俺は今、頭の中が混乱状態になっている。
神様の手違いで死んだ俺は、この世界…【学園地獄 少女達の最後】の世界に転生した事に戸惑いを隠せない。
どうして俺はこの世界に…? それに今ここにいる少女、桜田香織に付いても疑問がある。
確か彼女には…。
ガラガラ!
「おお!患者が気が付いたかい!」
「あっ!先生! 今ナースコールを押そうとした所で」
「そうかそうか、後は私が見るからね、それで君、自分の名前は分かるかい?」
っとこの病院の先生が俺に問いかけて来て、俺はただ茫然としながら言う。
「…手塚、…隼人」
「よし、意識はしっかりとしているね。まだ言葉がもたつく所があるけど、いいかい君、君は学校の屋上から落ちて頭を強く打っただけじゃなく、体中の骨もあちこちヒビが入っているんだ。
だが奇跡的に命は無事だった事が、本当に奇跡だよ」
そう先生は信じられずにはいられない様な表情をしながら俺に語り掛けてくる。
俺…本当に学校の屋上から落ちたのか? どうも信じられない。
でも身体中に痛みが走る事から、どうもそうなのかも知れないと感じた俺、今はどうする事も出来ない様だ。
「今は回復に専念しなさい、いいね?」
っと先生はそう言いながら俺と桜田を残して病室から出て行った。
すると桜田の方は…。
「はぁ~本当に良かった~! もう目が覚めないと思ったら心臓が止まりそうになったよ! でももう安心だから大丈夫ね。それじゃあまた来るからね隼人君」
そう言って桜田は俺にそう言って病室を出ていく、1人残された俺はただ唖然とするしかなかった。
「…どう言う事だよこれ、本当に俺はこの世界に…、そうだ、こんな時は神様が言っていたステータスを見ればいいんだ」
そう、俺はこの世界に転生した際に神様からスキルを貰った筈、それを確かめれば、この状況が分かるかも知れない。
確か…神様が転生させる際にこう言ってたな…?
「…ステータスオープン」
俺がそう放つと、俺の目の前にステータスの画面が出て来た。
そしてその画面にこう映されてた。
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手塚 隼人
身長:185㎝
体重:48㎏
筋力:0
攻撃力:1
防御力:1
俊敏力:5
精神力:80
知識力:50
運力:100
【スキル】
《超回復》、《鑑定検索》、《収納》、《金銭幸福》、《習得鍛錬》、《限界成長》
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「………は?」
俺は思わず言葉をこぼしてしまう、なんだこのステータス…?
それに攻撃も防御も1って最低クラスじゃないか! こんな状態でどうやって動けばいいんだ?
オマケに体重を見たら48㎏だって!?どういう事だよ!?
鏡があれば、俺の身体が見れるんだが…このメニュー画面は鏡にする事は出来ないのか?
するとステータス画面が鏡に変更したのだ。
そして俺の今の身体の状態が目に映る。
「…酷い」
俺はまたしても言葉がこぼれ出たのだ、俺の今の身体はあちこちギブスだらけで、点滴のチューブが何本もあったのだ。
しかも皮と骨しかない状態の身体、筋力もあったもんじゃない。
これではまともに動かす事も出来ない。くそっ!一体どうしたらいいんだ…。
っと俺が考えていると。
《超回復発動! 体の骨の再生を開始、再生には6日かかります》
えっ? 超回復が発動した…?
突然の事に俺は戸惑いを隠せない、そう考えていると俺の体中の骨が徐々に温かく、癒されていく感じがする。
本当にスキルが発動してるなんて…、こんな事ってあるんだな。
とにかく今は回復するのが一番の目的だな。
――――
そして1週間が過ぎた、体中の骨は超回復によって完全に治り、手足が動かせるくらいにはなった。
俺の超人的な回復力に先生も驚きを隠せなかった。
「そんなまさか! あれだけの怪我がこんなに綺麗に治るなんて!レントゲンも調べた結果もこうなってるよ!」
先生が以前ここに運ばれた時に撮ったレントゲン写真、あちこちヒビが入ったボロボロの骨が映し出されていて、見るのも痛い。
だが今日撮ったレントゲン写真は綺麗になった骨が映されていて、先生はありえない表情をしていた。
「でも一体何があったんだ…!? これはもはや奇跡とした言いようがない!医者の私がこんな事を言ってはならないが…!」
いや、先生の言う通りだよ。本当に奇跡なんだよー。
ワザとらしい言い方をしてしまうけど、今の状況では。
先生の話は2時間に及んでしまったが、何とか病室に戻って来れた俺はギブスが外されて、包帯も点滴も外されている。
そして改めて鏡の前に立つ。
俺の身体は皮と骨の状態である事は変わりなく、顔もげっそりとした様子。髪は肩まである状態だが、髪を退かすと、イケメンとまでは行かないがいい男性である事に気が付く。
「ふむ…髪を短髪にすれば良い感じになるな。そして問題はこの身体だ…」
余りにも栄養不足の身体だ。なんでこんな状態になってまでいたんだ?
