誘惑禁止条例 ※性犯罪被害は条例違反にあたらない 作:大中小太郎
妖女を抱くときの心得とはなにか。
誘惑禁止条例により自分からは誘えない妖女に、形だけ脅迫や強要をすることで、性犯罪の被害者であるという免罪符を与える――これは前段階。
実際に手を触れる段になれば、次の作法というものがある。
一般的に女性を扱うなら優しく丁寧に、豆腐か何かだと思って触れよと語られてきた。
妖女の場合は?
「んむぅっ!?」
――最初は痛いくらいに強い刺激を与えて、体を過敏にしてやることだ。
「ちゅっ♡ あっ♡ んんっ♡ ふぅっ……ぷあっ♡ やっ♡ あぅぅっ♡」
隼樹はイサミの唇を貪る。
その身を抱き寄せ、サバ折りにでもするように、男の力で強く抱き締める。
同時に桜色の唇に吸い付き、吸引力で抓るように啄ばみ、軽く歯も立ててしまう。
「いっ……やぁ♡ ちゅっ……ちゅぷ♡ ん……んんっ♡」
抱擁というより拘束、キスというより甘噛み。
粗忽すぎる導入に、未経験であろうイサミは驚き、無意識に身をよじって抵抗する。
目の前にある彼女の顔は、眼鏡の奥にある瞳を涙ぐませ、慈悲を請うように眉尻を下げていた。
「抵抗しないで」
口を離して小声で命じると、イサミはびくっと震えて動きを止める。
自分のような醜男にそう言われては、嫌悪感に青褪めても責められない――はずだった。
「っっっ♡」
しかしイサミの顔は青褪めるどころか赤らみ、吐息と瞳が熱を帯びる。
まるで、一度は聞いてみたい『殺し文句』を聞いてしまったかのようだ。
喜ばれている。
自分のような男に、強引に体を奪われるというのに、この子は喜んでいる……っ!
そうと知った隼樹は、再びイサミと唇を重ね、今度は舌を挿入していく。
「んむっ!? ん♡ んっ♡ あむ♡ ちゅるっ♡」
当初は、開かれない口の歯に止められ、唇を裏から舐めるだけだった。
それだけでも、過敏な妖女には衝撃の快感なのだろう、見開かれたイサミの瞳がより強く色情を点す。
「あ……あぅ……んむ♡」
隼樹が舌先で口を開くよう催促すると、イサミが観念したように顎を下ろし、入り口を開いた。
男の舌が、芋虫のように、美しい少女の口内へと侵入していく。
「んふ♡ あふっ♡ れろ♡ れるっ♡ ちゅぱ♡」
絵面だけ見れば、醜い男が美しい女を汚すような光景だ。
しかし水音が続くに連れて、イサミの抵抗は失われ、恍惚とするような半眼で隼樹を見詰める。
イサミの手はいつしか隼樹の肥満体を抱き、口内で暴れる舌に己の舌を絡めていた。
「れろ♡ じゅる♡ ちゅぷ♡ あむ♡」
自ら男の舌と唇を重ね、その味と感触にうっとり恍惚とする。
(イサミさんって、こんなに、エッチな顔でキスするんだ……)
知的な優等生という印象だった。
半妖女ということもあり性的な魅力は控えめで、見る目のある男が清い交際の末に、初々しくセックスをする――そんな傾向だと思っていた。
とんだ勘違いだった。
彼女も妖女なのだ。混血であっても、やはりその体は人間よりも妖女側なのだ。
「んあぁっ♡ はふっ♡ あっ♡ ふぁぁっ♡」
背中を抱いていた手を尻に下ろして、スカート越しにヒップを掴む。
もう片方の手は胸に運び、ワイシャツ越しに下着と半球の感触を捉えた。
イサミはそのどちらにも体を震わせながら、しかし抵抗らしい抵抗もせず、表情と声音に快感を帯びさせていく。
(ミースさんと、同じだ。最初に強く掴んで驚かせてから優しくすると、すごく敏感になる……っ)
プレッシャーを掛けた後に優しくされると女は堕ちる――という陳腐な手口が、体に有効なのだ。
広く深い性感帯を強い刺激で目覚めさせ、浅い愛撫で焦らしてやると、途端に向こうから求め始める。
本物のレイプをされた女性の体は防衛本能で濡れるようにできている――などというが、妖女はそれが顕著なのだろう。
「イサミ、さんっ……ベッドに!」
「ひゃっ♡ は……はい……」
改めて理解した――妖女に、人女の生娘と同じ扱いは必要ない。
ひとたび性的興奮が昂ぶれば男を受け入れる準備を始める、ちょっとやそっとでは壊れない女体。
数少ない男を射止めるために淘汰されてきた結果生まれた、男の欲望に最適化された淫らな種族。
雄の本能に任せて扱うことこそ、彼女たちには最高のテクニックなのだ……!
