※この作品はR-18です。

新解釈!!真・女神転生!?〜世知辛えサマナー〜   作:グリーヴ

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世知辛?名言

光が一つ消えたとしても誰が気にする?
俺だよ。

リンキン・パーク『ワン・モア・ライト』より抜粋


第五話 退場は此方(地獄)となっております

 

思ったより早く、辿り着けそうだ。

 

道中の悪魔についてはメリジェーヌとフラウロスによって倒され、薙ぎ払われていく。

 

〔巴〕

「【ヒートウェーブ】!!」

 

巴さんの全体攻撃スキルにより、雑魚を一掃し、マップに映し出された場所に到達した。

 

〔巴〕

「……ウッ…!?」

〔二宮〕

「だと思ったぜ…」

 

アナライズを行う。

 

       \カカカッ!!/

邪神トウテツLv68魔力弱点 呪殺無効

 

トウテツ。

中国では古代から四凶と呼ばれる悪魔。

その名の通り、溢れ出す凶気の根源はまさしくと思う。

 

〔二宮〕

「此処は大人しくアイテム係だな!アブディエル!イズン!!」

 

メリジェーヌとフラウロスをGUMPへと収納し、アブディエルとイズンを喚び出した。

 

〔アブディエル〕

「初戦は勝利を飾りたいものだな」

【破魔ギガプロレマ】【会心】【神の大盾】

〔イズン〕

「それじゃあ、みんな元気になぁ〜〜れっ♡それっ♡!!」

【黄金のリンゴ】

 

全能力値を一段階上げ、回復させるスキルと全体の防御力を上げるスキルが付加される。

アブディエルは剣を構え、振るった。

 

〔アブディエル〕

「滅せよ邪神!!【アカシャアーツ】!!」

 

強烈な打撃がトウテツを襲う。

神と名乗っていたとしても、大天使の前では児戯に等しいだろう。

そのまま滅び、消えていくと考えたが。

 

【招来の舞踏】

 

  \カカカッ!!/

《邪神:トウテツ Lv69》

 

また何事もなく息を吹き返す。

 

〔二宮〕

「はっ?」

〔アブディエル〕

「蘇っただと!?」

 

一瞬何が起きたのか分からなかった。

突然蘇ったトウテツはその笑みに歪ませた顔で。

 

【メギドラオン】

 

万能の光を放つ。

辺りを覆い、破壊を尽くす力は等しく襲いかかった。

 

〔二宮〕

「…っっっ!ってぇな!」

 

唯一つ、万能は防御相性に該当しないが弱点属性にも該当しない為、防(・)御(・)力(・)を(・)高(・)め(・)て(・)相(・)殺(・)す(・)る(・)。

其れが万能属性に対する対抗手段の一つである。

 

〔トウテツ〕

「!?」

 

大分驚いている。

確かにステータス的にはある程度キツイところはあるが、装備している《ヤクトアーマー》や各バフ及び自前に飲んでおいた《マッスルドリンコ》で耐えきった。

 

〔巴〕

「我が家に伝わる防具【源家竜胆具足*1】のお陰で何とかなりました」

〔イズン〕

「ダメージは多いけど耐えきったわ【黄金のリンゴ】」

〔アブディエル〕

「素の火力のみで倒し切るつもりでいたのか?あれは?」

 

頑張って御霊合体やステータス上昇させて良かった。

恐らく今までならば一発で消滅させられたから驚きでいっぱいなのだろう。

そして、トウテツを復活させた主に声をかける。

 

〔二宮〕

「後ろで何かしてるなら早く出てこい」

〔???〕

「ほう、妾の下僕の力を真に受けて立ち上がるとは。当世の人間も中々…」

 

薄ら笑いで扇子で口元を隠す女悪魔が1体。

中華風の意匠の服と尊大な態度、此等からアナライズの結果が分かった。

 

〔二宮〕

「《地母神:セイオウボ》か」

    \カカカッ!!/

〔地母神:セイオウボ Lv77〕

「如何にも。妾の名は《セイオウボ》。崑崙山の女仙であり、不老不死の仙薬を管理するものじゃ」

〔イズン〕

「あら?私と似た者同士?」

〔アブディエル〕

「確かに共通点はあるな」

 

女神(女仙)という立場と、不老不死のアイテムを所持するという点からしてみると確かに共通する。

シルクロードによるハイブリッドと言うのだろうか?オリエント文明の発展系と言うのだろうか?

