※この作品はR-18です。

桜の季節   作:sudachi0402

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第十三話

 

 

 

 

冷たくて…

 

暗い…

 

でも…

 

なんだか…

 

落ち着く…

 

守るって約束は果たした。

悔いもない。

 

精一杯戦った。

 

艦隊のみんなと共に散れるなら…本望…

 

「絶対に!迎えに来るわ!」

 

あぁ…霞。

ごめんなさい…。

 

今まで付近の鎮守府の中でも実力はトップクラスと言われた私。

でも…たかが駆逐艦。

 

命って軽い…

 

もう…少し疲れた。

休みたい…

 

 

………………

 

 

 

 

「作戦海域に到着しました。各員警戒を厳とせよ。」

 

「はっ!」

 

「大和さん!偵察機から電文!敵艦隊は戦艦棲姫を主軸に戦艦2軽空母2重巡2軽巡2駆逐1計10隻!また、今回の救援目的である友軍は発見されず、とのことです!」

 

「報告と違いますね…」

 

「どうしますか?一度帰投しますか?」

 

「いいえ、進みましょう。ここで奴らを食い止めなければなりません。」

 

 

 

…………

 

 

 

敵、殺す、全員、沈んでしまえばいい。

 

これは…誰だ?……私?

違う。私は…艦娘だ。

 

でも…これじゃ…まるで…深海棲艦…

 

あ…あれ?何で…艦娘がこっちに向かって撃ってくるの?

私は…友軍よ…

 

ねぇ…どうして…そんな目で見るの?

 

 

 

…………

 

 

 

「掃討、完了しました。戦艦棲姫は大破、恐らく轟沈かと。」

 

「了解。各員帰投。陣形を組み直しなさい。」

 

 

少し…妙ですね…

霞さんの報告では随伴は0のはず…

 

それに…あの艦隊編成は…

まさか…

 

いえ…考えとも無駄ですね…

深海棲艦は…沈めないと…

 

 

 

……………

 

 

 

「…さ…!あ…くも!朝雲!」

 

ん…なに…

 

「あんた何寝ぼけてるのよ。もう昼前よ。」

 

「満潮…姉さん…」

 

まだ頭がクラクラする。

 

「全く。よくそんなんであんな畑作れたわね…」

 

なんだか…凄く長い…夢を見ていた気がする…

あのあとどうなったのか思い出せない。

 

でも…私は今は生きている。

霞にも会えるかもしれない。

 

なら…十分だわ…

 

 

………………

 

 

 

 

「まさか…いや…そんな…だが…」

 

「提督、これはおそらく真実です。」

 

「あぁ…だろうな…朝潮の遺体の件についても辻褄が合う…だが…どうして俺に?」

 

「そこがわからないんですよね…」

 

「これは…表に出れば大問題だぞ。やはり…仮説は間違っていなかった…あの中将の艦娘思いの態度は全て化けの皮だ。」

 

「どうされますか?」

 

「勿論、至急大本営に連絡をするしか…」

 

「ですが…恐らく中将は上との繋がりも強いです。向こうのほうが信頼度は高いので揉み消されてしまうかと…」

 

「なら……………」

 

「はい。可能性に掛けてみるのはありですね。」

 

 

 

……………

 

 

「陽炎。夕張。貴様らの作戦時に配属される部隊は第一遊撃部隊に決まった。当艦隊は各鎮守府より選出された…いわば囮艦隊だ。貴様らにはぴったりだな。」

 

そう言いながら提督はにやりと笑みを浮かべた。

 

「そこで、だ。以前夕張には話したが…俺のことを探っているやつがいてな。運の良いことに、向こうからも2隻選出された。」

 

「まさか!」

 

「勝手に口を開くな。だが…そういうことだ。これは命令だ。いいな?」

 

「そんなこと!で…」

 

「やれば!やれば妹達に手を出さないでいてくれますか!?」

 

その言葉に私は耳を疑った。

 

「陽炎ちゃん!?あなた自分が何を言ってるのか分かってるの!?」

 

「約束しよう。」

 

「なら…」

 

「陽炎ちゃんそんなの駄目!」

 

次の瞬間私の頭に鋭い衝撃が走った。

私は膝から崩れ落ちた。

 

「え…」

 

「夕張さん、ごめんなさい…でも…私はお姉ちゃんだから…」

 

その目は、焦点が合っていなかった。

 

「ふん。そういうことだ。夕張。お前は失うものは何も無いが…逆らえばどうなるか分かっているな?」

 

私は頷くしかできなかった。

 

「っ…はい…」

 

「以上だ。二人共下がれ。」

 

 

お願い…誰か…助けて…

あのメッセージ…届いたかな…

 

どんなに辛くても私は…私だけでも最後まで抗ってみせる。

 

 

 




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