※この作品はR-18です。

七海建人「私の黒閃記録は53万です」   作:天間緑茶

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乙骨

 三輪霞……思ったよりもガードが硬い。髪の色などコンプレックスを誉めてあげたり、お金の稼ぎ方や一級の年収など生々しい話に食いついてはくるものの、明らかにビビっている。しかし西宮とは違い時間の問題だ。周りの目がある中露骨に誘う事ができなかった……まだ入学まもないためメカ丸とセットが多い。個人で動けるまでは現状維持しか出来ない。

 手をこまねいている間に乙骨がやって来てしまった。

 真希が居ないので乙骨の成長は別ルートになる。

 しかし、乙骨に会うには五条悟と合わなければならない。最悪、『この六眼に映る情報は、オマエを七海だと言っている。だが、俺の魂がそれを否定したんだよ!』可能がある。

 

「まぁ10年近く空白が開けば人は変わる。風の噂程度には私の人柄も伝わっているでしょう」

 

 抜かりはない。例え五条悟とは言え、親友と後輩では距離感に大きな違いがあり察知出来ないだろう。

 

「久しぶり七海」

 

 !?ーーー途轍もない呪力。これが現代最強の男。

 

「久しぶりです。相変わらずの様で」

 

「そう?結構変わったと思うけど七海にはそう見えるんだ」

 

 声のトーンが低くなる。おそらくこちらが息を呑んだ警戒心を読み取られた。別に敵対している訳ではない。誰かに害を与えた事もない。疑われる要素は何一つない筈だ。

 

「でも、七海は変わったよね……まさか歌姫に手を出すなんてっぷ、趣味悪りぃ」

 

 思ったよりもクズだった。最初に交わす言葉がそれとは……と言うかなぜバレている。五条と歌姫は仲が良くないためプライベートのやり取りはない筈だ。可能性としては……。

 

「家入さんですか」

 

「ピンポーン!大正解!」

 

 ケラケラも笑い肩に腕を掛けてくる五条悟はうざいしダルい。今すぐにでもその顔面に拳を叩き込みたいが、我慢するしかない。

 口も股も涙腺も緩すぎるぞ歌姫!誰かに言ったら伝播するのは明らかで、さらに家入なら五条に言って弄られるまでがセットなのを学習しろ!

 

「はぁ、弄るなら歌姫さんでお願いします。私は秘匿死刑とされていた乙骨君の指導に呼ばれましたので」

 

「それ、呼んだの僕だし。まぁいいや、七海つまんないし。本題だけど、憂太の強化を手伝って欲しい。僕だと目標として遠すぎるけど特級になる壁として七海以上の適役は居ないって思うんだ」

 

 と五条が自分で考えている様に振る舞っているが、学長経由で事前に根回し済みだ。その思考は誘導されているに過ぎない。御三家の金を高額依頼として回して貰う手筈を整えたのだ。慈善事業は存在しない。

 

「踏み台としてはバネを効かす気は無いですよ」

 

「良いよ壁だから、憂太なら自分で乗り越えるでしょ」

 

「あまり見くびられるのも心外ですね。私の黒閃連続記録は53万です」

 

「何それウケる」

 

 五条に連れられて、1年生一同の前に案内される。

 

「みんな紹介するよ。一級術師の七海だよ!気軽にナナミンって呼んでいい!」

 

「呼べる訳ねーだろjk」

 

 常識的に考えられるパンダがいた。

 

「しゃけ!」

 

 何言ってるかわからない呪言師がいるが彼は無視でいいだろう。もっと物理を鍛えなさい。

 

「よ、よろしくお願いします」

 

 ナヨナヨとして情け無い少年。彼が一人目の主人公の乙骨憂太だ。呪術界に染まっていない特級の若者である。

 

「早速ですが呪術師を殺すために必要な物は何だと思いますか?」

 

 呪術師?呪いの間違いでは無いか?そう思うのは乙骨だけでは無かった。パンダも犬巻もそして五条も頭に頭に?を浮かべていた。

 

「呪ーーー「違います。被せる様ですいませんがおそらくあなた方が頭に浮かべた物は全て違います。必要なのはワンパンで頭蓋骨事弾くヒットマッスルです」

 

