NieR: Breath of the Automata R-18 作:たまごの文字書き
人類に栄光あれ。
...やっと解放された。
プルアの研究熱は凄まじく、私は丸一日義体の隅から隅まで調べあげられ、数多の装置を取り付けられで散々であった。
だがそのおかげで分かったことも多いらしく、背中の修理は順調に進んでいる様子である。
明日も同じように拘束され続けると思うと頭が痛いが、傷のためだ。背に腹はかえられない。
何故か疲労困憊な義体をベッドに放り出して、私は瞼を閉じる。
そのままスリープモードに移行しようとしたのだが──
「──失礼します。」
聞きなれた声が室内に響く。
「...夜更けだぞ。」
何やらものを抱えて入ってきたパーヤに、私は抗議の目を向ける。
「すみません。プルア様からの依頼でして...」
「依頼?」
「はい。とりあえず二号さん、目を瞑って身体を楽にして頂けますか?」
「ったく...何なんだ。」
言われた通りに目を瞑り身体の力を抜くと、パーヤは私の両腕を持ち上げ、ガチャガチャと何やら取り付け始める。
「おい。お前何して──」
慌てて目を開けると、私の腕は青白い光の輪で拘束されていた。力いっぱい引っ張ってもびくともしない。むしろ体力を吸われているような感覚に陥る。
「...どういうことだ。」
「すみません...理由は追って話すので...」
申し訳なさそうに、そして少しばかり嬉しそうにパーヤはそう言うと、なんの躊躇いもなく私の服を脱がせ始める。
「おい!お前本当に何を──」
「感覚センサーのテストです。人間と同じような反応をするのかのチェックだそうで。」
「そのテストなら昼の間にやったぞ!」
明らかにおかしい。感覚のテストならプルア自身がやればいい話だ。
「あ、いえ。触覚センサーのテストではあるんですが今回は...その──」
嫌な予感がする。
「性感帯の方です。」
...そういう事か。パーヤと私の関係がある以上、プルア自身にこのテストはできない。だが...
「そんなテスト必要なのか?仮に触るだけなら腕の拘束具は要らないだろう。」
パーヤはしばらく黙る。
「そんな建前は辞めて、さっさと本音を行ったらどうだ。」
核心を突く。
「...ばれてしまいましたか。」
私の問いかけに、とうとうパーヤは白状する。
「わたくし、とても寂しかったのです。この数日間、二号さんはプルア様と付きっきりでテストやら実験やらで...私は部品や素材の調達で外仕事ばかり。」
どうやら嫉妬していたようだ。確かにこの数日間、お互いに忙しくてあまり触れ合えていない。
そんな矢先に、プルアからこの依頼である。
アイツ絶対分かっててやってるな。
会いたかったのは私の方も同じなのだが、最早そんなことを言っている場合ではない。
上下の服を脱がされ、私は下着だけになる。抵抗しようにも、拘束具によって力が吸われてしまう。
「わ、悪かった。悪かったよパーヤ。謝る、謝るからさ...」
私は必死に謝罪するが、彼女の目の色は変わらない。獲物を狩る前の、獣の目。
「あ、テスト自体は、本当にプルア様に依頼されたものなのですよ?私にしかできない重要なものだって。それで...」
どんという音が室内に響き、机の上に何かが置かれる。
...酒である。
「まさか...」
「はいっ。プルア様から頂きました。どうせなら、楽しんで来いって。」
うっとりとした表情でパーヤは酒瓶の残りを一気に煽ると、気持ちよさそうに吐息をおろす。
...まずいことになった。アイツ完全に酔っている。何を言っても無駄だろう。にしてもプルアのやつ、とんでもないことをしやがる...酒に関してはまだしも、こんな物騒なもので縛り付けやがって...
