※この作品はR-18です。

七海建人「私の黒閃記録は53万です」   作:天間緑茶

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憑依

 呪術廻戦の世界に転生したと気が付いたのは、朝起きたら知らない天井から始まり洗面台の鏡で見た自分の姿を見た時だ。染めた覚えのない金髪にくたびれた目、そして掛け方の不明なサングラス。

 間違えなく自分体は七海健人のものだった。そう確信すると、七海健人であった記憶を振り返ることができ、灰原を死なせた不甲斐なささえ自分の事のように振り返る事ができた。現時点で一級術師としての強さは遺憾なく発揮できるのが感覚でわかる。術式も七海健人の『十劃呪法』を使用する事ができる。

 だからなんだと言うのだ。この世界は五条悟が生まれる事で呪術界のバランスが崩れ大インフレするのだ。~呪術師に非ずんば人に非ず~こらの比ではない。領域展開を出来ねば人に非ず。人として死ぬ事すら出来ない。

 

「舐めやがって」

 

 七海健人は主人公の踏み台だ。虎杖が成長するための養分に過ぎない。最悪な事に五条悟のお気に入りでもある自分は確実に巻き込まれる事になるだろう。七海健人であり七海健人ではない事を疑われる可能性もある。実際に夏油の擬態も五条悟には通じなかった。

 五条悟を乗り越えない限り安全は保証されない。幸い、今は呪術師を辞めて一般人として働いている。五条悟に悟られずに強くなるのは今しかない。少なくとも真人を倒さないと呪術界で生き残れないので、真人を倒せる強さは最低限必要となる。

 

黒閃

 

 七海健人が唯一誇れるこれを極めるしかない。

 黒閃は呪術の確信に近づく事ができるらしい打撃技だ。黒閃を出来ねば人に非ず。七海健人は運が良くなければ4回も黒閃ができないのにどやっていた。まずはここを越えねばならぬ。

 

 黒閃しか縋る事の出来るものもないが、縋れるだけマシ。逆に感謝するくらいでなければならない。私は休職届を出して山に籠った。黒閃に感謝を込めて正拳突き。それを一万回。黒閃を極める覚悟で修行に励んだ。

 53日後……一度も黒閃を失敗する事は無かった。もちろん成功するだけ呪術の確信に近くなっていった。しかし、五条悟には届かない確信も同時に得られる事ができた。

 領域展開が出来ねば五条悟の土俵に上がる事はできない。

 

「普通の黒閃」

 

 黒閃を空中でヒットさせる事で発動させた黒閃は木々や地形を吹き飛ばし虚式並みの破壊力得ることができた。しかし無限に届く事は叶わない。これ以上、帷で誤魔化して強くなる事も難しくなってきた。

 

 領域展開への至り方などを作中で語られたわけではない為どうする事もできない。真人を倒せるだけの力を得る事はできたので及第点だが、五条悟を超えねば人に非ず……

 

「魂か」

 

 五条悟に触れないなら魂に触ればよい。よくアストラル界だのなんだの魂は別次元にあると聞いた事がある。呪力で防御できるようだが、無限の呪術で魂を守っている様子は今のところないはずだ。もしもの時は魂ごと五条悟を消し去る。

 

「というわけでここが君らの新しい家になる」

 

「どういう事だよ……」

 

 おかっぱで目つきの悪い真希が今までの経緯を省略した私に意味がわからないと言及する。

 

「何、簡単な事です。魂の繋がりが命で物理的に繋がってる君たち天与呪縛持ちの双子からなら魂を感じ、そして干渉できるのではと考えるのは当然の結論です」

 

「どこも当然じゃないわよ」

 

「どういうわけで脱ぎなさい」

 

「脱ぐって服をか?」

 

「当たり前です。ただでさえ肉体というフィルターがあるんです。服が例えオブラートだったとしても邪魔になるに決まってるじゃないですか」

 

「何でそんな理解できない顔になってるんだ。こっちの方が意味わからねえんだよ」

 

「君たちもご両親もご党首も合意したじゃないですか、呪術師としては才能がないから一般人として私の様に生きる上で補助するというていで、禪院家を見返す。あいつらを歯牙にも掛けない様な生き方が出来る様にするって」

 

「っだ、だからってロリコン野郎にパコられるなんて納得できるか!?」

 

「こっちも善意だけじゃないと説明してるでしょう。あなた達は禪院家を断つ、繋がりを断つ、私も勃つ同じです」

 

「同じじゃねーよ!」

「最悪……」

 

「そんなに嫌ですか……まぁ、そのままでは呪術の波に飲まれて死ぬ運命。その時私の前で泣かれても困ります。なので脱いでベッドで待ってなさい!」

 

 そう言うと私は1時間ほど家を空けてスッキリしたのちに帰宅した。

 

「さあ、寝ますよ!風邪ひかない様にして下さいね!」

 

 成長期真っ只中の少女二人を両脇に抱えて、二人の魂の繋がりを感じる。小さい突起、きめ細かい柔肌。嫌がりつつも緊張して脈打つ少女達の心臓。

 

「白閃!」

 

「おわっ!何出してんだテメエ!」

「もぅほんと最悪ぅ……」

 

 耐えられる訳が無い。しかし僅かながらに魂の振れを感じる事ができた。夜は長い。まだまだこの青い果実も楽しむとしよう。

 

 

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