 

まぁ今そんなことを考えている暇は無いのだが…。

 

〔セイオウボ〕

「フフン。貴様ら人間が此処まで出来るとは思わなかったが…まあ良い。我が前に平伏せ…!【招来の舞踏】」

 

手にする扇子を広げ、セイオウボの持つスキルを発動する。

 

    \カカカッ!!/

《邪神:トウテツ Lv69✕3》

 

〔巴〕

「なっ…!?」

〔二宮〕

「なるほど…召喚スキルだったのね」

 

復活ではなく、新たに喚び出したスタイルか。

3体召喚とか反則じゃない?と思いつつ、レベルの差が高い上に3体同時に《メギドラオン》を放たれれば流石に不味いな。

 

〔二宮〕

「巴さん、その素早さ自慢に頼みたいことがある」

〔巴〕

「はっ!何なりと!」

 

彼女にとりあえず耳打ちする。

必勝とは言えないが、少なくとも成功確率を上げるにもコレをやるしか無い。

 

〔二宮〕

「貴方のスキルに賭ける」

〔巴〕

「……ハイ!」

 

彼女の力を信じるしかない。

というよりも、一撃で沈められない場合も考えてはいるが。

 

〔二宮〕

「やるきゃねぇな!アブディエル!!」

〔アブディエル〕

「ああ!!」

 

やるしかない。

此方のチャンス(ターン)は一回しか無いのだから。

 

〔セイオウボ〕

「耐え切れ者共」

〔トウテツ✕3〕

「!!!!」

 

防御陣形を取る。

流石にどう来るかまでは分からずとも防御をしておけばもう一度召喚出来る。

確かに其れは定石なのだ。

 

だから此方は。

 

〔アブディエル〕

「神罰の光を!!人喰らいの化け物共に喰らわせる!!【落光*2】」

 

驚異的なのを食らわせよう。

 

アブディエルの破魔の一撃がトウテツとセイオウボに襲いかかる。

セイオウボは破魔無効であるが、反射か吸収が無い限り、怖がる必要は無い。

目的は、ト(・)ウ(・)テ(・)ツ(・)の(・)群(・)れ(・)を(・)殲(・)滅(・)す(・)る(・)所(・)に(・)あ(・)る(・)。

 

〔セイオウボ〕

「なっ…!?まさか」

 

流石に【破魔ギガプロレマ】が発動されている一撃には耐えきれずにトウテツ達が沈んだ。

驚きを隠せないセイオウボにすかさず、拳を握りしめ、【アイアンフィスト(放った)*3】

 

〔セイオウボ〕

「グギャァァァアアア!?」

 

【会心*4】

 

アブディエルのスキルと共に大きく上がった威力はセイオウボの身体を砕き、大きなダメージを与える。

だがそれでも、ステータスの差を埋めるにはまだ足りない。

 

だから此処で一つ。

 

〔巴〕

「食らいませ、これが今までの人々の恨みとしましょう!!」

 

【阿修羅*5】

 

薙刀が振るわれる。

セイオウボの首を撥ね、十回もの貫通する斬撃を行われる。

如何なる悪魔であったとしても、コレを受けては生きることは難しいだろう。

 

が、其れでも。

 

〔セイオウボ〕

「ア゛ア゛ア゛ァァ゛ァ゛!!」

 

しぶとく生き残ろうとする。

 

