無いのよ」
「ライヤの場合は『変身詐欺』だもんね」
いわゆる『加工』を写真ではなく実体に対して行えるのだ、『写真詐欺』は起きない。
その代わり、幻術を解いたときの落差が大きい妖女を、『変身詐欺』などと呼ぶらしい。
「詐欺だなんて失礼ね。胸以外は手を加えてないのに」
ライヤは口を尖らせながら、哲の隣に腰を下ろす。
「え? してないの? 肌を白くしたりとか、髪をつややかにしたりとかも?」
「そこまでしないわよ。魔力疲れしちゃうもの」
妖女の幻術化粧は、塗料ではなく魔力、言い換えれば『人力』であるのも特徴だ。
あまり加工する面積を増やすと、スタミナ切れしてしまうのである。
「そうか。すごいな……」
「なにが? サイズは、そんなに変わってないはずだけど……」
哲の視線を意識してもじもじしながらも、胸を手で隠すようなことはしないライヤ。
「いや、俺の彼女、ノーメイクでこんなに美人なんだなって」
「っ!」
哲の台詞と、勘違いに気付いたことで、ライヤの顔が急に赤くなる。
「そ……そういうのは、だめ……」
「だめって?」
ぷいっと顔を背けたライヤに問い掛ける。
「に、人間界の男性は……そうやって女性をおだてて、エッチなことに持ち込みたがるんでしょう?」
「いや、そうとは限らないよ? ないとも言わないけど」
「だったら、やっぱりだめ……条例違反だもの。
誘われて、『いいよ』って態度だったら……誘惑になりうるもの」
身を守るように腕を抱きながら、ライヤは横目で哲を見る。
抗議するようで、どこか期待するような、魅惑的な困り顔だ。
「そんなことで違反になんかならないさ」
肩を抱き寄せると、ライヤは抵抗こそしないが顔は背けていた。
「だめ、よ……本当に、そうなりうる条例なんだもの……
これから選挙なんだし、不埒な妖女だなんて思われたら……んっ♡」
哲はライヤの顔を強引に自分へ向かせてキスをした。
「ん、ふっ……♡ んっ♡ ちゅ♡」
拒むようなことを言っておきながら、キスはまったく拒まれなかった。
唇が触れ合うことも、甘噛みされることも、大人しく受け入れている。
肩を抱く腕に逆らわず身を寄せてきて、正面から向き合う形になれば、大きな胸を哲の胸板に押し付ける。
「ぷあっ♡ もう……エッチ♡ 人間の男性は、本当に、エッチなことばっかり♡ んっ♡」
ライヤは濃密なキスをしながらも、胸の伸びてきた哲の手を、やんわりと払い除ける。
「ライヤ?」
「やぁ♡ そんな、捨てられた子犬みたいな顔しないで……だめなの♡ キスまで、ね?
清い、交際だから、キスまで♡ それ以上は、大人に、なってから♡ 我慢、して?」
言葉とは裏腹に、積極的にキスを返してくるライヤ。
エッチなことはダメだからキスで我慢して? とでも言うようだ。
若い男に、我慢をさせる気がまったく無い。
「嫌なの?」
「んんっ♡ 嫌じゃ、ないの。大好き♡ ちゅっ♡ エッチな顔、男らしくて素敵♡ ちゅっ♡
哲くんも、男の人だもの♡ エッチなのは、仕方ないの♡ 私を見てくれるの、嬉しい♡」
明らかなOKサイン。
それでもライヤの手は、哲の手が背中から尻に下りてくればどかしてしまい、また胸に触られかければ手首を掴む。
拒むにしては力が入っていない、ごっこ遊びのような拒否を繰り返す。
「でも、条例だから♡ 私、これでも優等生だから♡ 破ったりなんか、できないの……
ごめんね♡ お詫びに、哲くんがエッチなの、許してあげる♡ 怒ったり、しないからぁ♡」
ほとんど哲の膝に乗るような体勢で、服越しに爆乳を擦るように身をよじり、ライヤは哲の思考を誘導する。
哲の性欲に対して『誘惑禁止条例』を強調して、本心ではセックスを求めているのがバレバレな顔で断り、あるひとつの解答へ導く。
「本当に、怒らない?」
「なら、ない♡ 彼女、だもん♡ 哲くんの、いけない気持ちも含めて、大好き♡」
セックスはしたい、でも条例は誘惑と合意を禁じている――
「なら、約束を守ってもらおうかな?」
「約、束……」
ただし、誘惑禁止条例は――
「そのおっぱいのこと、黙っていて欲しかったら――分かるよね?」
強要、脅迫や暴力などによる、わいせつな行為――
「……うん♡」
――性犯罪による被害には、適用されない。
○
妖女の中には角のある人種がいる。
ライヤもそうだが、周りには言っていないことがある。
牛系獣人の血も入っていることだ。
牛獣人は、角があり、背が高く――女性なら乳房が非常に豊満である。
いまのところ、教室でそれを知っている男子は、哲だけだった。
「んっ♡」
部屋の床、クッションに腰を下ろして、正面から向き合う哲とライヤ。
