誘惑禁止条例 ※性犯罪被害は条例違反にあたらない 作:大中小太郎
雪代龍斗は、この時代における平凡な少年だ。
つまり、思春期の前後には、妖女のお姉さんとヤることヤった。
おねショタは現代男子の通過儀礼である。
未成熟な本能の限りヤりまくったその相手は、いつしか妖魔界に帰っていった。
妊娠したのだと思う。
珍しくもない。
人間界に来て、子種を獲得して、デキたら帰郷する。
妖魔界において親権は、ほぼ100%宿した女性のもの。
男性は無責任中出しが許される代わりに、父親として子供に会う権利すら無い。
そういう『妊娠するまでの関係』を結ぶ男性と妖女が、昨今珍しくなかった。
かといって、男に純情が無いわけではない。
射精責任も取らずヤるだけヤって次の女、なんて人生ではない。
少なくとも龍斗は、イーリスのことを、ただのセフレではなく恋人だと思っている。
だからこそ――
(イーリスと付き合ってるのに、他の子なんて……)
そういう良心の呵責も感じていた。
妖女が一夫多妻であることは知っている。
日本でも多くの男性がそういう家庭を築いており、別に不幸せではないことも。
しかし雪代龍斗、童貞卒業のお姉さんに始まり、中学時代を通して何人かの妖女を関係を持ってきたが、『同時に複数』という縁は無かった。
(イーリスは、本当にいいのか? 妬くって言ってくれたけど、相手一筋なのは俺だけって思うと何か寂しいような……でも、妖女たちには妖女たちの精神文化があるわけだし)
葛藤しながら部屋の中を熊のようにうろうろする。
旧時代では『不倫』となることに、心が抵抗感を生じさせている。
その一方で――
(でも……ヘルハも、カトレインも……いい子、だよな)
二年に進級して知り合った二人だが、どちらも印象は良い。
ヘルハは甲斐甲斐しく尽くすタイプの黒髪美人で、イーリスが自分にだけ見せてくれる淑女の顔を、常に身にまとっている子だ。
龍斗も体と魔力を鍛えるに当たって、お勧めの妖魔界料理を教わったことがある。
カトレインは健気で真面目で、妖女の中では地味だと思っているようだが、勤勉で周囲によく気を配り、友人だろうと恋人だろうと家族だろうと不快にならない好人物だ。
人として欠点らしい欠点が無いという意味では、学びたい人柄ですらある。
どちらも、妖女らしく体の起伏に富んでいた。
イーリスと同じ獣人系だから、弱点も同じなのだろうか。
獣耳に濡れる言葉を囁いてやったら? 尻尾を掴んで愛撫してあげたら?
イーリスと同じように乱れるのだろうか、それとも違う反応を愉しませてくれるのか?
(って、いつの間にか……)
関係を躊躇っていたあの子たちを抱くことを妄想していた。
そういう一面がある以上、龍斗も彼女たちとの関係を拒んではいないのだ。
抱きたい、されど不徳。
不倫――刑事罰にはあたらないが、民事上の悪事では代表格となる行い。
そういう倫理観があるが故に生じる――背徳感。
熱した蜂蜜が胸の内を垂れるような、甘く粘りつく罪深さ。
――こんな胸中のまま妖女を抱いたら、どうなるんだろう?
