「ちょっ、ちょっと待って! ダメ……っ!」
駅のトイレの個室に、銀子の悲痛な声が響く。一緒に入っている桜が、『お静かに』と彼を窘めた。
「銀子様。声、外に漏れてしまいますよ」
「そ……そう言われても……っ……」
ドアに手を突き、『困る』と震える声で続ける銀子の下着がスーツのパンツごと下ろされており、丸出しになった尻のあわいに桜が顔を埋め、彼の菊門を舐めている。
「ん……っちゅ、ちゅぱ、レロ……ッ」
「ひ、ぅ……っ!」
丁寧に舐め解され、窄まりがふやけた肛門に、桜の舌が入り込んできて思わず甘声が漏れてしまう。そのため銀子は慌てて口を手で押さえた。
「っ……」
「……そう。それでよろしいの……」
不意に桜の口調が前世のものとなり、彼女が雪であった頃を思い出すと懐かしさと切なさとで、余計に身体が熱く疼く。
「ゆ……雪、さん……」
「何です? 銀子様……」
「な……何でもない、わ……」
「ふふ、おかしな銀子様……」
桜は『くすり』と小さく笑みながら、銀子の尻肉を左右に割り開き、尖らせた舌先をグッと中へと押し込んでいく。
「あぅっ、は……ああッ!」
ぬるり、と舌が腸内に入り込み、ぞわりと身を震わせる銀子。快感と羞恥とで、逸物が痛いぐらいに反応し、ヒクヒクと戦慄いている。
「は……ぁ、あっ……」
「あぁ……銀子様のお尻の穴……だいぶ柔らかく解れてきた……」
しっとりとした声色で、そう満足げに呟きながら桜は『ねちねち』と腸壁に舌を這わせ、内部の肉もじっくりと弛緩させていく。
「あ……ぅっ、はぁ……だ、めぇ……っ、あぁン……」
こんもりと膨らむ肉輪を小刻みに痙攣させて、甘く身悶えしていく銀子の姿に桜もまた言い知れぬ昂奮を覚えるが、彼女は己の欲を抑えて中から『ちゅぷっ……』と舌を引き抜き、代わりに先程購入したアナルビーズを埋め込んでいった。
「ッ!? や、あああ……!」
シリコンで出来たボールが『ぬぷり』と腸内に埋没し、反射で腰を跳ね上げる銀子。
カーブした竿にサイズ違いの3つの球が配置され、根元にリングも付いているそのアダルトグッズのボール径は、最大でも3cm未満なので痛くはないが、両刀使いである銀子としては、もどかしさを覚えてしまう。
ともあれ全てのボールを体内へと押し込まれ、銀子は無理やり下着とパンツとを元に戻された。
「やっ、くぅぅぅ……!」
ギンギンに勃起したペニスを強引に衣の中へと捩じ込まれ、苦痛に眉を寄せるのだが──
「では、そろそろ参りましょうか。銀子様」
桜は笑顔でそう言い、立ち上がった。そうして彼女がドアに手を掛けると、ねっとりとした液体が手の平に付着した。
それはどうやらカウパーらしく、焦れた銀子が扉にペニスをこすり付け、ヌルヌルに濡らしていたようであった。
「……あら、ふふ。銀子様……扉でオナニーしちゃうほど、我慢できなかったんですか?」
手に付いた蜜を『ぺろり』と舐めて銀子の羞恥を煽り立てていく桜。銀子は真っ赤になり、彼女から顔を背けた。
「何も言ってくれないだなんて、寂しいこと。でも……いいわ。夜はまだ始まったばかりですものね」
桜は嫣然と笑み、銀子の手を取ってその場を後にした。
* * *
「っ、う……、ぁ……あっ……」
覚束ない足取りで、夜の公園を桜に手を引かれて歩く銀子。彼が履いているハイヒールの踵は高いが、上手く歩けないのはそれが理由では決してない。体内に埋まるアナルビーズに、腸壁を刺激され続けているせいだ。
「はっ、あぅぅ……、んぁ、ンン……!」
足を一歩前へと踏み出すたび、腸内で球がこすれ、勃起したペニスが衣により摩擦されて、どんどんたまらない気持ちになっていく。
しかし"雪"ではなく"桜"としての表情を取り戻した彼女は非情にも、『早く』と彼の手を強く引いた。
「銀子様、歩くの遅すぎますよ」
「だ……だって、こんなっ……マトモに歩けるわけがないでしょっ……?」
『さすがにこんなの酷い』と、銀子が不満を訴え掛けると桜は息を吐き──
「なら、こうしましょ」
彼をベンチに座らせた。だが腰を下ろした瞬間、アナルビーズが大きく寄れて、前立腺を強く刺激する。
「ぅあっ! はッ、あう……!」