なんとか脱出を試みるも、両腕を縛る拘束具は全く外れない。やけくそになって力一杯引っ張ると、装置の間から一枚の紙が落ちてくる。
『カノジョ、相当溜まってるみたいだから、一発スッキリさせてあげちゃって♪この装置はパーヤちゃんの欲求が満たされない限り外れなくなってるから、せいぜい頑張ってネ。チェッキー☆』
...アイツ明日覚えてろよ。
パーヤがふらふらとこちらへ近づいてきて、私の上に跨る。その瞳は優越感に浸っていて、私は少しばかり恐怖を覚える。
「それじゃあ早速...テストを開始しますねぇ...」
一切の抵抗の余地なく、パーヤは私の下着を外す。造られた私の両房が露になり、羞恥心が私のメモリーを駆け巡る。
想い人に裸体を曝け出すことが、こんなにも恥ずかしい事だなんて。
パーヤは満足気に私の反応を楽しみながら、私の身体に指を沿わせる。
「んっ...」
私の口から、淫らな声が漏れる。こんな声、出せたんだ。
「ふふっ。ココが気持ちいいんですねぇ...他にはどうですか?ココは...?」
首や胸、脇、腹、腰、太もも...パーヤの細長い指が、私の全身を舐めまわしていく。
我慢していても、どうしても声が漏れてしまう。私が反応する度に、パーヤの手つきは厭らしいものになっていく。
「はっ、あっ...ぱー、やっ。やめっ、て...」
聞いたこともない声が、自分の口から漏れ出す。私は今、蹂躙されている。為す術なく、パーヤの玩具にされている。
こんなにも屈辱的なこの状況なのに、悦びを感じている自分がいる。
「かわいいですよ...二号さん...」
パーヤが耳元で囁く。吐息が耳にあたって、私の肩がびくんと跳ねる。恥ずかしい。恥ずかしいのに.....もっと、もっと虐められたい。
「やめっ、て...」
やめないで。
「ぱーやっ。おねがい...」
目に涙を浮かべ、私は彼女に訴える。そんな私の顔を見て、一瞬彼女の動きが止まる。が、直ぐにニヤリと口角を上げ、彼女は野生の目に戻る。
「...やめませんよ、二号さん。私、言ったでしょう?」
吐息がかかる。感覚がおかしくなる。
「今度は私が貴方を喰らう番です。」
不敵な笑みを浮かべて、彼女は私の体に覆い被さる。
彼女のその攻撃的な目に射止められ、私の本能は彼女に全てを委ねてしまった。
口付けをされる。熱い舌が私の唇を強引に割り、体内に入り込んでくる。掻き乱され、息が苦しくなる。息なんて、必要ないのに。
彼女の指が、私の秘部に触れる。人間を模して造られた私の身体が、快楽に喘ぐ。まるで、本当に人間になったかのように。
彼女に攻めたてられ、私の身体は彼女のものになっていく。乱れ、交わり、犯される。
いつの間にか、私の両腕は自由になっている。欲が満たされたパーヤが、満足そうに私を見下ろしている。
...いやだ。離れないで。
「...もう、行っちゃうの...?」
私の口が、勝手に言葉を紡ぐ。
もっと繋がっていたい。彼女に喰い尽くされ、壊れてしまいたい。
そこにはもう、強くあろうとした私はいない。ありのままの、弱くて儚い二号がただ、愛を求めているだけである。
パーヤはこんな私を見て、嫌がるだろうか。弱い私を、拒絶するだろうか。
「...」
彼女は黙っている。
そうして彼女は黙ったまま──私に優しくキスをした。
「どんな姿の貴方でも、私は愛しております。私は貴方のもの。貴方は私のものなのですから。」
それを聞いて、私は安堵の表情をうかべる。
自由になった腕で、私は彼女を抱き寄せる。
日が昇るまでの間、私達は再び交わり続けるのだった。
翌日、パーヤが顔を真っ赤にして部屋から飛び出していくのは言うまでもありませんな。
プルアさんってめちゃくちゃ気が利きそう。それでいて自分勝手に振舞ってそう。
強気な姿勢でいる人が弱いところ見せるのめちゃくちゃいいですよね。
誤字脱字、解釈不足等ありましたらコメントにてお伝え頂けると幸いです。