「ふぅ……ふぅ……っ」
いつしかそんなことを考えながら、龍斗は息を荒げていた。
頬を紅潮させ、欲情を堪えながら罪悪感を抱くその様は、イーリスではないが――女性の目から見て非常に色っぽい。
「っ!」
そんな状態の龍斗は、呼び鈴を聞いて我に返る。
いつもはイーリスを待っているワンルームに、今日は違うクラスメイトが来るらしい。
ヘルハなのかカトレインなのかは、龍斗も聞いていない。
当人たちが相談して決めるそうなので、来るということは事実上の合意済み。
あとは、誘惑禁止条例に差し障らないプロセスでベッドに導くだけ。
十分に慣れているはずのそれが、まるで生まれて初めてすることかのように、緊張する。
「はい、いま出ます」
高鳴る心臓を持て余しながら、龍斗は玄関に向かい、息を整えてから扉を開く。
そこには――
「あ、雪代様……」
龍斗の苦悩を吹き飛ばすような、ヘルハの姿があった。
胸元の開いたシャツと、腰を絞られたスカート。
初夏とはいえ涼しそうな露出度が、艶やかな素肌を目に焼き付けてくる。
急ぎ足で来たのか、呼吸はやや早く、頬は上気していた。
撒き散らされるような妖女の色香を、目鼻どころか全身に感じる。
「その……イーリス様に、勧められて……お夕飯を、作りに……」
口にされる用件が口実に過ぎないことくらい、お互い分かりきっていた。
だとしても、彼女らしい口実だ。
一人暮らしの龍斗の食生活を心配して料理を振る舞いに来るなど、元侍女だという彼女の尽くす姿勢を感じさせる。
「もし……よろしければ……っ♡」
すぅ――と、さり気なさを装って、ヘルハの片手が鎖骨に添えられる。
目の前にいる男の視線を胸元に誘導する仕草は、彼女の本当の用件が何であるかを如実に物語っていた。
クラスメイトが。
綺麗で清楚で甲斐甲斐しい子だと、内心で魅力的に思っていた女子が。
いま、教室の誰も知らないであろう大胆な私服姿で、女を主張している。
自分の女体を十分に意識させた上で、濡れた瞳で見上げながら――
「
――あなたに食べられたいと、全身で訴えていた。
「……っ、入って」
「あっ♡」
気が付けば、彼女の細い手首を掴んで、部屋に引き込んでいた。
さっきまで、自分が何を悩んでいたのか、よく思い出せなかった。
○
「んむっ!? ちゅっ……あむっ♡ んん……っ♡」
玄関扉を閉じてすぐに、ヘルハを壁際に追い込んで唇を貪る。
当初は驚き、抵抗する素振りを見せたヘルハだが、すぐに体の力を抜いた。
眼前にある彼女の瞳が、驚きに見開かれるものから、とろんとした陶酔に変わる。
「ちゅぷっ♡ ぷぁ♡ ふぁぁ♡ はふっ♡ んっ♡」
男とキスをするなど初めてだろう、唇の反応は戸惑うようで、しかし抵抗しない。
どうすればいいか分からず、ただ相手の好きにされることで、YESを明言している。
その初々しさは、自分が彼女にとって最初の男なのだということを実感させた。
「ぷはっ……ゆ、雪代様……あの、私……」
「大人しくして? いいね?」
腰を抱き寄せて囁きかけると、ぴくっと震えたヘルハの手足が動きを止める。
「ダメだよ? 男の部屋に来て、そんなエッチな体を見せ付けたら」
「そんなっ、こと……」
ヘルハは『エッチな体』という言葉を、ストレートな賛辞と受け取り、頬を染める。
バクバクと脈打つ鼓動が、当たっている胸を介して伝わってきた。
人生初の、異性との深い接触で、頭がいっぱいなのだろう。
「一度だけ、嫌がって?」
「え?」
慮外のことを言われたヘルハが目を瞬くも、すぐに思い至る。
「条例、あるから。形だけでも、襲われてることにしないとね」
誘惑も合意も禁じられている妖女は、本気でなくても断らなければいけない。
いまや人間界における男と女の『作法』となりつつあるそれを、ヘルハも思い出す。
思い出したが――
「い……」
言葉を待っている龍斗は、自分の腕の中から見上げてくる級友の顔に、目を奪われた。
「言わなきゃ……だめ……ですか?」
言いたくない――と。
言ってしまったら、それを理由に、
そんな胸中を吐露するようなヘルハに、龍斗の興奮がギアを上げた。
「言うんだ……っ」
「あんっ♡」
尻尾の付け根あたりを狙ってヒップを撫で、強く抱き寄せて胸板に乳房を押し潰す。
