服飾文化研究会にようこそ!~僕が女装させられて先輩方にオモチャにされる日々~ 作:桃ノ木ネネコ
主人公白石圭太は美人保険医が顧問の『服飾文化研究会』に強引に入れられる。
しかしそこは服飾研究とは名ばかりのコスプレHを楽しむ場所であった。
そこで祥太は言われるがままに女装して、顧問の沙由美と先輩部員の葵たちに
オモチャにされる日々を送っていた。
しかし最近条件的に表れる「もう一人の自分」の存在を意識し始め・・・?
さて、夏休みも終わり、二学期が始まった。
教室ではクラスメイト達が夏休みに体験した出来事や旅行の思い出などを語り合ったりしている。
普通の高校生では他おおよそ体験しきれないすさまじい体験を山ほどしてきた圭太だったが、
どれもこれも人に話せないものばかりなので、この手の話題を振られると、ちょっと困っていた。
かろうじて「旅行先で友達(※肉体関係あり)ができた」と言ってはいるが、
大体は相手の話に適当に相槌を打って胡麻化していた。
ある時、圭太が学校の自販機コーナーの前で飲み物を買っていると、
友人の神崎雄一たちが声をかけてきた。
「おいシロ!知ってるか?」彼のいうこの『シロ』とは圭太の学校でのあだ名である。
名字の「白石」の「白」からとられたもので、最初は「シラ」だったのが転じて
「シロ」で定着していた。
「知ってるって何を?」と圭太は言いながら缶コーヒーを口に運ぼうとする。
「赤崎先生に関するうわさだよ!」不意に沙由美の名前が出てきたので手を止める。
「さ、さぁ、どんな話?」と聞き返すと雄一は
「男がいるって噂だよ!」
・・・・・・・・・。
圭太は何も言えずに沈黙する。
「なんだよリアクション薄いなぁー」
「え?でもあれぐらいの美人だし、いても問題ないのでは?」
と当たり障りのない返事をしてコーヒーを口に運ぶ。
(すいません、俺がその当の本人です・・・関係も何度も持ってます・・・)
動揺しつつも本音を隠しコーヒーを飲みながら平静を装をうとするが
「あと女子の間の噂だと内容もっとひどくてさぁ・・・
学校の生徒に手を出して食い散らかしてるとか!」
ブフォッ!!
その瞬間コーヒーを盛大に吹き出し咳込む。
「どうしたシロ?昔の漫画みたいなリアクションして?」
「いや・・・ちょっと器官に入って・・・」
(すいません、すいません、それ噂でも何でもありません!
てか現在進行形で俺が喰われてます・・・)
と内心動揺しまくりな圭太をよそに雄一たちは続ける。
「まったくもってけしからん噂だ!」
(え?!)
「そうそう、赤崎先生男子からの人気高いから嫉妬されてるんだよ!」
(ええ・・・そういう方向?!)
圭太はちょっとだけ安心して、残りのコーヒーも飲む。
「大体赤崎先生が連れまわしてるのって女の子だよな、俺見たし」
圭太は飲みかけたコーヒーを吹きそうになるがなんとかこらえる。
(お前何見てんだ、どこで!?)
そして圭太は悟った、自分が女装している姿を見られていることを。
もしこれがバレたら大変なことになるだろう。
「で、シロお前赤崎先生が顧問の部活に入ってたよな。なんか知ってる?」
「さ、さささあ、そそういうプライベートなことはちょっと・・・」
圭太は何とか誤魔化してその場を後にしたが、冷や汗ダラダラだった。
その後、昼休みになると圭太は屋上へ行った。
普段ならだれもいない屋上だが今日は先約がいた。
松山翠である。
まだ欠席は続くものの月に何度かは保健室登校をしてると聞いていた。
こうして学校で会えるのはかなり珍しいことだ。
「こんにちは、翠さんもここでお昼ですか?」
圭太はあえて大げさにせずにふつうに挨拶する。
彼女は「はい・・・」とだけ答えた。
女の子らしい小さくてかわいいお弁当・・・と思ったら、
すでに大きな重箱が2つほど空になっていた・・・。
(この人、俺の2倍は食ってる・・・てかこの体のどこに入るんだ?)
そんな圭太の考えを見透かしたかのように
「大丈夫・・・です・・・腹八分目・・・ですから」
とだけ言った。
(なんかいろいろと底知れない人だ・・・)
驚嘆しつつも圭太自身も弁当を広げた。
翠からは「小さくて・・・かわいい・・・お弁当・・・ですね」
と、まるで女の子が言われるようなセリフを言われてしまう。
「いや、これ自分で作ってるんですよ」と圭太が言うと
「え、そうなんですか・・・すごい・・・です」と素直に驚いていた。
「いや、別に料理が上手なわけじゃないですよ。ただ・・・」
と言いかけたところで
「シロじゃん、何お前もここで喰うの?」
雄一だった。
「ん?誰この子?」
雄一が聞くと圭太は「ああ、この人は同じ部活のみど・・・いや松山先輩」
と紹介しようとするが、 翠は挨拶もそこそこにどこかへ立ち去ってしまった・・・
(まだ俺以外の男性は苦手なのかな・・・)
「あの女の先輩逃げたぞ」と雄一がからかってきたが無視する。
「なんだよ、せっかくいいところなのにさ」
「だからうるさいって」
「しかしシロも隅に置けないねぇ~美人顧問に可愛い先輩と羨ましい限りだぜ」
「ハハハ・・・」・・・乾いた笑いしか出ない。
放課後。
いつものように部室に向かう圭太に、翠が声をかける。
「あの・・・さっきは・・・ごめん・・・なさい」
「まあ仕方ないですよ。まだ無理はしない方がいいですよ。
でも雄一も悪い奴じゃないんで・・・」
「さっきの・・・『シロ』・・・ってのは?」
「あ、俺のあだ名です。名字が『白石』なんで」
「なんか・・・犬・・・みたい・・・ですね」
クスっと笑う。
その笑顔を見て、圭太はドキッとした。
長い前髪で顔の半分が隠れがちだが、こんな表情をする人だったのかと。
普段無口な印象の強い彼女だったが、意外にもいろいろな顔を持っているようだ。
(この部活の人はみんないろいろと底知れないな)
そう思いながら圭太は続けた。
「じゃあ今度から俺のことシロって呼べばいいと思いますよ」
圭太は冗談めかして言ったつもりだったが、
翠は「うん・・・わかった」とあっさり了承してしまった。
「え?!」
「シロくん・・・ね。よろしく・・・シロ君」
ちょっとうれしそうな翠を見て
(こういうシーンで俺にもうちょっと上背があれば恋人同士に見えるのかな?)