 五条悟をしても何を言ってるんだコイツと予想を大きく外された。本来であれば後は任せたと無責任に席を外そうとしていたが、10年近く見ない間に謎の結論に至った七海に興味が出て来た。

 

「良いですか。呪術とは名ばかりで大抵の呪いは呪力で概念、火力、状態異常を防ぐ事ができます。ですので、ほぼ高確率で呪術師はインファイトが発生します。確実に発生するインファイトを制する事ができれば小難しいジャンケンはしなくていいのです」

 

「えっと喧嘩が強ければ良いって事ですか?」

 

 喧嘩、ストリートファイトの才能が呪術師の才能に通ずるか?と言う問いであれば東堂葵を筆頭に肯定できる。しかしそれだけでは意味がない。

 

「呪術師はしぶとい上に初見殺しなのです。手札を見せる時は必殺のときです。絶対に相手を殺してくださいそれが例え呪いでも人でも」

 

「先生!」

 

「はい五条君」

 

 いつのまにか生徒側に並んでいる五条悟。

 

「相伝術式みたいにバレていたり術式開示で威力が上がるケースもあると思います!」

 

「確かにそう言った場合もあります。特に無下限術式の様に無敵の防御力がある場合知っていてもどうしようもありません。五条さん試しに殴って良いですか?」

 

「いいよ」

 

 打撃音すらならない。

 七海の拳は五条との間の無限に阻まれる。

 

「しかし、如何に無敵と言っても術式です。つまりーーー」

 

 拳に領域を中和する領域展延を発生させる。領域展延中は術式を発動できないデメリットがあるが、大した術式ではない場合はメリットの方が遥かに大きい。

 

「え」

 

 三者三様ありえない光景を見る事になった。無敵の五条悟が顎に拳が通り過ぎたと思ったら五条悟が膝をついて気絶していた。パンダと犬巻そして気を失う五条悟の瞳には微かに見えていた。黒く光る呪力の閃きを……

 

「嘘だろ!おいおい悟!大丈夫か!?」

 

「たらこ!?」

 

「心配ありません。授業に戻ります。私は今彼を殺せる唯一の機会を不意にしました。これが呪術師が相手を確実に殺さなければならない理由です」

 

 この光景の意味を乙骨はまだ理解しきれていない。しかし後々になって理解するだろう。パンダと犬巻は未だに驚愕して放心していた。

 

「どんな場合でもインファイトは発生します。さて格闘戦の時間です」

 

 五条が起きた頃にはボロボロになった3人の姿であった。途中里香が顕現したが普通に抑え込まれていたので無事呪力無しの殴り合いになった。

 

「皆さんもボロボロで五条さんも起きましたし、座学に戻ります」

 

「七海質問!」

 

「貴方への授業料は頂いていないので、オートで脳みそが再生する反転術式の練習でもしておいて下さい。最強でいて貰わないと私が困りますので」

 

「ちぇ、悪いね皆んな、やる事できたから帰るよ。ちょっと憂太に負けない様にしないとならない見たい」

 

 五条は目隠しを外すと空に飛んでいった。知識、技術、思考、肉体その全てを見直すのだろう。これで敵対した場合勝つのが更に不可能になった。まぁ、乙骨が育てば五条と同レベルにはなると本人が公言しているので仕上げれば問題ない。

 

「悟を倒せるとかほかの特級でもありえねえ……」

 

「私は特級呪霊でも一撃で倒せるかも知れません。しかし、特級と一級の間には明確な壁があります。私の術式では一生叶うことはありません」

 

「でもよ?七海の言うことはわかったけど、普通拳だけで頭を吹き飛ばすことなんてできねえって!」

 

「ふむ、黒閃を発動させれば良いですが、普通に考えて難題ですね。武器を使いましょう。幸い乙骨君はまだ真っ白なキャンパスです。癖が付く前に色々試しましょう」

 

 乙骨は呪力の操作がメインで色々急成長してあるが、犬巻は酷い。呪言頼りのため貧弱過ぎるため本日は要矯正である。

 

