「天路々さんって…なんで自分の事を俺って言うの?」
授業終わりの空き時間、彼女の周りにはいつも多くの人間が集まり輪を作る。
皆一様に彼女に話し掛け、楽しそうに笑う。
「あっ!それ私も気になってた!」
「ん〜?俺が俺って言う理由〜?」
天音は次の授業の準備をしながらこてんと首を傾げる。
「聞いて楽しいかなぁ〜?あんまし面白くねぇぜ?」
「わぉ、ちゃんと理由があって言ってたんだ…!」
「人に聞いといて驚くなよなぁ…」
眉をハの字にしながら肩をがっくりさせる天音にクラスメイト達がグイグイと詰め寄る。
「それでそれで?天音ちゃんの俺っ子誕生秘話…勿論聞かせてくれんでしょ?」
「天路々さん、私…気になります!」
「はいはーい!アタシも気になりまーす!」
天音はそんなクラスメイト達の圧力に負けたのかもう…と言いながら話し出す。
「言っとくけど、あんまし面白くはねぇよ?」
そんな前置きも早々に、せっつかれながら天音は語る。
自分の覚えている一番古い記憶を
自分の持っている一番大切な想い出を
んーとさ、俺…昔は結構いじめられてたんだよなぁ。
ほら、子供の頃って周りと違うヤツって何かと目につくだろ?
うちは琴音ちゃん関係でテレビやらのカメラマンとかよく来てたから…多分そこらへんが原因だったんじゃねぇかな。
今?ん〜…今は別に大丈夫だぜ?皆と仲良しだもんな!
へへ!……なんの話だっけ??
お〜、そうそう俺の話だよな!
俺ってば、そんなんでいじめられてたんだけど…そん時の俺は今よりずっとこう……お淑やか…?ってーの??
まぁそんなんでさ、いじめられてえんえん泣いてたんだよ。
だからその度に琴音ちゃんが怒って…そんで琴音ちゃんの事でもっといじめられて……まぁ悪循環だよなぁ。
いじめはいじめられる方も悪いってたま〜に聞くけどさぁ、あれって多分だけどいじめられ続ける場合の話だぜ。
俺がなんにも変わらねぇで泣いてたからずっといじめられてたんだよ、実際変わってからはすぐにいじめも無くなったしさ!
おー!そうそう、変わったきっかけってのが【俺】なんだよ。
実はさ、これ……借りもんなんだよ
俺の、好きな人から借りたんだ。
「お前らさぁ、寄ってたかって女の子いじめるとかマジで良い度胸してんジャン?
クソカッコ悪ぃから止めとけよ」
いつだったっけな…?あんまりにも俺がえんえん泣くからいじめてた奴らも面白がってどんどんエスカレートしてさ
しまいには殴られそうになったんだよ。
ん~?いや、別に殴られてはねぇよ?殴られる前にたっけて貰ったからさ!
……うん、あー君に……
えへへ………♪
そっからしばらくあー君が助けてくれるようになって…一週間ぐらいで表面的ないじめは無くなったんだよ。
でもまぁ物隠されたりとかがかわりに増えて……
そんな時だったよ、あー君が俺にこう言ったんだ。
「泣くなよ天音…あー、俺はいつでもお前を助けてやれる訳じゃねぇジャン
だから──強くなれ、天音
あんなダセェ奴らなんかぶん殴っちまえるぐらい強くなんジャンよ」
今考えると案外ひでぇ事言うよなぁ…いじめられっ子の女の子に言う事じゃねぇよ
でも…無理だって泣いた俺に、あー君は
「あ゛ーー!!泣くな!
………天音、お前にとっておきのを貸してやる──だから泣くなよ
弱っちいお前に、俺の【俺】を貸してやる
私なんか弱っちいの使うから駄目なんだ、今日から自分の事は俺って言うジャンよ」
……ふふ、やっぱナニソレ?ってなるよなぁ…
でも、そん時の俺にはそれが…すっげぇ嬉しかったんだ
そこからは…まぁ言った通りだよ。
いじめてきた奴ら全員ぶん殴ってたら…いじめなんかすぐに無くなって、解決!!
な…?あんまし面白くねぇだろ?
ん~~?あー君の事…?
