【R-18】男女比率がおかしい貞操観念逆転アカデミアだけど強く生きよう 作:hige2902
どこにでもある女子高生の自室で、必死に快楽を抑える声がした。
「んっっ……あっ、んっく!」
絶頂と共に甲矢は潮を吹いた。その際にタオルで股間を覆う事により掃除の手間を省ける。このライフハックは誰に教わるでもなく、より良いオナニーを求める道すがらでなんとなく自分で思いつく。
誰しも一度は初めての潮吹きで部屋が大変なことになり、その快楽、爽快感と後始末の焦りで感情がグチャグチャになる。そしてその対抗策としてイク直前にタオルをあてがうという技を編み出すのだ。しかしこれは、思いっきり吹けるものの片手が塞がるというデメリットが生まれる。
(やっぱイク時は両手使って責めた方が気持ちいいんだけどなー)
それは快楽とのトレードオフ。一番楽なのは家族がいない時にトイレでする事だ。──風呂場は音が響いて近所にバレる── 膝の上にタブレットなりスマホなりを置けば両手も空くので、好きなだけマンコを弄れる。
バスタオルを床に敷いてうまく下に吹くのもありだが、実家暮らしの場合は洗濯物のタイミングに気を付けなければならない。なんかやけにタオルを洗うなーと母親に勘付かれる。けどたぶん黙ってくれてる。同じ女としての思いやりは代々そうやって受け継がれていくのかもしれない。
一段落付いた甲矢はタオルを裏返し、乾いた部分で愛液と潮、本気汁で濡れた秘部を拭う。そして特有の冷めた思考を働かせる。
(いやじぶんの喘ぎ声めちゃくちゃ気になるな)
オカズはこのあいだ波動に撮ってもらった彼とのハメ撮りだ。
事の発端は彼だ。夏休みの合宿中は波動と会えないので、せめてオカズとしてハメ撮り動画を持って行きたいと持ち掛けたのだ。
とうぜん波動は即決で了承する。彼氏がそこまで求めてくれるなんて嬉しすぎる。
甲矢がカメラ役を相談された時は、親友の頼みなので二つ返事で了承した。あわよくばじぶんの分も撮ってもらうという下心があったのも確かだが。
それにしても、と甲矢はニヤニヤと欲を滲ませた笑みを抑えきれない。
ヤッてる時は当然として、あらためて客観的に見るとめちゃくちゃ興奮した。じぶんの声が気になるのを差し引いても、今まで使ってきたアダルトコンテンツの中でトップクラス。
いやもう殿堂入りだ。なんせじぶんが出演して男をヒイヒイ言わせて感じさせまくっているのだから、女としてこれほど気分のいいことは無い。夏休み明けまで彼と会えないが、これ一本で容易に乗り切れる。何と言っても無修正だし。
AVのサブスクを解除してもいいくらいだ──しない──
こんなに最高な体験をさせてくれた親友にはいくら感謝してもしたりない。
だからこそ、少し気になっている事がある。
(やっぱちょっと可哀想だな、付き合ってるのに夏休みにほとんど会えないのは。なんかしてあげたいけど)
夏休みと言えば色恋のイベントが目白押しだ。映画館や遊園地デート、夏祭りに花火。その帰りの暗がりでイチャついてる他のカップルを見てムラムラして…………
(いやなんかその辺の過程を全部すっ飛ばしてる気がするけど)
とにかく雄英のヒーロー科でなければ、存分に恋人らしい事が出来ただろう。
(恋人らしい事……か)
考えは纏まらないが、いつまでも下半身丸出しは予期せぬ来訪によるオナバレの危険性がある。家族と鉢合わせにならないよう、こっそりとタオルを隠し持って入浴するついでに洗濯機に放り込む。気持ちよくクチュった後の熱い風呂は気分がいい。
そしてまだ余韻の残る、イイ感じにあったまったピンク色の思考でぼんやりとする。
(恋人……夏休み、会えない間…………恋人、夏休み、会えない夏休み…………なんかどっかで見たような並びだけど)
やがてするりと記憶の糸が解きほぐされた。