妖女の過敏な体に、自慰では決して得られない男の感触を広く伝えてやる。
「あっ♡ はふっ♡ 雪代、さまっ♡ からだ……おっきい♡ あふっ♡ ふぁふぅ♡」
ヘルハの呼吸の荒ぶる様は、体がオスに反応して滾っていることが窺える。
きっと人生で過去に類を見ないほど発情しており、そんな自分に驚いているだろう。
「ほら、言ってごらん? 嫌ですとか、そんなつもりじゃなかったとか――」
「あっ♡ はぁっ♡ でも……きゅぅんっ♡」
バタバタと振り回される尻尾は、喜び踊る犬のよう。
いますぐにでも服を脱ぎ捨て、本能のまま振舞いたいと、彼女の体が言っている。
こんなにも、男に飢えていたのか――と、龍斗は内心で驚いていた。
教室での彼女は淑女的で、妖女とは思えないほど性的なことを話題にしない。
そんな彼女の、妖女の本性を暴き立てたのが自分なのだと思うと、妙な優越感が湧く。
「言ってくれれば、後は何も考えなくていいんだよ? そこから先のことは、全部、俺が無理にさせることだから。いっぱい気持ちよくしてあげるから、ね?」
「はふっ♡ はぅぅぅ♡ それぇ……禁句、です……っ♡」
努めて優しい口調で、甘い言葉を送る。
童貞が女体を求めるより強く、男の体で己の身を刺激されることを求める妖女だ。
そんな彼女らにとって定番の妄想――優しくてエッチなお兄さんにされるがままになる、これを現実のものとする。
スタートボタンはヘルハにある。
ただ一言、性犯罪の被害者になるための何かを口にしさえすればいい。
そうすれば、いま自分を包んでいる男の体を、浴びるほどに体験できる。
ただし、自分がどれだけ乱れてしまうか分からない。
そんな恐ろしいスイッチを預けられたヘルハは、唇を震わせながら――
「お……」
どんなことをされても大丈夫そうな、発情しきった淫靡な笑みと共に、
「――おやめ、ください♡」
100%合意でしかない、拒否の言葉を紡ぐのだった。
○
町の遠景に日が沈み、家々に明かりが灯っていく。
住人が帰宅するにつれて、家は騒がしくなるものだ。
しかし町には、少なくない割合で、留守でもないのに静かな部屋がある。
カーテンを閉じて防音魔法を使用しているからだ。
「んあっ♡ あふっ♡ あうっ♡ あっあっあっ♡ ああううんっ♡♡♡」
ベッドの上で、ヘルハの裸身が反り返る。
横並びに寝て、半ば覆いかぶさるようにキスをする龍斗の手が、秘所を丁寧に愛撫しているからだ。
ヘルハの艶かしい太股の間で龍斗の手が動くたび、彼女の体は過敏に震え、堪えきれない声が零れる。
「ん、あ……っ♡ 雪代、様ぁ♡ な、なんだか、恥ずかし……あぁうんっ♡」
「こういうものだよ。それに、どうせなら龍斗って呼んでほしいな」
龍斗が獣耳にキスするようにお願いすると、ヘルハの体にぞくぞくとした甘い痺れが走る。
男性と抱き合うこと、ベッドで並んで倒れること。
男に裸身を晒すこと、男の裸体を目の当たりにすること、それと密着すること。
ましてやキスをして、獣耳に囁かれ、あまつさえ秘所をその手で愛撫されること。
どれもヘルハにとって妄想でしか得られなかったものが、丸ごと全部起きている。
頭は既に真っ白というか桃色一色で、衝撃的な興奮と快感に翻弄されていた。
できるのは、セックスの経験値で勝る龍斗の言うことに従い、快感を享受し続けるだけ。
「龍斗、様ぁ♡ んあああぅぅぅっ♡」
予感する間もなく訪れる絶頂に痙攣するのも、これで何度目か。
当初は割れ目を愛撫する程度だったのが、それで達すると今度はクリトリスや膣口を刺激するようになり、また達すれば指が少しずつ膣内へと深く触れてくる。
ヘルハが絶頂する度、段階的に刺激を強めることで、未経験者の彼女が怖がらないようステップを踏んでいく。
快感による忘我の中、ヘルハはその優しさを感じて、導かれるまま嬌声を上げては、甘い吐息を吐き出した。
「はぁっ、はぁっ、はぁ……っ♡」
指だけで何度イっただろうか、龍斗が手を離すと、ヘルハはベッドの上で放心する。
荒い呼吸を繰り返し、それで乳房を上下させ、全身の肌は湯気が立ちそうなほど火照っている。
男の手の味を知った妖女の体は、全身に情欲の火を広げていた。
(もういいかな?)
