「ナツメ……」
レッドがか細い呟きと共に瞳を開けると、ナツメの少しきょとんとした表情が見えた。
「え……!? あっ……大丈夫?」
仰向けのレッドを膝枕していた『ナツメ』が驚いたのは、レッドが起きるのはもっと時間が必要だろうと思っていたからだった。
レッドをもてなして彼を喜ばせることができたとナツメは自負していたが、それでもナツメ自身の欲望を抑えることができず、連続射精を行ったレッドの睡眠も深いものになるだろうと思っていた。
お母さんナツメとのセックスから数分しか経っていない。
だが、レッドには強い意志があった。
「大丈夫……。だって今夜も絶対、『ナツメ』としたいから……!」
「! レッド……♡」
疲労など彼方に置き去る、レッドの愛と欲求。
ナツメはレッドの思考を読み取るまでもなく、きゅんきゅんと心を鳴らし、太ももをもじもじさせて愛液を分泌する。
レッドが体を起こそうとすると、お母さんナツメがレッドを抱っこしつつ、さらに妹ナツメがサイコキネシスで起き上がらせてくれた。
「ありがとう、二人共」
「ふふ、どういたしまして。凛々しくて、素敵ですよ」
「優しくしてね、お兄ちゃん」
「うん、もちろん」
妹ナツメとお母さんナツメはレッドの横に控える。
レッドは愛してやまない『ナツメ』と、互いベッドの上で座って相対した。ナツメの左には悪のナツメ、右にはジュジュベが同じく座り、レッドに妖しく微笑んでいる。
全員が裸だった。全てのナツメがエロティックで美しく、レッドは飛びつきたい衝動を抑える。ナツメを正面から見つめ、物言わぬまま優しく抱きしめていき、対面座位に導いていく。
ナツメはうっとりと目を細めながら、なすがままだった。
「今夜はどうだったレッド? 楽しんでもらえたら、嬉しいわ」
「うん……。ジュジュベは神秘的で妖艶で、このまま全部吸い取られたいって、心の底から思っちゃったよ……」
レッドがそう言うと、ジュジュベは少し薄紫色の唇でレッドの唇へ口づける。
「ちゅ♡ ウフ……圧倒的に美しい私に魅了されて、あなたはもう戻れないわよ……♡」
「うん……ずっと傍にいます」
(ジュジュベは多分、ナツメの神秘的なところや、性的な部分を具現化したような、そんな気がする)
「悪の女幹部は、その、強引で積極的なところが、最高だった……。このまま身を任せたら、どれだけすごいことになるんだろうって」
悪のナツメがグイっとレッドの顎を掴むと、にやりと笑ってから唇を突き出し、レッドの唇を奪った。
「ちゅぅ♡ フン……お前のマゾっぷりもさまになっていたぞ。これからも、情けなくイキ狂わせてやる♡」
「うん、期待してます」
(悪の女幹部のナツメからは、恋人を好き勝手したい、自分だけのものにしたいっていう感情が、ひしひしと伝わってくる。ナツメにこう思われるの、すごく嬉しいな)
「妹は甘えん坊で、でもどこか危うくて守ってあげたくなるような、それでいてこっちからいじめたくなるようで、すごく可愛かったよ……」
レッドが振り返って妹ナツメの方を向くと、妹ナツメが勢いよく飛び込んでキスをしてきた。
「ちゅうっ♡ お兄ちゃん、いつだって私のことを想って。ほったらかしにしないで、いつでもどこでだって、愛してくれなきゃ、だめ♡」
「うん、誓うよ」
(妹のナツメ……ナツメの甘えたがりなところ。僕の方から積極的に、いろんなことをしてほしい、甘えさせてほしい、気持ちよくいじめてほしい。僕がしたいことを、ナツメも望んでくれている。遠慮なんて、もうしない)
「お姉さんナツメ……お母さんナツメは、暖かく包み込んでくれる。なんでもしてくれそうで、でも躾もしてくれて、本当に、ママみたいに甘えちゃう、魅力的な大人の女性……」
レッドがお母さんナツメの方を向き、二人見つめ合って微笑みあう。ゆっくりとお母さんナツメからキスが来た。
「ちゅぅ……♡ うふふ、そう言ってもらえて嬉しいです。また赤ちゃんみたいに、甘えていいでちゅからね♡」