哲の両手がライヤに伸びていき、ワイシャツの上から過大なほどの胸に触れる。
ライヤの艶っぽい声は、触れるというより、掠めるような浅い接触の時点で生じていた。
脅していた割には慎重な手付きで、哲の手がワイシャツの上を静かに滑る。
「ふぅ……っ、ん……ふぁ……っ♡」
「胸、張ってるね? 苦しい?」
「……少し」
胸というよりシャツに触っているような愛撫でも、ライヤはぴくぴくと体を震わせる。
「じゃあ、ボタン外してあげるね」
「……っ♡」
ライヤは肯定も否定もしない。
対面上は、『脅されてわいせつな行為をされている』からだ。
ライヤは優等生だ。
だから、条例違反はしない。
たとえ哲が恋人で、本心はバレバレだったとしても、自分の欲情は表に出さない。
「本当に、こんな大きいのよく隠せてるよね。たしか、110センチのLだっけ?」
「い、言わないで……」
軽く辱めるようなことを言いながら、哲はシャツのボタンを外していく。
その行為を堪能するかのように、ひとつずつ丁寧に、じっくりと時間を掛ける。
ライヤの顔を見ると、自分の服を脱がせていく男の手指に、顔を真っ赤にしながら見蕩れていた。
「妖女でもここまで大きい子はそんなに居ないよね。流石は、牛さんだね」
「っっっ♡ 牛って、言わない、で……っ♡」
セクハラでしかない発言を、ライヤは褒め言葉のように受け取っていた。
哲が、自分を他の妖女と比べて褒めていることに、不徳な喜びを覚えている。
優等生の彼女が自分からすることは決してない、自己肯定感の高め方だった。
「ほら、第二ボタンまで外したらもう谷間が見えてる。ここのボタンなんて千切れそうだよ?」
「やっ……困る……縫い直すの、うんざりだから……」
上半分のボタンを外したことで、爆乳の内圧が第三ボタンに集中している。
「脱がす、なら……早くぅ、脱がせて?」
乗り気ではない女性が、さっさと終わらせるよう催促する――そういう台詞だったのだろう。
しかしライヤの蕩けた顔はどう見ても、乗り気でないようには見えなかった。
プチ、プチ――と、微かな音を立てて、四つ目のボタンまで解放される。
「ふぁ……っ♡」
ライヤの胸がふわりと浮かび上がり、自らシャツを左右に割って、ピンク色のブラが現れる。
旧時代の日本では取り扱ってなさそうな、かなり大きい人向けの、洒落たレースのブラだった。
「綺麗だね。新しいやつ?」
「そう、だけど……?」
「よく似合ってる。脱がすのもったいないや」
「んんっ♡」
愛撫を少し強めながら、抱き寄せて谷間に顔をうずめる。
強くなった刺激に声を零しながら、ライヤは愛しげに哲の頭を抱いた。
「そんなに……好きなもの、なの? 大きな胸……」
「好きに決まってるだろ? 可愛い彼女のおっぱいだよ?」
「も、もう♡ 妖女に、こういうことしちゃ、だめ……自分から、おっぱいに頬擦りするなんて……すごく、エッチな人だって、思われるんだから♡ あっ♡」
「そうなの? 普通だよ。俺なら乳首もぺろぺろしたいし、クンニもしてあげたいけどな」
「だ、だからぁ♡ そんなエッチなこと、言っちゃ、だめぇ……っ♡」
根が優等生のライヤは、顔を赤くして震える。
彼女が持っているのは、妖魔界の女性の中でも真面目な部類の貞操観念だ。
それは女性の慎みがどうこうというより、男性の慎み深さに比重が強い。
彼女にとって、女性の大きな胸が大好きで、乳首を吸いたがり快感を与えたがる『普通の人間男性』とは、とんだ好き者なのだ。
人間男性で言えば、普段清楚なのに二人きりになるとエッチで男に奉仕するのが大好きな都合のいい女性、くらいの存在らしい。
「いっ……哲、くん……その、紐が、食い込んで……ちょっと痛い……」
「脱がせて欲しい?」
「っ♡ 言わせようとするの、やめて……『約束』、だから……」
大きな胸を隠していることを誰にも言わない代わりに、好きにしていい。
恋人になった哲とライヤの間で作られた、条例に違反せずセックスするための、脅迫関係。
それに言及することが、彼女の『おねだり』に他ならなかった。
「じゃあ、遠慮なく」
慣れた手つきでフロントホックを外すと、締め付けから解放されたブラがふわりと浮かぶ。
ボタンを外したシャツを肩から下ろし、肩紐もずらしてカップを左右に退けてやると――
「ふぅ♡ うぅ……」
恥ずかしそうに顔を覆った彼女の乳房が、全容を露にした。
――爆乳を越えた、魔乳。
ライヤの小顔と同じくらいあるのではという、白い柔肉の球体。
巨大なのに垂れても流れてもおらず、ボール状に形を保っている。
その先端――明かされるべき乳首には、二プレスが張ってあった。
何らかの事情で乳首を保護するための、絆創膏のようなシール。
