……………
静かな波の音が聞こえる。
まるで子守唄のようだ。
そっと目を開ける。
穏やかな日差しに照らされた波打ち際が見える。
砂に反射した光が眩しい。
手で日光を遮りつつ身体を起こす。
「なんで…生きてるの…」
……………
夜、波の音が静かに音楽を奏でているようだ。
私はベランダに立って海を眺めていた。
すると、海岸へと向かう影が見えた。
司令官さんだ。
不審に思い、急いで上着を羽織り後を追いかける。
浜につくと司令官さんが座って上を見上げていた。
「あの…司令官さん…?」
ゆっくりと司令官さんは振り向く。
「あぁ。電じゃないか。一体どうしたんだい?」
私は司令官さんの横に座って腕にもたれ掛かる。
「司令官さんを見かけたので着いてきちゃいました。」
「ふふ。まぁいい。そんなことより電、上を見ろよ。今日は…星が綺麗だ。」
私も上を見上げる。
「本当に…綺麗なのです…本土とは全く見え方が違うのです…」
「なぁ、電。当たり前のことを聞くんだが…死ぬのは…怖いか?」
静寂が訪れる。
ただ、波の音が響く。
数秒後私は口を開いた。
「電は…電は死ぬのは怖いです。でも…司令官さんの為ならば…命を捨てることだって出来るのです!」
司令官は少し驚いた顔をして言った。
「そんな事しなくていいさ。そうだ電。ずっと、渡そうと思っていた物があったんだが…」
「え!嬉しいのです!」
「中々気恥ずかしくて渡せなかったが…」
私がワクワクしていると、司令官さんはそう言って懐から黒い箱を取り出した。
「電。君のことが好きだ。受け取ってくれないか…?」
箱を司令官さんが開けたとき、私は言葉が出なかった。
だんだんと嬉しさが込み上げてくる。
そっと左手を出す。
「ありがとう…」
司令官さんはそう言って私の薬指に指輪をはめた。
「綺麗なのです…」
「電、今日まで本当にありがとう。そして…これからも宜しく頼む。」
「はいなのです!」
お互い話すこともなくなり、我に返って恥ずかしくなってきた。
「戻るか。」
「はい…なのです!」
歩く司令官の後を小走りで私は追いかける。
初めてあったときもこんな感じだったなと思いながら。
……………
「本日付で着任しました!駆逐艦電なのです!」
「あぁ。俺はこの鎮守府の提督務める山田少佐だ。まぁ…君が一人目の艦娘だが…」
第一印象は普通な人だなぁ…と思っていた。
しかし、私が小破しただけでも撤退を命令し貴重なバケツまで使ってくれた。
小破での撤退はしなくても良い、ということと、バケツをもっと節約すべきだと言うと、
「電が怪我したままだと嫌なんだ。それに…痛そうだ。ごめん…俺の指示が悪かった。」
などと言われる始末。
申し訳なくて常に全力で弾を避けるようにし、被弾率を大幅に減らす訓練を沢山した。
今では鎮守府も大きくなり、沢山の艦娘が所属するようになった。
司令官さんも凄く成長した。
昔に比べて被弾する娘が凄く減った。
そして、私も変わった。
新型の駆逐艦の皆さんや空母や戦艦の皆さんたちが着任したことによって自負仕事や新人の育成などが多くなった。
だが…司令官と過ごす時間が増えたのはすごく嬉しかった。
誤字脱字等はコメントにて。