〔イズン〕

「私の番があること忘れないでね?」【ザンマ】

〔セイオウボ〕

「ギァァァァアア゛ア゛!?」

 

三段構えにイズンのザンマが入ったことで、弱点を突き、ようやくセイオウボは消滅した。

 

 

 

 


 

 

 

 

さて、勝利を祝いたい気持ちは大いにあるけれど、此処からはRTAしないと不味い事態である。

 

〔二宮〕

「さて、救出対象は居るんかな?」

〔アブディエル〕

「……すまぬがサマナー。どうやら…」

〔二宮〕

「……そうか」

 

セイオウボがやってきた奥の方を見てみると、既に喰い散らかした跡ばかりが残されている。

美食家気取りであったのだろうか喰い辛かったらしい手足が残され、部屋の隅に捨てられている。

そんな凄惨な光景を見た巴さんが呆然と立ち尽くしていた。

 

〔二宮〕

「……見つけたのか?」

〔巴〕

「……ええ。感動の再会とは…言えませぬが…」

 

彼女の手にはミサンガを着けた左手がある。

どうにも探していた妹弟子の『園城寺怜』さんで間違いないらしい。

 

〔巴〕

「…っっ…!!」

〔二宮〕

「………すまないが時間がない。彼女の為にも早く脱出しよう」

〔巴〕

「…っはい…!」

 

涙ぐむ彼女を無理矢理でも連れて行こうと思っていたが、存外に強かった。

此処で泣く暇は無い。

全力で島の反対側へと向かうべく、走るのだった。

 

 

 

 


 

 

 

 

圧殺と言わんばかりに大天使の攻撃が続く。

 

【タルカジャ】や【マカカジャ】等の攻撃力を上げる魔法で更に滅していくスピードが上がる。

最早リアルタイムアタックと言っても過言でない状況に、機械化歩兵旅団の兵士達は味方であったことを嬉しく思いつつ、進んでいくのだった。

 

〔なのは〕

「うーん。どうやら先に誰かが殺ったのかな?」

〔フェイト〕

「だとすると、私達空振りってこと?」

〔なのは〕

「だね。悪魔の集まりようも見ると、作為的だったしねぇ…」

 

セイオウボの残滓を感じ取りつつ、辺りを見回し、食事場を一瞥する。

 

〔なのは〕

「……たとえ異教徒であろうとも、死すれば同じ魂…せめて安らかに眠って下さい」

 

少女が手を合わし、亡くなった犠牲者達の慰霊と哀悼の意を示す。

歩兵達にとって、その姿を見ることは主の奇跡と同等と捉え、同様に哀悼の意を示すのだった。

 

〔なのは〕

「…予定時刻通りにこの島を"浄化"します。全隊撤退命令」

〔隊長〕

「イエッサー!!」

 

最早此処になんの意味は無い。

 

全部隊の撤収が始まる中で大天使は思う。

 

〔なのは〕

「こんなにも悲しい世界なんて酷いよね?」

 

自分の願いは唯一つ。

若きものも老いたものも、男でも女でも健やかに笑顔に溢れた世界であってほしいと。

 

〔なのは〕

「我等が主よ…何故貴方の声が聞こえないのですか?貴方は今どちらへいらっしゃるのですか?」

 

大天使は己の創造主に聞こうとするが、声は風に乗って消えるのみだった。

 

〔なのは〕

「……神よ…」

 

この嘆きは主に届かない。

 

 

否、届(・)か(・)な(・)い(・)場(・)所(・)に(・)居(・)る(・)の(・)か(・)も(・)し(・)れ(・)な(・)い(・)。

 

 

 

 


 

 

 

 

爆発音と共に島が白い閃光を放つ。

小さな太陽が地上に降り立ったと核実験場で見た兵士が語っていた話を思い出した。

 

〔パイロット〕

「チクショウ!計器が壊れちまいそうだぜ!!」

〔二宮〕

「大丈夫だ!流石に電磁パルスとか発生するのじゃないから」

〔パイロット〕

「ならいいんだけどな!」

 