その中心はやや膨らんでおり、シールの中で乳首が勃起しているのが分かる。
「こんなに張り詰めて、苦しかっただろうに」
「ふぅぅっ♡」
可愛がるように広く愛撫すると、直の感触にライヤの声が高くなる。
必死に口を閉ざして、喘ぎ声を堪えようとする姿がいじらしい。
「言ってもいいんだよ? おっぱいを気持ちよくしてって。してほしいこと、なんでも言っていいのに」
「ひぅっ♡ 言え、ない……っ♡ そんな、ことっ♡ 言っちゃ♡ 誘惑っ、だからぁ♡」
二プレスの上から指先で乳首を撫でると、ライヤは顔を背けながら、素直になることを拒む。
誘惑禁止条例を、破らない――ライヤはセックスの中でもそれを徹底する。
「いい子だね」
そんな彼女をより淫らにするために、哲は彼女のニプレスを片方、ゆっくり剥がしていく。
「あっ♡ ゆ、ゆっくり……んんっ♡」
ぺりぺりと乳輪から剥がれていくシール。
独特の刺激が乳首へ近づいていくにつれて、ライヤの体がびくんっと震え上がる。
言われた通りゆっくりと剥がしていくと、ようやく彼女の先端部が姿を現した。
「ああ、やっぱり……もう母乳が溢れちゃってる」
「っ♡」
乳首の先端からは、甘い香りを放つ母乳が分泌されていた。
もちろん妊婦ではない。
「牛系獣人さんは大変だよね。年頃になると、妊娠してなくてもおっぱい出ちゃうなんて」
「だ、だって。し、仕方ない、から……」
「何度も言うけど、恥ずかしがらなくていいんだよ? いい香り、美味しそう」
「やぁ♡ 近くで、見ないで……っ」
花の香りでも嗅ぐように顔を近づけられ、ライヤはいやいやと首を左右に振る。
チューリップのつぼみのように膨らんだ乳首が、とぷとぷと少しずつ母乳を沸き立たせている。
ミルクは既に乳首から乳輪に垂れ、乳房の丘陵を下ろうとしていた。
「零れちゃう。もったいない」
「ふぁんっ♡」
れろ――と、そのミルクの雫を下から上へ舐め上げると、ライヤがびっくりしたように痙攣する。
「だ、めっ♡ 哲くんっ♡ それ、舐めちゃだめ……っ♡」
「どうして? お腹を壊すものじゃないんだろ? ああ、むしろ『元気になる』んだっけ?」
ぺろ、ちろちろ――と、舌先で乳首をくすぐるように舐め、少しずつ母乳を摂取する。
「だめ、なのぉ♡ これ、普通の母乳じゃないの。これ、は……っ」
「知ってるよ? 牛系獣人さんが、男を興奮させるために出す、精力剤なんだってね?」
赤ん坊のための母乳ではなく、パートナーのための母乳。
牛系獣人の女性は子作りの相手を見定めると、そのオスの精力を高めるための母乳を分泌する。
子孫獲得を有利にする体質らしく、哲という恋人を得たライヤもそれを出すようになった。
「前に飲んだときは、すごかったよね? 俺、あんなに興奮したの初めてだったよ」
「やっ♡ あんっ♡ だから、駄目なのぉ……また、哲くんが、エッチになっちゃうっ♡
私の、せいでっ、ケダモノになっちゃうっ♡ あんなの、また……したら……あぁん♡」
ちゅう――と、乳首を口に含んで軽く吸うと、口内に果汁の如くミルクが飛び出す。
まだ少量なのに効果が出始め、哲の逸物はズボンの中でバキバキに硬くなっていた。
「でも、ライヤのおっぱい、こんなに腫れてて、苦しそうだよ?
ミルクを出したら、楽になるんでしょ? なら、俺に任せて?」
「んああっ♡ それだめっ♡ 言っちゃだめ♡ 私みたいな牛系に、一番言っちゃだめなのっ♡」
口を離した乳首を指先で回しながら見上げると、ライヤは背筋を震わせながら訴える。
男性に母乳を与えることは、牛系獣人の女性にとって、ある種のロマンだ。
多くは吸ってもらうこともできず、器具で搾り出してトイレに捨てる。
それを男性の糧にしてもらい、自分への欲情を高めてもらうことは、牛女にとって本能的な悦びだった。
「ライヤのミルク、飲みたいな? ね? いいでしょ?」
「ああぁぁ♡ それも、だめぇ♡ 見上げるのずるい♡ おねだりするのずるいのぉ……♡」
哲の素直なおねだりは、牛人女性の夢を叶えるような、非常に蟲惑的なものだった。
ライヤの理性が、淫らな欲望で敗北寸前に追い詰められていく。
「大丈夫だよ? 全部飲み干してあげるよ? 舌で乳首をころころして出やすくなったら、おっぱいを優しく揉み解しながら搾ってあげるよ? だから、ね? おっぱいちょうだい? ミルク飲ませて?」
「ふぅぅ♡ そんなの、どこで……っ」
耳まで赤くなっているライヤは、それでも歯を食いしばるように『誘惑』の言葉を我慢する。
「やっぱり、だめ……それ、じゃあ、条例違反だもん……」
哲に許可を与えるようなことはできないと、ライヤは微笑と共に口にする。
