服飾文化研究会にようこそ!~僕が女装させられて先輩方にオモチャにされる日々~ 作:桃ノ木ネネコ
翌日 、圭太は学校ではいつも通り授業を受ける。
放課後になり部活動の時間になる。そこで圭太はある実験を試みる。
メイクの仕方、ウィッグの髪型セットを・・・すべてすみれに寄せてみた。
「よし、これでいいかな」
圭太は自分の姿を鏡で見る。そこには完全にすみれになった自分がいた。
(・・・生き写しだ。)
彼の中に衝撃が走る・・・自分でやって、自分で驚いていた。
「これじゃあまるで双子じゃないか・・・」
彼は思わず声に出していた。
「何してるの?圭ちゃん」後ろから沙由美が声をかける。「うわぁっ!?さ、沙由美さん!」
圭太は慌てて振り返り沙由美を見る。
沙由美は驚いた様子でこちらを見ていた。
「びっくりさせないでくださいよ・・・」
「圭ちゃんこそいきなり大声で叫ばないでよ・・」
「すみません。少し考え事をしていて」
圭太は申し訳なさそうな顔をする。
「別に謝らなくてもいいわよ。なにやってたの?」
「いや、ちょっとした実験というか・・・検証というか・・・」「何よ、はっきりしなさいよ」
沙由美はジト目で圭太を睨む。
「えーっとですね・・・」圭太は言いづらそうに口を開く。
「僕の顔が・・・従姉妹に似てるな・・・って」「従姉妹?ああ、すみれって子ね」
「はい。それで、もしすみれさんと同じメイクをしたらどうなるのかと思って」
「へぇ~、そんな理由で自主的に女装を?」
沙由美はニヤリとした笑みを浮かべた。その表情を見て、圭太はしまったと思った。
沙由美はこういう表情をするときは決まって何かを企んでいる時なのだ。
「で、その結果は?」
「まぁ見ての通りというか・・・自分でも驚いてます」
と圭太は沙由美の方に向き直る。
「確かにオーバーサイズのシャツとロングスカートで
体型をごまかしているけど、そこそこ見えるのが凄いわね・・・」
「あの、あんまりジロジロ見ないでくれませんかね・・・」
沙由美はまじまじと圭太の身体を観察していた。
「でも髪型とか化粧でかなり変わるものねぇ」
「はい。僕もここまでとは思ってませんでした」
「ねえ、ちょっと触らせてもらってもいいかしら?」
沙由美は興味津々といった感じで圭太に聞く。
「え?それはちょっと・・・」圭太は困ったような顔で答える。
「いつも着せている普段のメイド服や女子制服とはまた違った
新鮮な魅力あってがいい感じよ。」
沙由美は嬉々とした表情で話を続ける。「そ、そうですか・・・」
圭太は恥ずかしくなって頬を赤く染める。
「ちょっとこっち来て座ってくれるかしら」
「え、ここでですか?」
「うん、ちょっと確かめたいことがあるから」
沙由美に言われるまま、圭太は沙由美の膝の上に向かい合って乗っかるようにして座る。
「やっぱり思った通り、女の子みたいに座ってくれるじゃない」
沙由美は満面の笑顔を見せる。
「あ、これは違うんです!ただ単に座りやすいようにってだけで」
「もう、照れちゃってかわいいんだぁ」
と言って圭太の頭を優しく撫でてくる。
「ちょ、子供扱いしないでください!」圭太は慌てて振りほどこうとする。
しかし沙由美はそれを許さず、ぎゅっと抱きしめて離さない。
「はいはい、大人しくしてましょうね。今のキミはJDなんだから」
「うぅ・・・」
そのまましばらく沙由美にされるがままにされていた。
「さすがにこのままだと動けないので降ろしてもらえますか・・・」
圭太はおずおずとお願いする。
「ん~、じゃあちょっと立ってみて」
圭太は沙由美に言われ立ち上がる。
すると今度は圭太の前に回り込み、腰に手を当てながらじっと見つめる。
「こうして見ると、本当に女の子にしか見えないわね」
沙由美は感心した様子で呟いた。
「毎度それで褒められてもうれしくないというか・・・」
「あら、私は本気で言ってるんだけど?それにしても・・・」
と言いながら、沙由美は再び圭太の顔に触れる。
そしてその手で、圭太の顎をクイッと上げ、顔を近づけてきた。