……………好きだよ、初恋だ。
「亜藍!お姉ちゃんに寄るんじゃない!お姉ちゃんの隣は僕の限定席だぞ!!」
「いや…別に寄ってなんかねぇジャン……」
「にっひっひ、もっとちこう寄って良いんだぜぇ?あー君!」
放課後、三人は校門の前に集まってワイワイと騒ぎながら帰路につこうとしていた。
しかし──
「あっ、あー……どうすっかなぁ……」
「どうしたのお姉ちゃん!!大丈夫!?結納する!??」
「いや、結納はしねぇけど…センセーに職員室に運んどいてって言われてた荷物あったの忘れてた……」
「……大丈夫か?よかったら俺が運んどくけど」
「亜藍、そんなにもお姉ちゃんの好感度が欲しいのか…?
この淫獣が!!!」
「違ぇよ!!」
叫ぶ二人をよそに天音は少し考える素振りを見せ──二人に見えないように、嗤った。
「あー君、ちょっと付き合ってよ
俺一人じゃ重いけど、あー君一人じゃ置いてる場所わかんねぇだろ?」
「つっ、付き合っ──亜藍ぃぃぃ!!!」
「これ俺が悪いのか…?」
その後、泣き喚く琴音をなんとかなだめると二人は再び校舎に入って行った。
「………此処か?家庭科準備室、毛糸とか運ぶのか?」
「ん~、入ればわかるぜ!よいしょっと!」
天音は亜藍に見えないようにヘアピンを使って鍵を開けると扉を開き手招きする。
「1名様、ご案なーい!」
「止めとけ、琴音にバレたら俺が殺されるジャン」
亜藍は部屋に入り中を見渡す。
「で?どれが運ぶ荷物…」
ガチャン、と鍵の閉まる音がした。
「……?天音…?いま鍵閉めなかった…か…!?」
亜藍が怪訝に思い振り返ると、天音はゆっくりと制服を脱ぎ始めていた。
「お前…!なにして…」
「なにって……イイコト…?」
ブレザーを脱ぐと、天音の大きな胸を抑え込むようにギチキチと膨らんだカッターシャツがあらわになる。
天音は亜藍の目をじっと見ながら魅せつけるようにカッターシャツのボタンに手を掛け、ゆっくりとはずしていく。
「止めろ!俺はお前とそんな事しに来たんじゃ──」
「あー君、琴音ちゃんとはもうキスはしたの…?」
天音を止めようと伸ばした腕を掴み取られ、亜藍は耳元でささやくようにそう問われる。
「は、ハァ!?俺と琴音が…?そんなの、付き合ってもないのに──」
「答えて」
掴まれた腕を振りほどこうと力を込めるもびくともしない。
ゆっくりと見た天音の表情は、冷たい…氷のようなそれだった。
「答えて、あー君」
「………まだ、してない…」
亜藍の絞り出すような声を聞くと、天音はにっこりと笑うと掴んでいた腕を離す。
「良かった…まだなんだ……まだ…ね?」
いつもの太陽のようなと言われるそれとは違う、粘度をもった艶かしい女の…雌の顔だった。
「だったらなんだって…んんっ!?」
瞬間、ぐっと引き寄せられたかと思うと亜藍の口の中に温かい何かが突っ込まれた。
考えるまでもなく、天音の舌だ。
「ん…んん〜〜!!」
天音の肩を掴み、引き剥がそうと力を込めるもまるで歯が立たない。
天音は亜藍の首に手を回すと後頭部を抱くように更に自分に密着させる。
「ん……ん…っ!」
天路々天音の舌は、異様と言っていい程に──長い。
普段から考え事の際などの気を抜いた時には口からだらりとはみ出る程に長いそれが今、亜藍の口内をのたうち回っている。
舌とは筋肉の塊、繊細に…時には指先すらも敵わない程の精密さで動く。
天音の舌は自分の口内から桶のように唾液を掬い取ると必死に食いしばる亜藍の歯をするりと潜り抜けて掬い上げた唾液を亜藍の舌や歯に塗りたくる。
そして、しばらくそれを続けた後は亜藍の舌を持ち上げその下に溜まった亜藍の唾液を掬い取り再び天音の口内に戻っていく。
それを何回か繰り返した後は、亜藍の舌を自分の舌で絡め取りゆっくりと扱きあげる。
互いの唾液で一杯になった口内から水音が響く。
「ん……ん…」
亜藍が歯を食いしばる事をしなくなった頃、ようやく天音は舌を抜き取ると唇を離す。
粘着質な唾液の糸が二人の唇を繋ぎ…ぷつりと切れる。
「…大っきいね…♡」
脚をガクガクと震わせる亜藍を嬉しそうに見つめると、天音はパンパンに張ったスラックスを一撫でする。
ゆっくりと髪を掻き上げ、膝をつくとスボンのファスナーに手をかける。
