誘惑禁止条例 ※性犯罪被害は条例違反にあたらない 作:大中小太郎
イーリスの故郷である妖魔界の国は、男王国家である。
わざわざ男王と呼ぶのは、人間界における女王国家に相当するからだ。
イギリスの国歌が『神よ女王を守らせたまえ』で始まるように、イーリスの国も、数多の女騎士が王様のため身命を懸ける精神だ。
もちろん、男性にも相応の振る舞いが求められる。
家政を見定め、時に政略結婚で婿に行き、日頃から子孫繁栄に励まなければならない。
旺盛で、威厳あり、必要とあらば女より強い。
そんな雄ライオンのような男性が、妖魔界における『古き良き益荒男』なのだ。
つまり、妖女にとって理想の男性とは――
数々の女を支配下に置いて孕ませる、ハーレム王である。
○
チャリ――という音が、龍斗の部屋に小さく響く。
イーリスの首輪に結ばれた鎖が、龍斗の手に引かれる音だ。
「あっ? 龍斗さん……やっぱり、こういうの……よく、ないんじゃ……」
「そんな興奮しきった顔で、よく言うよ」
ベッドの縁に腰掛けた龍斗は、足の間で床に膝を付くイーリスを見下ろしていた。
彼女が身に着けているのは黒い首輪のみ、首輪と結ばれた細い鎖は龍斗の右手に掴まれ、わざと音を立てられている。
チャリ、チャリと金属が擦れ合う音が、獣人の鋭敏な聴覚を刺激して、イーリスの心を乱す。
羞恥心、敗北感、被支配者感――つまり、彼女の性癖に効果覿面だった。
「ほら、おっぱいで奉仕しろよ。やり方は教えたよな?」
「あ、あぁ……引っ張らないで♡ これじゃ私、本当に、犬みたい……♡」
短く握った鎖を引いて、イーリスの体を股間に近づける。
気持ち上に引き上げて、彼女の顎が龍斗の逸物より上に来るように。
ちょうど、彼女の爆乳が肉棒にあてがわれるような、絶妙な角度だった。
「犬みたいもなにも――」
「はぁっ♡ はぁっ♡ はぁぁ♡」
「その顔も、息遣いも、遊んでもらいたがってる犬そのものだぞ?」
「はふっ♡ そんな、ことはぁ♡ はぁっ♡ これは、ただ……首輪が、食い込んでっ♡ 鎖の、音がぁ♡」
首輪で引かれるという体験は、イーリスの興奮を凄まじく掻き立て、呼吸を荒くさせている。
「あんまり聞き分けが無いワンちゃんは、躾け直しが必要かな?」
「ひうっ♡ し、躾け……龍斗さんに、躾け、られ……っ♡」
怯えたような顔をしながら、膝を付いた彼女のヒップでは、獣人の尻尾がバタバタと左右に振られていた。
こういう分かりやすい本心の目安があるので、龍斗も強気に物を言える。
「パイズリなんて甘かったな。しゃぶれ」
「はうぅっ♡」
怒鳴らず、されど険しい声音で命じると、イーリスが潤んだ瞳で震え上がり、尻尾の振りが小さくなる。
犬次第だが、耳が下がらず、尾を軽く振っている程度までが、適切なストレスだそうだ。
「ほら、大きく口を開いて、一気に喉奥まで呑み込むんだ」
「ふぁぁ♡ しま、す♡ します、からぁ♡ 怒らないで♡ 怒らないで、くださいませ♡」
「れろぉ♡ ちゅぷるるっ♡」
肉棒に舌を当て、亀頭を丸ごと口に含むと、口粘膜全体を使って奉仕するように吸い付く。
勢いが良すぎて、先端が上顎の硬い部分にぶつかり、痛気持ちいい刺激を龍斗に与える。
イーリスは唾液たっぷりの唇でカリ首を愛撫しながら、上目遣いで龍斗を見上げた。
喉奥までと命じたのに、亀頭を含んだだけで止めている。
わざと、命令に準じきっていない。
もっと、叱って――――という、彼女の『おねだり』が透けて見えた。
「こら、奥まで呑み込めって言っただろう?」
「っ♡ ふぐっ♡ んぐぅぅぅっ♡」
イーリスの顔が沈み、ペニスを半ばまで受け入れる。
先ほどよりは従っているが、イラマチオというにはまだ遠い。
つまり、もっと強めに叱って欲しいらしい。
「――何度言ったら分かるんだっ、イーリス!」
「ふぐうううぅぅぅっ♡♡♡」