指で確かめたヘルハの膣は、十分に男根を受け入れられる状態にあった。
成長と共に処女膜を失う妖女とはいえ、初めてなものは初めてだ。
一日の長がある自分が、落ち着いて事を進めなければならない。
「はひゅっ♡ 龍斗様ぁ……しゅごい♡ 指だけ、でっ♡ わたし、こんなっ♡ あふっ♡ 殿方に、されるのがっ♡ こんなに、気持ちいいなんてっ♡ 知らな、くて♡ あふぅ♡」
顔を覆って恥らうヘルハを見ていると、到底そんな余裕は保てそうになかった。
「ヘルハ、その……このまましてもいいんだけど……よかったら、手か口で、してくれない?」
「えっ? 手か、口で……っ♡」
ヘルハの視線が、まだズボンの中に納まっている龍斗の陰部に向く。
そこに起きている隆起に気付くと、驚きと喜びが混じったような表情で、顔の赤みを増やした。
男性が自分に欲情してくれている何よりの証を目にして、嫌悪感はまったく示さず、昂ぶりだけを示している。
「そうしてくれないと、その……乱暴になっちゃうかも。一度出せば、少しは落ち着くから」
「はふっ♡ はふぅ♡ それ――『脅し』、ですよね?」
歓喜しかない瞳が、龍斗に確認する。
龍斗にその気は無かったが、そう受け取ったヘルハは、殺し文句を聞いたように興奮していた。
脅迫はラブコール、妖女を条例から解放する魔法の言葉、それはヘルハにも同じだった。
「します♡ させてくださいっ♡」
ヘルハは起き上がり、尻尾を振って指示を待つ。
フリスビーを投げて欲しがる犬そのものの姿に、龍斗はごくりと唾を飲んだ。
「じゃあ、俺はここに座るから……」
ヘルハをベッドから下りさせ、龍斗はズボンを下ろして縁に腰掛ける。
やり方は知っているらしく、ヘルハは下着一枚になった龍斗の脚の間に膝を付いた。
「出してみて?」
「は……はい♡」
ヘルハは龍斗のボクサーパンツを下ろし、その剛直を目の当たりにする。
「あ……っ♡ こ、これが、殿方の……♡ 大きい……」
ヘルハは目を見開くと同時に、無意識に鼻を利かせる。
「ふぁ♡ あはぁ♡ しゅごい、匂い♡ 龍斗様の、男の香りぃ……匂いだけで、頭が、征服されちゃう♡」
まるで媚薬でも嗅がされたように、ヘルハの顔が蕩けていく。
ヒップの上でばたばたと振られる尻尾は、餌を前にした犬のよう。
(はは……これが、初めて男のモノを見た女の顔か……?)
実物を見るのが初めてであることは、反応から分かる。
しかし、これではまるで、憧れの装飾品を手に入れたかのようだ。
イーリスだって、初めて龍斗の逸物を見たときは、もう少し『戸惑い』があった。
「龍斗、様? これ……さ、触って……も?」
(触りたそうにしてる。舌なめずりまでして、口に含みたそうな顔してる……)
完全に、女の乳房を目の当たりにした思春期少年のような心地で、男の象徴を見ている。
(エロい……ヘルハって、イーリスよりも、エロいことに貪欲だ……っ)
同じ妖女でも違いはあるものだ。
ヘルハはきっと、イーリスよりも耳年増で、自ら男を貪りたい願望を秘めているのだろう。
「やり方、知ってそうだね。好きなようにしてごらん」
そんな彼女の本性をもっと知りたくて、龍斗は彼女の好きにさせてみる。
「はふっ♡ はふっ♡」
犬が待てを解かれたように、ヘルハは逸物へ手を伸ばした。
「ああぁ……っ♡ 硬くて、逞しくて♡ すごい……本物の、龍斗様の♡ あふぅ♡」
ヘルハは夢中で肉棒の感触を確かめながら、口の中に唾液を溢れさせる。
陰茎を夢中で這い回る柔らかい細指と、亀頭にかかる熱い吐息。
妖女の遺伝子が言っている――これは自分を気持ちよくしてくれる魔法のステッキなのだと。
「はむっ♡」
ヘルハは無意識のうちに唇を開き、亀頭に口付けすると、そのまま一気に咥えこむ。
ずぷぅ! と、一口に根元まで咥え込んだ彼女に、龍斗の方が驚いていた。
「んっ! あむぅ♡ むぶっ♡ ふぅー、んんーっ♡」
ヘルハは夢にまで見た男性器の味に酔いしれる。
その味と匂いをもっと堪能しようと、口を窄めながら顔を前後させる。
咥える前、龍斗の我慢汁を嗅ぎ取った時点から、彼女はもう獣人系妖女の本能に支配されていた。
「んふっ♡ んん、むぅう~っ♡」
「ヘルハ、もうちょっとゆっくりでも……」