エッチな事を一生懸命考える脳みそに天啓が直撃する。これだ!! と目を見開いた。
(よろこぶぞ~ねじれのヤツ)
甲矢は上機嫌で鼻歌を奏でた。湯気で満ちた浴室に小粋に反響する。
実行するにあたって、ヘタをするとじぶんの立場が危ういものになるかもしれないが親友の為だ。
必ず成し遂げてみせるという決意を、今日使った彼とのハメ撮りに誓った。
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「だあー、午後を乗り切ればやっと試験が終わるー」
いつもの湖に面したオープンテラスで、ぐでーっとテーブルに突っ伏した芦戸が呻いた。
心なしか、頭部から生えた二つの触覚──本人的には角! ──も元気が無いように見える。ランチラッシュからテイクアウトしたオクラとろろ蕎麦の包みを開ける気力もない。
すぐそばには、四人以上から利用できるランチラッシュの配膳ロボが行儀よく控えていた。スマホで注文と場所と時間を指定すれば届けてくれるし、料理の入っている引き出しは温度管理機能が働いているので出来立てのホカホカだ。
食べ終えた食器やゴミも回収してくれるので、雄英の広大な敷地内で自然に囲まれながら食事したいなら利用しない手はない。
初夏も近づいてきた季節だが屋根で日陰になっており、湖も近いので過ごしやすい温度だ。
「国語どうだった?」
取蔭が髪を耳に掛けながら、タレの効いた肉丼をパクついて気軽に尋ねた。
耳郎は「ウチは結構自信ある」と答えて、揚げたてのフィッシュアンドチップスにかぶりつく。すぐさまポテトを数本まとめてケチャップにディップし、ペコペコのお腹に炭酸水で流し込む。
たっぷりと頭を働かせた後のカロリー摂取は別格だ。
「おれはまあまあだったかな」
最後に彼が微妙な表情でカラフルな生春巻きを一口やる。ぷりぷりなエビが濃厚な味だ。
雄英体育祭のオイルマッサージ事件の後、ここで昼食を取ってからだいたい昼休憩はこの四人でつるむ事が多くなっていた。たまに小森や八百万が入ったりする。
「芦戸さん、午後もあるんだし早く食べて栄養取っといた方がいいよ。麺が伸びるし」
「う~」
憂鬱な口調で芦戸が力なく包みをあけた。ぶっかけ風の冷やし蕎麦で、ざくざくのオクラと柔らかいとろろにウズラの生卵が乗っている。
いかにも精が付きそうで、流石に食欲が湧いてきた。いただきまーす、と啜る。啜って、精神的疲労で忘れていた空腹を思い出し、ひとまず胃を最低限満足させてお茶を一口やって呟くように言った。
「赤点だったらさー、やっぱ合宿は教室でお留守番って感じなのかなー」
そこまで手応えが無かったのかと、取蔭と耳郎と彼は顔を見合わせる。
「さすがにそれはないんじゃない? それよか問題は実技っしょ。まあ、赤点は合宿中の休日返上で座学かもだけど」
「例年通りなら仮想敵ロボなんだっけ?」
「波動先輩の時はそうだったって聞いた。おれとしては筆記より心配だなあ」
「うう、やだ。厳しい合宿の僅かな休日、わたしも遊びたーいー!」
あーだこーだと取り留めのない会話で昼食を平らげ、配膳ロボの一番下の引き出しからデザートを取り出した。
彼のチョイスはソフトクリームだ。バニラビーンズの効いた柔らかな氷菓子を、赤い舌で舐めあげる。
ごくり、とそれを見ていた三人は固唾を飲んだ。ぽろりと芦戸の白玉がスプーンから落ちた。
ふと、彼は視線が集まっていた事に気付く。その瞬間に三人はそそくさとじぶんのデザートを誤魔化すように口へ運ぶ。取蔭はヘタの付いたままのイチゴを放り込み、耳郎はスコーンを割ってジャムを塗るのも忘れて齧りつき、芦戸は何も乗っていないスプーンをパクリとやる。
味は、よくわからない。それほどに内心ではメチャクチャ焦っていた。
(エロい目で見てたのバレたか!?)
