ゲーム「センチメンタルグラフティ」の二次創作です。
pixivにも同じものを掲載しています。
「あ……」
さあこれから、という時に戸惑ったような明日香の声がした。
「どうしたの?」
「……始まっちゃった」
東京と横浜。住んでるところは近くだから、僕と明日香は毎日のようにデートしている。セックスだって経験してる。明日香の体は隅々まで知っている。
本当は会うたびにセックスしたいんだけど、いつもホテルに行けるだけのお金はない。それが高校生のつらいところだ。
バイトの給料や小遣いをため、今日は久し振りにホテルに入ったのはいいけれど生理とは……。
「えっと……」
言葉を濁す。
明日香の体調とか気分とかを考えたらセックスは控えたほうがいいのは分かる。でも僕個人としては性欲を発散させたい気持ちも強い。いっそのことフェラチオしてもらって……。でもそんなこと言い出しにくい。
逡巡し、煮え切らない態度の僕に明日香が言った。
「さっきもらったアレ、使ってみようよ」
今日入ったホテルは開業1周年だそうだ。そしてそれを記念したスピードくじで、僕たちは「大人のおもちゃ」を当てていた。
それもオナニーホール。オナホとも呼ばれる男性専用の道具だ。
部屋に向かうエレベーターの中で中身を確かめた僕たちは思わず顔を見合わせてしまった。……フロントにはもっといい賞品もあったのに。それにこれ、二人で使えるものなのか?
でも明日香は興味津々。前に雑誌で存在を知っていたらしいんだけど、現物を見るのは初めてだそうだ。
もちろん僕だって初めてだ。
それを使ってみよう、そう明日香が言った。
「でもこれ、男が一人で使うものでしょ?」
箱をなんとなく指で突っつきながら僕は言った。
「だけど今日はさせてあげられないし、使ってるところ見たいんだもん。……ダメ?」
上目遣いで明日香が僕を見る。
この顔に弱いんだよなぁ。
結局、明日香に押し切られる形で僕はオナホで射精することになってしまった。
「私が見たのってもっとこう……入り口がなんていうの? 女のアソコをかたどったものだったんだけど。色もピンクっぽくて」
透明な、そして正体を知らなければ用途を想像も出来ない形のソフトビニール製らしき筒状のソレを手に明日香がつぶやく。
「そんなのもあるの?」
「だって男の人が自分で気持ちよくなるときに使うものじゃん。エロい形してるのが当然じゃない?」
「明日香、それは男ってものを理解してない。だいたい自分でするとき、自分のアレなんか見ないって」
「……そっか。目はオカズに釘付けだよね」
どこで覚えたのか、明日香がそんな単語を口にする。
「まぁ、僕の場合は何も見ないけどね」
「?」
「いや、明日香のこと想像するから。じゃなかったら明日香に直接出したいからオナニーしないかのどっちか」
きょとん、とした顔をした明日香が、続けて言った僕の言葉に真っ赤になった。
「もうっ! ……えっち」
それでもちょっとだけうれしそうな顔をした。
ベッドで下半身を露出した僕の前に明日香が座る。すでに僕は完全に勃起している。
「じゃあこれ塗るね」
箱に同梱されていたローションが亀頭に垂らされる。
「うふぉっ!」
ヒヤッとした感触に思わず声が出てしまった。
「ご、ごめん! ……冷たかった?」
心配そうな顔で明日香が聞く。
「大丈夫」
変な声を出してしまったのが恥ずかしく、僕は短く答えた。
ローションまみれになった亀頭にオナホがあてがわれる。同時に陰茎の根元が明日香の指で固定される。
「じゃあ明日香ちゃんがしてあげる。……行くからね」
真剣な口調で明日香が言った。目はオナホと僕のモノから外そうともしない。
ぬるっ
適度な抵抗感と共に亀頭がめり込んだ。続けて茎部が飲み込まれていく。
あっと思う間もなく、僕は根元までオナホに包みこまれていた。
「動かすよ」
明日香がホールを握った手を上下させる。
潤滑剤のおかげでなんの抵抗もなくホールが前後する。透明な素材の中に肌色をした淫茎がいやらしく透ける。
「なんかえっちだよね……」
ささやくような明日香の声。明日香も興奮しているのか、ほんのりと上気している。
「うぁっ!」
入れられた瞬間から感じていたのだが、中の構造や狭さは想像以上の快感を僕にもたらした。
それに加えて、明日香の絶妙な握り具合や力の入れ加減がそれを増幅させる。
生まれて初めて味わう悦楽。明日香との初体験をも凌駕する愉悦。どんなものよりも強烈な快楽。
信じられないほど急速に高まっていく。射精感がこみ上げてくる。
「気持ちいいの?」
わずかに目元を染め、明日香が聞いた。
「あ、明日香…ダメ……イクっ!」
それだけを告げるのが精一杯だった。
びゅっ! びゅくっ! どくっ!………
射精した。
射ち出された精液が透明な筒の先端部を白く染めていく。そしてそれは胴の部分にまで広がっていく。
「えっ? もう?」
驚いたような明日香の声を聞きながら、僕はさらに何度も白濁を吐き出しつづけた……。
「なぁんか複雑ぅ」
あまりおもしろくなさそうな口調で明日香がこぼす。
「え?」
腰に力が入らない。一滴残らず搾り取られてしまったような満足感と、性器を取り巻くむずがゆさから言葉も出てこない。
「だってぇ、私とする時よりずっと早いじゃん。こんなものが私より気持ちいいなんてちょっとくやしいぃ!」
頬をふくらませて明日香が抗議する。
「いや、そんなことないよ。明日香の中のほうがあったかくてヌルヌルで気持ちいいし、出るときの満足感が違う。明日香を抱きしめてイクほうがずっといい」
そうは言ったけど、明日香とのセックスより早くイッてしまったのは事実だ。
はっきりした証拠があるわけで、僕の弁明を聞きながらも明日香はなかなか機嫌を直そうとしない。
「もうこれがあれば私なんか要らないんじゃないのぉ?」
「いや、違う! それ絶対間違い! 僕には明日香が必要! 明日香がいればこんなの要らないよ!」
萎えたペニスからオナホを抜き取り、僕は明日香に力説した。
「そ、そんなに言わなくても……。それに使ってみようって言ったの私だし」
面映そうに明日香が態度を軟化させる。
「僕には明日香がいるから、もうこんなの使わないからね」
「あ、でも……今日はさせてあげられないから使っていいよ。私の代わりに……いっぱい感じてね」
そう言って、僕が外したオナホを手に明日香は妖艶な笑みを浮かべた。