NieR: Breath of the Automata R-18 作:たまごの文字書き
甘い口付けをしていたのは最初だけだった。パーヤは唇を押し付けたまま、おもむろに私の首へ腕を回したかと思うと、そのまま私をふわりと押し倒す。口の中に彼女の生温かい舌が入り込んできて、私の人工唾液を味わうように舐めとっていく。
キスだけで頭の中が真っ白になり、快楽だけが私の感情を支配していく。私もパーヤの首へぎこちなく腕を回し、舌を絡めて混ざり合う。彼女の喉がごくりとなって、私の唾液を飲み込む。そして満足そうに唇を離し、子どもみたいに無邪気な顔で、彼女はにっと笑って見せた。
「愛してます。二号さん。」
「...私も、お前を愛してる。」
真っ直ぐに視線を絡めて、互いの愛情を再確認する。その大きな瞳を見ているだけで、私の思考回路は彼女のことしか考えられなくなる。
心地よい静寂。
軽い口付けを一度はさみ、パーヤはぽつりと呟いた。
「今私たち...二人きり、ですよね。」
「ああ。」
彼女の瞳が、ほんのりと野生の気色を帯び始める。
「セックス、しませんか?」
何の恥じらいもなく、彼女は平然と私に言ってのけた。前から何も変わらない。こういう時だけ、内向的なパーヤ性格は嘘みたいに変貌する。
セックス、したい。私も。一年間ずっと、パーヤに抱いてもらえなかった。溜まっていない訳がない。
そう声に出したかったが、私の心は案外臆病で、結局私は視線を逸らして頬を赤らめ、ただの一言と頷くことしかできなかった。
「.......いいよ。」
私のその反応が、彼女の何かに火をつけてしまったらしい。彼女は乱暴に私の唇を奪い取ると、先刻までとは打って変わって獣ように私を蹂躙した。私はなすがままに喰らい尽くされ、彼女のモノになった。圧倒的な存在を前に無力になった。そして私も、欲情した。意志を持つことを許されず、おもちゃのように扱われ、屈辱的な場面のはずなのに...私はもっとそれを求めた。犯されたい。ぐちゃぐちゃにされたい。優しくて温かい彼女に、冷たく...乱雑に扱われたい。彼女と交われるのなら、使い捨てのラブドールだと思われても構わない。
パーヤはそんな私の歪んだ情欲も分かりきっているようだった。だから時々あえて私を突き放したり、冷たくあしらって、私から彼女に求めさせた。
「...」
「どうしました?」
「やめないで...」
「何をですか?ちゃんと言ってくれないと分かりません。」
「き、きす...もっとして...」
「キスだけ?」
「したもっ、さわって...めちゃくちゃにして...」
「ふふっ、よく言えました。ご褒美にぐちゃぐちゃにシてあげますね...」
二号モデルの人格プログラムが、こんな感情を持ち合わせているなんて思わなかった。最愛の人に嬲られ、蹂躙されることがこんなにも興奮することだなんて、知らなかった。
飴と鞭交互に与えられ、身も心も彼女に奪い尽くされて、私の精力は空っぽになった。彼女は楽しそうに私に跨り、舌なめずりをしながら私を見下ろしていた。
ろくな言葉も出てこない。もっと私を見て。お前に全てを捧げて、絞り尽くされた惨めな私を、その加虐心で満ち溢れた瞳で突き刺してくれ。
「まだ、終わりませんよ?」
「ぇ...」
私の思いに対して帰っきたのは、予想外の返答だった。
彼女の欲求は、まだまだ満たされていなかった。タガが外れたみたいに、身も心も、パーヤは私の全てを呑み込むつもりでいた。
私は忘れていたのだ。この場所がどこであるのかを。この世界は全て彼女の思うままであり、私は今彼女の腹の中にいるも同義なのだということを。
先程までと同じように、彼女は再び私に身体を重ねた。細くて滑らかな指が、私の胸をつうとなぞる。そういえば、いつの間にかお互いに服を来ていなかった。いつの間にか柔らかな寝床の中で私たちは交わっていた。今更気づいた。全て、彼女の意のままなのだ。服が要らないと思ったら無くなるし、ベッドが欲しいと思ったらここは寝室なのだ。ここはパーヤの中。私は何も逆らえない。やろうと思えば、それこそ怨念に囚われたミファーみたいに、私を飴玉のように口の中に入れてごくりと呑み込むことだって簡単にできてしまうのだ。
「やって欲しいですか?丸呑み。」
私の耳元で、パーヤが囁く。吐息が耳にかかり、肩をぞくぞくと震えさせながらも、何とか私は頭を横に振った。また別の機会に、やって欲しくはあるが。
「じゃあ、こうしましょう...」
彼女はそう呟くと、何度目か分からないキスを始める。舌を絡めて、私の頭の中をふわふわにする。そしてそのまま、私の模倣品の秘部をくりくりと舌で弄くり回す。
あ...れ?わたし今、パーヤとキスしてるのに...パーヤの舌は私の口の中にあるのに...なんで...