強い口調で名前を呼び捨てにすると、まるで父親に叱られた幼子のように、慌てて従い始める。
「おごぉっ♡ おぷっ♡ んぐっ♡ んおぉっ♡」
男の下腹部に頭突きでもするような勢いで、イーリスの激しい口淫が始まる。
自分自身の動きで喉奥を犯し、苦しげにえずくが、お構いなしだ。
「そうそう、その調子だぞ。いつもの可愛いワンちゃんに戻ったじゃないか」
「んぐぉ♡ んぶっ♡ んっぶぅ♡」
右手で鎖を鳴らし、左手で頭を撫でながら、イラマチオを続行する。
龍斗が彼女の頭部を掴んでモノ扱いしているように見えるが、触れる手に力は入っていない。
男に強要されている――という体裁が整うなり、イーリスが自ら動いているのだ。
「よーしよし、喉で感じてるな? お口を犯されるのが気持ちいいなんて、流石は妖女だ。俺の自慢のメス犬だ」
「おぼぉっ♡ おごっ♡ おぐぼっ♡ お゛っ♡ ん゛ん~~ッ♡♡♡」
叱った後、言うことを聞いたら、大げさなくらい褒める――犬の躾け方だ。
獣人の妖女と付き合っている男たちがネットに記すところ、効果覿面だという。
イーリスの様子を見れば、デマではなかったことも明白だ。
「気持ちいいぞ。ほら頑張れっ、その調子だっ。健気だなぁ、可愛いぞっ!」
「んぐぅ♡ んぼぉっ♡ おぶぅっ♡」
男の股間に頭をうずめ、繰り返される激しいディープスロート。
そんな彼女の髪を撫でつつ、褒め言葉と愛撫をたっぷりと与える。
イーリスの瞳はみるみる恍惚に染まっていき、瞳にハートマークすら幻視させた。
「ああ、出るぞっ。吸い出してくれっ!」
「ん゛ぼぉっ♡ ぶぉっ♡ おぶっ♡」
限界まで膨らんだ逸物が、一瞬更に膨張して、イーリスの口内で弾けた。
びゅっ、びゅるるっ! どくんっ……どぷぷっ……!
「おぉ……!」
「ふぐっ♡ あぅっ♡ ふっ♡ ふーっ……♡」
イーリスは精液を喉奥で受け止めながら、鼻で必死に呼吸し、龍斗がペニスを口から抜いてもそれを続ける。
口内に残った白濁液を舌で弄びながら、涙目でこちらを見上げる姿は――『待て』を命じられた犬そのもの。
その姿を見て、流石に躊躇いを抱きながらも、背徳的な衝動に突き動かされ、つい言葉にしてしまった。
「……よし」
ごっくん――と、イーリスが喉を逸らし、精子を飲み干した。
「はふっ♡ あふぅ♡ でき、ましたぁ♡ 龍斗さぁん♡ わたひ、ご主人様のお役に、立てましたぁ♡」
自分が人間であることすら忘れたような言葉が、龍斗の胸に許されざる悦びを燃え上がらせる。
イーリスも、そういう風に興奮させたくて言っているのだと、表情で語っている。
「いい子だ……でも、まだ躾けはこれからだっ」
「あぁんっ♡」
首輪を引いて、ベッドに上がらせる。
「バックだ! さあ、いつもみたいに、尻尾を振ってお尻を上げるんだっ!」
「はひっ♡ 喜んでっ♡ 聞きましゅっ♡ ご主人様のご命令っ、ちゃんと聞きましゅっ♡」
イーリスは喜色満面の顔を伏せ、反してヒップを高く持ち上げる。
千切れるのではないかというほど振られる尻尾を左手で掴み、右手は首輪を引いて、馬の手綱でも引くように彼女を操る。
女を支配化に置いた男の悦びと、男の支配下で味わう女の悦び。
若い男と妖女の愛は、日ごと激しく、業深く、お互いの心身を溺れさせていた。
○
雪代龍斗にとって、妖女とは生まれた頃から居るものだ。
だから、綺麗で可愛くてエロくて一夫多妻であることなどは、いまさら驚かない。
妖女という『性別』はそういうものだと、新世代の常識で処理されている。
それでも、時には妖女に驚かされることがある。
例えば――
「あ、雪代様。おはようございますっ」
「ゆ、雪代様っ。どうぞ、お通りくださいっ」
急に、クラスの妖女たちが他人行儀になった。
「……俺、なにかした?」
冷や汗を掻いて近くの男子に尋ねてみても、「なにしたんだ?」と返されるだけだった。