代わりに、その表情だけで条例違反ではないかという艶美な顔で、こう言った。
「約束、だから……あなたの、好きにして……?」
あくまでも『脅迫に従っている』という体裁をギリギリ守りながら、
――飢えた狼状態の男に、言ってはならないことを言った。
「っ!」
片腕でライヤの背中を抱き寄せ、片手で乳房を掴み上げながら、一気に吸い込んだ。
ぢゅぅぅぅ! と音がするほど吸引すると、口内に彼女のミルクが放出される。
「ひあああああっ♡」
腕の中で、ライヤが何度も痙攣する。
体が興奮状態になっているときに母乳を吸われると、独特な快感が襲うらしい。
男性でいうところの射精にも似た解放感が、母乳が出て行く間ずっと続くのだ。
「ああぁぁ♡ しょんなっ♡ あぁんっ♡ 一気にぃ♡ ひぁう♡ 吸ったらぁ♡」
口内で爆ぜた母乳を舌の上で転がすようにして味わいながら飲み下すと――
「らめっ♡ ごくんってしちゃらめっ♡ なっちゃう♡ エッチになっちゃうっ♡ 私もっ、哲くんもっ♡ エッチになっちゃうからぁ♡」
精力剤を飲まされた哲はもちろん、自分の母乳を嚥下する男を見たライヤも、肉欲の抑えが利かなくなる。
「ああ、美味しい。美味い。たまんねぇな」
「ふぁぁ♡ それもらめ♡ 男の顔しちゃらめぇ♡ 言葉遣い、乱暴なの♡ いまだめなのぉ♡」
ライヤにとって哲は、つくづく趣味に刺さる振る舞いをしているらしい。
「さっきからだめだめって――なんで抵抗するの?」
ぎゅむっ! と、哲はまだニプレスが張られている方の乳房を軽く掴んだ。
「ひぎゅっ♡ 待ってっ♡ そっち、まだっ♡ おっぱい張ってっ、痛いのぉ♡」
母乳が張っている乳房は、揉まれると痛いらしい。
だから軽く指を沈める程度にして、言葉だけ高圧的にしたのだが、案の定ライヤに被虐的な悦びを齎していた。
「ねえ? 約束したよね? このおっぱいは好きにしていいって。そんなに嫌がるの、契約違反じゃない?」
「ふあああぁぁぁ♡」
逆の方の乳房を掴む。
母乳を吸われたこちら側は柔らかく、痛がるようなことはないが、反応はより過剰だった。
吸われた後の乳房は、どうしても敏感になってしまうのだという。
「バラしちゃおっかなー? このLカップ。前に一緒に自撮りした写真、皆に自慢しよっかなー?」
「あぁ♡ らめ♡ それは、許してぇ♡ バレちゃうっ♡ 牛獣人のおっぱいおっきくなってたら、こういうことしてるのバレちゃうっ」
牛系獣人はパートナーとの子作りを意識すると、母乳で乳房が大きくなる。
妖女なら分かる子は分かるので、恋人である哲との肉体関係を確信するには十分だ。
胸が大きくなっていたら、『最近してないんだな』と思われる。
胸が小さくなっていたら、『たっぷり搾られたんだな』と赤面される。
昨夜お楽しみだったかどうかが視覚的に分かってしまう――
牛系獣人の辛い所であり、ライヤが胸を偽る理由のひとつだ。
なにせ――
「お願い、おねがぁい♡ 条例違反、バレちゃうのぉ♡」
条例違反なことをしていたことが、一目で分かってしまうから。
「そうだねぇ。清楚で品行方正なスレンダー美人の会長候補が、実は淫乱ドスケベなデカチチ牛女だってバレちゃうねぇ」
いやらしく指摘しながら、哲は彼女を床から抱き上げて、ベッドに座らせる。
言葉とは裏腹に優しく逞しいことをされて、ライヤの情緒は限界だった。
「やだぁ♡ 言わないでぇ♡ お願い哲くん♡ なんでも、なんでも言うこと聞くからぁ♡」
ライヤは発情しきった顔で、脅迫されているのをいいことに、淫らな本性をさらけ出す。
スカートを脱がす哲に逆らわず、男を興奮させる呪文めいた言葉を紡いでいく。
「じゃあここから先、『だめ』とか『いや』って言うの禁止。エッチなおねだりしか言っちゃいけません」
「ふぇぇ? そ、そんなの……無理……んぁぁぁんっ♡」
哲は不意打ちで、まだ剥がしてなかった片方のニプレスを、一気に剥がした。
絆創膏を剥がされる時に特有の痛みが、ライヤの心に対して服従を求める『鞭』になる。
「『無理』もだめだよ? 言うことを聞かないなら、首にたくさんキスマークつけちゃうよ?」
「あぁぁ♡ それも――ふぅぅ♡ 困る、バレちゃう♡ 学校の皆にバレちゃうからぁ♡」
首筋に口を寄せただけで、ライヤがびくびくと震えていた。
背筋に甘い痺れが走り、脳が蕩けているのが、よく分かる。
「はい決まり。こっちのおっぱいもいただきまーす」
ニプレスを剥がしたばかりの片乳に食らいつく。
「んあああぁぁぁっっっ♡♡♡」
口を大きく開いて、乳輪ごと吸い上げながら首を引くと、ライヤの魔乳が重力に逆らう。