男性はそういう視線に敏感という話を聞いた事がある。けどそれってこっちが悪いのかなあ? と少し理不尽にも思える。屈んだ時に首元からチラリとインナーが見えたら、そりゃ視線が向かうに決まってる。
そんな内心の抗議とは関係なく、結果としては彼女らの危惧した事態にはならなかった。
「あはは、子供っぽいよね」
気まずそうに笑って、彼は一人恥ずかしくなった。
ソフトクリームの食べ方と言えば、小さなスプーンが付属していたり一口ずつ齧るようにしたりとあるが、彼は舐めるのが好きだった。中学の友達からはガキかよとからかわれた事もあったが、なかなかやめられない。
「いや全然そんな事無いよ!」
「単に美味しそうに食べるなーって思ってただけ!」
「次はウチもアイスにしよーかなー!」
怒涛のフォロー三連続に少し気圧されたが、それならいっか、と彼はコーンに垂れた一筋を慌てて舐め上げた。その様子をチラッチラと三人が盗み見る。
特別にアイスが食べたいと思ったわけではないし、子供っぽいとも思ってない。ただ彼の舌使いがなにやら淫猥で、モノも女性のそれとは違って力強そうな厚さと長さをしており、いろいろと連想した。
悶々と、いや黙々と目の前のデザートを平らげ、一息つくと午後のテストの為に早めに校舎へ向かう。お腹も膨れて頭に糖分がまわったし、いい気分転換になった。
途中で彼がトイレに行って別れ、しばらくのあいだ三人は黙って教室に戻るだけの廊下を進む。不思議な事に、ここは学校だと理解しているが、気持ち的には夕焼けの河川敷でしんみりと並んでいる感覚があった。
「なんかさ」
と取蔭がおもむろに切り出す。
「最近エッチだよね」
「アイス舐めた時なー、ムラっときた」
「冬になったら見られないんだろうな」
誰がエッチとは決して言わないが、芦戸も耳郎も、そしてクラスのみんなも、それはなんとなく実感している事だった。
ソフトクリームを舐める程度の仕草で想像力逞し過ぎだろ処女乙と言われても仕方が無いが、なんてことない所作で反応してしまうお年頃なのだ。それに、職場体験以降の彼は確かに大人の色気があった。
「っぱ波動先輩とファンザ本社でなんかあったんかな~」
「お? 取蔭、もしかして狙ってた?」
からかうように芦戸がニヤニヤと笑う。
「すーぐそっちの話に持ってこうとするよなー」
呆れ顔で返されるが、実はこの手の恋バナに目が無いので「へへへ」と笑ってごまかした。
「そういう訳じゃなくてさあ……何て言えばいいんだろ。ん-、今の距離感を続けていいのかなーってわかんなさ?」
腕を組んだ耳郎が難しい顔をする。
「まあー取蔭の気持ちはなんとなくわかる。もしもだけど、さすがに早過ぎるから無いとは思うけど、仮に二人が付き合ったらウチらってアイツとどう接すればいいんだろ? 波動先輩からしてみればあんまりいい気はしないだろーし」
「あー、そっか。それはそーだ」
言われてポンと手を打つ。
ファンザ襲撃事件について一般に公開されている情報は、波動と彼がマスキュラーを仕留めた程度に収まっていた。コピーキャットへの警戒やアダルトコンテンツを扱う会社が対抗策を立てる時間を設ける為、詳細は伏せられている。
となれば、雄英のBIG3と呼ばれている波動が主体となってヴィランを倒したと考えるのが自然だ。彼が危ない所を波動が助けて、それで恋心を抱いたというストーリーは使い古された陳腐さがあるものの、ゆえに現実味があった。
それに本当かどうかは知らないが、男の子は恋するとカッコよくなる、とはよく聞くセリフだ。エッチにもなってるのがよくわからないが。
うーん、と頭を悩ませる中、しばらくして芦戸が言い放つ。
「……いや、アイツが誰と付き合おうがわたしらは友達だ。友達なんだから一緒にご飯を食べるくらいは普通だ。気にする事は無い!」
それは下心の無い本心から出た言葉だった。最近彼がぽつりと零したのを聞いたが、体育祭以前は一人でいる事が多くて少し寂しかったらしい。だから最近は皆といられて嬉しい、と。気恥ずかしさからか幾分言葉を遠回しにして。
唯一の男性という事で絡みづらかった故の状況だったが、今は違う。少しずつ仲間として、友達としての関係を進めている。それを今さら後ろに蹴り飛ばすようマネはしたくない。
取蔭が感心して言った。
「おー、一理ある。いい事言うじゃん」
「いやでもさ、ウチらがよくても付き合ってる相手からしてみれば」
「いーんだよ! そんなのほっとけば。だいたいさ、誰かと付き合ったから距離置いて、じゃあ別れたらまた近づくってのもおかしな話じゃん?」
「それは…………そうか」
「でしょ? わたしらだって何も寝取ろうとしてるわけじゃないし、それが悪い事だってくらいわかってる。それでも文句言ってくるようなケツの穴の小さい女なら、アイツの方からそのうち振るって」
結局のところ彼と波動との関係は未知であり、まさか付き合ってるなんて思ってはいない。それはさすがに性急すぎる。わたしらは詳しいんだ。ハーレム系ラブコメをたくさん読んでるから。最終回でようやく付き合うとか、時間が飛んで結婚するんだ。
そうして三人は彼との友情を再確認する。
わたしらは友達だ、おー!