「あ、あの……ひとつ、だけ……」
「なに? なんでも言って」
ベッドで仰向けになったイサミが、唇を震わせながら、何かの頼みごとを口にする。
やり方に注文があるなら喜んで応じる。足を舐めろと言われても気にならない。
隼樹もそのくらい興奮しており、そんな隼樹に、イサミは――
「隼樹くんって……名前、呼んで、いいですか? 私のことも……呼び捨てが、いいです……♡」
あまりにいじらしく、可愛らしいお願いを口にするのだった。
「ああ、いいよイサミ」
「あうぅんっ♡」
仰向けになったイサミの双丘に手を置き、円を描くように愛撫すると、イサミは過敏に震えて嬌声を上げた。
「平気……隼樹くん、私もう、平気ですっ♡ 私だって、
痛くても、強くても、大丈夫っ♡ 分かっちゃうんです♡ それが一番、気持ちいいってぇ……っ♡」
口から出る吐息が白むほど興奮しているイサミは、パン生地でも捏ねるように乱暴な愛撫に、苦痛を訴えない。
隼樹の手が動く度に嬌声を織り交ぜて、より興奮させるような言葉を必死に紡いでいる。
自分の体が、どんな風にされれば快感なのか、肌で実感したからだ。
「……っ!」
好きにしていい――全身でそう訴える女を前にして、隼樹は生唾を飲む。
(本当、なんだ……)
隼樹は、事が始まる前に見た――『フェイ』に届いたメッセージを思い出していた。
【隼樹くんへ】
送り主はミースだった。
隼樹とイサミを二人きりにするため帰った彼女は、隼樹にメールを送っていた。
隼樹の視界にだけ生じた内容は――
【イサミちゃんは普通の妖女よりちょっと変態さんだから、遠慮しなくて大丈夫です。
太ったおじさんに女の子が犯されて陵辱されちゃうような本を部屋に積むくらい、レイプ願望の強い子です。
初めてのエッチだから、できるだけ妄想を叶えてあげてください】
親友の体に関する、取り扱いの助言だった。
(いやでも、いくらなんでも……)
そういう本なら愛読者だが、ねちっこいスケベオヤジをロールプレイするのは気乗りしない。
だから、確認してみることにした。
「イサミ、他にはない? 名前で呼ぶ以外に、僕にしてほしいこと……なんでも言って!」
イサミのブラを外しながら、隼樹は命じるように問い掛ける。
「ほ、他に? そんな、私なんかと、してくれるだけで……」
この顔立ちとスタイルで何を卑屈になっているのか、イサミは遠慮深い。
「ダメ。ちゃんと教えて。せっかくだから、イサミが一番好きなセックス、知りたいんだ」
「んんっ♡」
露になった乳房に手を被せ、指に吸い付く美乳の感触を確かめながら、更に問い詰める。
繊細な部分に男の手を感じたイサミは、ぴくっと震えながら小指を噛み、やがて伏し目がちな目で隼樹を見上げて、
「でしたら、ひとつだけ……」
ゆっくりと乳房を愛撫しながら、彼女の『おねだり』を待つ。
「ミースと、同じように、してください……私だって、負けたく、ないですから……」
隼樹は目を丸くする。
それはすぐに喜色に変わった。
イサミが、自分とミースの関係を知っていたことについては、驚きはしたが意外ではない。
そんなことより、彼女がミースに対抗意識を燃やしてくれていることが、妙に優越感を刺激した。
また、それ以上に――
「本当に、いいの?」
ミースと同じようにするということの意味を、イサミはまだ知らない。
イサミは一瞬迷ったが、自分の本気を示すためと考えてか、緊張気味にこくりと頷いた。
「なら――『誘惑』してくれる?」
「え……?」
イサミの乳房から手を離し、顔の左右に手を添えて、彼女の目を見詰める。
やはり『誘惑』は意外だったらしい、イサミは眼鏡の奥でキョトンと目を丸くしてから、意味を悟った。
「ゆ、『誘惑』って……っ! そ、そんなっ、そんなことっ! ミースが? 隼樹くんに……っ!」
顔を真っ赤にして慌てだすイサミに、隼樹は顔を近づける。
目を間近に合わせる行為――これは妖女に対して男性が行う、最も『無防備』な行為だ。
妖女と長時間ずっと目を合わせることは、『誘惑』をされても構わないという意味を持つ。
「同じようにって言ったよね? なら、やって。それなら僕も、思いっきりできるから」
「で、でもっ! そのっ、男性が『誘惑』に同意するっていうのはっ、それこそ正妻との間でしか――」
「イサミ」
「んむっ♡」
唇を重ねて説得する。
キスで女を黙らせるなんて真似、人生でする日が来るとは思わなかったが、自然としていた。
