※この作品はR-18です。

LはLでも違うL   作:かまぼこ板

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どうも設定ミスで空の状態の作品だけが公開になってたみたいです…申し訳ない


爆撃少女と鬼ごっこ

 

 マキナ・ゲートヴェインは、特に野心家というわけではない。

 言われた仕事こそきっちりこなすが、基本気だるげな雰囲気を漂わせている。

 

 人々の上に立とうだとか、世界を征服してやろうだとか、そんな大それた望みは抱かない質の男だ。望むことといえば「美味いご飯が食べたい」だの「もう10センチくらい身長伸びて欲しい」だの「好きな漫画の全巻コンプセットが欲しい」だの、見えざる帝国に生まれた滅却師らしからぬ、はっきり言って俗世に浸かりきった願いばかり。

 指示された仕事をきっちりこなすのだって「だってハッシュヴァルト怒らせるとお説教滅茶苦茶長いし」という何とも子供染みた理由からくるものだった。

 

 そんな彼が"見えざる帝国"の精鋭部隊、星十字騎士団(シュテルンリッター)に数えられる実力者だというのだから、世界というのは分からない。

 

 尤も──

 

 

「ちょっと待ちなさいよッ!」

 

「いやいやいや!待って欲しいならその溢れ出んばかりの殺気を引っ込めてから出直してくれないかなぁ!?怖いんだって!」

 

「だから違うって言ってンでしょ!いいから止まんなさい!ホントに殺すわよッ!?」

 

 

 こんなことを言いながら、かれこれ数時間に渡ってマキナを追い掛け回している白い軍服の少女──バンビエッタ・バスターバインもまた、星十字騎士団の一員であると同時に、性格に難有りとされているのは周知の事実だ。

 

 ストレス解消に部下の命を文字通り"使う"彼女の残忍さは有名で、気に入った男を自室に呼び込んだかと思えば、ストレス解消として惨殺するという、可愛らしい容姿からは考えられない歪んだ性癖の持ち主なのだ。

 

 しかし、そんな彼女の下に付いて長い者は、少し前からこんな事を言うようになった。

 

 

 ──最近のバンビエッタ様は、男を自室に呼ぶことが殆ど無くなった──と。

 

 

「はぁ…はぁ…一旦撒いたか…」

 

 ひたすら走りまくった結果、どうにか身を隠すことには成功したようだが、周囲では未だにマキナを探すバンビエッタの声が聞こえる。身を隠したなら、今度は完全に撒く方法を考えねばならない。

 

 実のところ、逃げる手段自体はある。少し思案したマキナは、

 

「…仕方ない。バレませんよーに」

 

 と、ため息混じりに自らの力を発動させた。

 辺りを見回して誰もいないことを確認すると、手近な場所に視線を投げてマーキング。すると、マキナの目の前──何もない虚空に、ポッカリと小さな(ポータル)が開いた。その穴を通り抜けると、マキナの体は先程マーキングした位置へ一瞬にして移動する。

 

 マキナが星十字騎士団に入るにあたって"陛下"から与えられた聖文字(シュリフト)は「L」──能力は連結(the Link)だ。

 この力を発動すると、マキナは空間同士を継ぎ接ぎして、距離を無視した実質的な瞬間移動を行える。戦闘にも色々と応用が利く便利な能力である。

 

 そんな便利な能力を用いて、マキナは一先ずの目標地点として自室を目指し、少しずつ空間移動を繰り返していた。

 何故一息に部屋まで飛ばないのかというと、連結による空間移動は、視界の届く範囲でないとできないからだ。一応、遠方の空間を繋ぐことも出来るには出来るのだが、行き先の正確な座標情報が必要になる。いくら滅却師の精鋭部隊たる星十字騎士団といえど、自分の部屋の座標を頭に入れている者は流石にいないだろう。

 

 そんなわけで、チマチマと空間移動を繰り返していたマキナは、通路の先に見覚えのある景色を見つけた。

 

「…そうだあそこだ。あの道を戻れば…!」

 

 目と鼻の先の距離を飛廉脚で一気に駆け抜けたいところだが、ぐっとこらえる。下手に動いてバンビエッタに見つかれば、只では済まないだろう。寧ろここまで手こずらせた鬱憤で、真っ二つどころか八つ裂きにされかねない。そんな末路は御免だ。

 

 慎重に慎重を期して、空間を繋ぐポータルを開く。道中に横道がある事を考えると、これを含めて2回空間移動が必要になるか。

 

 まずは1回目──クリア。

 

 続く2回目──

 

「…よし、いないな──ふぅ…」

 

 ポータルを抜けた先で安堵の息をつくマキナ。その矢先───何者かに、足を掴まれた。

 

「えっ──?」

 

 一体何事かと確認する間もなく、掬い上げるようにして足を引っ張られたマキナは、硬い床に額を打ち付けてしまう。鈍い痛みに悶絶している間にもマキナの体はズルズルと引き摺られていき、今しがた通ってきたポータルを引き返す形に。

 

 その先でマキナが目にしたのは──

 

 

「──やっと捕まえたわ。観念なさい」

 

 

 仰向けに寝た自分に覆い被さり、獲物を狩る獣のような目で自分を見下ろす、星十字騎士団の「E」──バンビエッタ・バスターバインの勝ち誇った顔だった。

 

 




思ったより前置きが長くなっちゃったんで一旦ここまで!


主人公のプロフィールはこちら!


名前:マキナ・ゲートヴェイン ♂

見えざる帝国の星十字騎士団に所属する滅却師の1人。与えられた聖文字は「L」
霊子兵装は先端に銃剣がついた二丁拳銃を使用する。

身長160センチ前後の小柄な少年。やや可愛い寄りの顔立ち。
やや気だるげな印象を漂わせるが、上司に怒られると怖いので最低限指示されたことはきっちりこなすタイプ。

ユーハバッハに与えられた聖文字は「L」──the Link

目の届く範囲の空間や物体を自由に継ぎ接ぎできるという能力。詳細な座標位置があれば、遠方を繋ぐ事も可能。
どこでもドア的な使い方はもちろん、相手の周囲の空間を滅茶苦茶に繋いで、1発の弾が永遠に襲い掛かるといった攻撃にも転用可能。
逆に空間同士の連結を切ることも可能で、相手の腕や首をチョンパできるが、これは銃剣や手刀で切りたい場所をなぞる必要がある。

また一時凌ぎではあるが、切断された腕や足をくっつけることもできる。しかしあくまでくっつけただけなので、別でちゃんとした治療は必要。

滅却師完聖体では背に歯車のような幾何学模様の走った翼が出現。
従来の能力に加えて、翼から放たれる霊子の矢を受けた複数の敵同士の感覚をリンクさせる事で、誰か一人が傷つけば、リンクした全員に同じだけの痛みが伝わる。
加えてリンク先の人間へ伝播した痛みがさらに伝播するため、3人リンクしていれば3倍。10人リンクしていれば10倍の痛み。という具合に、対複数戦闘に於いては極めて強力な制圧効果を発揮する。


※特に難しいこと考えないエロ小説のつもりが、主人公の設定はそこそこしっかり考えてしまった
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