その日の下校時、芦戸は懐かしい人と再会した。結田付中学の先輩で、派手な桃色に髪を染めているが特徴的なベリーショートは変わってない。たしか甲矢とかなんとか。
「ひっさしぶりだね、芦戸」
「あーどもっす」
一緒にいた取蔭と耳郎が軽く会釈した。
芦戸もそれに倣い、次いでなんとなく胸を盗み見た。懐かしい顔と出会ったとき女性は、変化が如実に表れやすい胸囲に目が行ってしまうものなのだ。会話に困ったら肩が凝りそうとか、ブラの新調でお金がとかに振れるというのもある。
しかしそれよりも思春期が気にしてしまうのは、エッチな事をするとおっぱいが大きくなる、という風説の存在だ。揉まれたり吸われたりすると女性ホルモンがどーのこーのしてバストアップする、らしい。
だから夏休み明けとかに大きくなっていると処女卒業したのでは? と勘繰られたりイチャモンを付けられたりするのだ。
甲矢のそれは、かつての記憶よりもデカくなってる気がする。いや、まあ二年も経てばいろいろと成長するか。
「芦戸も雄英に来たんだ。体育祭一年の部をたまたま見返したら懐かしい顔を見つけてさ、びっくりしたよ」
「まあ~なんとかって感じですけどね」
二人の繋がりは中学の個性訓練場内くらいのもので、部活の先輩後輩未満といった感じだ。学年も一年と三年で離れており、一緒にいた時間も少ない。それでも難関の雄英に受験するという大きな目標を掲げた者どうし、不思議と仲間意識のようなものは芽生えていた。
なにより、結田付中のエロソムリエを自称していた甲矢にはいろいろと教えてもらった。
「うわー顔見たら急に中学が懐かしくなってきた。そういやアイツ、どうなったの? ほら芦戸に雄英なんて無理だって言ってた、あの女」
「なんか露骨に距離取られた後にボソッと謝られました。いいんですけどね、別に。筆記はじぶんでも奇跡みたいなもんだと思ってますし」
謎の内輪ネタで盛り上がりを見せる。取蔭と耳郎は少し所在なさげにしていたので、その日はそこで分かれる事になった。
芦戸と甲矢に積もる話があるわけではないが二年ぶりの再会が目標としていた場所なのは嬉しく、雄英内の適当なベンチで飲み物片手に談笑する。
合宿が近いのであれこれと教えて貰ったりして、ひとしきりの話題が終わった頃に甲矢が切り出す。
「そういやさ、芦戸のクラスって男子が一人しかいないんだよね?」
「ん? ああ、そうです。珍しいっていうか、凄い確率ですよね」
「けっこー声かけづらいんじゃない?」
「ぶっちゃけ嫌われたくないなーってのがあって、最初の頃はそうでしたけど今は全然。仲いいですよ」
「あー、わかる。人数少なくてクラス替えとかないからなー、ヒーロー科は。人間関係には気を使うよ。わたしも告ろうと思った時あったけど、フラれたら気まずいから諦めたなー」
「えーそれどんな人ですか? って聞いていい話ですかね」
つい取蔭と似たようなノリで尋ねてしまって取り繕ったが仕方がない。気になる。
「普通というか真面目そうって感じというか。今となっては別に好きかどうか怪しい気持ちだから、告んなくてよかったと思ってるよ」
「えーそうなんですか。なんか……ちょっと切ないですね」
「んな事無いよ。単にちょっとエロい目で見てただけって事かもだし……それよか芦戸はどうなん?」
「え、どうって」
「とぼけんなよ~、男って言ったら1-Aは一人しかいないだろ? どーなんだよ~」
「いやアイツは別に友達なんで」
「でも結構いい身体してるよな、体操服の上からでもわかるくらいに」
腕を組み、しみじみと体育祭の映像を脳裏に思い浮かべる。
「そーなんですよね~いや初期のコスチュームが凄くて」
キャッキャッと無邪気に語る芦戸を、甲矢は内心で試算した。
