香織達の免許取得にミーシャル達からの襲撃から数日後、基地で俺は少しばかり考えていた。
ミーシャル達の事も考えていたが、俺は少しばかり気になる事がある。
それは新島の事である。俺は新島が自分の父親を殺し、父親の会社を奪いながら存続し続ける事に、何かしら違和感を覚えていた。
「あいつ…一体何を考えているんだ…、普通は絶対にバレてしまう筈なのに、それがどうして上手く誤魔化す事が出来るんだ…」
う~ん…こればかりは本当に謎だ、謎だらけだ。
この世界は異常だらけだな、本当に…。
仕方ない、新島の事はまた後で考えるとしよう。
今は今後の事を考えるべきだな、なんだってもうすぐ夏休みだから。
そう…季節はもう7月、梅雨はとうに過ぎ、暑い日差しが降り注いている。しかもこの世界にも異常気象が起きていて、35度以上の真夏日が続く事がある。
普通の人は熱中症になる、絶対に…。
でも俺達はそうはならない、何故なら俺達は習得鍛錬で新しいスキルを手にしたのだ。
それはその名も《健康体》と言う物だ。
健康体と言うスキルは健康の身体を維持する為に常に体調を整える事が出来て、更に体温の温度も平熱時にしてくれる程のものなのだ。
お陰で外に出ても、暑さをさほど感じさせず、快適に過ごしやすい感じにしてくれるのだ。
勿論このスキルは真冬の時も役立ってくれるものだ。
これなら外の作業も捗るな。
話しを戻って、獅子王学園はもうすぐ夏休み期間に入り、俺達3年生は進路の時期が来ている。
勿論俺は大学に進学するつもりだ。なんせこの世界の常識をもう少し学んで、いずれは起業するつもりなのだ。
まだどんな会社を起業するかは分からないが、近い将来俺は香織達と住み、幸せな生活を送るつもりだ。
…ヴィクトリア重工を潰した後でな。
そう俺が考えていると、背後から美也子が抱き着いて来た。
「先輩♪ 夏休みの間暇な時間はありますか?」
「ん?夏休み? 暇な時間はあるかどうか分からないけど、まあ時間は作ればどうにかなるな」
「良かったです!さっき真美ちゃんと雲母ちゃんとで話したんですよ。先輩たちと海に行こうって♪」
ん?海…? なんで海に…? まあ別に構わないけどさ、どうせ学問なら問題はないからいいさ。
俺はそう思い、立ち上がって香織達の元に行き、美也子が海に行きたい事を言うと、香織達は大喜びで行きたいと叫び、それには俺はただ苦笑いするしかなかった。
当然巧達も同じ様子だったことは言うまでもない。
――――
そして獅子王学園、1学期終業式の日。
俺達は理事長のクソ長い話を聞き終えた後、帰宅準備に入ろうとした際、1人の教師が俺の元にやって来る。
「おい手塚。お前少し職員室に来い」
「はい?何でです…?(ってこいつは…【村瀬(むらせ) 孝文(たかふみ)】?)」
やって来た教師、村瀬孝文はこの学園の体育教師であるが、気性が荒く、更に女子生徒や女性教師に平然とセクハラを繰り返す為。
あまり良い評判が聞かない教師だ、おまけに気に入らない事があればすぐに暴力を振る為、皆から嫌われている。
ゲームでもこいつは確か香織達に暴力を振るいながら凌辱していて、更に女性教師にも凌辱していた筈だ。
そんな教師が何故俺の所にやって来る?
香織達もそれを心配そうに見ていて、村瀬はイラつきながら俺に怒鳴る。
「いいから来い!! 俺を怒らせんじゃねえ!!」
そう言って俺を引っ張りながら連れて行く。まあこの場合その気があれば軽くひねり潰せるんだが、こいつの狙いが知りたいから抵抗はしなかった。
そんな村瀬に連れてこられ、俺は職員室ではなく誰もいない教室に放り込まれる。
するとその教室には数人の生徒達が俺を見ながら拳を鳴らして、俺は目を細めながら見ていた。
「おいお前等! 新しくなった新島社長さんがこいつを殺せば借金チャラにしてくれるってんだ! 思う存分やれ!!」
「おいマジかよ!」
「そうだ!それにここの女共も好き放題犯しまくっても構わねぇってよ!」
「「「「おおおおおお!!!」」」」
その言葉と同時に数人の生徒達は歓声を上げ、俺に襲いかかって来た。
なる程な、どうやら新島が社長になっている事を既に知っている奴がいるみたいだな? 更に村瀬はどうやら借金があるみたいだ。
となると遠慮は無用…って事だな
「おりゃあああ!!!」
1人の生徒が俺に殴りかかって来た際に、カウンターを入れ、それに吹き飛ぶ。
それに村瀬が驚き、俺に怒鳴る。
「おい!!何抵抗してっ!!」
奴が言う前に俺が裏拳で、奴の顔面を崩壊させる。
その前にうるせぇ…お前、誰が抵抗するなだ…普通にするわ。
俺が村瀬を黙らせた後に俺は向かってくる生徒達を迎撃していく。
回し蹴りやラリアット、更にコンビネーションアッパーなど、多彩な技で倒していき、最後の1人を右ストレートで倒す。
「ぶはっ!!!」
吹っ飛ばされた生徒はそのまま気絶し、俺は少しため息を付いた後に、叩きのめした村瀬の所に向かい、胸倉を掴んで起こす。
「おい起きろよ外道。お前新島が命令したのをそのまま実行しているのか?」
「…だ、だれ…が、教え…る…かよ」
もつれる声に俺は少しばかり脅しをかける為、サプレッサー装備ベレッタを取り出して、頭に押し付ける。
村瀬は銃が出て来たのを見て怯えだす。
「っひ!!!」
「さて…もう一度チャンスをやるよ…。新島の命令をそのまま実行しているのか?」
「は!はい! そうでず!!!」
震えだす村瀬は頷きながら言い、俺はため息を吐いた後に、そのまま村瀬を殴り倒す。
殴り倒された村瀬は気絶し、俺はベレッタを収納すると同時に香織達と巧達がやって来る。
「隼人君!! 大丈夫!?」
「ああ、見ての通りだ」
無事であることにホッとする香織達、巧達は倒れている男子生徒達と村瀬を見て、俺に問う。
「隼人、こいつ等一体何が目的でお前を?」
「俺が狙いみたいだ。それだけじゃなくこの学園の女子達に襲いかかって凌辱も企んでる様だ」
「ええっ!私達だけじゃなく!?」
芽衣がその事に驚き、それに頷く俺。
もしかしたら新島は俺を始末して、障害を無くした後に学園全ての女子を奴隷の様な感じにしていくつもりだったんだろうな。
そうしたらこの学園はもう自分の物だからな、あいつらしいやり方だよ本当に…。
「意外とあっけないわね」
っとその時、ドアから女性の声がして、俺達は振り向くと、ミーシャル達がその様子を見て呟いていた。
と言うか居たのか…?
「君達…いつの間にこの学園に」
「学園の侵入なんて簡単な事よ。それよりも…私達はあなたに協力する事を決めるわ」
ミーシャル達が俺達に協力する事を決めて、俺はミーシャルを見て言う。
「決めたんだな…」
「ええ。あなたに負けて、もう組織に戻れないからね。これからお世話になるわ、私達全員」
そう言ってミーシャルは手を伸ばして来て、それに俺も答える為、手を伸ばして握手する。
また仲間が増えた俺達は一度この場から離れて、基地に戻るのだった。