七海建人「私の黒閃記録は53万です」 作:天間緑茶
どうも、役立たず三輪です。姉妹校交流戦のどさくさに虎杖悠仁の抹消指名があり、同級生のパンダに遠くの川へ殴り飛ばされてずぶ濡れになりました。その後ふらふらと歩いて電話口から狗巻棘に眠らされて気がついたら高専が戦場になっていました。意味がわかりません。
「回収して頂いてありがとうございます……七海さん」
何か特級呪霊が大規模に暴れているらしく危うく巻き込まれるところだった私を回収して下さった様です。
「その恥ずかしいので後は自分でやりますから……」
普通に起きたら怪我をしていました。今は折れた足が痛いです。それに水と土埃でどろだらけで転がってた様で下着姿見で介抱されていました。異性にこんなに肌を見せるのは大変恥ずかしいです。
「では急いで下さい。ここも安全が確保されているわけではありません」
「はい///」
とりあえず手近にあったらしい大きめ?男性用?のジャージを着て七海の背中に担がれます。男の人の背中は大きいです。東堂先輩に比べたら小さいですが、私と比べると厚みも大きさも全然違います。
森の方に目を向けると巨大な大樹が出現したり、衝撃で地面が揺れるくらいの音がしたり魔鏡でした。あそこに放置されてたら死んでたかも知れません。七海さん曰く虎杖悠仁の成長が微妙過ぎてダメらしいです。特級呪霊を相手にしてるだけでも十分だと思うのですが、それではダメダメらしいです。
「あ、あの!何処に行くんですか?」
「しっ、敵が彷徨いていると思います。私は感知が苦手なので先手を取られたく有りません。一旦潜みます」
特にやる事も無くただ密着していると無性にドキドキしてきます。服越しとは言え私の心臓が激しく脈動しているはバレバレなので一層恥ずかしいですが諦めます。
と言うか、何なんですかこの時間!だんだん汗ばんで来ました!七海さんもおぶっているから普通に尻に手を当てているのですが、七海さんの緊張感が伝わってきて何も言えません!
あれ?前髪で目元を隠した人が高専の建物奥から出てきました。
「何だ吉野純平か」
「お知り合いですか?」
「高校一つ呪った呪詛師ですよ。最近の事なので知ってるとは思いますが」
呪詛師として日が浅いのでまだ3級案件の事件。しかし件の呪詛師と聞いたとして、あれが3級案件の呪いとは信じられない。感じる呪力は七海さんを軽く凌いでいた。
殺される。
体が強張り、預かられた背に深く潜り込もうとする。
「誰だ!そこに隠れてるのはわかってる!」
見つかってしまった。これって私の所為?!確かに呪力の圧にびびって気配漏らしたかもしれません!やっぱりわたしの所為ですね、はい。
「しっかり捕まってて下さい」
「んヒイィい!」
早い!速い!これが一級!?相手も何か呪具か何かで腕黒い!でもタコ殴りにされてる!でも致命傷になってないのはやっぱり私の所為ですよね……デバフになってます。
「畜生!畜生!女の顔覚えたからな!今回は見逃してやるが、絶対に種付けして僕の精液を飲ませてやる!」
「あれは花御の……厄介になりましたね」
レイプ宣言されました。最悪の気分です。呪詛師は強姦した後殺すのが趣味の女性の敵そのものだそうです。
「心配ありません。奴らの活動範囲は主に東京です。西にいる限りはそこまでの危険はありません」
東京は夜1人で出歩くのだけは避けようと当たり前の防護策を実施しようと決めました。
「……ったく、遅いんですよ使えませんね」
空に生五条悟が浮かんでいました。一瞬目があった気がしますが何か思ったより怖いです。あと七海さんの暴言が止まりません。
空で二つの大きな呪力が交わったと思ったら高専の一部が消し飛んで跡形も無くなりました。あれが特級の実力……っやばい……。
姉妹校交流戦が滅茶苦茶になってしまい翌日野球をする事になりました。なんで?そしてそしてメカ丸に裏切りの容疑があるそうで、七海さんが私の監視をしに来ました。
♦︎
「私としては貴方を1%も疑っていないので安心して下さい」
メカ丸と言う邪魔が無くなった上にメカ丸の嫌疑が同級生の三輪に降り掛からせて監視の任を確保する。長かった…!
