恋姫無双 程昱です。
もう少し伸ばしたかったですが、ちょっと難しかった。
題名にも書いてありますが、中々過激な暴力表現がありますので閲覧注意です。
では、どうぞ。
(……私としたことが、です)
乱世において知性とは武器だ。
しかしいかなる天才と言えども間違いを全く起こさないわけではない。
それはこの幼き容姿でありながらも、大国、魏の三軍師の一人、程昱こと風であってもだ。
何より、彼女にとって愛しきお兄さんが絡む話であるならば、余計であった。
警備部隊責任者という役職についているお兄さんこと北郷一刀は、次々と少女にふしだらな行いをする、所謂強姦魔を捕まえるべく奮闘していた。
しかし相手は神出鬼没。
狙いも幼い見た目の少女と幅広いせいで中々成果が上がらず、一部のものからはかなり責められていた。
そこに風が乱入したのである。
自分の容姿ならば犯人は狙ってくる。
そこを捕まえれば良いと。
結果から語るならば、これは完全に失敗だった。
途中までは良かったのだ。
神出鬼没の犯人は、本当に風の正体に気付かず、狙いに現れた。
しかし、何故神出鬼没なのかを、見誤っていた。
現れた男は、猿のように素早い男だったのだ。
警備部隊に所属する、決して弱くはない一刀の部下を振り切るほどの身軽さを見せた男は、そのまま風を攫ってしまった。
そして、この廃屋に寝かされていた。
手はこの廃屋にあった縄で後ろ手に縛られてしまい、風が叫ばないよう口には布が詰められてしまっている。
捕らえられた犠牲者。そんな言葉が似合う格好だ。
(……抵抗は無意味。 刺激をすれば殺される確率は上がってしまいます……か。 お兄さんが宝譿を見つけてくれるまでの辛抱ですね)
宝譿と離れたくはなかったが、何とか連れ去られた方向だけは途中でわざと落とした宝譿により分かるはず。
そして今までの報告から予想するに男は別に度々居場所を変えているわけではない。
ならば、きっとここは突き止められる……が、それには流石にある程度の時間はかかる。
つまり、それまでは耐えなければならない。
何を、されても。
「ヒヒッ可愛い……可愛いねぇ……」
不気味に呟きながら風を見下ろす男。
細い手足は普通の人より長く、どことなく本当に猿なのではないのかと思うような雰囲気を持つ、背の高い男だった。
細身ではあるが、身長の低い風からすれば非常に圧迫感を感じる男だ。
だが、風は色々と諦めないといけない覚悟は持っていても恐怖心は持っていなかった。
戦場に居ることに比べれば一人の変質者の圧など、大したものではないからだ。
「うひっ可愛がってあげよう……なぁ!」
そう言いながら男が縛られている風に覆いかぶさってくる。
体格差があるため、風の身体が男の身体で隠れてしまうほどだ。
「んひっ……うま、うま」
(我慢……我慢です)
男の長い舌が首筋を味わうように何度も舐めてくる。
そのおぞましい感触にぞわっと鳥肌が立つが、風は暴れないよう我慢する。
そのまま男は器用にも風の服を脱がすことなく中に手を侵入させると、お腹や足などを無遠慮に撫で回して来る。
(お兄さん以外に……触れられたく……ないです……ね)
そうは思うものの、もし今自分が騒げば逆上され殺されるかもしれないと考えると暴れることも出来ない。
そもそも、風自身ここまでされた時点でこうなることは予想出来ていたのだから。
(でも……大丈夫……)
犯人を捕らえてくれれば終わる、と自分に言い聞かせる事しか出来ない自分に腹が立つ。
だが、それでも今はそれだけしか出来ないのだ。
「ん……!」
しかしそれでも男の手がお腹や足などではなく、秘所や胸に触れてくると悪寒が増していき、身体が強張る。
気持ち悪い。
一刀以外に触られることがここまでおぞましいものとは、風は予想していなかった。
「んん!んーっ!!」
(嫌……!気持ち悪い……です……)
「ヒヒッ……」
ゾワゾワとする悪寒に苦しむ風の様子に男は興奮したのか、息を荒くしながら風の衣服を半ば引き裂くように脱がしていくと、まずは、風の小さく平たい胸が露わになってしまう。