「んっ♡ ちゅる♡ はぅっ♡ だめ♡ 男の人を、『誘惑』、なんてぇ……んむぅっ♡」
イサミはキスを拒まず、舌でも応えてきたが、『誘惑』には踏み切れない。
それは、男性にそんなことをしてはいけないという、妖女の倫理観だ。
好きな人にそんなひどいことはできないという、善良であるが故の躊躇いだ。
それをぶち壊してやるために、より激しくキスをする。
「んっ♡ んむぅっ♡ ちゅるっ♡ あむっ♡ んんっ♡」
イサミは息遣いを荒くして、舌と唇で懸命に隼樹のキスに応えようとする。
その間も隼樹はイサミと目を合わせ続け、いつでも彼女が『誘惑』できるよう、目を晒し続けた。
「――『誘惑』されると、イサミの思い通りになっちゃうんだよね?」
「ふあっ♡ あぁぁぅぅぅっ♡♡♡」
口を解放し、イサミの乳首を軽く摘んで揉み解すと、イサミは口を開いて嬌声を上げた。
「イサミが男にされたいって思ってること、夢中にするようになっちゃうんだよね?」
催促するように左右の乳首を指でくすぐると、イサミは自分の手で口を塞いで、首を左右に振る。
混血でも妖女だ、過敏になった体は準備万端、このまま隼樹の好きにしても満足してくれるだろう。
「いいよ。イサミの願い、叶えてあげたい。男にされたいって思ったこと、僕がしてあげるから。ね?」
隼樹のその台詞は、妖女に対して、人権すら放棄して奉仕すると宣言していた。
およそ妖女が一生に一度は男に言わせてみたいと願い、叶わずに一生を終えるような言葉だ。
「はうっ♡ ふああぁぁ♡」
イサミは感極まり、乳首で達しながら目尻に涙を溜める。
夢にも思わなかった女の幸福が、いま自分に授けられているのだと理解して。
「ほら、早く――イサミの『眼』で、僕の頭の中、好きにしていいよ?」
妖女に対して決して口走ってはならないとされる、究極の誘い文句だった。
「はふっ♡ ふぅぅっ♡ 本当に、いいんですねっ? ど、どうなっても――」
イサミの眼鏡の奥で、瞳に魔力光が湛えられる。
「もう――
眼を合わせた隼樹の脳内に、『誘惑』の魔力が花開いた。
○
パチン――と、電気のスイッチをONにするような感覚が、脳内にあった。
『誘惑』はテレパシーに似た能力だ。
相手に対して自分の感情を『共感』させることで、自分の熱情や願望を、相手にも『自分のもの』として知覚させる。
よってこの瞬間、隼樹が知覚した己の情欲は、イサミから届いてきたもので――
「っっっ!!」
その内容は――体中をむしゃぶり尽くしてやりたい――という、貪欲な劣情だった。
「んあぁんっ♡」
目の前にあったイサミの乳房に食らい付く。
甘い果実を噛み砕くように歯を立て、柔らかさを堪能しながら口内へと吸い上げる。
胸の膨らみに歯形を付けるような、過激な行為だった。
「あっ♡ いたっ♡ やぁぁっ♡ 隼樹、くんっ♡ そんなっ、噛んじゃぁ♡」
イサミは歯の食い込む痛みと感触に悲鳴を上げるも、明らかな興奮が見て取れる。
五指で乱暴に掴まれ、乳首を引き抜くように吸い上げられる、猛獣に捕食されるかのような行為に。
繊細な女体に対しては暴虐と言ってもいいくらいの、正しく男に犯される女の体験だ。
「こんなっ! こんな風にっ、されたかったのかっ!」
がぶがぶと乳輪を歯で引っかき、音を立てて乳首を啜りながら、隼樹はイサミを責める。
「はひゅっ♡ そうれすっ♡ これっ、あぁっ♡ 男の人がぁ♡ 私の胸ぇ♡ 食べてるっ♡ 夢中でっ、貪ってるぅ♡♡♡」
イサミは白状しながら、受け入れるようにこちらの頭を掻き抱く。
「ああ、エロいっ。着やせするタイプだと思ったら、それどころかっ、こんなマゾな体してただなんてっ!」
「んあっ♡ あはっ♡ ごめ、なしゃいっ♡ だってっ♡ 気持ちいいっ♡ 強くされるとっ♡ 痛くても気持ちいいいからぁっ♡」
乳房の根元から乳頭までを前歯で掻くと、その刺激にイサミが仰け反りながら震える。
指の間で乳首を捻るように転がすと、顔を左右に振って嬌声を上げた。
「なら言ってみろよっ! ほらっ、
高圧的な口調に、隼樹自身が驚いていた。
一人称も変わっている。
恐らくこれは、イサミから『誘惑』によって届けられた、理想の男性像なのだ。
「強引っ♡ 強引にっ♡ 感じさせてくだしゃいっ♡ 私が、怖がったりっ、嫌がったりしてもっ♡ 止めずにっ、無理矢理っ♡ イカせまくって♡ 自分じゃ怖くて行けないところまでっ、連れて行ってくだしゃいっ♡♡♡」
彼女が望んでいるのは、言うなれば快楽堕ち。