「で、その従姉妹のすみれさんって本当にこんな顔なの?」
圭太の顔を見つめながら質問する。
「はい・・・まさかメイクを真似ただけでこんなに似るとは・・・」
「ふーむ、なるほどねぇ」
沙由美は腕組みしながら考える仕草をする。
「僕も興味本位でやってみただけで、深い考えは・・・」
圭太が言いかけたところで、「よしっ」という声とともに沙由美の表情が変わる。
「圭ちゃん、その格好でそのすみれさんとやらに会って来なさい!」
「いきなり何言うんですか?!」
「ちょっとそのすみれさんの反応を見てみたくなっちゃった」
「自分そっくりに女装した従弟といきなり対面なんて
引かれるに決まってるでしょうが!」
「大丈夫よ。きっと受け入れてくれるはずだから」
「そんな無責任なこと言わないで下さい!!」
圭太は必死に抗議する。
「とにかく!下手すると親バレの恐れだってあるんですから絶対にダメです!!」
「ちぇ、しょうがないわねえ」
圭太の猛抗議に沙由美はしぶしぶ納得したようだ。
「まったく、沙由美先生には困ったものですね」
圭太は呆れたようにため息をつく。
「でも、すみれさんの反応見て見たかったなぁ・・・」
沙由美はちょっと残念そうに下を向く。
「そんな顔されても絶対やりませんからね!」
圭太に一喝されたが沙由美はあきらめきれない様子だった・・・。
***
翌日、
圭太はすみれと家で勉強していたが、どことなくすみれの元気がない。
(どうしたんだろ、すみれ姉さん。今日はずっと上の空だ)
圭太は心配になりながらも、とりあえず自分の宿題を片付けることにした。
「あの、圭太君」
しばらくして、意を決したようにすみれが話しかけてくる。
「うん、どうかしたのすみれ姉さん」
「えっと、実は私・・・」
すみれは少し口ごもりながら話を続ける。
「今付き合ってる人がいるの」
「へ、そうなの?よかったじゃん。」
圭太は素直に祝福した。「で、その人とうまくいっていないとか?」
「ううん、そういうわけじゃないの」
すみれは首を横に振る。
「じゃあどうして?」
「それがね、その人の事好きかどうか分からないの・・・」
すみれはうつむき加減で答える。
「どういうこと?」
「最初は告白された時にOKしたんだけど、それから何度かデートしてるうちに
だんだん分からなくなってきたっていうか・・・」
すみれはモジモジしながら話す。
「それってつまり、好きになったけどよくわからないってことでいいのかな」
「まぁ、簡単に言えばそうだよね・・・」すみれは恥ずかしそうに答えた。
「そっか、なんか複雑な事情があるみたいだけど、僕は応援するよ」
「ありがとう、圭太君は優しいね」
すみれは嬉しそうに微笑む。
(でもなんでそんな話を俺に・・・・?)
圭太は疑問に思った。
「それでさ、もし良かったらなんだけど・・・」
すみれがおずおずと話し出す。
「・・・私とさ、デートしない?」
「えっ!?デ、デートって僕とすみれ姉さんの2人で?!」
突然の提案に圭太の声は上ずる。
「うん、ダメかな?」
「ダ、ダメではないと思うけど、でもどうして俺と?・・・」圭太は戸惑いを隠せない。
「だってほら、彼氏でもない男の子と一緒に出掛けるのは不自然でしょ」
「それは確かにそうかもしれないけど・・・」
「だから、圭太君の事をもっと知りたいなって思って」
すみれは照れくさそうに頬を赤らめる。
「それに、圭太君がどんな子なのか興味もあるしさ」
「・・・でもそんなことして彼氏さん怒らない?」圭太は不安げに尋ねる。
「大丈夫だよ、ちゃんと言っておくから。『私の家庭教師の子が気になる』って」
すみれはクスッと笑う。
(なんだ、最初から僕に拒否権なんてなかったんじゃないか)
圭太は苦笑した。
「で、どうするの圭太君」
すみれはいたずらっぽく聞いてくる。
「・・・そういうことなら」圭太は観念したように言った。
「ふーん、意外にあっさり引き受けてくれるんだね」
すみれはちょっと拍子抜けしたような表情を浮かべる。
「・・・すみれ姉さんにはいろいろ世話になってるから、断れないですよ」