「おぉおぉ可愛い乳首だ……味合わせてくれぇ」
そう言って男は、まるで脱水症状でも出てたかのような必死さで、小さな胸にむしゃぶりつき、吸い付いてくる。
もう片方の手で平たい胸を撫でるように揉むことを忘れはしない。
「んぐ!」
突然の行動に思わず声を漏らすも、直ぐに布を噛み耐える。
逆上されないために暴れないとはいえ、感じてるなど錯覚でもされたくはない。
ただ気持ち悪くて反応してしまうだけなのだから。
「んちゅ、んべっ、れろっれろっ」
(唾液が気持ち悪い……です……)
男が夢中になって風の乳首を舐め回す。
男の唾液でベタついた胸の不快感を感じながら、必死に声を出さない様に耐える。
時折漏れる風の吐息を敏感に聞き取り興奮を募らせているようで、鼻息荒くなる男に更に嫌悪感が増す。
だが、まだまだ、始まったばかりだ。
「ひ、ヒヒッお嬢ちゃんのオマンコも見せてね」
「ん……んぐ……」
再度衣服を破かれるように脱がされ、今度は秘所が露わになってしまう。
一刀を受け入れたことがあっても、そこはまだまだ幼いもので、男の興奮を煽る。
「き、綺麗だぁ……それに美味そうだ……!」
「んぐーーー!?」
男が風の股に頭を突っ込み、直接秘所を舐めてくる。
この行為にはなるべく反応しないようにしていた風も思わず大きく反応してしまう。
口に布が詰められていなければ叫んでしまっていたかもしれない。
それほど酷い嫌悪感を感じるのだ。
「へへっ良い声で鳴くねぇお嬢ちゃん?」
「んぐっ!んぐっ!んぐっ!」
下卑た笑みを浮かべながら男は舌を激しく動かすのを止めず続ける。
今までにない気持ち悪さに反応してしまっているのだが、どうやら男は風が感じてると思っているようだ。
しかし少しづつ、本当に少しづつだが、風の方にも変化が訪れてきていた。
(気持ち悪い……気持ち悪いのに、濡れてきてる……?)
知識は高くとも全てを知るわけではない。
自らの身体が少しづつ解れ、防衛本能のように愛液を分泌している。
そのことに気付かず、自らが感じ始めてしまっている。そう思ってしまった。
「んぐっ!?♡」
(いや……です。 私……私は……)
そう思った瞬間、風を普通とは違う恐怖が襲う。
その身を穢されるのはまだ許容出来る。
しかし女として感じさせられてしまうのは、我慢出来ない。それは愛すべきお兄さん以外に許したくない事だから。
大切なものを裏切りたくはない。
(駄目です……こんな奴なんかじゃ……嫌なんです……お兄さん……お兄さ……ん……っ!!)
「ヒヒヒ……感じてるんだねぇお嬢ちゃん。 次は俺の番だな」
風が必死に祈る様子を感じていて仕方ないと、勝手に判断した男は、気を良くしてボロボロのズボンを脱ぎ、下半身丸裸となる。
「ヒヒッさぁもっと可愛がってあげるからね~」
「……っ!」
そう言いながら、男のモノが風の前に出される。
黒く、長い、醜さすら感じる男の肉棒。
それを見て風は思わず背けてしまいそうな顔を何とか止める。
射精だ。
射精させてしまえば終わる。
そのためには、とにかく好きにさせるしかないのだ。
「その可愛いお顔に出してあげるからなぁ~」
(うぅ……最低です……)
顔の近く、風の美しい金髪を使うように男は髪に肉棒を擦り付けてくる。
何が気持ち良いのか風にはさっぱりだが、男はカクカクと腰を振って気持ち良さそうにする。
だが、やはりこれはチャンスだ。
(このまま出して貰えれば……きっと……)
「うおっ!うっ!」
「んぐっ! ん、んん……」
男が限界なのか男の腰が痙攣すると同時に、射精が始まり風の顔や髪を白く染め上げていく。
反射的に目を閉じたので、目などに入ることはなかったが、目を閉じたことにより生臭い精液の匂いが強く感じられるようで、喉の奥から吐き気が登ってくるほどだ。
(こ、これで終わりです……よね)
男は射精を終えた。本来ならば性交はここで終わりだ。
そう思っていた矢先だった。
「ふぅ気持ちよかった。じゃあ次はぁ……」
(嘘……ですよね……?だってもう終わりました……よ……ね?)