(お姉さん、お母さんナツメは、彼女の母性の象徴……最初はどこか危険な香りがしたけど、そんなことどうでもよくなってしまうくらい、甘えていたい魅力にあふれていた……おっぱい……)
レッドは四人のナツメ達に横、後ろから抱き着かれながら、目の前の『ナツメ』に視線を合わせる。
「そんな全ての魅力を備えているのが、世界一美しくかわいい、愛する恋人、ナツメ。気持ちよすぎて、幸せ過ぎて、ナツメに何を返せば釣り合うか、わからないよ」
ナツメは一度首を振って、優しい表情でレッドを抱き返す。
「何も返さなくていいわ。だって、今日はあなたのお祝いだもの。あなたを想って準備する時間も幸せだし、レッドとこうしているだけでも、もう言葉で言い表せないくらい幸せで……だから、何も返さなくていいの」
対面座位で抱き合う二人の性器が、ゆっくりと繋がり、深く一つになっていく。
「そういうわけにはいかないよ。だってナツメが全てをさらけだして捧げてくれるように、僕だって、ナツメにそうしたいんだから。ん……」
「ちゅうううう♡ れっろんちゅぱ、んちゅっちゅう♡」
深く口づけ合うと共に、レッドのペニスがナツメの奥へと達する。
(ああレッド……! そんなこと言われたら、私、わたし……! あなた以外、もう何も見えない……♡)
ビクビクビクビク! プシャアア……。
ナツメは歓喜の涙を流しながら、すがりつくように舌と唇をからめ、潮を吹きつつ腰を振り乱す。周りのナツメ達もレッドを包み込むようにして抱き着き、おっぱいを擦り付け、絶頂し、レッドの頬、耳、首をなめしゃぶっていく。
悪のナツメがレッドのアナルに指を差し込んで前立腺をえぐり、
「あふっちゅる♡ ふふ、絞り出してやるからなぁ♡」
ジュジュベがレッドの玉を指先で絶えず揉みしだき、
「んちゅる♡ また、たっぷりと溜まった生命エキス、吸い取らせてもらうわ♡」
妹ナツメがサイコキネシスでレッドの体を包み込み、あらゆる女体の部位の感触で愛撫する。
「ちゅうう♡ お兄ちゃんの心も体も全部、私にちょうだい♡」
お母さんナツメのパイズリの動きにナツメ達全員が合わせ、レッドの体そのものを全方位からパイズリしていく。
「さあ、私に甘えながら、あなたの愛もみせてください♡」
レッドから余裕も我慢も消え、ただただ愛するナツメに種付けするために、ナツメに揺り動かされるように、ナツメの奥をペニスで擦り上げていく。
(背中も、腕も、足も、顔も口も体の全部がナツメに包まれて、ナツメと溶け合ってくみたいに、気持ちいい……!)
(私もっ! 私もよっレッド♡ あなたの体と、ペニスとおまんこで、あなたと、一つにぃ♡)
レッドは今、ナツメが作り上げた世界でナツメの繭に包まれ、もう自分が腰を動かしているのか、ナツメに動かされているかもわからない。
しかし、そんなことはもうどうでもよくなっていた。
レッドが望む世界、目の前にナツメ、聞こえてくるのは全てナツメ、体の感触もナツメ、匂いもナツメ、味もナツメ、テレパシーで思考もナツメと混じり合う。
(ナツメっ、好きだっ好きだ! 僕の全部を、ナツメの、中にっ!!)
(あぁあああっ♡ 来てぇレッド♡ あなたとこのまま、ずっと、二人だけで……♡)
ヤマブキジムでの出会い、二人の告白、サントアンヌ号でカントーから旅立った二人の日々が走馬灯のように駆け巡り、二人の肉体が混じり合う現実へ。
ナツメのテレパシーだけじゃない、レッドを包み込むナツメ達から、愛の言葉と喘ぎ声がこだまする。
『好きっすきぃっ♡ んんちゅ、んんああああああああっ♡』
ナツメの膣内がレッドのペニスの形に合わせて脈動し、愛液を噴き出し、我慢汁を飲み干し、奥の奥まで導いたのち、子種を迎えるために子宮が降りてくる。
レッドのペニスとナツメの奥の奥がぴったりと口づけした瞬間、
「んむちゅぅうう♡ れっどぉ♡ れっどぉお♡ んちゅぅうううううう♡」
ブビュウウウウウウウウウウウウウウ!!! ビュウウウウウウウウウ!!