ギリギリのタイミングで脱出出来た。

ソドムとゴモラを滅ぼした天の火じみた破壊兵器も所持してるアメリカメシアンの怖さをひしひしと感じつつ、操縦席から後部の座席にへと向かい、座る。

 

〔二宮〕

「……其れが遺品?」

〔巴〕

「はい…道場に居たとき、互いに思いを込めあって一本糸から紡いで作ったのです。まだ覚えてくれてた…」

〔二宮〕

「………少なくとも、貴方の事は慕ってたと思います」

 

血がついているミサンガを握りしめ、歯噛みするような嗚咽を洩らす。

俺が出来るのは唯一つだけ。

震える身体をそっと寄せてから腕を回して抱き締める事。

 

〔巴〕

「……うあぁ…ぁぁぁ……!!」

〔二宮〕

「よく頑張った。だから遺品だけでも手に入ったんだ」

〔巴〕

「…っでも…!でも私は…!!」

〔二宮〕

「間が悪かった…ただ其れだけだ」

 

そう。

間が悪かった。

ただ其れだけだ。

 

運命であるのか、宿命なのかは分からない。

だが、どんな人間でも望み通りの生き方も死に方も選ぶにはとてつもなく難しいことだけは分かる。

 

だから。

 

〔二宮〕

「……生きるしかねぇよな。懸命に」

〔巴〕

「…ぁぁぁ…ああ゛あ゛あ゛ーーー!!」

 

堰き止められた涙が溢れる。

我慢できなくなった嗚咽が叫び声となり、泣き続ける。

 

〔二宮〕

「……陽はまた昇る」

 

暗い世界でも陽射しが差せば明るくなれる。

亡くなった人達の為にも。

生きているならば立ち上がり、懸命に生きなければならない。

 

それを胸に秘め、水平線上から昇る太陽を見て思うのだった。

 

 

 

 


 

 

 

神楽坂のビル《銀楼閣》

 

〔マダム銀子〕

「……ガイア教の猗窩座からの依頼…受けたと聞いたけど?」

〔二宮〕

「あくまでも個人的な依頼にまで物申すのはいかんと思いますが?」

〔銀子〕

「問題なのは、国(・)際(・)案(・)件(・)に(・)抵(・)触(・)す(・)る(・)可(・)能(・)性(・)を(・)示(・)唆(・)してるのだけど?」

〔二宮〕

「ウグッ…!?」

 

今度こそ言われないようにと思っていたが、無理だった。

国際問題と言われたら流石に反論の余地は無いを

 

というより、向こう側にそれを追求したい案件だと思うが…。

 

〔銀子〕

「いい?もしこれが中国(向こう側)にバレていたら、機を見て侵攻の足掛かりになりかねないと考えない?」

〔二宮〕

「いやいや…流石にそれは…」

〔銀子〕

「なるわ。あの国が最も恐れているのが自国内の反乱だもの。十三億人の食料を手に入れるのに躍起にもなるわね」

 

考えれば考えるほど、たしかにと思ってしまう。

 

イチャモンつけて攻めるのは向こうの十八番だ。

国連も動かないので、やりたい放題しても良いと感じているだろう。

 

〔銀子〕

「まぁ、少なくとも今回はメシアンに救われたわね。連中が暴れまわってくれたお陰で証拠隠滅してくれたのは間違いないわ」

 

下手すると巻き込まれてた可能性があるとは言わない。

マダムにはまたしても迷惑をかけてしまったなぁ。

 

〔二宮〕

「……今度は、ちゃんと別依頼等も連絡します」

〔銀子〕

「重要案件はね?他は自分で判断しなさい。この業界は自己責任原則ですから」

〔二宮〕

「ハイ、肝に免じます」

 

ビスビスと正論の矢が刺さって痛い。

もう焼印レベルまで覚えされられた言葉を頭に反芻しながらも、ビシッと敬礼しては部屋を出ていくのだった。

 