「お前たち、雪代が誤解しているだろう」
と、イーリスが助けに来てくれた。
同じアパートだが恋人関係を隠すため、時間をズラして登校している。
先に教室へ着いていた彼女は、クラスメイト妖女たちの急変の理由を知っているのか。
「だ、だって! イーリス様の伴侶ですしっ」
「私たちごときがタメ口なんて恐れ多いと申しますかっ」
そう焦っているのは、改めて見ればクラスの妖女でも獣人系の子たちだった。
「は、伴侶?」
「たわけっ、恋仲ではないと言っているだろう! 同じ部活の相棒だと言ったのだ!」
唖然とした龍斗だが、イーリスの反応を見るに、恋人関係がバレたわけではないようだ。
「同じようなものですっ!」
「男女の仲よりも深い剣の絆で結ばれた魂の伴侶、ロマンですっ!」
熱弁する二人の級友を紹介しておこう。
「はるばる人間界に留学したのに男も得られず一年以上、これで故郷の奥方様たちに良い報せが送れます」
一人は、黒髪の犬耳獣人――ヘルハ。
長い犬耳と黒髪ロングが特徴で、人間界に留学する前はイーリスの家で侍女をしていたと聞いている。
その経験もあって料理上手で、毎日イーリスの分までお弁当を作ってきたり、最近日本で話題の妖魔界食材を使った料理の知識をクラスメイトに教えてくれたりする。
楚々として甲斐甲斐しく魅力的な、お嫁さんにしたい系の女子だった。
「雪代様? イーリス様のこと、よろしくお願いします」
もう一人は、銀髪の犬耳獣人――カトレイン。
同じ犬系獣人だが、イーリスやヘルハと異なり『垂れ耳』が特徴だ。
性格は引っ込み思案で、妖魔界での身分は平民、イーリスやカトレインの陰に隠れるようにしているが、テストの時期になると成績の優秀さで話題になる。
どちらもイーリスと同郷で、貴族である彼女の家が治める領地の出身らしい。
「ええと、それでどうして、俺に敬語を?」
ヘルハとカトレインが急に下手に出てきた理由が分からない。
元よりそこまで気安い仲ではなかったが、ここまで謙られたことはなかった。
「妖女の、とりわけ獣人系の精神文化だ。
群れのボスに伴侶ができれば、その男性はボス同然になる。
日本文化で言うなら『女将さん』みたいなものだろう」
イーリスの説明するところ、獣人はコミュニティを共にすれば『群』となる。
国という群から、球技のチーム分けまで、轡を並べれば自然と団結する。
それは、個人的な仲の悪さを急に忘れたかのように振舞うほど、強固な民族性だそうだ。
そして『群』にはボスが立てられる。
ボスか以下かというきっぱりした上下関係を作る。
学校の教室でもしかり。
クラスメイトの獣人で群を成し、一番上の獣人がボスとなり、ボスか以下かのきっぱりとしたクラスカーストを構築するのだ。
「私たちのボスは、もちろんイーリス様でございます」
「その相棒たる雪代様も、ボス同然なのですっ」
なぜか胸を張って誇らしげなヘルハとカトレイン。
「ええと、話は分かったけど、いままで通りに接して欲しいかな?」
「「えー?」」
今度は二人揃って残念そうだ。
「雪代様、そう仰らずに」
「その、獣人の妖女にとっては、頭領の殿方にお仕えするのは醍醐味みたいなものでっ」
二人としてはそういう感覚らしい。
あれだろうか? 男がお姫様に仕える騎士にロマンを感じるようなものだろうか。
「イーリス? これ、どうしたら……」
「まあ、獣人の本能的だ。迷惑にならない範疇で大目に見てやってくれ」
軽い溜息を吐くイーリスも、二人が龍斗に懐くこと自体は嫌がってないようだ。
ちょっとは妬いてくれても……などと思ったのは内緒である。
「予鈴だ。二人とも席に戻れ」
「はーい」
「じゃあ雪代くん、また」
予鈴が聞こえてイーリスが促すと、ヘルハとカトレインは自分の席へ。
最終的には、呼び方を戻してくれた。
(ん?)