「棘の奴完全に七海に目をつけられたな……」

 

「犬巻君大丈夫かな」

 

「先輩に猪野つう2級呪術師がいるんだけどよ。そいつ高専卒業後しばらく七海の仕事手伝ったりしてたらしいんだよ。七海は呪物で呪霊を特級まで強化してサンドバッグにしてるって言ってたぜ」

 

「ぇえ、それって大丈夫なの?」

 

「大丈夫じゃねえよ。イカれちまってる。でもそのおかげでビビらず冷静に格上相手に生き残る方法を模索できるって言ったたな。因みに猪野曰く次は俺ららしい。終わったな俺ら……もう!動物愛護団体に言っちゃうもんね!あっ棘の足折れた!?棘ええええ」

 

「七海さん怖いなぁ、でも秘匿死刑って話を聞いて五条先生が10年ぶりに連絡してきたって言ったたし、凄く優しい人なんだろうなぁ」

 

 乙骨はサンドバッグになっている犬巻を見ない様にした。

 七海は命に別状は無いため、折れた足で戦い続ける様に指示し半殺しになってようやく呪言での抵抗が許された棘であった。

 必死の抵抗も虚しく七海は無傷。攻撃は最強の防御らしく、呪言の音波を殴って霧散させた。重症になった犬巻を家入の元へ連れて行く。

 

「七海、これやり過ぎ犬巻死んじゃうよ」

 

「これくらい追い詰めないとこれから先やっていけません。死んでからでは遅いんですから」

 

 まだ夕暮れだと言うのに睡眠不足のためか寝起きの様にやつれている家入はさらに大きくため息をつく。

 

「灰原の事もあったからわかるけどさ」

 

「家入さんからしたらそう見えるのも当然ですが、違います。貴方も気をつけて下さい。近頃はきな臭い」

 

「きな臭いのは七海の方だよ。最後に夏油と会った時と同じ空気だよ」

 

「あんな無計画大量殺戮犯と同じにしないで下さい。あと歌姫さんとの事、五条さんにバラさないで下さい」

 

「それもあった。あの人心は10代なんだからーーってもう帰るのか!?おい!ガキ置いていくな!」

 

「彼何言ってるか私にはわからないので苦手なんですよ」

 

 周りが理解して上げなきゃいけないとか面倒くさい。

 犬巻は自分の脚で帰ったと家入から連絡が入った。起きたら死体安置所で精神的に参ったそうだが、そう言った経験が呪術師にとっては大事だ。乙骨だけでなく周りのレベルが上がれば高専の平均値は上がる。真希が抜けた穴をカバーできる様にはなるだろう。

 翌週、乙骨と2人で呪霊を祓いに心霊トンネルに向かった。帷は補助監督として派遣された新田明が降ろす。

 

「乙骨君、刀を携帯して下さい。今回の呪霊は2級相当で僅か一週間の付け焼き刃の剣術は通用しません。とにかく呪力を込めて再生ができない様に切り刻んで下さい」

 

「っえ!一緒に行ってくれないんですか!?」

 

「私は乙骨君が負ける姿は想像できません。折本里香がいる限り特級下位では派が立たないでしょう。今必要なのは覚悟と自信です」

 

「はい!」

 

「行っちゃったすね」

 

「彼に未来を託すには不安でしょうが彼は強い。そう憤らないで下さい」

 

 私はスーツのパンツ越しに張りのある尻を揉みしだく。

 

「何触ってるんすか……」

 

「この尻を守らなくてはと最近思う様になりまして」

 

 渋谷事変では重面春太に何回も切り刻まれていた。絵面だけ見れば興奮するのだが、この可愛い補助監督の尻をむざむざ渡す訳にはいかない。

 

「最近伊地知さんばっかりだったじゃないっすか。七海さん仕事以外で全然連絡くれないし」

 

「呪い関係で家には育ち盛りの養子が4人いるって知ってるじゃ無いですか」

 

「でも奥さんはいないっすよね?」

 

 可愛い。あざとさまで覚えて来たかこの娘。最初は色気の欠片も無かったが、最近は見られる事を意識してるのか化粧も下着も毎回気合いを感じる。私生活から変わっているのか伊地知が普通に意識しているのを彼女は知らない。