しかし事実として、ブツブツと独り言を言っている男の肉棒は射精直後だというのに全く萎えていない。
むしろ更に硬さを増したようにすら見える。
「今度はこっちだよなぁ!」
「んぐーーーッッ!!?♡」
そう言うと男はまた風に覆い被さり、今度はその幼い秘所に己の肉棒を容赦なく突き入れた。
その衝撃とまだ濡れが足りなかったために起こる痛みに、思わず声を上げてしまうが、布がそれを阻みくぐもった声しか出ない。
だが、その瞬間、状況は変わった。
「……なんで」
(……? 何か言って……!?)
ブツブツと呟きながら動きを止めた男。
そんな男の様子を不思議に思った風は目を開けて、男の表情を盗み見る。
そして、いきなりの事態に驚愕する。
先程まで風を弄び気を良くしていた男の表情は……怒りに染まっていたのだ。
(しまっ……私は……!)
風は今回幼子を拐かす変態の心理を読むため、ある程度、思考を勉強している。
だから、気付けた。いや気付いてしまった。
男は風が処女ではないことに、激怒しているのだ。
「……この売女ぁ!」
「んぐぅぅぅぅぅ!?」
いきなり豹変し、怒鳴り付けてきた男が風の小さな乳首を掴むと、そのまま力強く引っ張り上げる。
「んぐぅ!?んぐ!んぐーー!?」
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!)
引っ張り上げられた乳首により、背中が床から浮いてしまう程に身体が仰け反る。
自らの体重が乳首にかかり、酷く痛む。
戦場自体には慣れていても直接、ここまで手酷く扱われたことがない風の思考が痛みで支配される。
「俺を騙してたんだな売女……幼い見た目で、騙しやがってぇ……」
先程とは打って変わって激昂し、憤怒の表情を見せる男に、風は自らの失敗を確信する。
幼子ばかりを攫っていたのは、つまりそういうことなのだ。
「もう容赦しねぇぞ!」
「んぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!?」
今までは一応風の身を大事にしていたのだと分かる容赦ないピストン運動に、風の口からくぐもった悲鳴が上がる。
「お前みたいな売女が生きてるのが悪いんだ!!」
「んんーッ!!♡んんんんぅ!!!」
(痛い! 身体が裂ける! 裂けるぅ!)
そう内心では叫ぶも、口に詰め込まれたボロ切れによって阻まれ声にならない。
それでも必死に身体をひねって抵抗するも、手を縛った上に口を封じられた状態である以上、何も出来ることがない。
「おらっこっちに来い!」
(ひっ……!)
髪を掴まれ、今度は寝台の方に連れて行かれる。
怒鳴り声と痛みのせいか、風の心に少しばかりの恐怖が宿ってしまう。
(嫌……です……お兄さん……お兄さん助けて……)
心の中で助けを求めるも、当然届くわけもない。
風はそのまま引きずられて行き、ベッドの上に乗せられてしまう。
「へへへ……これからたっぷりとお仕置きしてやるからな。 おらっ乗れ」
(言うことを……聞かないと……)
足は自由だが、こんな状態でまともに走れるわけはない。
何より警備隊から逃げ切れる足を持つ男から逃げられるわけもない。
だから、風は男の言うことを聞くしかなく、男の身体に跨がる。
「自分で入れろ売女。それくらい出来るだろ?」
「………」
先程から言われる酷い罵倒に近い呼び方。
そんな呼び方で呼ばれても風は無言で頷くしかない。
「早くしろ」
急かすように言われ、少しだけ躊躇しながらも風が肉棒目掛けて、ゆっくりと腰を下ろす。
若干膝が震えるが、これが恐怖によるものなのか、度重なる負担で身体が限界なのかは、もう彼女自身にも分からない。
「ん……ぐぅぅぅ……」
肉棒が挿入されていくと口に咥えさせられている布越しでも分かるくらい風は苦しげな声を上げるが、それで止まるようなことはない。
もはや逆らう余地はないのだから。
「おらっ!もっと腰を振れ!」
「むぐぅぅぅぅぅぅぅ!!」
バシーン!という音と共にお尻を叩かれると、風は苦悶の声を上げつつ、必死に腰を振り始める。
「ふん。やっと素直になってきたじゃないか。だがまだまだだ!」
そう言って男は再度手を振り上げて同じようにバシーン!と音を立てる程の勢いで振り下ろし、風の肉付きの薄い尻に跡を作る。
売女と認識した彼女の扱いは、男にとってはこういうものなのだ。
「ひぎぃ!」
その痛みに堪らず悲鳴を漏らすと、男はニヤリと笑う。
そう、男は楽しんでいた。
売女にお仕置きをしてやっている。そんな気分なのだろう。
「そうだ!それでいいんだよ!」
男は上機嫌そうにしながら、再び手を大きく上げた。
(また打たれるのですか……?)
痛みへの恐怖は簡単には慣れない。
やはり風とて少女には違いないのだから。
だから、身を強張らせてしまう。
「だから腰を止めるなぁ!」
(ひぃぃっ!?)
バシーン!っと音が響くと共に尻肉が強く弾かれる感触が走る。
今までより強い振り下ろしから生み出される痛みに悲鳴を上げそうになるが、口の中に入ったままになっている衣のせいでそれも叶わない。
いや例え悲鳴を上げても手は緩まないだろう。だから、こうするしかない。
「んぐっんぐっんぐっんぐっ」
「よしよし……やりゃあ出来るじゃないか」
必死に腰を振り、男の肉棒を奉仕する。
痛みがないわけではないが、徐々に分泌される愛液のおかげで叩かれるよりは、マシだからだ。
それに何よりもこの男の機嫌を損ねたら何をしてくるか分からない。
だからこそ懸命になるのだが、
「おら、もっと早く!」
「ひぎぃ!?」
突然風の長い金髪に手を伸ばすと上下させるように引っ張り回してくる。
その衝撃に、風の口に入っていた布が取れてしまい悲鳴が上がる。
「あ?なんだ今の声?俺がまるでひでぇことしてるみたいじゃねぇか」
そう言うと男は更に激しく髪を掴みハンドルのように上下に動かす。
「いだいっいたいですぅっ!」
そんな悲痛な叫びを上げても男は手を止めず、寧ろ更に速度を上げていく。
すると、やがて髪が抜け始め、頭皮ごと引き剥がされていくような感覚を覚える。
「いたぃぃいいっっ!」
「うるせぇ! 黙れクソガキ! 俺の言う事が聞けないのかぁ!?」
髪を引っ張られたまま頭を振られ、視界がブレながらも、男は更に激昂していくのが分かる。
(このままでは……殺されるかも……)
そんな考えが脳裏に浮かぶと慌てて男の望む言葉を口にする。
「き、気持ち……良いです。 変な声を出してしまって……すみ、ません」
(うぅ……気持ち悪い……)
屈辱的な言葉を言わされて、吐き気が込み上げてくる。
しかし、ここで吐いてしまえばそれこそ相手は本気で殺しにくるのが理解出来てしまっている。
だから、必死に耐える。
「ヒヒッそうか気持ちいいかぁ~それは良かったなぁ~」
「はい……とても気持ち良いです……」
痛みと嫌悪感しかない行為。
一刀とした時とは全く違う苦しみの中で、なんとか風は言葉を紡ぐ。
自分が殺されることなく、男を捕まえるため、必死に媚びる。
(お兄さん……)
「なら、楽しませてやるぜ!」
「あぐっ! あっ! あっ! あぁ!」
痛みはあるが何とか悲鳴を抑えようと努力するがどうしても声が漏れ出してしまう。
その度に男が機嫌を悪くするのが分かってしまうため、必死になって苦しそうな声を出さない様に努める。
心は辛いが喘ぎ声のようなものを必死に出している方が良い。
そう判断した風は頑張って喘ぎ声を上げていく。
「うぐぅ! 痛ぅ……! あっ! あぁ!」
男がピストン運動をする度に激痛が走る。
それでも耐えなければならない。風は歯を食いしばり必死に耐えるしかなかった。
「おらっ出すぞ!」
「あ、ぐぅぅぅっ!」
男がそう宣言すると同時に風の小さな子宮目掛けて大量の精子を流し込む。
ドクンドクンと脈打ち流し込まれる感覚に気持ち悪さを感じる。。
「ふぅー出した、出した……あ?」
「ひっ……!? な、なに……あぐっ!?」
一瞬は満足そうにしていた男の表情が再度憤怒に染まる。
そしてそのまま風を一度振り落とすと、また髪を掴んで風を引き摺っていく。
「てめぇ……売女の分際で泣きやがったなぁ! 俺とするのが嫌なんだな! お仕置きだ! お仕置き!」
「ひ、ぎぃ……ちが、ちが……」
「……こうだ!」
「ちが……ごぼぉ!?」
怒りを何とかなだめようとする風の顔面が置いてあった水瓶に突っ込まれてしまう。
単純な力で男に叶うわけもなく、手も縛られている風はまともに抵抗も出来ない。
「ごぼっ!? ぐぼっ! おぼっ! ごぼぼぼ!!」
「ふんっ」
「ぷはぁ! ゆるし、ごぼぼぼ!!?」
一度髪を引っ張られて引き上げられ、また沈められる。
もはやお仕置きなどではない。
水責めによる拷問。それか明確な殺意がある行動だ。
(息が出来な、死ぬ……死んでしま……お兄……さ……)
「あん? 漏らしやがったか……へっ」
何度か繰り返される内に軽く裂けて血が出てしまっていた風の股から、小便が流れ出してくる。
窒息寸前な状態と、死の恐怖からか、漏らしてしまったのだろう。
それを見た男は既に半ば気を失っている風をその足元に投げ出し、風は自らの小便の中へと倒れる。
「…………」
「気絶しちまったか? まぁ良い。 売女なんてこっちから願い下げだ」
倒れ伏したまま動かない風の水に濡れた髪で男は自らの性器についた精液や微量の愛液を拭う。
彼の望む穢れなき少女ではなかった段階で、風の価値は彼にとって拭き紙くらいにしかないのだろう。
「精々誰か迎えに来てくれるのを願うんだな!」
(おわっ……た……)
殆ど意識のない風でも男がこの場所から離れていく気配は感じられる。
これで終わった悪夢は終わったのだ。
そう認識していても、全く身体に力が入らない。
(わた……し……は……)
いや力が入らないどころではない。
どんどんと意識が薄れていく。
このまま寝てはまずい。それが分かっていながらも、止まらない。
(りんちゃ……)
大切な親友が、行く末を見たかった主君が、どんどんと流れて行ってしまう。
まるで頭に穴が開き、そこから意識が零れていってしまっているかのように。
「お兄……さ……ん……」
最後に最も大事だったものが流れていくと……そのまま風は意識を失った。
苦しくはない。だが、安らかでもない。
ただ流れてしまう。歴史の中に消えるように。
少しばかり、その後の話をしよう。
風を襲った男はその後、怒り狂った華琳により、捕獲、その後あらゆる刑に合って処刑された。
結果的に言うならば風は生存した。風が意識を失って暫くして一刀達が残された宝譿により居場所を探し当て、急いで連れ帰ったからだ。
しかし今回の事態の記憶、そして大切なもの達の記憶も大半が失われていた。
華佗であっても、己を守るための記憶喪失であっては手が出せない。
この歴史において、風という存在は事実上死んでしまった。
たった一つの失敗。それがもたらした結果。
それでも世界は進み続ける。
一人の少女の事実上の死もまた、歴史に流されていくのだ……。