SHRの間、龍斗はスマホの振動に気付いて、こっそり画面を見る。
メッセージアプリが受信を通知しており、開く前から書き出し部分が見える。
送り主はイーリスであり、そこには――
【お好きな方からどうぞ】
「……っ!?」
それはまさか、ヘルハとカトレインのことを言っているのかと、龍斗は目を剥く。
視線だけ配ってイーリスの方を見ると、何人かの級友を挟んだ向こう側で、
「…………」
くすっ――と、騎士道娘ではなく雌犬の笑みで、肯定するように微笑んでいた。
○
放課後、部活動の後。
練習を終えた部員がシャワー室で汗を流した後、部長と副部長であるイーリスと龍斗は、ミーティングを口実に校舎に残っていた。
「あっ♡ んっ♡ 龍斗さん……ダメです、学校では……きゃうっ♡」
人気の無い用具倉庫の壁際で、龍斗に追い詰められたイーリスが甘い声を零す。
「最後まではしないよ」
龍斗もその一線は守りつつ、イーリスの背を壁に押し付け、強引に唇を奪う。
「んんっ♡ ちゅっ♡ ふむっ♡ ぷぁっ♡ はふっ♡ んっ♡」
イーリスは逆らわない。
放課後の学校で、教師や部員たちに隠れて、あるいは誰かに見つかるかもしれない状況で男に迫られる――そんなシチュエーションに、顔も体もすっかり火照っていた。
興奮しているのは龍斗も同じだ。
イーリスのことは何度も抱いてきて、こうして制服越しに肉体の感触を愉しむのも飽きるほどしてきたのに、場所が学校だと思うと背徳的な興奮が湧いてくる。
このままイーリスを抱いて射精したら、どれほどの快感なのだろう。
許されない好奇心を少しでも満たすために、イーリスの首筋にキスをして、乳房と尻肉を揉み回す。
「きゅぅぅんっ♡ だめ、ですっ♡ 声っ、出ちゃいます、からぁ♡」
イーリスはそう言いながらも、龍斗の首を抱き、立ったまま片足を絡めてくる。
艶かしい仕草は、完全に挿入を望んでいる雌の姿だ。
それでも、公序良俗に反する場でセックスしてはならないという一線だけは守っている。
「今朝のあれ、どういう意味?」
「ふふっ、ヘルハとカトレインのことですか?」
あのメッセージのことについて尋ねると、イーリスが含みある笑みで確認する。
言葉の間にも、龍斗は彼女の脚の間に腰を入れて、服越しに勃起ペニスを擦り付ける。
「あんっ♡ 言葉、通りです♡ 龍斗さんが、望むなら……んんっ♡ あの子たちのこと、可愛がってくださいませ♡」
「っ」
級友を、彼氏に抱かせようとしていた。
「不徳だと、驚かれますか? でも、妖魔界では普通なんですよ? 殿方には、あっ♡ より多く、子供を――んんっ♡ 作って、もらうものですから……あんっ♡」
イーリスの脚の間で、隆起した龍斗の股間部が、下着のクロッチと擦れ合う。
「第二夫人や第三夫人は言うに及ばず、愛妾も、一夜の伽役も……夫のいる女でない限りあればあるほどいいものなんです♡」
男女が同数生まれる人間界ですら、地域によっては複数のパートナーを持つことが社会に許容されている。
妖魔界においても、男が複数の女性に種を撒くことは、不倫どころか正義なのだ。
むしろ――
「ふふっ♡ 龍斗さん、興奮してる♡ はぁっ♡ もう♡ 殿方なら、たくさん子を残すのは当たり前なのに……それが不倫だなんて。そうやって背徳感に苦悩しているお姿……なんだか、すごくエッチです♡ やんっ♡」