「や…止め……」
「嘘つき♡あー君のココは、早く出してーって言ってるよ?」
弱々しく向けられた手に指を絡めるともう一方の手を腰に回し、天音はファスナーを前歯で噛みゆっくりと下ろす。
「……すご…♡」
窮屈なそこから出されたモノが天音の目の前に突きつけられる。
すでに隠せない程に男の匂いを放ち、パンツの先は一際強い匂いと共にべっとりと濡れていた。
パンツの布を中身を噛まないように慎重に避けると…
「ひゃん!?」
ぶるんと勢いよく放り出されたモノが天音の顔を叩いた。
少し肌寒い季節だというのに、近付くだけで熱を感じる程にそそり勃ったソレを天音は愛おしげに撫で上げる。
「はぁ…はぁ……止め、ろ……こんな事…」
「うるさいなぁ…こっちはこんなに素直なのに、ねぇ~♪」
息を荒げながらそう言う亜藍に天音は口を尖らせながらイタズラっぽく言うと、目の前のモノの先端に唇を這わせた。
ぁっ!と身体を跳ねさせる亜藍を見て更に口角を上げるとモノの根本から先まで、ゆっくりと口付けをしていく。
先程のキスが嘘のような優しいキス。
唇で食むようなそれが逆に情欲を掻き立てる。
「う…はぁ……うっ…」
堪えようと思っても、口から漏れる声に気を良くした天音はその長い舌を伸ばし──モノの更に下を甜めた。
「うあっ!?」
突然の刺激に声を上げた亜藍を愛おしそうに見上げながら天音はモノを撫でながら舌でタマを舐め上げる。
時にべっとりと唾液を塗り付け、時にチロチロと蛇のように刺激し、時にべろりと飴のように舐め上げる。
先程までより明らかに大きくなった声と、粘着質な水音が響き渡る。
「あむっ…ん~♡」
「あっ…つっ…!!」
天音は口を大きく開けると舐めていたそれを口に含んだ。
決して歯を当てないよう気を遣いながら口に含むと、飴玉のように口内で転がす。
興奮し、平常のそれから大きく上がった体温は口内も同じ。
亜藍はヤケドするかと思う程に熱い
「天…っ、音…マジで…やめ……ろ…っ!」
「ん〜、いひゃだ!」
もごもごと答えるその刺激一つに身をよじらせる。
それを見ながら嬉々として竿を撫で上げる。
竿の先から溢れ出た先走りが糸を引きながら滴り落ち、床に幾つもの染みをつくる。
甘い刺激に身悶える雄の息遣いと、それに
天音は唾液でふやける程にしゃぶり尽くしたそれを口から出すと舌先でちろちろと、ゆっくり舐め上げる。
皺の一つ一つを舌に覚えさせるように丁寧に、脳髄に快楽を覚え込ませるようにゆっくりと
そして、唾液に塗れたナメクジのような舌先が不意に裏筋を這いずった。
「んっ!?…ぁあっ!」
遂に訪れた本命への刺激に腰が抜けそうになるような快感が背筋を伝って脳みそを揺らす。
反射的に退けた腰に両腕を回し、抱き締めるように逃げ場を潰しながら天音は亜藍の竿をゆっくりと舐め始めた。
それまでの刺激で既にグズグズに先走りで濡れ、鼻を刺すような雄の匂いを放つそれを舌で磨き上げるように丁寧に舐めていく。
時に舌先で裏筋を撫で上げるように、時に竿に舌を絡ませて扱くように、時にべったりと唾液を塗りたくるように
天音の舌はそれ自体が別の生き物のように亜藍の竿を愛撫していく。
だが───
「ハァ…ハァ…クッ……ソ…ッ!」
今尚先走りを出し続ける鈴口だけは…亀頭だけは一切触れられない。
上目遣いに悪戯な笑みを浮かべる天音は時折大きく口を開け、その中身を亜藍に見せつけると再び竿を舐める。
ついさっき味わった天音の
ヤケドしそうな程に熱く、唾液でしとどに濡れそぼったそれの中をナメクジのような舌が這いずり回る。
一体、それに咥えられればどうなってしまうのだろう。
亜藍の脳内を否応なくその思考が占領していく。
「あー君…俺を───私を、愛して
愛してるって言って……一番じゃなくたって良いから」
だから、蠱惑的な笑みと共にそう話す雌の顔に遂に亜藍の理性は限界を迎えた。
「んんっ!?」
亜藍は天音の頭を掴むと口に目掛けて思い切り突き入れた。
予想外だったのか目を見開き、腰に回していた腕をばたばたと振る天音。
しかし、亜藍はそれに構う事なくまるでセックスのように腰を振る。
「ふざけやがって…っ!俺が!普段どんだけ我慢してると思ってる!?