野外だと言うのに、耐えようもなく甲高い喘ぎをあげてしまう銀子。幸い辺りに人気はないが、ここは散歩やジョギング向けの大きな公園なので、いつ誰が通り掛っても不思議ではない。にも拘わらず桜は、銀子の股の間でしゃがみ込み、その場で彼の股間を露出させた。
「……ゆ、雪さんッ!?」
驚愕のあまり、悲鳴まじりの声があがる。だが桜は気にした風もなく、両手で銀子の野太いペニスを包むようにして捧げ持ち、その先端に『ちろり』と舌を這わせていった。
「ぅえ……っ、あ……ああ……ッ!」
ビリリと痺れるみたいな快感が背を駆け上がり、銀子は大きく身震いした。
「ふふ……軽く舐めただけなのに、すごい反応……」
薄く笑みながら、フェラチオを続けようとする桜に銀子は慌てて制止を呼び掛けた。
「っ、雪さん……! ここは外なのに、正気なの……!?」
「それはこちらの台詞です、銀子様」
「……え?」
「ここは外だと言うのに、歩くことも儘ならないほどおチンポこんなに腫らして喘いじゃって。……もう射精しないと前に進めないのでしょう? あぁ、なんていやらしい人なのかしら」
「っ、そ……そんな言い方……酷いわ。そもそも、雪さんが私に……いやらしいことするから……」
「よく言うわ。拒まなかったくせに」
「……っ」
「……気持ち良かったのでしょう? 銀子様。だから、されるがままになっていた。違いますか……?」
「それは……違わないわ、でもっ……」
「でも、じゃありません。気持ち良かったなら、それでいいじゃないですか。……ほら、射精してスッキリして下さい」
そう快感を促し、カウパーまみれでヌルヌルになった彼のチンポをゴシゴシと強くこすり立てながら、ぷりぷりとした弾力の亀頭に、『ジュプ……ッ!』と食らい付いていく桜。
瞬間、甘美な痺れが背を駆け上り、がくんっと大きく腰が浮き上がる。
「っあ! あっ、ああ……ッ!」
耐えようもなく漏れる声。銀子は慌てて口を押さえはするが、それでもベンチに腰掛けた相手の股の間で蹲り、顔を前後させる少女の姿というのは、誰の目から見ても何をしているか明らかだ。
まだ夜の早い時間なので、多くはないが、やはり人が行き交いし始めた。快感と羞恥の波に溺れる銀子にその人達の表情を窺うような余裕はないが、それでも見られていることは明白だろう。
(あぁっ、こんな……信じられない……!)
人前で口淫されるといった、どこか現実味のない事態に銀子はぐらりと強い眩暈を覚えた。
「はぁっ、ぁ……あぁ……っ……」
抗う気力をすっかり失くしてしまったのか、不意に脱力した銀子であるが、彼の逸物はますます強度を増していき、桜の上顎をグイと持ち上げた。
「ン……っむ! ふっ、ンぅ……っ……」
巨大な肉の塊を呑み込むことにより、相変わらず口端に裂けるような痛みが走って息が詰まるような苦しさを覚えるが、それでも桜は瞳を細め、うっとりとした面持ちで、銀子のペニスを舐めしゃぶっていった。
「ンぶぅっ、ンぼ……! んッ、ちゅばっ、ちぱっ、ジュパ……ッ!」
口いっぱいに頬張った肉竿を、しっとりと湿った頬裏粘膜でこすり上げていく桜。そうする内、やがて口内にたっぷりと唾液が溜まってきて、ぬるぬると滑らかに逸物が扱かれていく。
「はぁぁっ……! あぅぅ、あっ、はぁン……!」
人目は当然、気になりはする。だがそれ以上に快感のほうが深くて、銀子はたまらずに自ら腰を使い始めた。
「あ……ぁ、は……ッ、雪さん……! ンはぁ……ああっ……!」
ひくりとペニスが脈打つたび、腸内がギュウッと締まって、中に埋まったままのアナルビーズが前立腺を刺激する。
そのせいで銀子は二重の快楽を得ているのだが、『もっともっと』と貪欲に、快楽を求める気持ちが今はある。
そんな彼の欲に応えるべく、桜は柔らかな頬肉を蠢かせ、奥へ奥へと肉幹を誘い込み、そうしてより深い吸引愛撫で銀子を追い詰めていった。
「は……ン、んむぅ……! んッ、ジュル……ッ、ジュボ……ッ、じゅぶ……ッ!」
唇での奉仕と共に、咥え切れなかった肉竿の根元と陰嚢とを手の平で優しく包み込み、刺激していく。
「ぅあ!? ああっ、あ……! も、もうダメ……! 雪さんっ、ぁ……あああああッッ!!」
