とあるビル、その中での部屋で石上と森川が黒スーツの男達に殴り倒される光景が映っていた。
「ぐあっ!!」
「ぶはっ!!もう許してください!!」
森川は顔面が陥没状態のまま殴られていて、痛みがもう限界を達していた。
だがその様子を見ていた新島が呆れた状態で言う。
「無理だね。大体折角チャンスを挙げたのに失敗するってどう言う事? 僕がどんだけ苦労したと思ってるんだい?」
「し!しかしだな新島!! あの手塚が邪魔をして来たんだぞ!? 良い所で邪魔さえしなけりゃ!」
「手塚だって…?」
新島はその事は聞いて目を細める、確か鬼ヶ原達の部下の1人が言っていた事を思い出す。
邪魔されたのは隼人の仕業だと…。それを聞いた新島は小さく舌打ちをし、部下達に命令する。
「おい、もういい、そいつらを処分してくれ」
「はっ!」
「はぁ!?ちょっと待てよ!」
「僕達を処分って!!待ってええええええ!!」
石上と森川は黒スーツの男達に引っ張られ、その場を後にし、新島は「はぁ…」とため息を吐きながらイラついていた。
「(またあいつかよ…。いつもいつも僕の邪魔をして…、もう許さないぞ)」
新島はそう考えると、1人の部下を呼び、その部下は新島の元に駆け寄る。
すると新島はある事を言い出したのだ。
「お呼びでしょうか?」
「今すぐ奴を呼べ、そう…ルーマニア人の殺し屋だ!」
――――
香織達を朝までエッチして、寝不足気味の俺達、一応今日は学校もあるから行かなければならないのだが、でもまあ半分はサボる程度で行こうと思う。
まあ俺と香織は兎も角、問題は裕子と美也子だ…。
昨日は襲われたばかりで、すぐに学校に行こうとは思わない筈だが…。
一応聞いておこう。
「なあ、裕子と美也子はどうする? 今日は学校に行くか?」
「…行くわ、あいつらが処罰されたかどうか聞いて置きたいし…」
裕子の言葉に美也子も少しばかり間をおいてから頷き、それに俺は香織と顔を合わせた後、裕子に振り向きながら言う。
「良いのか? 昨日の今日だ。襲われた事もあるだろうし、それに万が一の場合は…」
「分かってるわ、隼人君…。でもあたしがいつまでも逃げる訳に行かないし、それにもしもの時は助けてくれるでしょ!」
っと満面の笑みを俺に向けながら言う裕子に俺は少々呆れ返りながらも、裕子の粘りのある根性に関心する、やっぱり少しばかり男勝りな所もあるから、どうだろうな~っと思っていたから、この様子だと心配ないな。
そして俺は美也子の方を見てその様子を見る。美也子も俺の方を見ながら頷き、覚悟を決めた様子である。
「よし…分かった。何かあった時は必ず守ってやる、安心しろ」
「よ~し!」
「はい!」
裕子と美也子は頷きながらハイタッチし、それに俺と香織は苦笑いしながらも2人の様子を見守ると同時に助ける事にする、それが俺の役目でもある。
――――
俺達は隠れ家を出た後、朝食はコンビニによって買って行き、そのまま学園に向かった。
因みに一晩泊まった事は香織を除く裕子と美也子は俺の家に泊まったと言ったらしい、その事を聞いた俺は思わず背筋が凍った感じがした、何しろ俺と朝までやっていたんだから。
でもなぜか裕子達の親は反対はしなかった。
むしろ安心して俺に預けられるとの事だった。あの…この世界の親ってどこか抜けてる所ってあるのかな?
普通男の家に行く際、疑うべきなんじゃないかな…?
俺はそう思いつつも香織達と一緒に獅子王学園へと向かう。
そして学園へと到着し、掲示板である紙が貼られていたのだ。
【石上達朗、森川智、及び多数の生徒の者達を追放処分とする。理由 校規を著しく乱す行為が確認された為…】
っと鬼ヶ原達と全く同じ内容の紙が貼られていたのだ。
それを見た香織達は俺の方を向く。
「隼人君…これ」
「ああ、書いてある通りだよ(どうやら既に動いている様だ、ヴィクトリア重工…手際が良い。新島の動きもある様だけどな)」
俺はそう思いつつ、香織と共に教室へと向かう。
裕子と美也子もそれぞれの教室へと向かった。
教室に入った際、俺の隣にいる美羽が何故か暗い雰囲気を漂わせながら茫然としていて、それに俺は気づく。
「ん?どうしたんだ。新道寺」
「あ…手塚さん。いえ、何でもございません」
「そうは言うけど、顔が何かありましたって感じになってるぞ」
「っ…」
美羽はついやってしまったと言う風な感じを見せ、慌てて笑顔にする。そんな事をしてももう遅いよ…。
俺は気になっている美羽の様子を問いかける。
「…なあ、悩みがあるなら相談に乗るぞ?」
「え?いえ、そんな…これは私の事ですから、どうかお気になさらず…」
「なあ新道寺、気になる事はサッと吐いた方が良い。あんまり心にしまい込み過ぎると、返って倒れてしまうぞ?」
「……」
その事に美羽は少しばかり黙り込んだ、まあ家の事情だって事は既に分かっているんだけどね、俺がその事を思っていると、美羽が語り出す。
「実は父の会社の運営が最近悪くなっていて、それで下請けの会社の皆様がたに迷惑をかけてしまっているんです」
「新道寺カンパニーの運営が? 更に悪くなったって事か?」
「はい…、まだそんなに傾いてはいないのですが、このまま行くとお父様の会社が倒産してしまう可能性もあるのです。でもここから先は私の事情なので」
そう言って美羽は自分の机で授業の準備をし、俺はその話を聞いて納得した。
やっぱりな…、新島達は確実に美羽を手にして、親の会社の利益や株を全てを手に入れるつもりだ。そして確実に追い詰め、美羽を凌辱し、その映像を親に見せて弱みに付け込む気だ。
そうしてヴィクトリア重工と並ぶ新道寺カンパニーの全てを手に入れた後に破壊して捨てる。
これが奴らのやり口だ、全く…頭の良い奴は本当に馬鹿な事をしか考えない奴だな。
でも仕方ないのかも知れない、ここはゲームの世界と同じなんだから。
仕方ないとはいえ、あいつ等の卑劣な悪行は俺が潰す!必ずな…。
――――
そして一日の授業を終えて、俺は一度自宅へと戻る。
戻っておかないと新聞が溜まるからな、本当に…。
そう思いつつ、俺が玄関のドアに近づこうとする、っがその時だった。
キュイイイイイイイイン!!!
「っ!!!」
俺の気配感知のスキルが警報の様な感覚を感じ取り、とっさに後ろを振り返ると、そこには2m近くも大男が俺に拳を振り下ろして来たのだ。
「ぐおおおお!!」
「おっと!!」
大男の拳をかわし、俺は地面に転がって立ち上がると、大男は俺を見ながら笑みを浮かばせる。
その大男は外国人…、見る限りルーマニア人か? しかも筋肉がモリモリだなおい。
取り合えず名前を鑑定検索で調べるか。
ミヴァル・ウルジガ
年齢:45歳
身長:198㎝
体重:120㎏
職業:殺し屋
っとその職業を見た俺は思わず驚いた。
殺し屋だって!? 恐らくこいつを雇ったのは新島達だ! チッ!めんどくさい奴を寄こしやがったな!
俺はそう思う中で奴…ミヴァルは俺に向かって拳を振り下ろすのだった。