煽るようなことを言うイーリスの尻から手を離し、尻尾を掴んで黙らせた。
「じゃあ、もし、俺がヘルハやカトレインと、そういう仲になったら? どう思うの?」
「はふぅ♡ 妬いちゃいます♡ でも、もっと好きになっちゃいます♡ たくさんの女性をモノにしてる殿方は、魅力的に見えちゃうものなんです♡」
人間女性にも見られる傾向だが、妖女にとってはより強く表れる、男の魅力。
容姿や収入で男を選ばない妖女だが、生殖本能の強さから、「子供を作った実績」などに惹かれるという。
既に女を獲得している男性――彼女持ちや既婚男性には、エロさを感じるのだそうだ。
「きっと、あの子たちも限界ですよ? 私たちがお互いの匂いを付けているの、察してるでしょうから……身近でそんな男女がいたら、私も私もって、体が疼いちゃいます。龍斗さんの、この逞しい体に征服されちゃうのを、いまかいまかと待ってるんです♡」
イーリスは龍斗の背や胸板を愛撫しながら、しかし服を脱がそうとする龍斗の手は拒む。
脱がすことまで許したら最後まで行ってしまう、ということだろう。
代わりに――別の女を意識させ、彼に刺激を与えていく。
「ですから、こうしましょう」
明確な強さで龍斗を押し返し、イーリスは体を離した。
自分も我慢の限界ギリギリだという様子で、唇が蒸気と共に言葉を口にする。
「ここで我慢していただければ――今日はあの子たちのどちらかを、お部屋にお送りいたします」
楚々として、嫣然とした、魔女の笑みだった。
「……っ」
生唾を飲む。
理性を捨てて襲い掛からなかったのは、イーリスの提案の魅力あってこそだ。
ヘルハと、カトレイン。
同じクラスの、ちょっと仲が良い、可愛い女の子。
気さくな関係ながら、その制服に押し込んだ妖女の肉体をちらほら感じさせる女たち。
それを、イーリスと同じようにしていいと?
「あぁ、すごい♡ 龍斗さん、また一段と……雄の獣な顔してます♡」
龍斗の両頬に手を添えたイーリスが、恍惚の表情で見上げてくる。
妖女だ――と、改めて感じた。
生まれながら艶美で、生きているだけで淫靡な、男を虜にする魔性の種族。
一人を恋人にすれば、連鎖的に他の妖女も寄ってきて、男にとっては選り取り見取り。
しかしその反面――虜にされた男は逃げられない。
このメスの形をした性獣の群に、ずっと子種を搾り取られることになる。
イーリスが見せているのは、そういう貪欲なメスの顔だ。
妖女を恋人にするとは、貪れる代わりに貪られることでもあったのだ。
「……分かった」
熱情に狂った思考が、気が付けばそう答えていた。
「その代わり、口で抜いてくれ。家に帰るまで、待てそうにない」
「まぁ♡ ふふっ、仕方のないお人です♡」
正直に白状した龍斗を見て、イーリスは嬉しそうに膝をつき、彼の股間に高さを合わす。
放課後の用具倉庫でしてもらうフェラチオは、かつてないほど気持ちよかった。
その間、龍斗の頭に浮かぶのは、ヘルハとカトレインの姿ばかりだった。
ご一読いただきありがとうございました。
気が付けば半年も更新が停止しており、申し訳ございません!
遅ればせながら、ちまちまと書き溜めていた級友編を更新いたします。
一話~三話の挿絵も軽くリメイクしております。
今後とも、よろしくお願いいたします。