龍斗が制止するが、ヘルハは聞く耳を持たない。
もう口から出したくないと言わんばかりに、さらに深く咥える。
「はは、妖女っていうのは、本当に……お口でも感じちゃうんだね」
じゅぽじゅぽと音を立ててしゃぶる姿は、今日始めて肉棒に触れる女とは思えない。
しかし妖女に関しては、日頃からディルドで自慰をし、口内の性感帯だけでイクまで自己開発する。
そこに本物のペニスを招き入れた瞬間の歓喜たるや、妖女にしか分からないだろうが感無量だ。
「んぶぅうっ♡ あむぅっ♡ んっふぅー♡ んぶっ♡ じゅぼぉおっ♡」
龍斗は己の分身が、ヘルハの上顎や喉の構造にぶつかり、擦られ、絞られるのを感じる。
(この子、フェラに関しては、イーリスよりも……っ)
捕食するかのようですらある、自発的なイラマチオ。
酸欠を起こすのではと、見ている方が心配になるほどのディープストローク。
ただ夢中で口内の快感を求めるだけで、熟練の娼婦めいた咽喉テクニックを披露してくる。
「あはぁ♡ ああん♡ あむ♡ あむぅ♡ ちゅぶ、れろぉお~っ♡」
目を欲情に爛々と光らせたヘルハは、息継ぎのために口から離せば、美味であるかのように根元から舐め上げ、また咥え込む。
「ああもう。ほら、続けて。好きにしていいって言ったしね。思う存分にしゃぶって、喉イキしちゃえっ」
龍斗はヘルハの獣耳を指で弄り、そのまま頭を押さえる。
「んぅーっ♡ んぶぅ~~っ♡」
動物のように扱われても興奮するのか、ヘルハはさらに深く咥え込むと、頭を前後するピッチを上げる。
じゅぼじゅぼと淫らな水音が大きくなり、その卑猥な響きを獣耳が拾い、自らを興奮させていく。
「いいよ、頑張って。もっと喉の奥まで、半分飲み込むくらいにっ。怖いだろうけど、気持ちいいらしいよっ」
もう我慢できないとばかりに、龍斗も彼女の頭を掴んだ。
猛烈に咥え込んでいたヘルハだが、龍斗に頭を動かされたことで、これまでより強く、深くにまで、男根の侵入を受ける。
「んぐっ! ごぶぅっ!? んん~~~っ♡」
ぬるりとした喉の入り口を、男根が強引に突き抜ける。
そのままヘルハの口内から食道まで、喉を拡張するかのように征服する。
初めて感じる異物感に、ヘルハは肉棒を咥えたまま目を剥き、反射的に吐き戻しそうになった。
しかし龍斗は頭を掴んだまま逃さず、ぐりぐりと喉奥を責め続ける。
「おぶっ♡ お゛ぉっ♡ あ゛っ♡ あ゛あ゙ーっ♡ おぼぉおっ♡」
ヘルハは目を白黒させながらも、決して龍斗の口内挿入を拒もうとしなかった。
喉の奥まで蹂躙されながら、それを受け入れ続けると、次第に顔が快感の色を濃くしていく。
「あぁ、気持ちいいよ……! 苦しい? ごめんねっ。もうすぐだからっ」
「っ!」
さすがの龍斗も限界を感じてくる。
もうこのまま出してしまうかと思い始めた時、
「ぢゅぅぅぅぅぅっっっ♡♡♡」
ヘルハが凄まじいバキュームと舌運動で、龍斗のペニスを吸い上げた。
「うあっ!」
射精を堪えることなどできなかった。
びゅるっと勢いよく、ヘルハの喉奥に精液が撃ち出される。
「んんん~~~っ♡♡♡」
ごきゅっ、ごくっ♡と喉を鳴らして、ヘルハは龍斗の体液を飲み干していく。
ちゅぽんっと音を立てて肉棒が引き抜かれると、最後に仕上げとばかりに軽く亀頭へキスした。
「ぷあっ♡ あは♡ 出た♡ 出して、くれたぁ♡ 龍斗様が、私の、お口で……はふっ♡ はふぅ♡」
男をイかせたことが誇らしいという顔で、ヘルハは肉棒に頬擦りしながら見上げてくる。
「龍斗様♡ 私、大丈夫です♡ ちょっとくらい、乱暴だとしても♡ へっちゃらですから♡」
一発出して落ち着きかけた龍斗の獣欲を、ヘルハの方から刺激してくる。
「分かるんです♡ これを味わったら、分かっちゃったんです♡ 私の体、これのために、女にできてるんだって♡」
ちゅ、ちゅっ――と、ヘルハは龍斗の陰茎にキスをしながら、湛えるように語った。
「ずっと、ずっと待ってたんです♡ いつか、私に夢中になってくれた殿方に、激しく求められるのを♡ いまがそうだと思うと、怖いことなんて、なにもありません♡」
ヘルハは体を起こし、ベッドの上に上ってくる。
龍斗の腕に収まるように、乳房を眼前に差し出すように。