ビクビクビクビクンプシャアアアアアアアア!! ビクビクビクビクプシュプシャアア……。
(ナツ……メ……!)
ブビュルルルル!! ビュクビュクビュウウウウウウウウウウ……。
(レッ……ドぉ……♡)
「んん……んん……ん……♡」
ビクビクビクビクップシュプシャアアアア……チョロロロ……ビクビク……プシュ……。
二人の性器の接合部から愛液と精液の混合液が垂れ流しになり、レッドを包むナツメ達もレッドの体にいたるところにしゃぶりつきながら、噴き出した潮をレッドに浴びせ続ける。
既にレッドもナツメも絶頂で痙攣するばかりで、体の力は完全に切れていた。ナツメの方から後ろに倒れ、対面座位から密着正常位の形へ。レッドを囲むナツメ達も、そのままレッドを包むように倒れ込む。
ビュウウウ……ビュクン……ビュクン……。
チョロロロ……ビクビク……プシュ……チョロロロ……。
レッドとナツメは薄く目を開き、視線を交わらせ、レッドはナツメの体の奥へ、ナツメはレッドの体中へ液体を噴出し続ける。
『愛してる……』
二人同時に瞳を閉じた時、五感も思考も全てが同化して、世界が閉じた。
「ん……んにゅ……?」
寝ぼけ眼のナツメは、レッドの腕の中で唇をむにゅむにゅと動かし、ゆっくりと覚醒していく。
ナツメはレッドの胸にすりついて黒髪を揺らしたのち、
「んー……レッドの香り……♡ ん……あっ」
ここではっきりとナツメは意識を取り戻し、レッドと目が合った。レッドが苦笑しながらナツメの長い黒髪を撫でる。
「おはよ。昨日はありがとね、ナツメ」
「え、ええ。こほん……ふふ、楽しんでもらえたかしら……?」
ナツメはレッドに体をすりつけながら顔をレッドへ寄せ、神秘的かつ美しい微笑みを向けてくる。取り繕うとしてちょっと頬が赤くなっているのが可愛らしかった。
「うん。最高だった……本当に、ナツメと一緒に溶けちゃったかと思ったよ」
「ふふ……実は、私もよ……。こんなに超能力を磨いたの、カントーにいた時以来ね」
すでにすっかり和やかな二人のムード、ナツメが完全に気を失ったことで、部屋はいつも通りの二人の愛の巣、ダブルベッドに戻っている。
「んちゅう……♡ はふぅ、レッドったら、毎日のように活躍して日に日にかっこよくなっていくんだもの。私だって成長してるとこ、あなたに見せなきゃね」
「そ、そう? えへへ……嬉しいけど、ナツメの方がすごすぎたような……まさか、世界まで作って、分身? までしちゃうなんて。エスパーってすごいね……」
「ふふ、でも限界はあるわ。お互いに知ってるイメージしやすい世界しか見せれないし、一気に人を見せるのも五人が限界……もっと増えてほしいかしら? 百人くらい?」
「えぇ!? い、いや……その……想像できないや……あはは」
「あら、そう? んー……でもがんばれば……」
(あ、これナツメ本気だ)
ナツメがレッドを楽しませるアイディアを考えてくれているのは、レッドとしてはもちろん嬉しい。しかし前回ナツメの四人変化からの、世界構築と五人分身。もしナツメがさらにアップデートしてきたら……。
(ぜんぜん想像できない、どうなっちゃうんだ……? それに、僕の方からプレイの幅広げるの、できてないしなあ。うーん、分身は無理だけど、演技なら……? ナツメに喜んでもらう方法……)
レッドはとりあえずナツメの頬や唇にキスを繰り返してみたところ、
「んっあん♡ ちゅぅ♡ はぁあ♡ レッドぉ……んちゅぅう♡」
ナツメはすっかり夢心地でキスを返してくる。レッドも最高に幸せだったが、
(ナツメへのおもてなし、宿題にしなければ)
と一人決意を固める。そんなレッドの想いを、ナツメは思考を読まずともわかっていた。
「んちゅ♡ ふふ、ありがとうレッド。期待してる」
「え」
「思考は読んでないわ。恋人だから、わかるもの……。次は私ももっと、すごいことしちゃうから♡」
ナツメの屈託のない微笑みにレッドは魅了され、我を忘れてナツメに覆いかぶさる。
ナツメも喜んでレッドの背に手を回し、いつまでも変わらない日常に溺れなおした。