強制的に叩き込まれる快感で、淫らに堕ちてくるってしまいたいという、破滅願望にも似たマゾメス体験だった。
「ははっ、なんだよっ! 教室じゃ優等生ぶってるくせに、とんだ変態じゃないかっ!」
隼樹はイサミのスカートへ無造作に腕を突っ込み、指先を濡れた下着に侵入させて手淫を繰り広げた。
「んあぁっ♡ ゆびっ♡ 指がぁっ♡ 中にっ♡ 男のっ、長いっ、太いっ♡ 指ぃ♡ ふあっ♡ 中でっ、暴れてっ♡ ああぁぁんっ♡」
自慰の経験は豊富なのだろう、濡れそぼった陰唇はあっさり男の指を受け入れた。
準備運動のような時間は与えず、始めからハイペースで掻き回してやると、イサミの体がベッドの上で跳ねる。
「こんな乱暴にされても感じるんだっ? ああ、分かるぞ。ずっとこうされたかったんだろっ? お前みたいな変態妖女はっ、こういうの大好きなんだよなっ!?」
「はひぃ♡ ごめんなしゃいっ♡ 私っ♡ あひっ♡ 好きぃ♡」
くちゅくちゅくちゅくちゅ!! と卑猥な音を響かせながら、隼樹の手が加速する。
「人間界にぃ♡ 来たらぁっ♡ 犯してもらえるってっ♡ エッチな本に出てくるスケベなおじさんがっ♡ 下心いっぱいにっ♡ 迫ってきてくれるってぇ♡ 思ってたんですっ♡ でもっ♡ そんなことなくてっ♡ でもぉ♡ 一度だけっ♡ 一度でいいからっ♡ されてっ♡ みたくてっ♡ あああぁぁぁっっっ♡ イクイクおっきくイキますぅっ♡♡♡」
イサミは一際に大きな絶頂に襲われ、ブリッジするような姿勢で痙攣し、隼樹の手中に愛液を撒き散らした。
「それで? このドスケベな体を知られちゃって、死ぬほど気持ちよくされたかったんだろっ!?」
陰部への責めは止めて、再び乳首を吸ってやると、イサミは大絶頂の余韻に快感を追加され、恍惚とした声を零した。
「ふぁぁぁ♡ それぇ♡ でしゅぅ♡ エッチなのっ、変態なのっ♡ 知られちゃってっ♡ 漬け込まれてっ♡ 快楽で支配されちゃうっ♡ そんなっ♡ ヒロインがっ♡ ずっと羨ましくてっ♡ あひゅっ♡ いまっ、されてりゅぅ♡ エロ同人みたいな陵辱ぅ♡ してもらえるっ♡」
隼樹にシャツとスカートを脱がされながら、イサミは性癖を吐露していく。
ミースから聞いていた通りの、かなり拗らせた変態マゾ。
「そうかよ。じゃあ、こういうのも好きじゃないか?」
隼樹も興奮を隠さず服を脱ぎ捨て、とっくに張り詰めていた肉棒を、イサミの前に突き出す。
「はぁっ♡ はぁっ♡ おっきっ♡ ふぁぁぁ♡ 太いぃ♡ それがっ♡ ああぁ♡ 私のことっ♡ 女にしてくれるっ♡ 隼樹くんのぉ♡」
グロテスクな怒張を前にして、イサミは両頬に手を添えながら見蕩れていた。
映像などで親の顔より見てきたが、実物を前にしたのは初めてなのだろう。
「あっ♡ まさか……」
隼樹は仰向けになったイサミの腹に跨り、怒張を胸の谷間に乗せる。
服の上から見た印象よりずっと豊満だった乳房を両手で寄せると、深い谷間が吸い付くように肉棒を抱擁した。
「このデカ乳っ、使わせてもらうぞっ!」
隼樹はイサミの巨乳を持ち上げると、谷間を膣に見立てて肉棒を前後させる。
「ふわぁっ♡ これっ♡ ああっ♡ 胸でっ♡ 強制パイズリっ♡ おっぱいが、犯されてるっ♡」
イサミは驚いていたが、その顔色は「予想もしなかった嬉しい体験」に対する喜色だ。
一度されてみたかった――それ以外に解釈できない。
『誘惑』を受けた隼樹には分かる。
いま、自分が無意識に「したい」と思うことは、彼女が心のどこかで「されたい」と思っていたことなのだ。
「ほらっ、見えるかっ!? このおちんぽが、これからお前を犯すんだぞっ!」
乳房を左右から手で押さえて圧を掛けながら腰を動かすと、肉棒の根元から亀頭までを柔らかな肉に包み込まれる。
そんな快感をもっと貪ろうと、激しく腰を振ると、イサミは大口を開けて舌を突き出した。
「はひっ♡ 見えますっ♡ 隼樹くんのっ、立派なのぉ♡ 私のおっぱい、出たり入ったりしてっ♡ ああ熱いっ、擦れるっ♡ おっきくて固いのが擦れてっ♡ ああ指っ♡ 指も深いぃぃ♡ 私の胸ぇ♡ 男の人にっ、使われてっ♡ エッチに使ってもらってるぅ♡♡♡」
両手の指を立てて、乳房の形を卑猥に変える。
イサミは男根で陵辱される自分の胸を間近に見て、ビクビクと震えながら全身を紅潮させていく。
「ああ凄いぃ♡ こんなに夢中にっ♡ 腰を振ってっ♡ 私なんかの胸でっ、気持ちよくなってくれてるっ♡ やっとっ♡ やっとぉ♡ おっぱい役に立った♡ 隼樹くんのことっ♡ エッチにできてるっ♡ ああやだっ♡ 気持ちいいっ♡ おっぱい揉みくちゃにずぽずぽされるのっ♡ 感じてるっ♡ ふあっ♡ お礼っ♡ お礼しないとっ♡」