「んあっ♡ あああぁぁぁ♡ 出てりゅぅぅぅ♡ おっぱいがっ♡ 哲くんのお口にぃ♡ ぢゅーって♡ 吸われてりゅっ♡ びゅーってさせられちゃってりゅっ♡ あひゅうぅぅぅっ♡ 気持ち、いいっ♡ 気持ちいいよぉっ♡ 出てる間ずっと、イってりゅみたいでぇ♡」
溜め込んだミルクがノンストップで吸い上げられていく快感に、ライヤが乱れ狂う。
命令された通り、『だめ』も『いや』も『無理』も言わない。
そのように脅されたことを免罪符に、快感を言葉にして、哲の劣情を煽り立てる。
「あっ♡ それっ、それぇ♡ 吸いながらっ♡ 舌でぇっ♡ ぺろぺろするのぉっ♡ 感じちゃうっ♡ 感じちゃうからぁ♡」
哲の舌が、水を舐め取る猫のように乳首を舐めると、ライヤは喉を逸らしてのけぞっていた。
びくん!びくん!と、全身が痙攣して止まらない。
乳首の快感、母乳噴出の開放感、そして何より乳房に吸い付く男への猛烈な母性が、彼女を狂わせる。
「ひぅん♡ あふっ♡ ああぁぁっ♡ もう、でないっ♡ でないよぉ♡」
「ああ、本当だ。元のふわふわなマシュマロおっぱいに戻ってきたねぇ」
左右交互に搾り取られたライヤの乳房は、母乳の張りを失い、女性本来の吸い込まれるような柔らかさを取り戻していた。
「もっと飲みたかったなぁ」
「あうっ♡ ごめんね♡ もう、出ないの♡ だから、もう――んあああぁぁぁっ♡」
出ないと知りながら吸い付き、もう片方の乳首を指で転がすと、ライヤが大きな嬌声を上げた。
「本当に出ないの? ねえ? 嘘ついてない?」
「ないっ♡ 出ないからぁ♡ 出ちゃった後、敏感って、知って――あひゅうっ♡」
乳首だけでなく、乳房にも手指を埋め込んで、根元から搾り上げる。
ライヤは激しく体を跳ねさせ、言葉尻が嬌声に塗りつぶされた。
「ほら。ちょっと出てきたよ? 駄目だよ嘘ついたら。最後の一滴までちゃんと出さないとね」
「んああぁっ♡ だってっ♡ ひぁぁう♡ お手々、でぇ♡ そんなっ♡ 牛みたいにっ♡ ああぁぁぁっ♡」
両手を使って、胸の奥から一滴も残さず搾取するような行為に、ライヤは髪を振り乱す。
乳牛のように乳を搾られる粗暴な刺激に、過敏になった胸が暴力的なまでの快感に襲われている。
「嘘吐き。乱暴に搾られるの、気持ちいいくせに? ミルク搾られた後のおっぱい揉みくちゃにされて、何度も乳イキしてるくせに」
「んあっ♡ あっあっあっぁぁぁぁぁ♡ ゆるひてっ♡ うそついたのっ、ゆるひてぇぇぇ♡」
延々と胸全体を責められ、アヘり狂うような顔になっていたライヤは、ようやく胸を解放される。
「ライヤは嘘吐いてばっかりだね」
哲は服を脱ぎ捨てながら、嗜虐的な笑みで彼女を責める。
目の前で逞しい体を開示していく恋人を、ライヤはだらしなく淫らな表情で見上げていた。
「おっぱいの大きさを嘘吐いて、清純なスレンダー美人を装って」
「あ、あぁ……ごめん、なしゃい……♡」
トランクス一枚になった哲にショーツを脱がされ、ライヤは無抵抗に腰を浮かせる。
「条例違反はしないなんて言って、俺を欲情させたがってばっかりで」
「ふぁ……おっきぃ♡ 哲くん♡ おっきく、してりゅ……♡」
哲も下着を脱いで全裸になると、バキバキに張り詰めた肉棒に、ライヤが恍惚とした。
大きさよりも血管の太さが際立つ、凹凸感のある肉棒だ。
「ほら、ライヤのおっぱいのせいで、こんな痛いくらい勃起しちゃった。責任、取れるよね?」
「ひゃうっ♡ らってぇ♡ 飲んだのは、哲くん、なのにっ♡ ひぅぅっ♡ 入り口っ♡ 入り口こすっちゃ♡ んあああっ♡」
割れ目に鈴口をこすりつけると、ライヤの腰が跳ねる。
「んー、おかしいなぁ。優等生のライヤちゃんが、おちんぽ入り口に擦られただけでイっちゃうのかなぁ?」
「い、意地悪っ♡ あうっ♡ 哲くんのいじわるっ♡ ひきゅう♡ 分かってる、くせにぃ♡」
蚤で木でも削るように、亀頭だけ挿入しては、軽く引っ掛けて抜くことを繰り返す。
その度に痙攣して、愛液を拭いているライヤは、もはや教室一番の優等生なんて見る影も無い。
「無理っ、もう無理っ♡ 優等生むりぃ♡ きてっ♡ 哲くんきてぇっ♡ 私のおっぱいで元気になったおちんぽっ♡ ずぼぉってしてぇ♡」
とうとう――彼女は条例に違反した。
足を開き、手を伸ばし、ルールを破って男を求めた。
そうしてくれたことが、嬉しかった。
「言えたね――いい子だっ!」
お望み通り、一気に奥までぶち込んだ。
彼女の太股を掴んで、亀頭を引っ掛けた状態から、素早く腰を進める。
じゅぷん! と、さしたる抵抗もなく、母乳の精力剤でガチガチの逸物が、奥まで吞み込まれた。
「んあぁああぁぁっ♡ きたぁ♡ 哲くんのおっきいのきたぁっ♡」