お前はワザとやってんのか知らねぇけど!脚広げて座るから下着見えるし!!胸だって!腕組まれた時に感触やばいし!!
なんで下着着けてないんだよ!!」
一切容赦の無いピストンに喉奥を突き上げられるも天音の顔には一片の苦悶すら浮かばない。
どころか、蕩けたような表情で必死に出し入れされる竿に舌を絡めている。
それは、雄に快楽を与える為だけの──惚れた男の精子を求め必死に奉仕する雌の顔だった。
「ク…ソッ!愛してって!?ああ!
幾らでも──愛してやるよ!!」
亜藍は一際大きなピストンの後、喉奥に押し付けるように頭を掴み思い切り引き寄せると身体を震わせた。
天音の口の中で大きく跳ねるように竿が動くと、喉奥で直接胃に流し込むようにどくどくと熱い白濁が放出される。
「お…ンぐ、うぇっ!…う、お…♡」
あまりの勢いにえずきながらも唇を窄めて1滴も零さないように啜りとる。
根本から唇と舌で扱き上げるように残った精液を絞り取るとちゅぽん、と音を立てて口を離す。
「ハァ、ハァ、ハァ…滅茶苦茶出た……」
虚脱感からその場に座り込んだ亜藍に四つん這いでゆっくりと近付くと天音は大きく口を開けた。
「お前…っ、それ……!」
そこには今しがた吐き出した精液が天音の唾液と混ざり合い淫猥に糸を引きながら口腔内を満たしていた。
魅せつけるように舌で精液をぐちゃぐちゃと混ぜ、口を閉じ咀嚼する。
その姿に得も言われぬ独占欲と、支配的な暗い快感が込み上げ──
「お姉ちゃん!!亜藍!大、丈…夫……」
──力任せに扉を開く琴音の気配を感じ取れなかった。
「琴音……これは、その…」
此方を見て固まる琴音に亜藍の頭が真っ白になる。
普段はよく回ってくれる舌も完全に止まり、二の句がつげない。
しかし、そんな二人とは違い即座に動いた者が一人。
「お、お姉ちゃ…んんっ!!」
天音は琴音を抱き締めると即座に口に舌を差し込んだ。
傍目から見ても頬が動く程に激しく口腔内で動き回る舌に琴音の目が次第に蕩けていく。
つい先程その舌遣いを身をもって味わった亜藍は二人が抱き合い舌を絡めるその光景に胸が割れるように心臓が鳴るのを感じた。
(……あれ…?口の中には…確か……)
数分か、数時間か…もしかしたら数日はそうだったのかと思う程に長く感じた二人のキスはぺたんと琴音が座り込んだ事で終わった。
二人の口を唾液の糸が繋ぐ。
琴音は涙と唾液とでぐしゃぐしゃになった顔で頬を膨らませ、何かを口に溜め込んでいるようだった。
手で受け皿をつくり口の中身を出そうとする琴音の手を天音は掴み取ると耳元で囁く。
「飲んで、琴音ちゃん」
「お姉、ひゃん……れも……」
「飲め」
射すくめるような天音の眼に圧されてか、ごくりと琴音の喉が鳴る。
「ちゃんと飲めた?……えらいね琴音ちゃん
ほら、あーんして」
「んぁ……」
蕩けた顔で口を開けた琴音。
その中は綺麗に並んだ歯とだらりと垂れる舌だけ。
天音はゆっくりと亜藍の方へ振り向くと自分も思い切り口を開ける。
人差し指と中指でグイ、と広げられた口の中には白濁の1滴すら見当たらなかった。
「あー君…これからも私達二人と──仲良くしてね♡」
そう言って、天音は嗤った。