乳内を犯している肉棒に、イサミは感謝のような念すら口にして、自ら舌を伸ばし始めた。
「あむぅっ♡ んちゅっ♡ 美味しっ♡ あふっ♡ ちゅるるっ♡ 隼樹くんのっ、おちんぽ様ぁ♡ ちゅるっ♡ もっと、気持ちよくっ♡ んちゅっ♡ あはぁ♡ なってぇ♡ 私の体でっ♡ 悦ばせてっ♡ あげる、のぉっ♡」
男の快楽のためだけに乳房を使われる、屈辱的であるはずの体験にあって、イサミは奉仕の姿勢を見せ始めた。
谷間から顔を出した亀頭に舌を這わせ、首を曲げて口を寄せ先端を吸う。
その舌使いは情熱的で健気ですらあり、隼樹の肉棒はより硬度と大きさを増していった。
しかし、流石に素人のフェラでは、射精には至らない。
「ああ……もう我慢できないっ! 挿れるっ! 挿れるぞっ!」
「はうっ♡ くる? 来るのぉ? 私にっ♡ 私の、中にいぃ♡」
イサミの腹から退いて足の間まで後退する。
いよいよ挿入と理解して、イサミは乙女のように緊張するが、それ以上に興奮が色濃い。
「平気だよな? お前みたいな変態は、ディルドでたっぷりオナニーしてるんだろっ?」
スカートと下着を掴んで引くと、イサミはぎこちなくも腰を浮かせて脱がされる。
露になった恥部は、驚くほどに美しい。
毛も一本なく綺麗に整えられた秘部は、卑猥さと同時に清楚で慎ましい印象を与えられる。
それでいて愛液で満たされているのは淫らこの上なく、指で開いてやればピンク色の粘膜が貪欲に収縮していた。
「はぅぅ♡ ごめんなさい、いっぱいしてますっ♡ ハーフだけど、妖女だからぁ♡ 処女膜、勝手に消えちゃって♡ オナニーも、いっぱい♡ いつか、男の人を受け入れるとき、困らせないようにって……っ♡」
荒い息遣いと共に白状するイサミ。
成長と共に処女膜が消える妖女は、乙女であっても破瓜は無い。
大抵は男子より早く自慰を覚え、何かしら棒状のものを使い始めるので、初体験での失敗などありえない。
「はは、そうかぁ。イサミもやっぱり妖女なんだなぁ」
隼樹はその両足を開かせる。
抵抗気味な太股を両手で撫でてやると、イサミの足から力が抜けていく。
「ほら、これが入るんだよ?」
「ひぅぅっ♡」
隼樹が逸物の先端で割れ目をなぞると、イサミは腰を浮かして身悶えた。
視線は自分の秘所と隼樹の怒張に釘付けで、肉棒に侵入される瞬間を、怯えながらも心待ちにしていると分かる。
「あうっ♡ だめぇ♡ 分かる、分かっちゃいますっ♡ それが、来たらぁ♡ きっと、私っ♡ すっごく感じちゃうっ♡ 体中が、言ってるんですっ♡ これを、隼樹くんのこれを待ってたんだってっ♡ きっと私、一突きで――」
最後まで聞くことができなかった。
陰唇にペニスが触れただけで恍惚としているイサミが、あまりに淫らで、我慢できなかった。
「こう、かっ!?」
前触れ無く亀頭を沈ませ、一息に突き入れる。
ずぶんっ♡ と、呆気なく吸い込まれる陰茎が、熱い膣壁に鷲づかみにされた。
「んお゛ぉぉぉぉっっっっ♡♡♡ きたぁっ♡ 中にぃっ♡」
亀頭が膣口を押し広げた瞬間、イサミは獣のように叫びながら目を見開く。
腰を震わせ、体が反り返り、膣ヒダが急速に絡みついてきた。
「おおっ、イってるな? 本当に一突きで滅茶苦茶にイってるじゃないかっ!」
イサミの体内に包まれた肉竿を、無数の突起が撫で上げる。
細い触手が同時に愛撫してくるような感触は、妖女の名に相応しい快感を隼樹へと与えてきた。
「お゛ぉっ♡ おほっ♡ ああぁ……あひぁ♡」
イサミは人生初の生肉棒に驚き、放心していた。
日課のように開発してきた膣が、念願の『本物』を手に入れて、歓喜している。
妖女だ。混血とは思えないくらい、彼女も妖女だった。
処女なのに挿入されただけで達し、体中どこに何をしても快感として受け止める、男の肉欲に最適化された種族。
「おめでとう。これで一人前の
隼樹が遠慮なく腰を降り始めたのは、雄の本能か、それとも『誘惑』で強いられたイサミの願望だったのか。
「はひっ♡ ああぁっ♡ あっ、ああぁんっっ♡」
肉棒が突き込まれるとイサミの膣ヒダが絡みつき、引き抜けば追い縋るように締め付けてくる。
そんな極上の名器に、隼樹は夢中になって腰を振る。
「おお、いいぞぉ。おまんこが吸い付いてるぞっ! 初めてなのに上手じゃないかっ」
