冷たくて…
暗い…
でも…
なんだか…
落ち着く…
守るって約束は果たした。
悔いもない。
精一杯戦った。
艦隊のみんなと共に散れるなら…本望…
「絶対に!迎えに来るわ!」
あぁ…霞。
ごめんなさい…。
今まで付近の鎮守府の中でも実力はトップクラスと言われた私。
でも…たかが駆逐艦。
命って軽い…
もう…少し疲れた。
休みたい…
………………
「作戦海域に到着しました。各員警戒を厳とせよ。」
「はっ!」
「大和さん!偵察機から電文!敵艦隊は戦艦棲姫を主軸に戦艦2軽空母2重巡2軽巡2駆逐1計10隻!また、今回の救援目的である友軍は発見されず、とのことです!」
「報告と違いますね…」
「どうしますか?一度帰投しますか?」
「いいえ、進みましょう。ここで奴らを食い止めなければなりません。」
…………
敵、殺す、全員、沈んでしまえばいい。
これは…誰だ?……私?
違う。私は…艦娘だ。
でも…これじゃ…まるで…深海棲艦…
あ…あれ?何で…艦娘がこっちに向かって撃ってくるの?
私は…友軍よ…
ねぇ…どうして…そんな目で見るの?
…………
「掃討、完了しました。戦艦棲姫は大破、恐らく轟沈かと。」
「了解。各員帰投。陣形を組み直しなさい。」
少し…妙ですね…
霞さんの報告では随伴は0のはず…
それに…あの艦隊編成は…
まさか…
いえ…考えとも無駄ですね…
深海棲艦は…沈めないと…
……………
「…さ…!あ…くも!朝雲!」
ん…なに…
「あんた何寝ぼけてるのよ。もう昼前よ。」
「満潮…姉さん…」
まだ頭がクラクラする。
「全く。よくそんなんであんな畑作れたわね…」
なんだか…凄く長い…夢を見ていた気がする…
あのあとどうなったのか思い出せない。
でも…私は今は生きている。
霞にも会えるかもしれない。
なら…十分だわ…
………………
「まさか…いや…そんな…だが…」
「提督、これはおそらく真実です。」
「あぁ…だろうな…朝潮の遺体の件についても辻褄が合う…だが…どうして俺に?」
「そこがわからないんですよね…」
「これは…表に出れば大問題だぞ。やはり…仮説は間違っていなかった…あの中将の艦娘思いの態度は全て化けの皮だ。」
「どうされますか?」
「勿論、至急大本営に連絡をするしか…」
「ですが…恐らく中将は上との繋がりも強いです。向こうのほうが信頼度は高いので揉み消されてしまうかと…」
「なら……………」
「はい。可能性に掛けてみるのはありですね。」
……………
「陽炎。夕張。貴様らの作戦時に配属される部隊は第一遊撃部隊に決まった。当艦隊は各鎮守府より選出された…いわば囮艦隊だ。貴様らにはぴったりだな。」
そう言いながら提督はにやりと笑みを浮かべた。
「そこで、だ。以前夕張には話したが…俺のことを探っているやつがいてな。運の良いことに、向こうからも2隻選出された。」
「まさか!」
「勝手に口を開くな。だが…そういうことだ。これは命令だ。いいな?」
「そんなこと!で…」
「やれば!やれば妹達に手を出さないでいてくれますか!?」
その言葉に私は耳を疑った。
「陽炎ちゃん!?あなた自分が何を言ってるのか分かってるの!?」
「約束しよう。」
「なら…」
「陽炎ちゃんそんなの駄目!」
次の瞬間私の頭に鋭い衝撃が走った。
私は膝から崩れ落ちた。
「え…」
「夕張さん、ごめんなさい…でも…私はお姉ちゃんだから…」
その目は、焦点が合っていなかった。
「ふん。そういうことだ。夕張。お前は失うものは何も無いが…逆らえばどうなるか分かっているな?」
私は頷くしかできなかった。
「っ…はい…」
「以上だ。二人共下がれ。」
お願い…誰か…助けて…
あのメッセージ…届いたかな…
どんなに辛くても私は…私だけでも最後まで抗ってみせる。
誤字脱字等はコメントにて