 すまない伊地知。お前は一生童貞だ。

 

「っきゃ」

 

 衝動に駆られて越しに手を回し抱き寄せてキスをする。この瞬間があるから呪霊とも戦える。なんて無垢なのだ。

 抱き抱え車のボンネットに腰を付かせて、パンツを下げる。ワイシャツのボタンを下から外していく。胸はあまり大きく無いからブラを下にずらすだけで乳首が顕になる。

 

「七海さんせめて中で」

 

「彼は優秀です。早く終わらせなければ見られてしまうかも知れないですよ」

 

 青姦、露出、覗き。今までにないシチュエーションに明は赤面し顔を抑える。帷は便利な結界術だ。av業界がこの力を得ていればもっと臨場感がある撮影場を設けられるであろう。

 

「いつもより濡れていますね?興奮しますよね。あの純朴な少年が戻って来た時見られてしまうかもと思うと調骨の端がぞわぞわきますよね」

 

 明の腰骨に手をかけて指先でなぞる。

 

「ッあ!入れてっす!早く明のぐしゃぐしょのお⚪︎んこに欲しいっす!ッッッッきちゃぁン!」

 

「あ、あああ……っんおっほぉおっほぉおおぉおおぉおぉっ!」

 

「最高です!明さん!貴方は最高だ!このざこまんこがっ!私より早くイクつもりですか!乙骨君に見られない様にするのが貴方の仕事だ!1人で気持ちよくなってるんじゃ〜無い!」

 

 と言いつつもトンネルから溢れは乙骨の呪力を背後に感じより興奮するから私も長くは持たない。

 

「出しますよ!中にィイ!」

 

「ダメっす!ダメっす!赤ちゃんできちゃうっす!」

 

 白閃!

 明の一番深層部に押し付ける。ダメと言っておきながら足はガッツリホールドしていて私の腰は逃げようが無い。

 

 最後の一滴まで絞り切ると明の頭を抱えて唇を貪る。1発だけでは物足りないのでそのまま二回戦して、最後に口で掃除させた。

 乙骨の呪力出力は抑えられており死んでもおらず、帰って来ても良いはずである。しかし乙骨は戻ってこない。呪力で強化された五感で私たちの動向を察知したのだろう。そもそもトンネルの反響で聞こえたのかも知れない。

 

「ユゥタァ、キモチイイ?」

 

「り、里香ちゃん!ダメだって」

 

 獣姦ならぬ呪霊姦とは高度な……これは紛う事なき純愛。単眼が暗闇で緑に光、鋭利な歯が立たない様に舌で乙骨を扱いていた。

 

「イクよ!里香アアアア!」

 

 乙骨は里香を抱き寄せて冷たいトンネルの壁にもたれ掛かる。

 あまりの興奮に私に中々気が付かなかった様で賢者タイムで漸く存在を察知する。

 

「ようこそ呪術界へ」

 

「な、ななナみさん!いつからそこに!あ、どうしよう!やばいやばいってどんな顔すれば……なんで言えば……」

 

「笑えば良いと思いますよ」

 

 呪術師はイカれている。あの化け物の容姿でも致してしまう男のサガ。

 乙骨は引き攣った笑みを浮かべた。

 

 その後は乙骨に縛りを教えて、お互いこの事は口外しない事にした。若者から青春を奪ってはならない。絶対に守られる縛りほど安心の約束はないだろう。

 彼とはお互いに秘密を共有し合う同士となった。

 しかし彼は気付いていない。明かりとは縛りしていない事を、トンネルの音は入り口まで響きわたる事を。

 

「ふむ、まだまだ仕事はありますので幾つか巡って行きましょう」

 

「はい!七海さん!」

 

 その後一週間ほどビジネスホテルを経由して各地で呪霊を祓っていった。本来なら乙骨と同室で手配しているホテルを明と過ごし、隣りの部屋にいる乙骨はその数日間毎日盛況な声を聞く事になるが、その事を七海以外の誰にも言う事はできなかった。

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