※この作品はR-18です。

虹を堕とす   作:沼にハマったげー

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処女作


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「あんっ、んっ……はぁっ、んっ……」

 

 誰もがまだ眠っているような未明の中、だだっ広い部屋の中に大きな嬌声が響く。

 

「はぁっ、あっ……んぅっ!」

 

 そしてその部屋に響き渡る水音とベッドの軋む音がさらにいやらしさを加速させる。恐らくここが防音性に優れた高級ホテルじゃなかったら、すぐの苦情と怒りの壁ドンが飛んできたであろう。ともかく、それだけ激しい情事を俺たちは長時間行っていた。

 

「あっ、ああっ、んっ!ふぅっ、はぁっ、はぁっ」

 

行為をしながら チラリと時計を見てみるが、針は3時半を指している。性交を始めたのは夜の9時あたりからなので、かれこれ7時間弱も行為を行なっていることになる。

 

「んあぁっ!そろそろ、くるっ、きちゃうっ、きちゃいそうだわっ……!」

 

 そんなことを考えている間にも、俺の上で珊瑚色の髪を振りまきながら腰を振り続ける彼女の動きが激しくなっていく。結合部からは愛液が飛び散り、彼女が絶頂寸前なことを物語っている。

 

「はぁっ、ああっ! ああっ、んあぁぁっっ~!!」

 

 やがて限界に達したのか彼女は大きく背中を仰け反らせながら絶頂する。彼女が身をよがらせると膣内はきゅっと締まり、俺の息子に強烈な快感を与えてくる。その刺激で俺もまた果ててしまいそうになるが、これ以上はまずいと思いなんとか我慢して彼女の中から息子を引き抜いた。

 

「はぁっ、はぁっ……気持ちよかったわ……ねぇアル、もう一回しましょう?」

「いや、明日は昼から日本の学校に行くんだろ? もう寝ないとまずいだろ」

「なによう…」

 

 そう言って頬を膨らまされながら不貞腐れる彼女……鐘嵐珠(ショウランジュ)を尻目に目を閉じる。明日はただでさえ転校の手続きやら入寮式やらで忙しいんだ、これ以上行為をして時間を無駄にするわけにはいかない。

 

 そもそもなんでアメリカ人の俺がわざわざ日本の学校に行くハメになったのか、それを遡るのはざっと数十年……いや、前世の頃からの話をしなければならない。嘘のようで実際に起こった奇跡のような話をだ。

 

 

 

 

 

 前世の俺は日本生まれの平凡なサラリーマンだった。特に取り柄もなく、かと言って悪いところもない極々普通の人間。そんな人間が何故若くして死んでしまったのかと言うと、それはある仕事中に交通事故に遭ってそのままぽっくりと逝ってしまったからだ。

 死因に関しては今でも覚えてるし鮮明に思い出せるが、あまり人に話したい内容でもないためここでは割愛する。

 

 そしてふと気がついた時には俺はこの世界にいて生まれ変わっていた。

 これが日本だったら、俺つえーだなろう系だと有頂天にもなって喜びそうなものだが、なんと生まれた国はアメリカだった。名前はアルバート・エリオットと中々にかっこよかったが、大誤算にも程がある。

 

 これではいくら前世の知識を持っているとは言え、他国の言葉を話されると何を言ってるかわからない。赤ん坊になってまず最初の行動は英語を覚えることだった。

 

 5歳の頃だろうか、この年になると両親は色々なことを喋ってくれるようになった。なんでも親父はIT企業のCEOをしていて、母親は元女優だそうだ。

 そんな両親の子供である俺は当然のように幼い頃から英才教育を受けさせられた。英語はもちろんのこと、数学・物理・化学などの理系科目、さらに音楽や美術などの芸術科目まで…。

 

 ここで俺にとって僥倖だったのが、前世で俺は音楽を嗜んでいたということだ。

 恵まれた環境や設備のお陰で10歳になった時からは楽器全般の演奏が出来て作詞作曲も出来たため、メディアやテレビからは天才少年だと呼ばれた。

 

 両親や周りの人間からも『お前は音楽で世界が獲れる』と言われ、俺もそれを信じて疑わなかった。しかし、それも俺が16歳になるまでの話だった。

 

 きっかけは突然に現れた。いつもの様にピアノのコンクールで1位を取ろうとしたところ、いきなり現れた初出場の女性に阻まれたのだ。

 

 俺の優勝を邪魔したのは俺より3歳ほど若い女の子だった。その子は『テイラー家』と言われる音楽界の名門と言われる一族の娘で、名前は『ミア・テイラー』と言った。

 

 彼女は圧倒的な才能を持ち、俺なんかとは比べ物にならないほどの演奏技術を持っていた。

それだけならまだ良かったのだが、俺よりも年齢が下なのに俺の上を行く実力を見せつけられて、俺はプライドを大きく傷つけられた。

 

 それがきっかけとなって俺は音楽を辞めようとした。元々音楽は好きだったが、なくても別に生きてはいける。だから別に止めても困らないと思っていた。

 

『きゃあっ、素敵な歌声ね!』

『アタシはアルのピアノ大好きよ。優しくてとってもいい音色してるんだもの!』

『あなたの歌を聞いてると心が安らぐわ……ねぇ、また今度歌ってくれる?』

 

「アル、ねぇアル! もう朝8時よ! 早くご飯食べて出発しなくちゃ!」

「んあ……?」

 

 体を揺さぶられる感覚と共に耳元で聞こえる大きな声に目を覚ます。どうやらうっかり寝すぎてしまったようだ。

 

「んんぅ……あと5分だけ……」

「駄目よ! ほら、起きなさいったら!……んっ」

「んっ……」

「んむっ……」

「んんっ……ぷはぁっ! はぁっ、はぁっ」

 

 キスをされた。そう認識するのに数秒かかった。それほどまでに深い眠りについていたのだ。

 

「お、おはようございます……」

「おはよう、アル。今日は朝から忙しいわよ!」

 

 朝起きると可愛い彼女が横にいてくれる。そんな状況にも関わらず、俺の心は曇り空だった。その理由は————

 

『先月2◯日、男子高校生を複数で襲ったと見舞われる無職40台後半の女性らを、昨日午後逮捕することに成功しました』

 

「朝から物騒なニュースね、でも捕まってよかったわ」

「……そうだな」

 

 彼女は当たり前のようにテレビを見ながらそう語る。それもそのはずだ、なぜならこの世界は『男女の貞操観念が逆転している』世界だからだ。

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