その身動きと言葉は、この体をあなたの好きにしていいと訴えるものだった。
「ですから、ね♡ 条例のことも、ありますし……」
人がせっかく、未経験だからと我慢していたのに。
その気遣いを無に帰すように、彼女はこちらを煽り、誘い、ケダモノへと唆す。
「もし、そういう趣向がお嫌いでなければ……」
気化した媚薬のような香りと吐息を振りまいて、淫らな獣が耳元で囁いてくる。
「まだ男を知らないこの体――あなたの思い通りに、犯してくださいませ♡」
頭の中で、火花が散ったような気がした。
声に魔力でも込められていたのか、目を介した『誘惑』のように、龍斗の頭を獣欲が席巻していく。
「このっ」
「きゃっ」
生娘を扱うための優しさは、ヘルハによって滅ぼされた。
「男にそれを言ったら、もう後戻りできないからなっ!」
龍斗は強引に彼女をベッドへ倒し、背中と尻をこちらに向けさせる。
「きゃうっ♡ う、後ろ、から? はふっ」
ヘルハが体位について何か言っているが、考慮する気にならなかった。
いま龍斗の目に映るのは、肉棒を始めて受け入れる処女などではなく、犯されるくらいでないと満足できない、救いようの無いド淫乱な女肉だった。
「そんなに欲しいなら――」
尻尾を掴んで尻を上げさせ、丸いヒップと滑らかな太股の中心にある割れ目に、ペニスをあてがう。
きゃうん♡ と、ヘルハは子犬のような悲鳴を上げて震え上がる。
しかし逃げるようなことはせず、呆れるほど従順に、挿入の瞬間に備えて動かない。
こちらを振り返るその瞳には、いくらかの不安を宿しながらも、それを覆い隠すほど濃い情欲に濡れていた。
「くれてやるよっ!」
お望み通り遠慮せず、一気に奥まで貫いてやった。
○
その頃、カトレインは、猛烈な自慰に耽っていた。
「ふぐぅっ♡ あぁぁっ♡ あうっ♡」
ヘルハと二人で借りているアパートの一室、ルームメイトの不在をいいことに、ベッドの上で全裸になり、ディルドを膣内に叩き込む。
教室では地味で一歩引いた性格のカトレインにしては、激しいマスターベーションだ。
(いまごろ、ヘルハは、龍斗様と……っ♡)
イーリスに「どちらか彼に抱かれろ」という趣旨の命令を受けたとき、カトレインは驚くと同時に歓喜した。
ついにこの日が来てくれたのだ――と、体が歓喜した。
恥ずかしい話、その時点で下着が湿ってしまうくらいだった。
だからこそ、ヘルハと行ったコイントスの結果が恨めしい。
(きっと、こんなんじゃないっ♡ 殿方のっ、指もっ、体もっ、あれも……っ♡)
カトレインは自分の乳房に片手の五指を食い込ませ、もう片方の手でディルドを最奥まで突き入れる。
普段の自慰よりずっと激しく、少しでも男の力強さを再現するように。
(ああ、気持ちいいっ♡ イってるのにっ、止めたくないっ♡ 痛いのに、もっとしたいっ♡ いままで、こんなこと、なかったのにっ♡ )
妖女としてスイッチが入ってしまった体は、当人が驚くほど貪欲になっていた。
龍斗という男を意識した頃から、彼に抱かれることを強く実感してから、体が雄を受け入れられるよう準備している。
「んああぁぁぁっ♡ いっ、くぅぅぅっ♡」
(ずるいっ♡ ヘルハばっかりっ、イーリス様ばっかりっ♡ 私もっ♡ 私だってぇ♡)
順番が最後になってしまっているカトレインは、喘ぎながら二人を恨む。
身勝手な話だ。いざ自分が先となれば緊張して怖気づくだろうに、自分が後になると急に羨ましくなる。
いま自分が味わっているものより凄い快感を、もう彼女らが知っているのだと思うと、どうしても嫉妬心が生まれる。
関係を険悪にするようなタイプの嫉妬ではない。
私も私も――という、子供じみた、欲を掻き立てられているだけのヤキモチだ。
(私だってっ♡ 龍斗様にぃ♡ 蹂躙っ、されたいのにぃっ♡)
今宵、ヘルハが済ませれば、順番的に次は自分だろう。
早ければ明日にでも、自分は彼の手で女にしてもらえるのだろう。
それでも、そうと分かっていても――
「あああぁぁぁっっっ♡ イクイクっ♡ 龍斗様ぁっ、イキましゅぅっ♡」
火が点いてしまった獣人系妖女には、あまりにも長すぎる『お預け』だった。
○
龍斗の肉棒は、びっくりするほど簡単に、ヘルハの中へ受け入れられた。