 

〜〜〜◇◇◆◆◇◇〜〜〜

 

 

〔業斗童子〕

「……また小言ばかりだな」

〔銀子〕

「あら?今回は少な目にしておいたけど?」

〔業斗童子〕

「アヤツが痛ましいよ全く」

 

ソファの上にて、背筋を伸ばして欠伸をする黒猫が語る。

銀子の顔は優れないものの、机の上に散らばる資料を一目見て呟く。

 

〔銀子〕

「"封剣士"。今回それから連絡が届いた」

 

キセルを吸い、紫煙を上げる。

ゴウトはその言葉に瞳孔を丸くし、机の上へと飛び乗った。

 

〔業斗童子〕

「大陸のLaw勢力か…。思想が偏りすぎて現ヤタガラスでも協力関係に至れないと聞いている」

〔銀子〕

「ええ。今、中国"三業会"と争っている」

〔業斗童子〕

「もしかして、この件に三業会も関わっていると?」

 

ゴウトの言葉に銀子は頷く。

 

〔銀子〕

「既に大陸は三業会の手に落ちている。アフリカやヨーロッパ各地にも…」

〔業斗童子〕

「全く…国内のみでの活動しか出来ぬヤタガラスではキツイな」

〔銀子〕

「それに、一つ厄介な事も起きそうよ?」

〔業斗童子〕

「何?」

 

厄介な事。

銀子の言葉に業斗童子は嫌な予感を想像する。

 

〔銀子〕

「どうやら、噂がホンモノ…いえ、本(・)当(・)に(・)な(・)る(・)の(・)か(・)も(・)知(・)れ(・)な(・)い(・)わ(・)ね(・)…」

〔業斗童子〕

「うむぅ…」

 

一人の美女と黒猫は何かとんでもない事が起きる可能性を思い、天井を見上げる。

口から出る事柄が厄介なコトを呼び寄せる可能性を思いながら。

 

 

 

 


 

 

 

 

巴さんの引っ越しが始まった。

 

〔引越し業者〕

「お荷物これでいいんですか?」

〔巴〕

「ハイ。家具等は元々無いもので」

 

引っ越し作業がすぐに終わった。

そりゃ段ボール箱一つだけならそれで終了だからねぇ…。

 

〔巴〕

「二宮様。終わりました」

〔二宮〕

「はい。中の家具とかは自由に使って下さい。音量とかは低めにしてくれれば嬉しいです」

〔巴〕

「了解しました!今後とも宜しくお願いします!」

 

彼女は持っている段ボール箱を自身の部屋へ持っていく。

見かけによらずパワーがあるなぁと思いつつ、そろそろお昼の時間が迫っていたりする。

 

〔二宮〕

「お昼はお蕎麦茹でるんで上の方に来てください」

〔巴〕

「分かりました!」

 

引っ越しの時に蕎麦って何でだろう?と考えながら自室へと足を運ぶ。

今日のところはシンプルにざる蕎麦と天ぷら盛合せで行こうかな?と思う。

 

ちなみに、何故彼女が家のアパートへと引っ越してきたかと。

実は離婚後に実家からも勘当され、前の部屋も妹弟子の行方探しの為に引き払っていたとのこと。

今まで自暴自棄気味に行動していたので、住民票やら所在地資料の書き直しもしてないらしく、金を持ったホームレス状態だったとのこと。

 

まぁ、成人迎えて数年経っているから満喫行ってても別に何言われるわけでも無いとは言っていたが、そのままでは流石に不味いと思い、空いた部屋を提供した。

 

彼女は実力者であるし、指導者に向いていそうなので銀やペコリーヌの指導役に頼んである。

これで、これからの事を考える余裕が出来てきた。

未だに世知辛い感じはしつつも、余裕があるのは嬉しい限りだ。

 