「ぅぁ...?ひゃっ、ぃいっ...!んっ...」
ちらりと横目で見ると、そこにはもう一人、彼女がいた。パーヤが、二人いる。もう、なんでもアリ...ってことか。
私の視線に気づいたのか、下を舐めている方のパーヤは悪戯な笑みを浮かべ、私のナカまでくりくりと唾液を塗りたくってくる。触覚センサーが感じたこともない快楽に震えている。口から勝手に嬌声が漏れ出そうとするが、パーヤが私の舌を優しく絡めとって塞いでくる。行き場のない快楽にどっぷりと漬け込まれ、壊れてしまいそうになる。
何度絶頂したのか分からない。二人のパーヤはこれでもかと言うほど私を攻め倒し、義体の一切に力が入らなくなったところで、ようやく私を解放した。
「もう、動けないんですか...?」
一人目のパーヤが言う。
「そしたら二号さんの身体も、貰っちゃいますね。」
二人目のパーヤがそう言うと、私の両腕が勝手に動きだし、二人の陰を刺激する。可愛らしい喘ぎ声が両耳から私の聴覚センサーを刺激し、頭をくらくらさせる。私と二人のパーヤは三人で舌を絡ませ、唾液でぬるぬるになるまで互いの身体を味わった。いつの間にか私の指は、彼女らの愛液でしっとりと濡れ始めている。刺激を強めてやると、二人は快楽に身を捩り、甘い嬌声と共に同時に絶頂した。
はぁ、はぁと、息遣いだけが聞こえる。いつの間にかパーヤは元の一人だけになっており、彼女の性欲が満たされたことを暗に示していた。
「二人でイくと...二人分の気持ちよさを、一人で感じちゃうから...その、本当に死ぬかと思いました...」
「バカなのかお前は...」
えへへと笑って、彼女は私にもたれかかる。頬を優しく撫で、その唇にキスをする。弱々しい彼女を見ていると、私の中の被虐心はさっとなりを潜める。今度は打って変わって護りたいとさえ思えるのだから、感情というのは不思議なものである。
「次は私が上な。」
彼女の髪の毛を耳に掛けてやり、そう私は囁く。
「はい...お手柔らかにお願いします...」
とろんとした瞳で、パーヤは私を見つめる。
「二対一をやらされたんだ。楽にイけると思うなよ。」
「でも私は...二号さんがやりたいプレイを再現したまでですよ...?」
「う、うるさい。とにかく次の...せ、セックスをする時は、私の番だ。覚悟しておけよ。」
「...はーい。楽しみにしております。」
そう返事をしてから、彼女は私の胸の中ですうすうと寝息を立て始めた。
可愛らしい寝顔。私の大切な人。自然と顔がにやけてしまう。
ここ出るのは...パーヤが起きてからでいいか。
暫く恋人の顔を眺めていようと、私の人格プログラムは勝手に決めたのであった。
今後割と特殊性癖に部類されるタイプのシーンが増えると思いますがよしなに。一応前書きに書くようにはします。