じゅぽっ! と滑るような音がすると、陰茎がぷりぷりの膣壁に引き絞られる。
「んあっ!? あっ♡ あああぁぁぁっっっ♡♡♡」
後背位で受け入れた肉棒に、ヘルハは当初こそ驚くような声を上げた。
それは瞬く間に激しい官能へと変わっていく。
「う、おっ」
絶頂のバイブレーションが掛かった膣内の感触に、龍斗は思わず声を零した。
あまりにも簡単に、男根を吞み込まれた。
「はふっ♡ はふっ♡ はいって、きたぁ♡ あっ♡ らめっ♡ おくっ、当たるとっ♡ っきゅぅぅぅうううんっ♡」
しかもヘルハは達している。
成長過程で処女膜を失う妖女とはいえ、本物の肉棒は初めてだろうに。
突いたら処女でも五秒で絶頂し始める――妖女らしいと言えばらしい、容易に快感で染められてしまいそうな反応だった。
「ああ、ヘルハの中、気持ちいいな」
「ふぅぅっ♡ うれ、しっ♡ んあっ♡ だめっ♡ 中にっ、龍斗様のがっ、あるだけでっ♡ 私またっ……んぁぁぁっ♡」
同じ妖女でもイーリスとは微妙に肉壷の形状が異なる。
根元から亀頭まで均等に掛かる膣圧と、舐め上げるような内壁の動き。
顕著な反応を示す『弱点』は無いが、膣内のどこを刺激しても一定の反応があり、膣全体で男を感じていることが分かる。
――つまりこれは、どんな風に突いてもいい便利なおまんこだ。
「動くぞっ」
「んあんっ♡」
宣言した龍斗の声音は強めだったが、腰の前後運動はゆっくりとしたものだった。
「ああぁぁ♡ 動いてるっ♡ 私の、なかでぇ♡」
しかしその緩やかな往復でも、カリに膣を掻かれ、とっくに降りていた子宮口にキスされるだけで、ヘルハの下腹部から快感が炸裂する。
「どこが一番気持ちいい? 言ってみな?」
「全部っ♡ 当たってるとこっ、全部ですぅ♡ んあっ♡ でもっ♡ 奥っ♡ 一番おくがっ♡ 一番っ、びりびりぃってぇ♡」
『開発』など必要なかった。
人間女性なら刺激に慣れないと快感が生じないポルチオなども、妖女は最初から性感帯が張り巡らされている。
妖魔界で起きてきた長年の淘汰により選りすぐられてきた、天性の淫乱体質が、ヘルハの脳に爆発的な快楽を生み出していく。
「いいぞ、ゆっくりペース上げてくからな。辛かったら言うんだぞっ」
「んあっ!? うそっ♡ まだっ、気持ちよくっ♡ 気持ちいいのっ、おっきくなるぅっ♡」
突くたびに激しくなっていく女の嬌声。
それを聞いて加速していく男の腰使い。
人間性の皮を脱ぎ捨て、獣性を露にしていくまで、時間は掛からない。
「んおっ♡ ああぁぁっ♡ おくっ♡ ぶつかって♡ あおっ♡ こえっ♡ 出ちゃう♡ んおっ♡ おっおっおっ♡ あああぁぁぁっ♡」
想像を絶する悦楽に翻弄されていたヘルハが、徐々に言語を失っていく。
その声には、オスを待ちわびていた妖女の本能が色濃く滲んでいた。
彼女の体は、彼女の心の順応を待たず、肉棒から子種を搾り取ることに特化した性獣へと生まれ変わろうとしていた。
(結構ハイペースになってきたけど、まだ平気なのかっ?)
ぱんっぱんっぱんっ! と、ヘルハの尻に下腹部を衝突させながら、龍斗は息を呑む。
ヘルハは早くも膣の収縮を合わせ、こちらの前後運動に対して搾り取るような反応を見せていた。
「おおっ♡ んおぉぉ♡ あっあっあっあああぁぁぁ♡ くぅぅぅんっ♡ おっおっおふっ♡」
彼女が何度も絶頂していることは、声と痙攣で分かる。
にも関わらず、拒否するような素振りがない。
(いくら妖女でも、慣れる前は、イキすぎるの怖がるのにっ)
イーリスのときもそうだった。
絶頂は悦楽だが、過酷な運動でもある。無理をさせれば疲れ果ててしまう。
だから少しずつペースを上げていき、ヘルハが許容できる限界を見出す気でいた。
「平気か? ヘルハっ。聞こえてるかっ? 大丈夫かっ?」
「んおっ♡ おおんっ♡ おおおぉぉぉっ♡ おふっ♡ ああふっ♡ あおぉんっ♡」
突き続けながら聞いても、犬そのものといった喘ぎしか返ってこない。
連続絶頂に陥り、言葉を紡ぐ余裕も無いのだろう。
しかし――腰が縦に動いた。
じゅぶっ、じゅぶっ! と、龍斗のペニスを受け入れながら、水音を立てて上下する。
(こいつっ、おまんこで頷いて……っ!)