歓迎するように、ペニスに肉襞が殺到する。
ミミズ千匹の蠢動に吸い込まれた肉棒が、招かれるように子宮口へキスをした。
「んああぁぁぁっ♡ 子宮、ちゅっちゅしてるぅ♡ おちんぽが、ちゅーってぇっ♡ あはああぁぁ♡」
挿入してまもなく、ライヤが絶頂を迎える。
子宮口は鈴口に吸い付いて、肉壁は根元から搾り上げ、一刻も早い射精を催促していた。
「すごい絡みついてくるよ、ライヤの膣内。ベタだけど、ここだけは正直だねっ」
腰を捻るように動かすと、彼女は首振り人形のように頭を前後させる。
「あひゅうっ♡ しゅきっ♡ やっぱり、これ大好きっ♡ 哲くんとエッチするの好きぃっ♡」
ライヤの両腕が哲の背中を抱き寄せ、もっと強くと催促する。
哲がそれに応えれば、ベッドは軋み、ライアの嬌声は甲高さを増していく。
「ひあぁぁぅぅぅっ♡ なってりゅっ♡ いま私っ、女になれてるっ♡ いまだけっ、いまだけなのぉ♡ 哲くんとセックスしてるときだけがぁ♡ 本当の、私なのっ♡」
優等生の仮面を脱ぎ捨てた開放感からか、ライヤは哲の動きに合わせて腰をくねらす。
「ライヤ、気持ちいい?」
膣内の動きはいっそう激しくなり、子宮は精液を催促して亀頭を吸い上げてくる。
「気持ちいいっ♡ 気持ちいい気持ちいいよぉっ♡ 哲くんが突いてくれるほどっ♡ ああだめまたイクっ♡ んおおぉぉぉっ♡」
ライヤが哲にしがみつき、背を反り返らせる。
その動きはどこか、自分から子宮を亀頭に押し付けるようだった。
「えらいえらい、正直に言えたね。ほら、もっと言っていいんだよ? 条例なんか忘れて、エッチな気持ち全部言っちゃおう?」
「あぁぁぁっ♡ でもぉ、でもぉ……」
今更になって躊躇うライヤ。
いや正しくは、躊躇うふりをしている。
満面の艶笑で哲を見上げるその顔は、明らかに何かを期待していた。
「これは脅しだよ? ライヤ」
「あぁんっ♡」
両手で乱暴に爆乳を掴み揚げる。
母乳が抜けて液体のように柔らかくなった乳房は、指を深々と食い込ませて、余りの母乳を先端から零した。
「ほーら、嘘吐きな悪い子のおっぱいはこうだよ?」
「んあっ♡ あっあっあっあああぁぁぁっ♡」
ぎゅむっ! ぎゅむっ! と、玩具で遊ぶように手荒な責めを受けて、ライヤは喉を反らした。
「らめぇ♡ おちんぽ、入れたまま、おっぱいらめなのぉ♡ イっちゃうって♡ 痛くてもイっちゃうって、知ってるのにぃ♡」
「そうだね。こんな姿、誰かに知られたら大変だよね? だから言うこと聞いて? ね?」
「んおっ♡ おおっ♡ おふぉっ♡」
乳責めを続けながら腰の動きも再開すると、彼女の全身に細かい絶頂が連発した。
「ごめんっ、なしゃいっ♡ 嘘吐きで、ごめんなしゃいっ♡ エッチなのぉっ♡ 本当はっ、いやらしいの大好きな変態さんなのぉっ♡」
涙目で懺悔するライヤに、哲はご褒美とばかりに手の動きを緩め、快感優先の愛撫に変えた。
「おっきなおっぱい、本当は自慢なのっ♡ 哲くんが見てくれるっ、吸ってくれるっ、エッチになってくれるからぁっ♡ ほひゅうっ♡」
こんこんこんと小刻みに子宮口をノックしてやると、全身を軽く跳ねさせるように達してしまう。
「これもっ、おちんぽもしゅきっ♡ 私のおっぱい飲んでバキバキになったおっきいのっ♡ ずぽずぽぉってされて気持ちよくなるのっ♡ 好きっ♡ 哲くんの、エッチな気持ちっ、私だけのものになるのっ、好きぃっ♡」
目を色情に爛々と光らせたライヤは、淫らな本性を吐露する背徳感によってか、更に感度を増していた。
体位を変え、背中をこちらに向けさせても、まるで逆らわない。
自ら哲が挿入しやすい高さに尻を上げて、少し左右に揺らしてさえいる。
「だからぁ♡ してぇ♡ 犯すみたいに、いっぱい突いていいのぉ♡ いつもみたいに、無我夢中で、私で気持ちよくなって♡ でないと、でないと駄目なの♡ あの腰つきで、滅茶苦茶になるくらいイキ続けないとっ♡ セックスじゃないのっ♡」
腰を掴み、また何回か焦らしてから、ずぷぅっと根元まで突き入れる。
「んおっ♡ おおおぉぉぉっ♡」
「こうかっ? ほら聞こえるかっ? ぱんぱん鳴ってるの聞こえるかっ?」
ぱん! ぱぁん! と、一回ごとの大きさを競うように、大きなストロークで奥を突く。
「ぉぉぉぉぉっ♡ ぉぉぉぉぉっ♡」
ライヤは枕に顔を埋めて、吼えるような喘ぎ声をくぐもらせる。
もはや声など制御できない。妖女だけが味わえる、深い大絶頂の連続に、彼女は突入していた。
「じゃあしちゃうね? 好きにしちゃうね。ライヤのおまんこ俺のためだけに使っちゃうからねっ」
ぱん! ぱちゅん! ぐちゅ! じゅぼっ!