この様子だと、彼に対しては好意的のようだ。性的な魅力がある事も認識している。それなら実行に移しても問題はなさそうだ。
「へーじゃあその戦闘映像ファイル、わたしにも見してよ」
「え、それはうーん。いいんですかね」
一応、復習という前提があるものの、なんとなくエッチな目的で広めるのは気が咎める。
「そもそも先生の公認でシェアされてるんだろ? 学習目的で。だったら同じヒーロー科であるわたしが見ても問題ないでしょ。中間の実技に関して、わたしが芦戸に教えたのと変わんないよ。それに実際のところ興味あるし、指名手配級とエンカウントして生還した実力がどんなもんか」
「ん~まあそういうことなら」
いっか、と連絡先を交換してファイルを送信した。
甲矢が密やかにほくそ笑む。
「お礼って訳じゃないけど、おまけにスッゴイAV送るから気が向いたら見なよ」
「へえーじゃあ期待しときます」
「あー、思わず人に勧めたくなるようなヤツだから、楽しみにしとけよ」
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自宅に帰り、風呂に入る前にそそくさとイヤホンを付けて動画を再生する。あの甲矢先輩がスゴイと言ってたのだから、相当なブツなのだろう。
まずはタオルを半分ほど垂らすように椅子に敷く。愛液が椅子に垂れ落ちる対策だが、吹きたくなったら垂れた部分を捲り上げて飛び散る潮を防ぐ事も出来るのだ。
すでに秘部は期待でしっとりと濡れていた。準備万端。心を躍らせて動画を再生する。
それは薄暗い倉庫内で情事に耽っている映像だった。残念ながら顔は薄いモザイクが入っていたが、個人撮影風でなかなか趣がある。
芦戸が個性を起動すると、指先にとろりとした【酸】が生まれる。もちろん溶解強度と粘度をオナニー用に調整したローションなので危険性は無い。
それをクリトリスへ浸み込ませるように、ゆっくりと撫でまわす。
学制服のはだけた男優の身体つきは女性受けしそうな肉欲をそそるものだった。いかにも筋肉を付ける為に過剰に鍛えた、筋張って硬そうなそれではない。
それはそれで需要があるらしいが、何かしらの目的を達成する為に自然に付いたむっちりと大きく柔らかそうな筋肉にしかない色気が、芦戸は好きだった。
「んっ……あ、ふ」
けっこう気に入ったので、画面を見たまま、机の引き出しの奥にしまってある無線ローターを手探りで取り出してスイッチを入れる。割れ目にめり込ませた。膣が具合を覚えているのか、引っ張り出す輪っか状の紐を残して定位置までにゅぐにゅぐと飲み込む。
(おー、あ~これこれ。やっぱ勉強のストレスにはオナニーが効くわ~)
そのままクリを指で擦る。くたくたの脳に鮮烈な快楽が麻薬のように浸透していく。
セックスシーンで全裸になるけしからんコスプレものと違い、これは着たままヤっている。しかもボタンは全部外されていてインナーも乳首が見えるまでまくられており、緩んだネクタイをちゃんと付けているのが高ポイントだ。
正直なところ芦戸のお気に入りに比肩するかと問われれば怪しいが、エロソムリエがお勧めするだけはあってクチュリティは高い。
(エッロい身体してんなーこの男。後で甲矢先輩に名前聞いとこ。耳郎たちにも教えてやるか)
ただ、一言文句を付け加えるなら動画音源そのもの音量が低い事だ。まだ愛液で濡れていない小指で、器用にボリュームを上げる。
そして燃える身体の熱を発散しようとし、一気に凍り付く。
聞き覚えのある男の声に数秒の停滞。
芦戸の自室に、ぴったりと閉じた陰唇の間からローターの駆動音が薄っすらと漏れ聞こえる。
一筋の愛液が冷や汗のように零れ落ちた。
「はぁああ!?!? え? ちょ、なに? ん、ん? は待って、は!? んんんん?」