ヴィクトリア重工から男子生徒達の恋人と姉妹を助け出した俺、今日彼らから屋上に来て欲しいと言われ、俺はそれに答えようと思う。
放課後、約束の時間となって、俺は香織達と共に屋上へ向かう。
その際に裕子がこれに問いかけて来た。
「ねえ隼人君、一体何かあったの?」
「屋上に付いたら話すよ」
俺がそう言い聞かせて、屋上に到達すると、既に待っていた彼らが居た。
彼らが俺達に気づき、振り向いてくる。
「来てくれてすまない」
「いいさ、それで要件は?」
気になっている事をすぐさま問い、その事に香織達は見る。
まあ大体の予想はいくな、彼らの問いは勿論…。
「昨日も言ったけど、俺達の彼女を救ってくれてありがとう手塚。お前のお陰だよ」
「どうしても改めてお礼が言いたくて…」
「だからそれはもういいんだよ、それは」
俺がそう言うと、香織達は驚いた様子で俺の方を見る。
「隼人君、どう言う事?」
「助け出したって…」
「…実は昨日な」
状況の分からない香織達に俺は全て話した。昨日男子生徒達が俺に襲いかかって来た事、理由は恋人と姉妹達が人質になっていて仕方なくやってしまった事。
その裏で動いていたのがヴィクトリア重工が絡んでいて、しかも海外に売り飛ばされそうになっていた事、その際に助け出して、今に至る事を…。
香織達はその事を聞いて唖然としていた。
「嘘…まさか皆も?」
「襲われそうになったって…」
「え?桜田達もか!? 本当なのかよ手塚?!」
「ああ、本当だ。香織達は鬼ヶ原や石上に森川、栗原達に襲われたんだ。それも裏で絡んでいるのは新島重工だ」
っとその事を聞いて男女生徒達は驚きを隠せなかったようだ。
香織達は説明しているから驚きはしない。
当然驚いている中で1人の男子生徒が前に出て、信じられない表情をしながら言う。
「ま!まさか鬼ヶ原達が桜田達にも襲いかかっていたのか!? でもその中に新道寺がいるぞ!?」
「そうだよ!新道寺カンパニーに手を出したらどうなるか分かったもんじゃない!」
「いや、あいつ等はそれを狙って襲ったんだ」
俺の言葉に彼らは俺の方を見る。
それを狙っての事だと知ると、当然驚く筈だ。
「あいつ等は新道寺カンパニーの弱みを握りたいんだ、その為に美羽を凌辱して、それを利用しようとしたが、俺の介入によって失敗に終わった」
「手塚が妨害したって事か…」
「でもあいつ等、諦めた訳じゃないよな…?」
っとその事に俺は少しばかり考え、そして頷く。
「…ああ、隙があれば必ず香織達を凌辱するに違いない。だがそんな事は俺がさせない…、俺が必ずぶっ倒す」
俺は香織達に危害を加える奴らには消して容赦はしない、耐え難い苦痛を合わせ、二度と香織達に近づけない様にする。
その方が効率がいい事もある、まあ香織達がこっちから首突っ込んでくるから、大変だけど。
一方男女生徒達は俺の話を聞いて頷き、そして両膝を付いて頭を下げてくる。
その光景に俺…いや、俺達はそれに思わず目を向ける。
「え? 何やって…?」
「手塚!! 俺達も協力させてくれ!!」
「俺達!!何も出来なかった! 恋人を連れ去られ、只命じられるまま動かされた俺達は無力で悔しいんだ!!」
「今度こそ俺達は必ず守りたい! でも俺達は無力なまま終わりたくはない!!」
その事に皆は頷いている。
どうやら俺が思っている以上に気にしている様だ、でもそんな事をしたら彼らは勿論、助け出した恋人や姉妹達がまた危険な目に合う可能性もある。
一応俺はそれに答える前に、彼らに問いかける。
「…俺に協力したら、恋人と姉妹達がまた狙われる可能性もある。それでも俺に協力するのか?」
「それについては彼女達も承知の上だ」
「手塚君!私達はあの人達が許せないの! 奴隷扱いする人達を後悔させたいの!!その為ならば襲われる事も承知の上でやるつもり!」
「だから頼む! 俺達を手塚の仲間にさせてくれ!」
再び彼らは頭を下げて俺に頼んでくる。
これだけ頭を下げられると、流石の俺も断り切れないな。
一度だけ香織達を見て、それに香織達は頷き、了解を得る。
「わかった、お前等の協力…受け入れるよ」
「手塚…!ありがとう!」
その事に俺は頷き、香織達も頷いた。
っとその時俺は彼らの名前を聞いていなかった事に思い出す。
「そう言えばお前等名前は何だっけ? 別クラスだから分かんねぇ」
「おいおい…そこかよ」
「仕方ねぇって、手塚とは3年間別クラスだったんだからさ」
そう言うと彼らは自己紹介をする。