喋る余裕が無いからそうしたのだろう。
それがどれほど『好き者』のすることであるかも、よく知らないだろう。
「そうかっ、なら遠慮しないぞっ!」
龍斗はヘルハの腰を掴み、自由奔放に腰を躍らせた。
ストレートに連打したかと思えば、上下に角度を変えて緩急を付け、即興のダンスでもするように。
「おおおっ♡ んおおぉんっ♡ あおっ♡ お゛お゛お゛お゛っ♡♡♡」
ヘルハは目を剥き、髪を振り乱して、嬌声を高める。
突き入れられる肉棒の角度が僅かに変わるだけで、同じ快感でも音色が違う。
単純なリズムでしかなかったピストンが、音楽に変わり始めた。
妖女の過敏な性感帯にとってそれは、新たな世界が始まったようなもの。
ただ突かれるだけでも想像を絶していたエクスタシーが、序の口に過ぎないと思い知る。
体がもたずに意識が飛んでしまう子も少なくないが――
「おひゅっ♡ ふおぉぉっ♡ あおっ♡ おおんっ♡ も、っと♡ んああぁぁ♡ りゅ、と、しゃまっ♡ おっおっおおおぉぉぉ♡」
ヘルハは耐えている。
膣内を蹂躙され、子宮口を打楽器のように叩かれ、体を玩具のようにされる体験を、一度で受け入れている。
(この子、頑丈だ……っ)
怪我や病気にという意味ではない。
快感の許容値が高いのだ。
普通の妖女ならセックスに慣れないと許容できないオーガズムの嵐に、最初から耐えている。
強すぎるお酒を味わえるように、大きすぎる快感を味わえている。
「あへぁっ♡ もっろ♡ あおぉぉぉんっ♡ いいっ♡ おひゅっ、あひゅっ♡ しゅきっ♡ おうっおうっおうっ♡ イクっ♡ きてぇ♡ お゛お゛お゛お゛ぉ ぉ ぉ っ♡」
どれだけイっても、イってる間にイかされても、それがずっと続いても――快感として飲み干せる肉体。
浴びるほどの飲む大酒飲みのように、気が狂うほどの悦楽を処理できる女体。
それはつまり――
「ははっ! すごいなっ!
終始、男の好き勝手にしていいということだ。
どんな突き入れ方をしても快感として受け取り、その快感が強すぎることも恐れない、オナホ扱いして問題ない女だ。
「はひゅっ♡ しゅご、い? んあぁ♡ わた、しっ♡ んおっ♡ いいっ♡ 犯してっ♡ 犯していいでしゅっ♡ こんなにっ♡ 気持ちいいならぁ♡ いくらでもっ♡ おおおっ♡」
驚いたことに、ヘルハはこの過激なセックスに苦痛を覚えていない。
「ああ、手加減しないぞ!」
そうと分かれば、思うがままに腰を躍らせた。
テクニックとか、相手の反応がどうだとか、そんな『作法』は全て忘れた。
「んおぉっ♡ おぉんっ♡ ほぉっ♡」
尻を掴んで何度も突いた。
上下どころか左右にも角度を変えた。
奥へ突っ込んでネジを回すように擦ったり、気まぐれに尻を叩いたり尻尾を握ったり。
一部の動物が捕食する前に獲物を弄ぶかのように、突いて突いて突きまくった。
「ひぃあぅぅぅ♡ いきゅぅぅぅっ♡ ずっとぉぉぉ♡ りゅ、と、しゃまっ♡ ずっと♡ あああぃぃぃっ♡」
ヘルハがこちらを振り返る。
意識が飛んでは戻っているのだろうか、目の焦点は合っていない。
表情はどこか懇願するようであるが、休ませて欲しいのか、もっとして欲しいのか、どちらとも受け取れる。
どちらにせよ、その願いは叶えられそうだ。
龍斗にも射精の瞬間が近付いており、ラストスパートに入っている。
責め立ては最高潮に達し、彼女にも間もなく休みが訪れるだろう。
「ぐ、あ……っ!」
野獣と化して腰を振る間、龍斗の脳内にもトリップが訪れる。
どこかの平原で、一匹の獣と化して駆け回り、月に向かって吼えるような気分。
知性を失ったケダモノとなりながら、気がつけば彼女の子宮に精を解き放っていた。
「おっ♡ おおおぉぉぉお゛お゛お゛お゛お゛っ っ っ ♡♡♡」
ヘルハがシーツを握りこんで絶叫する。
膣内射精と同時に始まった大絶頂で痙攣し、その振動を保ったまま膣を限界まで引き絞り、龍斗の精液を搾り取る。
「はぁっ、はぁっ」
「おっ♡ おふっ♡ おぉぉ……っ♡」
やがて部屋に残されたのは、一対の獣たちが立てる荒い呼吸のみ。
窓の外では、暗くなった空に、金色の月が輝いていた。
ご一読いただきありがとうございました。
二人目の犬娘が尻尾を振る話でした。