と翠と自分が同じ背格好なのを気にしていた。
そして・・・
「僕を衣装モデルに?!」
部室に入るなり沙由美から強引にメイド服を着せられた状態で
圭太は翠からの意外な頼まれ事を聞いて驚く。
翠曰はく最近自分のやっている衣装販売サイトの見本用に、
実際に衣装を着てる人物の写真を使いたいとのこと。
そこで身長の近い圭太をモデルとして使わせてほしいというのだ。
もちろん嫌なら断ればいいのだが、翠の背後で沙由美にニコニコと睨まれたのと、
圭太としても女装姿で学校にいるよりはマシなので引き受けることにした。
翌日。
圭太が駅で待ち合わせ場所で待っていると、翠がカートに大荷物を積んでやってきた。
「おはよう・・・ございます」
「お、おはようございます」
圭太は思わず息を飲む。
翠のよそ行きの私服を見るのは初めてだが、
彼女の服のセンスが予想以上に良かったからだ。
黒いニットワンピースに赤いチェックの上着を重ねている。
(この服も手作りなのかな?)
圭太はそんなことを考えていた。
すると、翠は少し顔を赤らめて言った。
どうやら今日の圭太の服装について言っているようだった。
彼なりにオシャレと思うコーデだったが、
家族からは「中学生が背伸びしてるようにしか見えない」と言われていた。
「え?あ、いや、今日はいつもより気合入ってますよね!
その服とかよく似合ってて・・・」
圭太は慌ててフォローする。
実際翠の選んだ服は圭太によく合っていた。
「シロ君は・・・おしゃれ・・ですね」
翠も褒めてくれた。
圭太は照れながらも、
(いや、あなたの方が数倍可愛いですよ)
と言いたかったが、それを言うにはあまりにも恥ずかしかった。
そして、翠は「では・・・行きましょう」と言って歩き出す。
「どこにですか?」
聞いてみるとなんと撮影スタジオだという。
なんでもコスプレイヤーの注文者に教えてもらったという。
道すがら翠の作った衣装を見せてもらうと、
圭太の知らないアニメやゲームのキャラの衣装だったり、
オリジナルで作ったようなデザインのものもあったりした。
また、自作の小物なども作っており、 カバンなどは手縫いで作られていた。
(この人何でもできるんだなぁ)と圭太も感心していた。
しかしやっぱりというか当然というかすべて女性ものだった。
(まぁ仕方ないんだけどね・・・)
到着するとスタジオと言っても小規模なもので、
普通のビルの各個室部屋に撮影ブースがある感じの
カメラも自分で持ち込みというところだった。
教えてもらったコスプレイヤーの人たちも同年代で、
「高校生でもお金貯めれば手軽に借りられる」
というのが人気に秘密らしい。
「へぇ~こんなところにもあるんですねぇ」
ちょっと知らない世界を見た気がした。
そして着替えようとしたら、ネットのようなものを渡される。
これもコスプレイヤーの人たちに教えてもらったもので、
ウィッグの下にかぶると地毛をまとめて隠せて、
ウィッグの固定も容易になるという。コスプレ用の小道具なのだそうだ。
(色んなものがあるんだな)とつくづく感心する圭太だった。
小規模なので撮影も自分で行うとのことで、翠は自前でカメラを用意していた。
「これ・・・使います。」
そう言って見せられたのはミラーレス一眼のコンパクトデジカメ。
「え?いいんですか?僕なんかにこんな高級品を」
「いいから・・・シロ君を・・・写真に撮らせて・・・」
「あ、でも顔出しはちょっと・・・」と困ると、
メイクで別人に見せると言い切られた。
見るとメイク道具も山と用意されている。
翠のこだわりはよく知っていたが、これには驚かされた。
「じゃあ・・・行くよ」
そう言うと翠はシャッターを切る。
最初は緊張していたが、慣れてくると段々楽しくなってきた。
圭太は自分が女の子になった気分になりながら、ポーズを決める。
「シロ君・・・かわいい・・・」
翠の言葉にちょっと照れ臭くなった。
そしていよいよ最後の衣装の撮影となったとき
「最後は猫耳メイドなんですね。」「はい・・・」
着替えに向かった圭太を見送りながら、圭太に聞こえないぐらい小さな声でこう言った。
「・・・ちょっとだけ・・・また・・・暴走します」
そう、圭太は忘れていた。
最近鳴りを潜めてはいたが、初対面での翠はかなりまずい方向で
暴走してたことを・・・。
つづく
今回は前後編です。