「お゛ぉっ♡ おほっ♡ ああうっ♡ あへぁっ♡ しゅごいっ♡ これっ、しゅごいのぉ♡」
「何が凄いんだっ、言ってみろよっ!」
「セックスっ、ですっ♡ おちんぽっ、でしゅっ♡ わたひっ♡ あへぁっ♡ こんな、気持ちいいのっ、初めてでぇっ♡ んああぁっ♡ これ好きぃっ♡ もっとしてぇ♡ おちんぽずぼずぼってしてぇぇ♡」
エロ同人のような台詞を全力で叫びながら、イサミは手を伸ばしてきた。
招かれるように覆いかぶさると、足を腰に絡めてより深く繋がろうとしてくる。
あまりに貪欲な、娼婦のような行為。体に流れる妖女の血が、こういうとき何をすればいいのか知っているのか。
「ああっ、凄いっ! おちんぽがっ、奥まできてるっ♡ んああぁっ♡」
「ああ、お前の中は気持ちいいよ。気に入ったっ。ほら、ここだろ? このあたり擦られるの好きだろっ?」
「んお゛ぉっ♡ そこっ、好きっ♡ しゅきなのぉ♡」
隼樹はイサミの腰を掴んで角度を変えながら、膣内を抉るように刺激する。
「ああイく、もうイッちゃう! またイクッ♡ あああぁぁぁんっ♡♡♡」
瞬く間に絶頂へと押し上げられていくイサミ。
膣ヒダが蠢いて肉棒に絡みつき、根元から先端まで波を作るように膣圧を変える。
まるで男を絞ることに慣れたビッチか人妻めいた膣壁運動に、隼樹も堪らず腰を加速させた。
「あーイっちゃったね。本物おちんぽで奥イキするの知っちゃったなぁ! もうこれ無しじゃいられないぞお前?」
斜め上から突き落とすようなマッチングプレス。
体重を乗せながら腰を打ちつければ、肉棒の先端が固い子宮口を叩き、その度にイサミの体が痙攣する。
「んお゛っ!? ああぁっ♡ これっ、すごいのぉ♡ 隼樹くんのっ♡ おっきな体にっ♡ ふほぉっ♡ 押し、潰され、てっ♡ あひゅっ♡ おっきな、おちんぽ、がぁ♡ おくっ♡ 子宮ぅ♡ 潰してるっ♡ 私の体中っ♡ 征服されてりゅぅぅぅっ♡♡♡」
自慰とは大違いの鮮烈な快感、全身で感じる男の逞しさ、高頻度に襲い掛かるオーガズム。
妖女の体が、男の激しいピストンにより、想像を絶する悦楽へと叩き込まれていく。
「よしよし、イキやすくなってるじゃないかっ。ほらっ、これが本物おちんぽの気持ちよさだぞっ! ちゃんと味わえっ!」
「お゛ぉっ♡ らめっ♡ あひっ♡ イクのっ♡ おほおぉっ♡ どんどん、おっきく♡ ああぁぁああぁぁっイッちゃうぅ♡ イってりゅ、間にっ、もっとしゅごくイグゥゥゥ♡♡♡」
イサミは隼樹の体にしがみついて、何度も絶頂を味わう。
そのたびに膣が全力で締め付け、隼樹も気を抜けば絶頂してしまいそうになる。
隼樹は歯を食いしばりながら耐えると、イサミの肩を掴んで体を反す。
「ほらっ、次は後ろからだっ! 背後から夢中で突かれる女の快感っ、教えてやるよっ!」
イサミは隼樹に体を反され、うつ伏せの姿勢になる。
胸に負けず着痩せしていた肉付きのいいヒップと太股に、隼樹は生唾を飲んだ。
同じ裸身なのに、前後が変わるだけで興奮の種類も変わってくる。
「ほら、お尻を上げて?」
「はひっ♡ ご、ごめ、なしゃい♡ 腰が、抜け、て……」
なんと先ほどまでの連続絶頂で、腰に力が入らなくなってしまったようだ。
休憩させるべきかとも思ったが――その気にならない。
『誘惑』で彼女から転写された欲望は、
「しょうがないなぁ。そのままでいいから、ジッとしてろ」
隼樹は寝バックの姿勢で挿入することにした。
「はひゅっ♡ きちゃうっ♡ また、来ちゃうっ♡ 隼樹くんのが、入ってきちゃうぅぅぅ♡」
腰が抜けた自分を、それでも突き続けようとする男。
自分の体がこれから男の快感のために使われ、また自分も延々と果て続けるのだと理解して、イサミは震え上がる。
被虐への恐れと、快感への期待が同居した――妖女の震えだった。
「覚悟しろよ? 俺がイクまでノンストップだからなっ!」
隼樹はイサミの尻肉を掴んで左右に広げ、アヌスとヴァギナを開示すると、膣の方へと怒張を突き入れた。
ずぷんっ!! と、最初よりも勢いよく、一気に最奥まで滑り込む。
「んお゛ぉっっっ♡♡♡」
覆いかぶさる隼樹の下で、イサミが背筋を反らす。
胸に飛び込んできた後頭部をキャッチするように抱き寄せ、体重でベッドへ押し潰した。肉棒を締め付ける膣壁と、下腹部にフィットする尻肉を感じながら、腰を前後にグラインドさせていく。
「ああぁっ♡ しゅごい♡ ひうっ♡ これっ、こっちもぉ♡ 後ろぉ、怖いっ♡ 見えなくて、怖いのにぃっ♡ イクっ♡ イキかたっ♡ ちがってっ♡ これっ、これぇ♡ もっと♡ もっと知りたいっ♡♡♡」
