ヴィクトリア重工の襲撃から一夜明けて、俺は今日学校を休んだ。
その理由は今後の為の隠れ家を探す為である。
俺が今後の行動をするにしても、今の家に住んでいるままでは、何時かヴィクトリア重工が家を破壊しに来るに違いない。
そんな事は絶対にさせない。なんせあの家は俺の両親の家だ、壊させる訳にはいかない。
っとそんな所で俺は《鑑定検索》を使い、都合のいい隠れ家を探す事にした。
(良い場所何処だ…。頼むから良い所を見つけてくれよ…)
そう俺が願っていた時に、鑑定検索が良さげな隠れ家を見つけたのだ。
それを見た俺はすぐに画面を見る。
検索に入った場所はここから約数キロの距離の場所、しかも滝のある場所だ。
俺はそれに首を傾げながらも、この間購入した原チャリに乗って、その場所に向かう。
原チャリでの数キロの距離、その場所に到着すると、そこは廃棄となった小さなホテルだった。
その近くに確かに滝が流れている。あそこなら水場の確保は問題ない。
水のろ過器ならあるだけあるからな、そう考えた俺はそのホテルへと入って行く。
中は汚れてはいるものの、内装事態はそんなに傷んでいない。
まあ傷んでいたら万能修理で直せば良いだけの事、そしてホテル内の中を探る為、もう一度鑑定検索で調べて見る。
すると、ホテルの奥の方に地下に続く階段がある事に気が付く。
それに俺は思わず見て、その場所に向かう。奥の方は壁になっているが、すぐ横に隠しボタンがあるのを見つけて、それを押して隠し扉を開かせる。
壁の扉が開いて、階段が姿を現し、俺はその階段を下りて行く、するとそこにエレベーターがあって、俺はそれを見てエレベーターのボタンを押す。だが電源が入っていない為動かない。
俺はそれを見て少しばかり考えた、っとその時万能修理と完全整備のスキルを使えばエレベーターの電源を入れられるんじゃないか?
「よし、試してみるか…」
そう言って俺は2つのスキルを使って電源を修理して整備を行う。
配線はまだ大丈夫だから問題はない、問題は…配線の位置関係か。
すぐに配線の位置を修正して繋げると、電源が入りエレベーターが起動した。
「これで動くぞ」
俺はすぐさまエレベーターに乗り込み、下に向かった。
そして下に降りて行き、エレベーターが止まり、ドアが開くとそこは途轍もなく広い空間が広がっていた。
その空間の広場はまるで映画の中の隠れ家が用意された場所だ。
この場所なら車を整備するリフトも設置する事が出来るし、充実したトレーニング施設も作る事が出来る。
俺はそれを見て思わず拳を握り喜ぶ。
「よっしゃ!ここなら隠れ家にピッタリだ! 必要なものは全てここに移し、戦いの時に備えよう」
そう言いながら、俺はこの辺りの汚れを綺麗にする為、清掃のスキルを使って綺麗にする。
――――
地下の広場がかなり綺麗になって、これである程度の準備が出来た所で俺は地上に戻って、ホテルの状態を確認して見る。
このホテル…回転式ベッドにガラス張りのシャワー兼バスルーム。そして床に散らばっているのは……まさかコンドーム?
ってかこのホテルって…。
「ここ…ラブホテルだったのか?」
そう、俺が来たのは廃墟となったラブホテル。しかも部屋のベッドは状態が良い、綺麗にすればまだ使える…。
ん…? 今俺…使えるって思った? あはははは……はぁ、こんな事を考えてしまうなんて、俺も期待してるのかね。
でも18歳ならエッチしてもおかしくないしな。
「まあそんな事は置いといて、ここを綺麗にして、修理したら普通に暮らせそうだな。当然隠れ家として」
まあ~…これが普通だよな。
よし! そうと決まれば清掃のスキルを使って綺麗にしておくか。
俺はすぐさま清掃のスキルを使って、このホテルの内装だけ綺麗にしておくか。
外装の方は綺麗にしておきたいけど、あまり綺麗にしていると、返って怪しまれるからな。少しばかり汚い所が怪しまれないと言う所だ。
まあ綺麗にするって所も怪しまれないって所なんだろうけど。
そして翌日、俺は登校し、あくびをしながら自分の席に着き、隣にいる新道寺が声を掛けて来た。
「手塚君、昨日はどうかしましたか?」
「え? あ、いや、別に大したことじゃないけど、少し色々あってな」
「そうですか…、あまり無理をしてはいけませんよ?」
そう心配してくれる新道寺、助かるよ。その気遣いは。
俺がそう思っていると、廊下から1人の男子生徒が駆け込んできた。
「た!大変だ!! 隣のクラスの女子が昨夜街の路地裏で死体で見つかったってニュースが入ったって!!」
「ええっ!!」
「嘘だろう!?」
その男子生徒の言葉にクラスの皆は驚きを隠せない。
っとその事を聞いた俺は思わず振り向く、それには少しばかり考える。
「(何だって…? 俺の知っているゲームの内容とは少し違う…、本当ならこんなニュースを聞いてもクラスの皆は意外そうな感じになるのに、驚くのはここにる香織と新道寺だけのはず…どう言う事だ?)」
俺はその事を考えていると、クラスの男子がそれに問いかけて来たのだ。
「一体どう言う事だよ!?何で殺されたんだよ!?」
「分かんねぇ! でも噂によるとどうも強姦された後に銃らしき物で殺されたって!」
「酷い!!」
「許さない!」
女子達が怒りを露わにしている中、俺は殺された女子生徒の事を心の中で拝みながらこの事件の実行犯の事を考えていた。
恐らくその子をやったのはヴィクトリア重工かあるいは他の誰かだ…。
許せない…罪もない少女を殺し、路地裏に捨てるなんて、人の道に悖る畜生に等しい。
必ず潰してやる…!
――――
学校から帰った後、俺はすぐに俺のピックアップトラックを収納のスキルに入れて、必要な物を全て収納し、原チャリで隠れ家へ向かう。
それはそこの方が愛車が壊されずに済むからだよ。
そして行きしなにスクラップ場で壊れたリフトの器材が見つかり、それを隠密スキルを使って忍び込んでこっそりと拝借し、更に壊れたパワーラックとベンチがあったのだ。
なんとラッキーな事だ、これも拝借し直して使うとする。
さて…忙しくなるぞ…。
「必ず報いを受けさせてやる。ヴィクトリア重工…覚悟しろよ」
そう呟き俺は原チャリをとばしながら隠れ家に向かうのであった。