幾重にも重なる桜の責めに限界まで追い上げられ、耐えようもなく銀子は腰を大きく前へと突き出し、滾る射精欲を迸らせていった。
「……ふっ、う゛ぅ……ッ!?」
吐精と共に喉奥を貫かれ、窒息の苦しみに目を見開く桜。グッと顔を引いてみても、亀頭溝が喉の窪みにぐっつり引っ掛かっていると見えて微動だにしない。
「う゛……っぐ、ンむぅ……っ、ンン……ッ……」
酸欠苦に陥った桜の視界が、白くぼやけていく。だが、絶頂による深い快楽のせいで、銀子は彼女の苦しみに気付くことはなかった。そうして──
「……ぅあ、は……あぁぁ……っ……」
一気に精を放出した彼は、ぐったりと身体を弛緩させていった。それに伴い、ようやく喉奥に引っ掛かっていた亀頭の括れが外れた。
「……んっ、むぅ……っ……」
酸素が急激に肺へと行き渡り、桜は鼻で息を吸い込み、それからゆっくりと、彼のペニスから口を離していった。
「っ、あ……は、はぁ……はぁ……んんッ……」
絶頂直後で、未だ激しく乱れた呼吸。それを落ち着けようとして、銀子が自身の胸を押さえていると──
「ん……くちゅっ、ちゅくっ、ん……、ん、ンぅ……っ」
桜が口を閉じたまま、何やら口内で音を奏で始めたので不思議に思い、見詰めていると──
「……ン、ごくっ」
やがて桜は白い喉を波打たせ、それから『あー……』と大きく口を開いて見せてきた。
「……?」
桜の意図が分からず、首を傾げる銀子。そんな彼に桜は笑い掛け──
「銀子様の精液……とても美味しかったですよ。……ふふ、全部綺麗に飲みました」
『もうお口の中は空っぽです』と、そう言ってきた。
「……ッ」
これまでにも何度か飲精してもらったことはあるが、こうして見せ付けられたことはなかったため、何やら気恥ずかしさを感じて頬を赤らめる銀子。
「わ……分かったわ。ありがとう、飲んでくれて……」
「……いつも飲んでいたのに、お礼を言うだなんて初めてですね?」
「っ、ごめんなさい。これまで言葉が足りなくて……」
「責めてるんじゃなくて……」
「……なくて?」
「……いえ、いいです。何でもありません。さぁ、もう行きましょ」
桜は曖昧に話を濁して、銀子の着衣の乱れを整えた後、彼を立ち上がらせた。それから再び彼の手を引き、ある場所へと向かう。
* * *
一度出してスッキリしはしたものの、相変わらず歩くたび球が腸内でこすれてツラく、銀子は何度も足を止めながら、それでも桜に導かれるまま歩を進めた。
「はぁ……はぁっ、雪さん……どこに行く気なの……?」
「もうすぐですよ」
通常であれば、先程いた公園から10分とかからない距離。だが今の銀子の歩みだと倍以上の時間が掛かり、桜は『大丈夫ですか?』と、彼の尻をグイと掴んだ。
「あぅ……! やっ、ああ……ッ!」
腹奥が甘く疼き、びくんっと大きく跳ねる腰。だが桜は手を離すことなく、そのままやわやわと臀部を揉みしだいた。
「ツラそうですね。しっかり私が支えていますから」
「や……っ、だ……だめ……ッ……」
「そう仰いますけど、でも一人じゃマトモに歩けないでしょう? それとも……もう一度出しておきますか?」
濡れた舌で銀子の耳朶を舐めながら、彼の張り詰めた股間へと手の平を触れさせる桜。公園での一件から、これが脅しでないことは明白で、銀子は慌てて首を左右に振った。
「も、もう結構よ……! 大丈夫だから……」
「そうですか? なら、しっかり歩いて下さいね」
微笑み、股間から手を外して歩き出す桜。しかしもう片方の手は、銀子の尻を捉えたままであった。
「……やっ、ん、ンぅ……んはっ、ぁ……あン……っ」
こらえようもなく甘声を漏らす内、ようやく目的地に辿り着いたのか、桜の足が止まる。
(ここって……)
銀子が顔を上げるとそこは、ラブホテルであった。
「……雪さん、ここに入るの……?」
「ええ、そのつもりですが」
「ホテルがいいなら、車で少し行けば五つ星ホテルが……」
デートとして行くなら、そういう場所のほうが女性に取っては良いだろうと銀子は提案するのだが、桜は『いいの』と返してきた。
「こういうホテルのほうがお風呂広くて楽しめますから。ね……?」
そう言って桜は、戸惑いの表情を見せる銀子を中に連れて入った。