私の名前は紺野 葵(こんの あおい)
とある会社のOL。ここ最近、先輩が少し変だと思っている。先輩だし、上司。そして高校の時から尊敬している人。その人の名前は亜弥先輩。私と一歳しか違わないのにも関わらず、営業部長に就任している。高校の時、私達は吹奏楽部で初めて会い、私が上手く演奏出来ない時に先輩は自分が使っている楽器とは全く異なる楽器を使っている私の楽器を完璧に使い、丁寧に教えて下さった。
そんな先輩は部活動内でとても人気で、他の人と居る時の方が長いから、私の事なんて覚えててくれないと思っていた。
そして、先輩が卒業た次の年に私も卒業した。私はとにかく一人立ちをしたくて、少し都会の会社に就職したいと思い就職したら、上司に尊敬していた亜弥先輩がいたのだ。
その日、仕事が終わった後に先輩から「久しぶり!葵もここに就職したんだね!」と私の事を覚えて下さっていた。
そこからわたしは、先輩と一緒にいる時間が多くなり、仕事を頑張っていた。
だけど、ここ最近は何かが違う。
「葵さん、来週の会議に使うこの資料の………ここだけちょっとだけ変更したいんだけど良い?」
「は、はい!どうぞ」
「ありがとう。あ、でももうこんな時間……帰らなきゃ」
「え、今日もですか………?」
「そうですが、何か私にあるんですか?」
「い、いえ。特に無いです………」
「そう、じゃあ私は帰るけど皆も無理しないでちゃんと定時には帰ってね~!」
「「「「「「「「は、はい!」」」」」」」
「…………」
「じゃ、また明日ね」
「はい、お疲れ様です………」
そう言うと亜弥先輩は自分の鞄を持って、更衣室に向かった。
「ここ最近、亜弥さん変わりましたよね」
「そうか?特に変わらないと思うが」
「だって、今までは残業があったら率先して遅くまでやったり、俺達が残ってたら手伝ってくれたりしてたじゃないですか。なのに、ここ最近はしっかりと定時に帰らせてくれるし………」
「何も変じゃないだろ。それどころか、亜弥部長が頑張っているおかげで俺らの残業が0なんだろうが」
「うーん、そうなんですけど…………」
「とにかく帰るぞ」
「うっす………」
同僚の男二人がそうしