BLEACH、黒崎遊子です。
完全に鬼畜陵辱系統ではないのですが、まぁバッドエンドだしこっちにしといた方が良いかなと。
弱ホラー、胸糞系ですので苦手な方はバックを。
では、どうぞ。
危険。
それは、人々の思いも寄らぬ場所から忍び寄る。
目に見える脅威ならば、逃れる術もあるだろう。
だが、静かに、じわりと、知らぬ間に蝕まれたなら、どうなる?
ある日、一人の心優しい少女が、無垢な愛を向けた存在。
儚げで、無害に見える、小さな命。
それが、自らの身を滅ぼすものだとは、夢にも思わずに。
これは、ある少女を襲った悲劇の物語である。
「ふわぁ……」
はしたなく思うのか、少女は少し顔を伏せ、小さく口を開いて欠伸をかみ殺す。
彼女の名は黒崎遊子。
つい先日、そろそろ良い頃合いかと双子の妹と部屋を分け、一人になったばかりだった。
まだ慣れない静けさが、わずかに落ち着かない。
だからだろうか。この選択をしてしまったのは。
「…………」
「あぁ、ごめんね……ちょっと眠いだけだから」
一人部屋になったはずの遊子が話しかける相手。
それは、赤ん坊を卒業したばかりのような、小さな黒猫だった。
近所の路地で蹲るように寝ていたこの猫を、彼女は放っておけず、誰にも言わずに家へ連れ込んでしまったのだ。
(やっぱり……隠し事、してるからかな……)
子猫を拾って、まだ数日。
それ以来、遊子はお腹に違和感を覚え、トイレに行く回数も増えた。
寝つきも悪く、ぐっすり眠れた気がしない。
もしかして、家族に秘密を作ったから?
そんなふうに思ってしまうほど、遊子は家族を愛する、心優しい少女だった。
「ちょっと早いけど……おやすみ、ボンボン」
「…………」
独特のネーミングセンスで名付けた黒猫の頭を優しく撫でるた遊子は立ち上がると、黒猫を箱に入れ、そっとクローゼットの奥へとしまった。
だが、遊子は気づかなかった。
クローゼットの扉が閉まる直前。
黒猫の瞳が、妖しく輝いていたことに。
「すぅ……すぅ……」
静かな寝息が、一定のリズムを刻む。
その中で、ギィとかすかな音が響いた。
微かに揺れるクローゼットの扉。
その隙間から、黒い影が静かに這い出す。
言うまでもなく、あの黒猫だった。
だが、その足取りは驚くほどしっかりしている。
まるで、赤ん坊のように弱々しかったはずの体躯が、最初からそんなものではなかったかのように。
黒猫は、ふわりと音もなく跳躍すると遊子の寝ているベッドの上へと乗った。
「…………」
次の瞬間、黒猫の背中が、セミの抜け殻のように、ぱくりと裂けた。
ずるり、と何かが這い出す。
それはピンク色をした塊。
無数の細い触手が生え、ウネウネと蠢くそれは、生理的嫌悪感を覚えさせる異形の肉だった。
「…………」
この生き物は、決して猫などではない。
虚。
人間の霊体が怪物と化した異形の存在。
擬態のために猫の形を取っていたが、その奥には確かに虚の特徴が埋もれていた。
頭部を覆う白い仮面。
そして、胸元にぽっかりと空いた黒い孔。
紛れもない、怪物だ。
だが、この虚には他にはないある趣向があった。
「すぅ……」
肉体の一部である触手が音もなく静かな寝息を吐く遊子に迫っていく。
一見すれば、それは捕食のための行動。
だが、虚が持つ趣向からすると、それは別の意味を持っていた。
何故なら、その触手はゆっくりと、器用にパジャマの隙間へと潜り込んでいくのだから。
「んっ……」
身体の表面を這う、生暖かく柔らかな感触に遊子は小さく身動ぎする。
しかし、起きることはない。
この部屋には、虚が撒いたガスが薄く漂っていた。
それは、眠りを浅いものまでにし、決して完全に覚醒することを許さないもの。
遊子が最近、寝不足だった理由だ。
それは、この異形の存在の仕業だったのだ。
「んっ……んんっ……んっ……」
時間はたっぷりある――。
そう言いたげに、触手はゆっくり、ゆっくりと遊子の身体を這い回る。
起伏の少ない幼い曲線を撫でるように動く異形の腕。
くすぐったそうに身をよじる遊子。
「……んっ♡」
だが、不意に妙に甘い声が漏れる。
夜な夜な弄ばれてきた身体は、少しずつ、女としての反応を覚え始めていた。
その反応に気を良くしたのか触手の動きも徐々に早くなり少女の身体に快楽を送り込む。
「んっ……んんっ……♡」
眠ったまま愛撫され、鼻から抜けるような甘い声が漏れ、無意識のうちに、内股を擦り合わせ始める。
その頃には、布団の中は触手で満たされ、うごめく塊と化していた
「はぁ……♡んん……♡ふっ……♡あっ……♡」
なだらかな身体に似合う細い触手が滑るように這っていく。
決して強すぎず、まるで熟練の調教師のように、丁寧に、慎重に、獲物を開発していく。
パジャマに包まれた遊子の身体はいつしか汗ばみ、頬も紅潮していた。
それでも、遊子は起きない。
否、起きられない。
異形に支配された獲物は、逃げることなど許されないのだ。
「……ふあっ!♡♡」
不意に遊子の口から今までになく官能の色が濃い嬌声が上がる。
触手が遂に遊子の幼く小さな割れ目を押し広げるようにゆっくりと中へと侵入し始めたのだ。
「あっ♡あっ♡あっ……♡」
だが、この数日間、夜な夜な開発された遊子の割れ目は狭いながらも触手の侵入を拒むことなくむしろ迎え入れるように受け入れていく。
触手が遊子の小さい穴を広げ、奥まで進んでいくたびに遊子の口元から甘い声が上がり、ベッドがギシギシ音を立てる。
その全てが彼女の快楽を物語っていた。
「んあっ♡あふっ♡♡ひうっ♡♡♡」
ゆっくりではあるが着実に奥に侵入してくる触手。
粘着質な音が部屋に小さく響き渡り、遊子の喘ぎと合わさり、卑猥なメロディーとなっていく。
そして遂に触手は遊子の子宮口へと辿り着いてしまう。
「んおっ……♡♡ふぅぅぅ……♡」
ツプッ♡と、子宮口へと侵入していく触手。
その瞬間、今までにない声が遊子の口から漏れるが、やはり目を覚ます様子はない。
むしろ、そこで触手が一旦止まると、もどかしいとばかりに、もぞもぞと身動ぎ始めてしまうくらいだ。
無意識のうちに、彼女は快楽を求めてしまっていた。
「…………」
「あんっ♡♡あっ♡ああっ♡♡あああん♡♡」
虚は遊子の開発具合を悟ると子宮の中を拡張するように何本もの触手を秘所へと挿入していく。
無数の触手が束となり、大の大人の肉棒を受け入れているのと遜色ないほどに膨れ上がる。
それを遊子の中は痛みなく受け入れていた。
「ふああぁあああ……♡♡♡」
不意に、遊子が今までになく甘い声を漏らし、全身を痙攣させていく。
子宮を激しく責め立てられ、遂に遊子は絶頂してしまったのだ。
それでも目覚めはしないが、流石にガクッと全身から力が抜けたように脱力してしまった。
「…………」
だが虚にとって遊子の絶頂など今から行うことの過程の一つでしかない。
本番はこれからだ。
「……!」
「ン……♡ァ……♡」
虚の黒猫部分が痙攣するように震えると、遊子の子宮の中に特殊な液体を注ぎ込み始めた。
粘着質で一見精液のような液体。
しかし、それは精液などとは比べ物にならない最悪の代物であった。
「ン……♡ンン……♡」
液体が広がる度に遊子は身体を震わせる。
それは快楽を感じている、だけではない。
快楽など副産物に過ぎない。
何故ならこれは、この虚が持つ特殊な能力で、人間の子宮に分体を産み付けた結果なのだから。
「ン……♡」
「…………」
スルスルと触手が黒猫の身体に戻っていく。
普段ならばこれで終わり。
分体は人知れず排泄され消えてなくなる。
だが、それも今夜までだ。
「……!」
黒猫の頭が八つに裂け、中から巨大な口を持つ頭部のようなものが現れる。
目はないが、その顔には半ばまで割れた仮面が張り付いていた。
「ン……♡」
「……!」
虚の口から巨大な舌が伸び、布団ごと遊子の身体を絡め取る。
それでも、遊子が目覚めることはなかった。
「ボン……ボン……」
「……!」
最後に小さく呟いた遊子の身体が、虚の口の中へとゆっくりと消えていく。
それはまるで、蛇が獲物を丸呑みするかのようだった。
やがて、虚の異形の姿は見る間に縮んでいき、黒猫の小さな身体に収束していく。
そして、部屋にはただ、一匹の黒猫だけが残った。
「…………」
残った黒猫は、再度重さを感じさせない跳躍で窓際に跳ぶと、そのまま夜の闇へと消えていった。
同じ家にいながら、誰にも気取られることのない異様な隠密性を持った虚。
その消えた先を知る者は、誰もいなかった。
***
「ちっ……!」
苛立ちを隠しきれず、舌打ちが漏れる。
そんな自分にさらに苛立ちながらも、黒衣を纏った死神、朽木ルキアは夜空を駆けていた。
行方不明になった友人の妹の捜索を手伝えず、気づけばすでに一ヶ月。
募る焦燥と苛立ちは、とうに限界を迎えていた。
だが、それでもルキアが手を貸せなかったのには、無論理由がある。
(異常発生にも程がある……! この一週間で、三桁近い虚が発見されてるだと……!?)
今、現世では虚の異常発生が続いていた。
しかも、それらの虚は一体ごとの霊圧が異常に高く、上位席官でなければ返り討ちにあうケースも多発している。
ルキアだけでなく、護廷十三隊そのものが、この事態の対処に追われていた。
実際、ルキア自身も今夜だけで、すでに二体の虚を斬り伏せていた。
(まさか、あの娘の失踪も何か関係が……?)
不意に足を止めたルキアの脳内に、第六感とも呼べる鋭い勘が冴え渡る。
失踪と虚の異常発生。
一見無関係に思えるが、発生時期が一致しているという共通点があった。
「調べてみる価値はあるか……はぁ……」
対処に追われ、それすら考えなかった自分に苛立ちを覚え、思わずため息が漏れる。
だが、それでも直感に従い、ルキアは進む方向を変えた。
何かを掴めば、捜索に加われるかもしれない。
そんな淡い期待を胸に。
「なん……だ……これ、は……」
しかし、その期待は最悪の形で打ち砕かれた。
ルキアはまだ隊では若輩ではあるが、これまでに数多の戦場をくぐり抜けてきた。
幾度もの死闘を経験し、どんな異常事態にも驚かない自負があった。
だが、それでも……目の前に広がる光景に、言葉を失った。
「…………」
そこに居た……いや、あったのは、異様な物体だった。
一言で言うならば、醜悪な肉塊。
それは生きているのか、わずかに脈動しており、生理的な嫌悪感を感じる。
その不気味な動きに、思わず生理的な嫌悪感が込み上げる。
だが、それだけではなかった。
その肉塊には、人が生えているのだ。
「────♡」
それは、かろうじで人の形をしていた。
曝け出されたなだらかな胸からしても、そこまで年齢ないってないように見える。
だが、そこ以外は全て異質。
顔は茶色の髪と鼻が出ているくらいで他は肉塊の中。
お腹は臨月を迎えてるように醜く膨らみ、割れ目は常に何かを求めるように開閉を繰り返している。
手足もまた肉塊の中にいるせいで、余計に生えてるようにしか見えなかった。
「まさ、か……がッ!?」
その人らしき存在の正体を察した瞬間、ルキアは地に付していた。
何かに後頭部を打ちつけられ、次いで背中から強い力で押さえつけられる。
(なに……!? 気配も姿も、霊圧すら……ない……だと!?)
ルキアが不意を突かれたのも無理はない。
うつ伏せのまま、襲撃者の正体を探ろうと目線を向けると、そこには、誰もいなかった。
見えないだけではない。
霊圧すら、完全に感じられない
そこに居るはずなのに気付けないほどの隠密性を持った存在に、彼女は押さえつけられていたのだ。
「────♡♡♡」
「あっ……ぁぁ……」
さらに異常事態は続く。
肉塊の少女が、まるで耐えきれない衝撃を受けたかのように全身を震わせた。
痙攣するように身をよじらせ、その腹部が不気味に波打つ。
次の瞬間、ぐちゅりと、嫌な音を立てながら割れ目が大きく裂ける。
そこから、異常発生している虚が、這い出してきたのだ。
ヌルリと肉塊から剥がれるように出現したそれは、粘液を滴らせながら蠢き始める。
そのあまりにも常軌を逸した光景に、ルキアは自分が危険な状態にあることすら忘れ、ただ唖然とするしかなかった。
(そういう……ことか……!)
ここまで来て遂にルキアは真相に辿り着いてしまった。
やはり友人の妹と虚の異常発生は繋がっていた。
隠密性の高い虚によって連れ去られた少女、黒崎遊子が虚の苗床となり、その数を増やしてしまっていたのだ。
だが、それに気付いてももう遅い。
いつしか、ルキアの身体も半睡眠状態のように動かせなくなっていたのだから。
(霊圧まで鈍……って……意識……が……)
微睡む意識を、ルキアは必死に繋ぎ止めようとする。
ここで意識を失ったら、どうなるかなど考えるまでもない。
だが、ヤツの力は、彼女の意志を上回っていた。
(いち……ご……)
かすかに、猫のような鳴き声が聞こえたような気がする中、ルキアの視界は、暗転した。
***
止まらぬ、虚の異常発生。
その影にある二人の犠牲者の存在に気付いたのは幾人か。
偶発的に生まれた破面の力によって、分体を生み出す苗床と化した二人。
彼女たちが解放されるのは、ただひとつ。
ヤツが滅びる、その瞬間のみなのだ。