「ったく、もうおちんぽ大好きになっちゃったのか? 賢くて真面目なイサミはどこに行っちゃったんだっ!?」
「はひぃっ♡ ごめ、んなしゃいっ♡ ふおっ♡ わた、しっ♡ あふぁぁぁ♡ えっちでぇ、ごめんな、しゃっ♡ あああぁぁぁ、またイくぅぅぅ♡♡」
イサミはシーツを摑み、枕に顔を埋めて絶叫した。
絶頂の快感が強すぎて、長い余韻が体を震わせる。
それが去るか否かというタイミングでまた果てて、オーガズムの高波から解放されない。
「おおおぉぉぉ♡ きてぇぇぇ♡ どすどすぅってぇ♡ あひゅぅぅぅ♡ 隼樹くんっ♡ んああぁぁぁ♡ オスっ♡ 雄なのっ♡ あっあっあっあっ♡ 私にぃ♡ ぱんぱんってぇ♡ おっおっおっおっ♡ ぶつけてぇっ♡ 素敵ぃぃぃっ♡♡♡」
もはや彼女が何を言っているのかも分からない。当人もそうだろう。
ただただ快感の渦に飲み込まれて、絶頂の高波を何度も味わい、その余韻に浸り、また次の絶頂へと押し流される。
隼樹の肉棒はイサミの膣壁を余すことなく擦り上げ、Gスポットと子宮口を的確に突いてくる。
「どうだっ!? イキっぱなしになるのはっ! 怖がっても止めてやらないぞっ、レイプだからなっ!」
「あひっ♡ おほっ♡ お♡ おお゛ぉんっ♡ あひあっ♡ おひいぃっ♡」
「はははっ! なんだ、その声っ! まるで獣だなっ。もうおちんぽに知性が負けちゃったかぁっ!?」
「あひぃんっ♡ ああぁっ♡ んああぁっ♡」
「なら、もっと鳴けっ! もっと乱れろっ! 俺のセックスっ、脳髄まで刻みつけろっ!」
「ああぁっ♡ はひぃぃぃ♡ うぅぐぅぅぅっ♡ ふおっ♡ おああぁぁぁっ♡」
腰を加速させると、絶頂の感覚が早まったイサミが、いよいよ人語を忘れて喘ぐ。
両手は枕を引き裂こうとするように掴み、汗を増した背筋は痙攣を続け、両足は隼樹の後ろでバタ足のように上下していた。
どこか、男に犯される女が、必死に逃れようと足掻いているようにも見える。
それが、隼樹の脳内に、本当に乱暴しているかのような背徳感を生み出した。
「このっ、妖女がっ! お前みたいなっ、ドスケベ女がいるからっ! 俺みたいな奴にすらっ、こんなにあっさり快楽堕ちしやがって!」
「あぁっ♡ ああぁっ♡ ああぁんっ♡」
もはやどんな罵りにも嬌声を返すだけのイサミ。
「調子に乗っちゃうだろうが! 人様の女性観をぶっ壊しやがって! 責任取れ淫乱種族っ!」
隼樹はイサミの腰を持ち上げながら膝立ちになる。
いまだ腰が抜けているイサミは無抵抗に尻を上げさせられ、角度を変えたピストンに目を見開いた。
「んああぁっ♡ ああぁぁっ♡ あひぁっ♡ お゛ぉっ♡」
ずちゅんっ! ずちゅんっ! と腰を打ちつけ、子宮口に亀頭を叩きこむと、イサミが白目を剥いて絶頂する。
「ほらほらっ! 分かるかっ!? お前の下半身っ、ものみたいに使われてるぞっ! オナホ扱いだぞっ! なのにおまんこ大喜びで痙攣させてっ! こんなのっ、もう手放せないじゃないかっ!」
「あひっ♡ あひぃんっ♡ しゅごい♡ これっ、しゅごぉ♡ しゅき♡ しゅきぃ♡」
女として雑に扱われていることを教えてやっても、イサミから返ってくるのは悦楽の声ばかり。
どこまでも――天性の色情狂。
揺るぎなく――真性の変態女。
ぶち込みたいだけぶち込んで、揉みくちゃにしたいだけする――それが正解となる女体。
ああ、なんてことだ。人生でそんな女と出会うのが、これで二度目だなんて。
「
もう我慢ができなかった。
女性に対して善良な男性であることを、いまこのときだけ放棄する。
たとえ脅迫や暴行まがいであっても、股間で女体を支配して悦ばせたのなら、もうその女は自分のもの――
そんな軽蔑すべき論理に心を委ねて、尻を叩きながらイサミに命じる。
「返事しろ! ブタになるって誓え! でないと中出ししてやらないぞ!?」
「あひぁっ♡ あ、あぁっ♡ なりゅっ♡ なりましゅっ♡」
「もっと大きな声で!」
「わ、私はっ♡ あなたのっ、ブタでしゅっ♡ おまんこもお尻の穴もっ♡ お口でもっ、全部使ってくらしゃいっ♡ わたしのからだのおにくぅ♡ ぜぇんぶぅっ♡ はやきくんのにぃ♡ してぇっ♡ らからぁ♡ 出してっ♡ らしてくらさいっ♡ 生まれて初めての精液ぃっ♡ 子宮にびゅーってしゃれてイギたいのぉぉぉっっっ♡♡♡」
もう完全に理性が飛んでいる。