「俺は倖田(こうだ)巧(たくみ)だ」
「小野田(おのだ)守(まもる)だよ」
「滝沢(たきざわ)哲也(てつや)だ」
「篠崎(ししざき)栄治(えいじ)、3組だ」
「大塚(おおつか)浩平(こうへい)だよ」
「梅宮(うめみや)新之助(しんのすけ)、覚えてくれよ」
男性陣の名前が終わり、次に女子達の名前が言う。
「私は藤沢(ふじさわ)芽衣(めい)よ」
「あたしは遠藤(えんどう)明日海(あすみ)よ」
「西園寺(さいおんじ)静香(しずか)です」
「私は大塚 志保(しほ)、浩平君の双子です、義理姉のですけど」
「篠崎 雲母(きらら)です!」
「梅宮 真美(まみ)です!」
男女生徒達…もとい、巧たちの名前を聞いた俺達は彼らの協力を受け入れる事にした。
――――
そして学園を後にし、俺達は巧たちを連れて隠れ家に連れて来た。
もう協力をするんだから、ここの事も話しても構わないよな。
巧たちは俺達の隠れ家を見て、男性陣は俺を連れて離れて聞く。
「おいおい手塚…、ここってもしかして」
「ラブホテルか!」
「まあ…そうなんだけどな」
「おいおい!なんていい場所持っているんだ!」
ってこら、なんか勘違いしてるじゃないか?栄治の奴…。でもそう思っても仕方ないか。
「まあ外見はそうだけど、本命は地下にあるんだ」
「「「「「「地下!!?」」」」」」
その事に巧たちは驚き、芽衣たちはそれに振り向き、香織達は少々苦笑いする。
巧たちが驚いた後に俺達はエレベーターで地下に降りて行き、地下に到達して広場に入ると、巧たちは騒然としていた。
まさかラブホの地下にこんなデカい広場があるとは、思いもよらなかっただろうな。
そして巧は俺に問いかけて来た。
「なあ手塚。ここがお前の本命の場所?」
「そうだ、ここで俺は奴らと戦う為の準備をしているんだ。全てジャンク品や奴らから奪ったものが結構多い」
俺はテーブルに置いてあるものや車に指さしながら言って、匠たちは驚きながら見ている。
すると新之助の妹の真美がある事を思い出して、俺に問いかけて来た。
「あの、昨日警備員達に銃を撃ってましたよね?あれは一体何処で…?」
「え!?手塚!銃があるのか!?」
「ああ、ここにな」
それに答えるかのようにテーブルに銃を取り出して置く。勿論収納からだ。
当然匠たちは突如現れた銃に驚く。
「ええっ!? 一体何処から出したんだよそれ!!?」
う~ん…どうやって伝えようかな。俺はその事を考えていると、またしてもステータス画面が開いた。
《習得鍛錬!記憶情報伝達を取得しました》
ほう…記憶情報伝達か…これはもしやと思い、俺は確認してみる。
【記憶情報伝達、自身の記憶を相手に伝え、情報を送る事が出来る】
やはりそうか、これは俺自身の記憶を相手側に送る事が出来るのか、よし…ならこれで俺の前世の記憶も一緒に伝えるとしよう。
俺は手を巧たちの方にかざし、それに巧たちは首を傾げていると、彼らの頭の中に俺の記憶が映し出されているのが感じ取れる。
どうやら俺も感じ取れる様だ。
巧たちは俺が今までどんな経験をし、道を歩んできたかを伝え、そしてこの世界に転生した事を頭の中に伝える。
同時にこの力もその神様からのギフトだと言う事を伝える。
記憶情報伝達が終えると、巧たちは信じられない表情をしていて、この俺を見ていた。
「手塚が…違う世界の人?」
「しかも死んだ際にその力を与えて貰って…」
「こっちに来て、今に至るって事か?」
「すごーい…、手塚君って超人だったんだ」
「それなら昨日のあれも納得かも…」
「だからさっきの様なチートっぽい事も出来るんだ…」
巧たちは俺の能力を知って、それに納得した感じだった。
すると巧たちがこんな事を言い出して来た。
「なあ手塚…ちょっと聞いていいか?」
「もう隼人でいいよ、どうした?」
「なら…隼人、後悔はないか?」
「どういう意味だよ」
巧の言っている意味が分からず、俺はその問いを聞く。
「そのままの意味だよ。隼人さ…桜田達から最悪の未来を回避する事だけは分かっているけど、相手を殺したことに後悔はないかなって」
「…勿論、後悔がないって事はない。だがあいつ等が腐った事をし、皆に被害が及ぶよな事をしたら、俺は地獄に行く覚悟はある。だがまだそれは早い様だが」
俺は香織達の方を見て、香織達は自分達の事を言っているのだと理解し、それに少しばかり照れてしまう。
そんな俺の様子を巧たちは自分達にはない物を俺は持っているのだとこの時感じたと、俺は知る由もなかった。