「んぉぉぉぉぉっ♡ おぉぉぉぉっっっ♡」
ライヤの秘所を、哲の巨根が侵略していく。
粘ついた愛液が結合部から泡立ち、連続絶頂の痙攣で尻肉がぷるぷると揺れ続ける。
「はは、その声、本当に牛さんみたいだね」
枕を噛んで身悶えるライヤの声は、牛の鳴き声によく似ていた。
「ほぉら、大好きな乳搾りと一緒に掻き回してあげるっ」
「おほぉぉぉっっっ♡ ふぉぉぉっっっ♡」
哲は後ろから手を伸ばし、ライヤの乳房を揉みしだいた。
下向きに垂れた乳房の先から、余りの母乳がぴゅぴゅっとシーツに散る。
「イってる? イキまくってるね? 可愛いねっ。俺がイクまでずーっとアヘ顔しちゃおうね?」
「あひぃっ♡ あおっ♡ あおぉぉっ♡」
今度は乳首をつねり上げ、母乳を搾り取る。
「これだよ? これが本当のライヤなんだよ? 俺にこうやって犯されてるときだけ、ライヤは自由になれるんだよ?
膣内と乳房を同時に犯し続けながら、哲はライヤの耳元で囁いた。
「ふぅーっ♡ ふぅーっ♡」
ライヤはのぼせたような顔で荒い呼吸を繰り返す。
白目を剥き掛けた目、耳まで紅潮した顔、男が腰を止めても続く絶頂、知らぬ間に動いている自分の腰。
快感の極地、メスとしての最高潮を味わっていることが、見るだけで分かる。
「誰かに気を遣わなくていいからねっ! ただ男に種付けされるのが大好きな妖女になって、思う存分に絶頂天国しちゃおうねっ!」
パンパンパンパンパンパンパンッ!!
暴力的なまでのラストスパートが始まると、ライヤの瞳からいよいよ正気が失われた。
「んおぉぉぉおおおっ♡ お゛お゛お゛お゛お゛っ ♡ お゛ーーーーーっ♡」
もはや猛牛、恥も外聞も無いケダモノの喘ぎ声を上げて、ライヤの意識が絶頂から降りられなくなる。
舌を突きだして涎をこぼし、揉まれる乳房から母乳を噴いて、膣内を蹂躙する男が果てる瞬間を待ちわびている。
「ああ、出るっ。もうすぐ出るよっ!」
「お゛っ♡ お゛ぉ゛っ♡ おぉ♡」
もはや意味のある言葉も喋れず、しかし尻を縦に振って、膣内射精をおねだりするライヤ。
最後の一突きは、大きく引いてから一気に奥まで、彼女の子宮を打ちのめすように突き立てられた。
「お゛お゛お゛ぉぉぉぉおおっっ♡」
ライヤが、今日一番の深い絶頂に突き落とされる。
同時に哲も、彼女の膣内で果てた。
びゅる! びゅるるるるっ!!
「あぉぉっ……おっ……ほぉぉ……♡」
長い射精だった。
子宮口を押し広げて直接子宮内へ侵入した精液は、そのままライヤの胎内を満たしていった。
○
昔――ライヤはジュニアモデルをしていた。
別にセクシーな類のものではなく、純粋な服飾のモデルだ。
妖女には様々な人種があり、人種ごとに似合う服があり流行もある。
彼女は牛系獣人モデルとして、子供というよりママ層に向けた可愛い服を披露していた。
問題が起きたのは、彼女の体が成長したこと。
牛系獣人は早熟で、彼女は瞬く間に巨乳小学生へと変貌した。
妖女たちからすれば、珍しくもない。
その頃から大人サイズになるような子なんて、少数ではあれど不自然ではない。
ましてや牛獣人ならこんなものだろうし、牛獣人に合う服のモデルなのだからそれで妥当だ。
しかし――厄介な界隈が、そんな彼女に目を付けてしまった。
【これはポルノ】
【明らかに胸を強調させている】
【吐きそうになった】
【好きだったけどもうこの雑誌買わない】
【こんな年頃から男性を誘惑する服装を学ばせるなんて】
彼女のSNSはこんがり焼けた。
【妖女ならこのくらい普通にあるが】
【ちゃんと服全体を捉えた撮影だろ】
【牛系獣人に向けた服のモデルなんだから、その体格の子を使うのは妥当】
【一部の人女が人女体型だけを基準に文句言ってる】
【もはやJSに手出しする男性よりJSに牙を剥く人女の方が多い世の中】
擁護の声も多々あった。
どちらに影響されたわけでもない。
ただ、ずっとモデルを続けたいというわけでもなかったので、ライヤは被写体を止めた。
昨今、妖女の魅惑的なスタイルを公然と叩く声は、一定数ある。
明らかな嫉妬だと揶揄されても、何かしら理屈を付けて否とし、減胸手術すら要求してくる層だ。
人間男性が妖女に絆されたことで、人生に差し障りの出る人たちが、その中心らしい。
口には出さなくても、そういう感情を抱えている女性がいることは、ライヤも日々の生活で感じていた。
過去の炎上がそれなりに気になって、ライヤは胸の大きさを偽ることを決めた。
『胸が大きいと、女性票が減る恐れがある』
生徒会選挙への出馬を決めたとき、その『偽貧乳』は、より一層強固なものとなるのだった。
胸だけではない。言動や振る舞いも、性とは無縁にした。
恋人はいないと嘘を吐いた。処女だと偽った。言い寄られたこともないと嘯いた。
学校での、人間女子たちからの人望は、著しく増加した。
彼女は妖女だけど――『アイツら』とは違う。
彼女は美人で綺麗なだけで『こちら側』だと。
人間、自分が思っているよりも、負の感情で人を選ぶものだった。
