「……きて……起きて……ちゃん……」
(ん……?)
全身に感じる温かい感触でレッドは目を覚ました。聞こえてくるナツメの声は鋭さがなく、まるで少女のようにか細い存在に思えた。
レッドはまどろみのなか、反射的に自身の体にかぶさっている存在を抱きしめた。少女は「きゃっ」と小さな声を出した後、甘えるように全身をレッドへすりつけてきた。
「ナツ……メ……?」
悪の女幹部と化していた彼女とはかけ離れたその仕草に、レッドは疑念と共に意識を完全に覚醒させた。
レッドが視線を下にすると、仰向けのレッドの胸の中に顔を埋めるナツメが、無表情のままレッドを見上げていた。
「やっと起きてくれたね、お兄ちゃん」
「お兄ちゃん……!?」
目の前のナツメは目をぱっちりとさせながら、かわいらしい高めの声を出して全身で甘えてきていた。
元来クールビューティーのナツメがこんなことをすればミスマッチになりそうなものだったが、今のナツメの服装は深窓の令嬢といっていいドレス風の白いフリルのついたワンピース。
レッドの体から離れてちょこんと隣に女の子座りで座ると、可愛らしいドールをお腹のまえに両手で抱えている。ドールは白い帽子を被り、ナツメと同じ白いワンピース姿をしていた。
(か、かわいい……!!)
今のナツメを形容するならば、ゴシック風の内気な美少女お嬢様。黒髪ストレートに白い衣装が映えていた。
甘えた声を出していた唇は不満そうに尖り、瞳は光彩の反射がはっきりとわかるほどに大きく見える。
ナツメが女優業でつちかった演技やメイクだけでなく、ナツメ自身への自己暗示とレッドへの視覚催眠術も併用され、また新しいナツメがレッドの目の前に出現していた。
レッドは先ほどの射精の疲れもすっかり忘れ、体を起こし欲望のままナツメに近づいていく。
「ねえ、お兄ちゃん」
「う、ん? な、なんだい?」
ナツメは無表情だがすっかり冷たさはなく、生意気少女独特の可愛らしさがレッドには感じられた。気分はすっかりお兄ちゃんだった。
ナツメは口元をお人形で隠すと、
「だっこして」
「え?」
「だっこ」
「……!!」
ナツメの上目遣いと可愛らしい声色に、レッドは頭をがつんとやられたような衝撃を感じた。
「……うん、うん!」
レッドは自身が全裸であることも忘れ、ナツメを抱っこしようと両手を伸ばした。ナツメの太ももの下に手を差し込むと、ナツメは抵抗せずにレッドへ体を預けてくる。
抱っこというよりは対面座位の格好で、ナツメはレッドに包まれるよう体を縮こませ、幼子のように表情を綻ばせながらレッドの胸板にほおずりしていた。
(本当に、甘えん坊の妹ができたみたいだ。普段のナツメとなら、絶対こんなことにはならなかったな……)
レッドもすっかり感情が温かくなり、先ほど足コキで泡を吹いていたことも忘れ、慈愛をもってナツメの綺麗な黒髪を撫でる。
ナツメはレッドを見上げると、少し膨れた頬をしながら不満げに口を尖らせ、
「む、足りないわ。顔も撫でて」
「え、こ、こうかい?」
レッドはそのままナツメの片頬を包むように撫でると、ナツメはとろけた顔で鼻を鳴らし、「好きって言って」と、わがままを言うような口調でレッドにせがんだ。
「好きだよ」
「もっと」
「好き、大好き」
「うふふ、あたしも大好きよ、お兄ちゃんっ」
ナツメはほのかに、口元だけのつつましい微笑みを作った。。
「う……!」
そんなナツメの好意を告げられて、レッドは自身の欲望がむくむくと沸き立つのを自覚した。可愛らしい妹ナツメは自身の手の中、このまま唇を奪い、押し倒して欲望の限りを尽くして気持ちよくなりたい。抑えがたい欲求だった。
だがその欲望がレッドの思考を支配すると同時に、ナツメの瞳が紫色に怪しく光った。
「今度は、あたしがお兄ちゃんを撫でてあげる」
「ほんとお? ん、え、なに……これ?」
柔らかい女体に包まれているかのような感触が、レッドの全身に走った。
「あっなにっこれ!? きもち、いい……!?」
「ふふふ……いっぱい遊びましょうね、お兄ちゃん」
ナツメはレッドに撫でられ続ける中、体は少しも動かしてはいない。ただ、その全身からは紫色のオーラが立ち上がり、レッドの体へ伸びて全身へ浸透させていた。
(これ……ナツメのサイコキネシス……? 僕の全身を包んで……!?)
異様な感覚だった。まるでたくさんのナツメが体で包み込んでくるような、柔らかく温かい感触と、鼻腔をくすぐる花のような濃い女の香り。
「お兄ちゃん、撫でる手が止まってる」
ふん、とすねたような声を出したナツメ。それと同時に、レッドを包んでいたナツメの感触が止まる。
「あ! ご、ごめんね……」
ナツメの頭、頬、首を慈しむように撫でると、ナツメは「ふふ」と鈴を鳴らしたように微笑み、レッドの胸板へほおずりをしてくる。お人形を両手に抱えたまま甘えん坊の少女のようにふるまうナツメに、レッドはすっかり庇護欲をそそられていた。
そしてナツメを撫でれば撫でるほど、ナツメから紫色のサイコキネシスが立ち上り、
(ま、また……来た……!)