隼樹はイサミの腰を摑み直し、一際強く、子宮を潰すような勢いで突き入れる。
「おひゅっ!?」
かつてない衝撃に驚愕するイサミ。
その様子を確認もせず、限界だった逸物から力を抜いて、溜まりに溜まっていた白濁液を解放する。
「あっ、おっ! あ゛ああぁぁっ! ああぁっ♡ イクッ! イクぅっっっ♡♡♡」
精液を受けたイサミの体が一際大きく波打つ。
全身を硬直させ、肉棒を男から引き抜こうとするかのように膣圧が高まる。
「ああぁっ♡ ああぁっ♡ ああぁ~っ♡ あへぁ♡」
長い長いオーガズム。
イサミは痺れるような甘い快楽の波を味わいながら、意識を落としていった。
○
事後、世の男女たちは何をするのか。
それは大抵、スマホなどの確認をすることではないかと、隼樹は思う。
「ミースには、気を遣わせちゃいましたね」
ベッドで並んで寝転んだイサミが、『フェイ』を確認して微笑む。
隼樹も『フェイ』の画面を視界に呼び出すと、ミースからのメッセージが届いていた。
『言った通りだったでしょ?』
実はどこかで見ていたのではないかと、隼樹は監視カメラの存在を疑った。
(あれ? もう一件)
隼樹は別の送り主に気付く。
開いてみると、意外な内容に目を見開かされた。
「隼樹くん?」
「ああ、ごめん。去年のクラスメイトから、ちょっと驚くような話が……」
花房哲――去年のクラスメイトであり、最近は魔力実技などの授業で一緒になる。
温和だが頭のいい委員長タイプで、彼くらい痩せてれば自分の人生も変わっていたのではないかと思う相手だった。
「驚く?」
事後のトークに相応しいかは分からないが、隠す理由も無いので、隼樹は説明した。
――生徒会選挙に協力してほしい。
要約すれば、そのようなものだった。
ニュアンスからして、ただ清き一票をという話ではない。
票固めなり何なり、立候補するライヤを当選させるため尽力してほしいという。
「……なるほど」
イサミは小さく笑って、眼鏡の位置を正す。
「将を射んとすれば馬をですか。私が隼樹くんとこうなることすら見越して……相変わらず切れ者ですね」
「イサミさん?」
なにやら思わせぶりに呟くイサミに、隼樹は目を瞬かせられた。
「隼樹くん……あなたが望むなら、私が協力できるかもしれません」
イサミはシーツで胸を隠しながら起き上がる。
その絵面がいかにも事後っぽくて見蕩れそうになるが、いまは言葉の意味が気になった。
「協力って、選挙に?」
「はい」
イサミは眼鏡の縁を片手で上げて、悪巧みするようにこう述べる。
「――私、選挙管理委員ですので」
○
その頃――ミースは、メルヴィと共にいた。
留学生用のアパート、メルヴィの部屋には、『フェイ』のデバイスが置かれている。
そこから虚空に投射されているのは、幻影魔法によるホログラフ画面だ。
SF映画さながらの技術に映し出されているのは――
「ふぅ……すごかったねぇ、隼樹くんとイサミちゃん」
なんと、隼樹の部屋での出来事だった。
正体は、ミースが隼樹の部屋を出る前に、こっそり置いてきたデバイス。
映像通信モードにして放置されたそれは、充填魔力が尽きるまでは、隠しカメラのように機能する。
その映像を、メルヴィのデバイスで観賞していたという運びだ。
「はぁぁ、エッチしてる隼樹くん、逞しかったぁ♡ 自分がされてるときは見えなかったけど、背中とか腰付きとか、あんなにワイルドなんだねぇ♡」
うっとりとした顔を両手で包むミース。
自分の男と自分の女友達がセックスする様を隠し撮りして発情するという、到底褒められたものではない行為にご満悦だ。
「っ、っ、っ」
そんなミースほどではないにしても、メルヴィも興奮を隠し切れない。
罪悪感と驚きが入り混じる顔は、耳や首筋まで真っ赤になっていた。
先ほどまで隼樹とイサミが演じていた過激なセックスは、見た目より純情なメルヴィには刺激が強すぎた。
「ねぇ、メルちゃん」
ミースが呼びかけると、メルヴィの体がびくっと震える。
オーク系の大柄な彼女に、ドワーフ系の小柄なミースが背後から寄り添う。
嫣然とした笑みを浮かべるミースと、怯え混じりに赤面しているメルヴィの様子は、背の高さとは逆の力関係すら感じさせた。
そんなメルヴィの肩に手を置いて、ミースは耳元でこう囁く。
「――『三匹の子豚』って、知ってる?」
ご一読いただきありがとうございました。
やっぱ委員長っていったらムッツリスケベのこじらせ変態だよね!
まだ三人目のギャルを残しておりますが、いったん幕間を挟みます