これでは今後の事にも危ない、退院したら食べていかなきゃ…。
そして最後に俺が気になる事、それは…。
「あの子…桜田香織、彼女には確か…
そう、前世でプレイした俺は重大な事を覚えている。メインヒロインである桜田香織に幼馴染はいない、なのに俺が彼女の幼馴染である事になっている。
もしかしたら俺は彼女の幼馴染として、この世界に転生してきたのではないのかな? もしそうなら幼馴染の設定は頷ける。
そしてこれを利用して、彼女達を襲いかかろうとする奴らを叩きのめしていき、更にこの世界の裏の敵を倒す。
そうすれば絶対に行けそうな気もするな、でも今はこの身体の状況だ。
「先生からの話じゃ、身体に異常が見られなければ、明日には退院できるって話だったな? ふぅ…」
俺はそう呟きながらベッドに寝ころび、天井を見続ける。
するとドアからノックの連発が鳴り響き、それに俺は返事をする。
「ん?はい!」
「隼人君!入るよ!」
っとドアから桜田が入って来た。
しかも大慌てで…、ちっとは静かに入って来いよ。
「さっき先生から聞いたよ隼人君! あの酷い怪我がもう治ったの!? 一体何があったのさ!」
「それは俺もよく分からないよ、でもとにかく明日には退院出来るって先生も言ってたから、今日はゆっくり休むよ」
俺はそう桜田香織に言う、っが桜田香織は何故かポカンと口が開いた状態になり、それに俺は問う。
「おいおい、どうしたんだ…?」
「今…俺って言わなかった? え?何? どうしたの?だって隼人君…自分の事を“僕”っていつも言ってるのに」
「(っ!? 何だって…!?)」
どうやら俺は僕って言う風な大人し系な奴だったみたいだ、それにしても僕って…幼い頃の俺みたいだ。
思い出したくもないけど…。
「…う~ん、まあいっか。隼人君の俺って言う感じも、なんだかカッコいいし!」
「そうか? まあいいけど…」
なんだかこの子、妙にやりづらいな…でも守っていくしかないんだよな。近い内に悪意の者達から守る為にも…。
あっ、そう言えば俺の両親どうしたんだろう? 一向に顔を見せに来ないけど…。
そして翌日、俺は退院し自宅に帰ろうとしたが…。
「えっと…俺の家ってどこ?」
俺は迷ってしまった。この世界に転生してまだ間もないから、ここがどの場所か、家が何処なのかも分からない。
どうしよう~…あ。
「そうだ、『鑑定検索』を使えばいいんだ。あれなら鑑定だけじゃなく、俺の家の場所も分かるかもしれない」
そう、俺は昨日寝る前にスキルの確認をしたのだ、この鑑定検索は人を調べるだけじゃなく人物や物件を探す事が出来るらしい。
ならこれで俺の家が何処にあるか分かるかもしれないな。
「よし、検索してみよう…【俺の自宅】」
そう鑑定検索で調べてみる。すると目の前にステータス画面と同じ画面が目の前に現れて、俺の家の場所を特定した。
此処やら約1.5キロ先だな…。
「よし、向かうとするか」
そうして俺は自分の自宅へと向かう、帰宅の際に食材を買おうとするも、財布の中身が…。
「あっ、お金がない…」
っと財布の中身が千円程度しかなく、これでは買い物も出来ない。
仕方ない、今回は帰宅するとしよう。
数分後、少し街から離れて、俺の自宅へと着いた。
「ここが俺の自宅…」
俺が見た自宅は一軒家かと思いきや、少し小さな平屋だった。
見た所は綺麗な平屋だが、辺りは雑草だらけで酷い状態だ。これは後で草むしりが必要かもしれない。
でも今はそんな事を気にしても仕方ない。
「とりあえず入って見るか。俺の家に」
そう言って俺は家へと入って行く。
中はそんなに広くはないが、良くても4LDKな感じの家っと言う感じかな。
部屋は荷物や物置をしていて、どうも片付けが出来ていない様子、そして俺の部屋は一応一通り片づけてはいるものの、後の所は酷い状況、どんだけ片付けが出来ていないんだ?
そしてある部屋に入って見ると、そこには…。
「……マジ?」
何とそこには大きな仏壇があって、驚く事に両親の墓の印もあったのだった。
俺の両親…死んでいたの? 驚いたよ…。
「…どおりで病院にも来なかった訳か、納得だ(でもこれはこれで都合が良いのかもしれない、今後の活動でヤバい行動ばかりやるからな、両親に迷惑はかけられない)」
俺はこの後の活動を効率よくする為にも、申し訳ないが家族が居ない方が良かったと安心する。
さて…、俺の活動を始める前に準備を整えさえるとしようか…。