圭太はため息をつく。
「・・・わかった、じゃあ決まりだね!次の日曜とかどう?」「はい、問題ないです」
「よし、じゃあ当日はよろしくね」
すみれは満足気にうなずく。
(俺はどうしても年上の人に振り回される運命なのかな)
圭太は心の中でつぶやく。
こうして圭太とすみれとのデートが決定した。
****
日曜日。
圭太たちは待ち合わせ場所である駅に来ていた。
「ごめんなさい圭太君、待ったかな?」
すみれが駆け寄ってくる。
今日のすみれは白のブラウスに紺色のロングスカートという清楚な雰囲気の服装だった。
「いえ全然、まだ時間前なので」圭太も答える。
「じゃあ行こっか」
(思えば部の先輩以外の女の人とこんな普通にデートしたのは初めてかもしれない・・・)
圭太は緊張していた。
「圭太君は普段何やってるの?」
「普段は学校行って勉強したり部活行ったりですね」
「へぇ~、圭太君って頭いいもんねぇ」
「別にそんな事ないですよ、ただ授業を聞いてれば解けるような問題が苦手なだけです」
「また謙遜しちゃって」すみれは笑顔を見せる。
「そういえば今日行くところはどこなんですか?」
「ああ、言ってなかったっけ?映画見に行くんだよ」
「え?映画館に?」
「うん、最近話題の恋愛ものがあってさ、それが見たかったんだけど1人だと行きづらくて」
「なるほど、俺も最近変な映画しか見てなかったんで逆に面白そうかな。」
「おっ、圭太君はどういうの見るの?」
すみれは嬉々として食いついてくる。
「はい、なぜかうちに変な映画のチケットばかり回してくる人がいて・・・」
「その人の趣味なのか、よくわからないんですけど、馬鹿ホラーや変なキワモノ映画が多くて・・・」
圭太はげんなりとした顔で言う。「そ、そうなの?なんか大変そうだね」
すみれは苦笑いする。
「まぁでも、すみれ姉さんが楽しんでくれるなら俺としては嬉しいです」
圭太は少し照れた様子で答えた。
「もう、可愛いんだから」
すみれはクスクスと笑う。
しばらく歩くと、目的の映画館が見えてきた。「わーすごい人だね!」すみれは目を輝かせる。
「やっぱり人気あるみたいだね。この時間帯なのに結構並んでるよ」
圭太は行列を見て驚いた。
「圭太君、手つなごうか」
「はい!?」
突然の申し出に圭太は戸惑う。「ほら、はぐれたら困るでしょ?」
「あ、はい・・・じゃあお言葉に甘えて」
圭太はおずおずとすみれの手を握る。
すみれの柔らかい手の感触が伝わってくる。
「ふぅん、圭太君の手って意外に大きいんだね」すみれは興味深げに圭太の手を握り返す。
「あ、はい、一応男だし」
圭太は顔を赤面させながら答える。
「圭太君の指、細くてきれーだよね」すみれは圭太の指を優しく撫でる。
「ちょ、ちょっとくすぐったいですよ」
圭太は思わず声を上げる。
すみれはいたずらっぽく微笑む。
しばらくしてようやく列が進み始めた。
すみれは圭太の腕に抱きつくように密着して歩いていた。
圭太の心臓の鼓動が激しくなっていく。
やがて2人は館内に入り席に着く。
上映まではまだ時間がある。
(うう、緊張してきた・・・)
圭太は落ち着かない気持ちでいっぱいだった。
話にも詰まり、ついついパンフレットを読むふりをしてしまう。
「圭太君、そんなに固くならないで、もっとリラックスしよう?」
すみれが小声で話しかける。
「はい、すみません」
圭太は小さく答える。
「あ、そろそろ始まるよ」
スクリーンに映像が流れ始める。
****
「面白かったね!圭太君!」
すみれはとても満足した様子で言った。
「そうだね、なかなか良かったと思う」
圭太も興奮気味な様子で答えた。
「また一緒に来ようね!」
すみれは屈託のない笑顔を浮かべている。
しかし映画館を出てすぐ、突然の大雨に見舞われた。
「うわっ、これはひどい雨だね」すみれは空を仰いで呟く。
「とりあえずどこかで雨宿りしないと!」
圭太は辺りをキョロキョロと見渡す。
「そうだ、私のアパート近いんだけど、そこで少し休んでいかない?」
つづく