自分の劣等感を刺激しない美人に対して、人間女子たちは好意的だった。
生徒会選挙の得票率にも、その好印象は表れることだろう。
だからライヤは、優等生である。
誘惑禁止条例を忠実に守る、品行法制な女学生である。
我慢に我慢を重ねたその後は――至上の快感が待っていることを、よく知っているから。
○
「んっ♡ ちゅっ♡ んむぅっ♡ 哲、くぅん♡ もう、帰らない、と……んっ♡ ちゅるっ♡」
日も沈み、学生が家に帰るべき時間になると、ライヤは哲の部屋を後にする。
妖女は男性に送らせたがらない。
彼女らにとって夜道を一人歩きさせてはいけないのは、男性の方だからだ。
だから、哲の部屋を出るこの玄関でお別れなのだが――
「やっ♡ もう、おっぱい出ない♡ 触っても、出ないからぁ♡」
哲はいつもこの玄関で、ライヤを抱きしめて強引にキスをする。
彼女が帰ってしまうとなると、急に帰したくなくなるのだ。
自分でも子供みたいだと思うが、その素直な愛情の表れが、ライヤにとっては嬉しくて堪らない。
堪らないが、ここで『もう一度』というわけにもいかず、泣く子をあやすように説得を試みる。
「ねっ? 哲くん、いい子だからぁ♡ また溜まったら、いっぱい吸って、いいから♡ ね?」
せっかく着た制服の上から、また乳房を揉んでくる彼氏に、ライヤは微笑みながら約束する。
哲はそれでも我慢できないとばかりに、唇や首筋にキスを繰り返す。
愛されている快感に打ち震えながら、ライヤは燃え上がってしまう体を必死に堪えた。
「もうっ♡ もうおしまいっ♡ おっぱいおしまいっ♡
大丈夫だからっ♡ おっぱい自分で搾らずに、哲くんにあげるからっ♡
ちょっとの間、我慢してくれたらぁ♡ 好きなだけっ♡ ちゅーちゅーしていいからぁ♡」
「……約束だよ?」
こうやって次のセックスを約束するまで、哲はライヤを帰さない。
「うん……約束♡」
「パイズリもしたいな。ライヤのおっぱいを、おまんこみたく犯してあげたい」
「やっ♡ そ、そんな……」
「ダメなの? じゃあ帰してあげない」
「あぁっ♡ わかった、分かったからぁ♡ キスマークだめ、付けちゃだめっ♡ バレちゃうっ♡ 誰かに見られたらバレちゃうっ♡」
首に吸い付いてくる哲を必死に制止する。
こういう強引な脅しで押し切られてしまい、刺激的な約束をさせられる自分に、ライヤはすっかり酔っていた。
これでまた、この約束を口実に、
「じゃあ、気をつけてね?」
「も、もう……♡」
困っているような態度を見せつつ、顔はすっかり次回を期待している。
そんな淫らで可愛い優等生を見送る哲は、ハッと気付いて部屋を振り返る。
「どうしたの?」
玄関の扉を半ば開いていたライヤは、哲の様子に気付いた。
「……防音魔法、起動してなかった」
凡ミスだった。
男性と妖女のカップルが、一度はしてしまう類の、気付いた後に悶絶する失敗だった。
「……っ!」
ライヤは目を丸くすると、扉からアパートの廊下を覗き見る。
バタン! と、隣室の玄関扉が、慌てて閉じられた。
一瞬前まで、誰かがこちらを見ていたのだ。
ライヤはさぁーっと顔を青褪めさせると、今度はかぁーっと下から上まで赤くなり、
「ばかぁぁぁぁぁっっっっっ!!」
羞恥心の悲鳴を、アパートの全部屋に届けるのだった。
○
隣室――隼樹とミースは、閉じた扉に隠れて、息を殺していた。
扉の前を、少女の足音が駆け抜けていく。
彼氏を怒った後、逃げるように帰っていく足音だ。
「……ま、まあっ、誰にでも一度はあるよねっ?」
「うんっ、僕たちは何も聞いてない。聞かなかったことにしてあげようっ」
ミースと隼樹の顔は赤いが、心は優しさに満ちていた。
「「…………」」
少しの間、こそばゆい沈黙が流れる。
やがて、ミースが遠慮がちに口を開いた。
「その……牛さんの方が、よかった?」
「……ブタさんの方が、好きです」
「えへへ♡ うん♡ でも……出なくても、吸っていいからね?」
「いつも、美味しくいただいてます」
間抜けな話をした後、隼樹もまた、部屋に来ていた妖女を見送る。
――近いうちに、アパートの男子たちと、互いの騒音問題について話し合う必要がありそうだった。
○
少年少女は、今日も考える。
誘惑禁止条例に違反せず、愛を確かめ合う方法を。
サキュバスのような妖女たちは、男を誘惑してはならない。
求められても合意してはならない、結婚するまで清い交際でなければならない。
ただし――襲われたり、脅されたり、逆らえなかったりした場合、罪には問われない。
これは、そんな時代に生まれ育った少年少女たちが、若さ故に『過ちを犯す』日々を描いた物語である。
ご一読いただきありがとうございました。
先ずはなんといっても、前話でヒロインの名前を途中から間違えるというアホな誤字があったことをお詫び申し上げます。
修正・報告してくださった方、まことにありがとうございました。
犬・豚と来たので、三組目のカップルは牛になりました。
ここらで最初のカップルに戻り、ハーレム編に移ろうと思います。