「くっ……あっ……!」
「はぁん……お兄ちゃあん……」
レッドの全身を愛撫してやまないナツメの力。これこそナツメにしかできず、愛されるレッドしか味わえない未知の快感だった。
当然全身には勃起し始めたペニスも含まれている。先ほどの搾り取るような足コキとは違う、どこか幼い手で柔らかく揉み解されるような感覚があった。
レッドは自由に動くことができる。今腕の中にいるナツメの表情を見ながら、どこを撫でれば彼女が幸せな表情をしてくれるか、推し量りながらおでこ、鼻、顎の下と彼女が気持ちよくなるように撫でていく。
その度に時にナツメは可愛げに身をよじり、
「もっと……もっと撫でて……好きって言って。愛して、お兄ちゃん」
上目遣いでレッドにせがんでくる。
レッドはすっかり魅了され、壊れた人形のようにうなずきながらナツメの期待に応えていく。レッドの全身を包むナツメの愛が、レッドを加速させていく。
「うん……うん! ナツメ、好きだよ、愛してる、この綺麗な黒髪も、紫色の瞳も!」
「それだけ?」
レッドを包むサイコキネシスの色が濃くなっていく。ナツメの愛撫によってレッドの全神経へ送り込まれる快楽と心地よさが、レッドの表情と思考をとろとろにしていく。
「ううん! ナツメの赤い唇も、小さな鼻も、頬だって、肌だって、どこをとってもきれいですてきで……!!」
「それだけぇ?」
ナツメは満足そうな微笑みを浮かべながらレッドへ全身をこすりつけていく。
「その……すっきりとした肩や、お腹や、体のラインも整ってて」
レッドは一度言いよどむ。ナツメのぐちゅぐちゅとして熱を持った全身愛撫サイコキネシスが、レッドを急かしていく。
「ナツメの胸も、お尻も……すっごく丸くて、柔らかくて、好きなんだ……!!」
まるで自分ではない何かに背を押されているかのようにレッドの言葉は止まらない。レッドの男根は今、ナツメのサイコキネシスに包まれて愛撫されながら、ナツメの太ももと太ももの間で彼女のスカートの布地を押し上げて我慢汁の染みを作っている。
「ふふふ……いやらしいお兄ちゃん……でもあたし、どんなにお兄ちゃんがいやらしくても」
ナツメが顔を上げ、レッドのあえぐ顔へと迫る。
「お兄ちゃんのこと、大好きだよ」
「ナツメ……! あっえ!?」
レッドが幸福と共に疑問の声を上げたのは、レッドの全身を包んでいたはずのナツメのサイコキネシスが消えたからだった。
いや、よく見ると消えたわけではなかった。サイコキネシスはナツメの右の手のひらの中に丸く濃縮され、黒い紫色のオーラになってうごめいている。
ナツメはにっこりと微笑みながら、そのオーラをレッドの男根へと向けた。
「なつ、め……?」
「だぁいすき、お兄ちゃん♪」
ナツメのサイコキネシスの全てが、グランのペニスを包み込む。
「あっ熱っ!? い、っあっぁあああああああ!?」
最初に感じたのはナツメの膣内に収めた時と同じようなぐちゅぐちゅとした肉の圧力と脈動、次いでナツメに口でしゃぶられ、喉と舌と上あごで吸い上げられるフェラチオ、そしてナツメの太もも、足裏、手、脇、ナツメの体あらゆる全てに挟まれ包まれ、唾液でまぶされ、ゴシゴシと前後上下左右にペニスがもみくちゃにされる肉欲の坩堝。
そのすべてがサイコキネシスに濃縮され、レッドに快楽の悲鳴をあげさせた。
「なっあああぁ!? なっなにこれっくっああああ!?」
(あたしの口みたいでしょ、おまんこみたいでしょ、あたしの体のありとあらゆるところみたいでしょう?)
ナツメはあえぐレッドへテレパシーを送りながら、嬉々として体をレッドへ摺り寄せる。
ナツメが生まれつき持ちえた常人とは違う才能、その力の全てが、愛する男のペニスを愛撫する肉壺と化していた。
(ほらお兄ちゃん、もっと言って、好きって言って、あたしを愛して、愛して、愛して)
「ぐっああ!? ナツメ、すき、好きだっ好きっ好きだからっ」
レッドはすがるようにナツメを抱きしめ、ナツメの頬、おでこ、唇にキスを降らす。
ナツメは「はふぅ」と恍惚の息を漏らし、レッドの唇を「ちゅっちゅ」とノックして応えていく。
(お兄ちゃん、もっとキスして、もっと好きって言って、言って、言って、イって!)
ペニスを包む紫色のオーラが鈍く発光していく。
「ナツメっ好きっ好きっ好きだっ好きっあぁっ!?」
ペニスがサイコキネシスによる愛撫でポンプのように上下に収縮し、ナツメが猫なで声を出しながらレッドの唇をついばんだ瞬間、
「あたしも好き、んちゅ、好き、好き好き、おにいちゃぁん♡」
ビュルルルル!! ビュルルルル!! ドビュルルルルルル!!
「ぐっあっああああああんんむっ!?」
「ちゅうううううぅぅ♡」
腕の中のナツメに唇を塞がれ、ペニスはサイコキネシスによる不可視のホールによってしごかれ続け、ナツメのスカートの中を白濁液で汚していく。
(……気持ちよすぎて……また……意識が……)
レッドの想像の及ばない射精快感はたやすく意識を刈り取り、男として極上の快楽に支配されたまま、カクンと全身から力を抜いてしまう。
しかし体はナツメのサイコキネシスによって支えられ、唇と唇でつながったままのナツメはいたずらっ子のようにレッドへ微笑んだ。
(またいっぱい遊んでね、お兄ちゃん)