部屋へ入り、冷蔵庫に入れておいた生蕎麦の袋を開ける。

 

長野県産100%の蕎麦粉に約20%前後の同県産地粉を混ぜた二八蕎麦は風味豊かで、高級品でもある。

黒い蕎麦は挽きぐるみという周りの硬い殻ごと挽いて作っているから黒く、真っ白い蕎麦は一番粉という胚乳部分のみを使った淡い上品な蕎麦だ。

 

今回は白い蕎麦の代表格である更科そばを手に入れたので、秘伝の返し*6で蕎麦用と天ぷら用に作ろう。

 

〔二宮〕

「さてさて。では先ずは天ぷらの野菜でも切るか…(コンコンコン)…ん?」

 

さつまいもを手に取ろうとしたら玄関からノック音が聞こえる。

試しにすりガラスから玄関前に立っているシルエットを覗くと。

 

〔二宮〕

「………このシルエットは…!?」

 

黒のツインテールと全体的に黒みを帯びた姿に見覚えがある。

とりあえず、見なかったことにしてさつまいもの皮を剥こう。

 

(コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン!!!)

 

遂に連打してきやがった。

俺は此処には居ませんぞ!!

 

〔???〕

「居るのは分かってんぞボケェ!!遠くからアンタが入るところ見とんじゃワレェ!!」

 

ヤのつく自由業的な物言いは厄介事を巻き込もうとする人物でしかない。

またマダムから小言言われるのは嫌だわさ。

 

〔???〕

「開けろぉ!!開けないとさっきの女の人に赤裸々な過去伝えてやるわよ!!」

〔二宮〕

「止めろぉー!?どんなことぶっ込むのか分からんけど止めれい!!」

 

致し方無しにドアを開く。

多分巴さんに聞こえてると思うとこれ以上被害を広げるわけにもいかない。

 

〔???〕

「オッス燐之助!蕎麦茹でるの!?私ちょうどお腹減っててさ!どうかお願いしますご飯食べさせてください!!」

〔二宮〕

「………はぁ…」

 

開いた途端、俺へと縋り付く。

彼女の腹部からは呪怨みたいな悲鳴が響いてるので相当空腹なのだと感じ取れた。

 

〔二宮〕

「何をしてるんだ…蓮(レン)」

      \カカカッ!!/

〔デビルバスター:野曽木 蓮 Lv55〕

「何って……お(・)仕(・)事(・)を(・)持(・)っ(・)て(・)き(・)た(・)の(・)よ(・)!」

〔二宮〕

「…………」

 

またもや何かとんでもない事に巻き込まれそうだ。

 

 

 

                     続く…?

*1:
真4F

*2:
敵全体に特大威力の破魔属性攻撃。弱点をついた時、確率で即死させる

*3:
敵単体にクリティカル率50%の貫通を得た物理属性打撃大威力を与え、攻撃成功時、2ターンの間、味方全体の攻撃力・回避と命中を増加させる

*4:
ターン中に味方全体に魔法も含む全ての攻撃がクリティカルになる効果を付与する

*5:
敵全体にクリティカル率50%の物理属性の打撃型ダメージを中威力で与える。攻撃に成功した場合、敵全体のステータス強化効果を解除し、次の連動効果が発動する。「ランダムな敵に10回、クリティカル率80%の物理属性の打撃型ダメージを小威力で与える。」このスキルによるダメージは物理貫通を得る。(

*6:
蕎麦やうどん等の濃縮タレの一種。濃い出汁汁を良く寝かせて作る。







『デビルサマナー兼バスター:二宮燐之助』 Lv50

世知辛えサマナーの主人公。
テスカトリポカ戦やセイオウボを倒したことでレベルアップ。
何時も世知辛い感じに世の中を渡り、悪魔騒動やメシアガイアのやらかしに火消しする。

所持する武器はかの源義経が使っていたとされる名刀《薄緑》。
2回から4回ランダムに攻撃できる太刀。


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