桜にアダルトショップに連れて行かれた銀子は、そこで買ったアナルビーズを入れられ、人目があるにもかかわらず、野外でフェラチオされてしまう。
ホテルでも散々責められるのだが、『やられっ放しは癪に障る』と桜をイき狂わせていく。
※『名残の雪』の続編で、かなりオリジナル色が強い作品です。そういうお話が苦手な方はご注意ください。でもある意味、元ネタを知らなくても読めるというメリットが……ないか( ´・ω・`)
一夜明けて、銀子は呆けたようにボーっとしていた。
(雪さん、昨夜のあれはいったい……何だったのかしら……)
気持ち良くはあったが突然の、嵐のような暴力的な行為。……まぁ昔、自分が彼女にしたことを思えばそんなことは口が裂けても言えないが、でも──驚きはした。
そして、嫌われたのではないかと不安になりもした。
(雪さんは、私が浮気したと腹を立ててあんなことをしたんじゃないかしら。……触らせもしないって、そういうことよね)
「浮気じゃないんだけど……。ただ、外で食事でもと思っただけで……」
『単なる営業だったのに』と、そうぽつりと呟いていると──桜から電話が掛かってきた。
「はい……もしもし?」
「銀子様、私です」
「……ええ、分かるわ」
「あの、今日これから時間ありますか?」
そう桜に聞かれて、銀子は今日の予定は全て後回しにすることに決めた。
「あるわ。大丈夫よ」
「良かった。なら、デートしませんか? 駅前で待っていますから」
「分かったわ。すぐに支度して行くから。待っていてちょうだい」
「はい」
その言葉と共に、通話が切れた。
(……デート。そう言うってことは、もう怒っていないということかしら……。少なくとも別れはないと、そう信じてもいい……?)
そう胸中で尋ねてみたところで答えが返ってくるはずもなく、銀子は小さく息を吐いて、身支度を整えた。そして、愛しい人に会いに行く。
* * *
(雪さん、どこかしら……)
待ち合わせした場所へと辿り着き、辺りを見回していると──
「銀子様」
昨日と同じく、少年のような格好をした桜が軽く手を上げ、こちらに向かって歩いてくる。
『デート』と言うなら、これまで着てきていたような、セクシーな服のほうが相応しい気がする。昨日と今日の桜の衣服は、明らかに普段着だ。
銀子は別に、彼女の服装に対して不満があるわけでは決してない。ただ、不安なのだ。恋人がオシャレをしなくなった=自分への気持ちが冷めてしまったのではないか、と。
(今日って本当にデートなのかしら……)
窺うように桜を見ると、彼女は微笑み、腕を組んできた。
「行きましょう、銀子様。今日は全て、私に任せて下さいね」
その言葉と態度に銀子は、『別れはなさそう』と半ば確信を得て、安堵の息を吐いた。
* * *
(ど……どういうこと……?)
桜に連れられ、ある店を訪れた銀子は、そこに置かれた品々を見て固まっていた。
「うぅん……やっぱりこのビーズ型は定番よね。あと、普通のバイブが欲しいんだけど……ねぇ、銀子様。銀子様はどのバイブがいいですか?」
にっこりと笑って、そう尋ねかけてくる桜の手には、男性器を模した責め道具が握られている。
「…………」
「銀子様のおちんちんぐらい大きなのもいいかなと思うんですけど、さすがにそれはハードでしょうか」
「…………」
「銀子様、聞いてます?」
「……それは、あの……雪さんの、中に挿れるの……?」
『自分のペニスと同じぐらいのディルドー』と言われて銀子は、自分が彼女を抱きはしないため痺れを切らして、オナニー用のアイテムを買いに来たのかとそう思い、桜の股間の辺りへと、ちらりと目を向けた。
(雪さん……ソレを使って自分でするのかしら……)
その姿を想像すると、つい身体が熱くなってしまい、息が苦しくなる。だが桜は笑って首を振り──
「まさか。銀子様に使うアイテムですよ」
などと聞き捨てならないことを言ってきた。
「わ、私にですって!?」
「ええ。ですからどうぞ、自分で選んで下さい。銀子様」
「ば……馬鹿言わないでちょうだい……! そんなの絶対、ダメですから……。ね……?」
本気で考え直して欲しいのだが、あまり強く言うと桜が傷付くかもしれないと。そんな風に思えてしまって語尾が弱くなり、はっきりとは断れない。すると桜は『分かりました』と頷いて──
「なら私が選びますね。……ん-、使いやすそうだし電動式にしようかな? そのぶん、サイズは小さくなってしまうけど」
銀子の思いなど欠片も伝わっていないようで、彼女は彼が止める間もなく会計を済ませてしまった。
「……さて、必要なものは買ったし……行きましょうか」
「い……行くってどこに……?」
「とりあえずはお散歩でもしましょう」
そう言って桜は、来た時と同じように銀子の腕を組み、アダルトショップを後にした。