「あの、本当なんですか!メカ丸がその呪詛師の仲間だなんて!」
「その件に関しては上としては一番疑いの余地がある程度という認識ですが、私は100%確信しています」
「そんな……なんとかならないんですか!」
三輪霞は優しい。呪詛師になったメカ丸に対してまだ同情し救済策を模索している。だが呪詛師認定を覆すことは不可能だ。それこそ上の連中を全員消さなければ呪術界に安寧はない。
「ありません。虎杖悠仁を殺そうとした京都校が一番良く知っていると思いますが、どうしようも有りません」
陰った少女の心、死と隣り合わせの任務、監視の為の共同空間。用意できるピースは全て揃えた。後はこのピースを合わせて合体させるだけだ。
♦︎
「ギャァァァ!準一級呪霊!死にます!殺されちゃいます!」
死と隣り合わせの任務で精神を磨耗させる。
「任務のどさくさで貴方を殺そうしてる奴らがいるのかもしれません。虎杖悠仁の時に使われた手です。その時は伏黒君と釘崎さんが巻き込まれていました。大丈夫です。私が死なせはしません」
♦︎
「あの……同じ部屋じゃないとダメなんですか」
「仕事ですのでなぁなぁには出来ません。風呂に入る際は何も持ち込まぬように」
「トイレは……」
「残念ですが……」
状況に引くというよりは恥ずかしさの方が勝っているようで目を逸らしている。これが野薔薇や真希であればガンをくれて苦い顔をしていただろう。
「ちなみにもう出そうです」
「お構いなく」
「構いますよ!」
三輪霞は慌ててトイレに駆け込んで行ったのでの扉が全て閉められぬように足を挟み込む。
「ちょっと!七海さん!」
「不審な音を立てた場合、呪詛師と繋がりがあると見做さなければなりません」
「怪しい音よりも別の音が聞こえちゃいます!ダメです!嫌です!」
ジョロロロロ。
「聞かないで下さい!」
「そっちの趣味は無いので」
スカトロ趣味は無いが少女を辱める趣味はあるのでやめられない。最低の最大限を用意する事でガードを自然と下げる。人は慣れる生き物なのでその恥辱もそのうち当たり前になってくる。
家に弟達がいるという事は男と言う生き物への抵抗感は元々無い。一度諦めてしまえ場パーソナルゾーンへの侵入は用意だ。
「ぁぁ、私の中の乙女値が削られていきます」
この後もシャワーに入ってカーテン一枚での監視体制や睡眠時に気がついたら三輪霞がベッドに潜り込んでくる状況を演出した。
「なっ!何で七海さんが私の布団に!」
「ここは私のベッドです。三輪さんのはあちらです」
「……うーん……私そんなに寝相悪かったかなぁ?」
寝ぼけて状況の変化に脳が追いついていない。呪力を伝播させて体の緊張をほぐしたので寝心地はバッチリの快眠だっただろう。快感が増されていれば違和感があっても受け入れる。
こんな監視生活を続けて行けばお互いに慣れてくる。窓は信用できないので任務内容の連絡だけで顔を合わせない形式にした。高専に戻る事もできないので完全に2人きりの時間が増える。稼ぎが増えて仕送りもできると三輪自身は喜んでいる。
「七海さん七海さん!今日の晩御飯は焼肉がいいです!」
「七海さん七海さん!今日は寿司にしましょう!」
「七海さん!」
「サイゼ」
「サイゼ!やった!」
人から奢られる飯は何でも美味いらしい。そりゃそうだが、添い寝料と考えれば安いくらいだ。
彼女のパーソナルエリアもだいぶ緩くなっていた。蒸れるからとシャワー後は下着姿見で彷徨くようになった。
「ちょっと太ったかも……」
「髪の毛乾かしますよ」
「お願いしまーす!」
三輪霞は私が髪の毛を乾かしている間にボディケアクリームを体に塗る。楽ができるからとあるがままに受け入れている。
「どうせくっついちゃいますし、ベッド繋げちゃいましょう!」
ツインベッドをくっ付ける様になり、次回からクイーンのベッドを手配した。狭い空間に男女2人で数日過ごす。この狭い呪術界で真に信頼できる人間など存在しないのは短く無い時間で誰でも理解できる。
友達だと思えば裏切り者だった。良い人かと思ったら自分本位の優しさだけだった。他人に興味がない。弱者に居場所などない。命の危機に瀕したときに頼れる場所など無いのだ。見捨てられても仕方の無い世界で唯一助けになってくれる存在は依存しやすい。
「七海さーん!タオル忘れちゃいました!取ってください!」
もう我慢ができない。こんな隙だらけの小娘を前に飢えた獣がよくこれまで耐えていた。カーテンを捲り腰を手繰り寄せ腕を掴んで唇を奪う。
「ちょ、七海!だめ!待ってください」
三輪霞の体温は高揚していた。キスの感触を確かめる様に唇を手で覆う。
「初めてなのでベッドがいいです……」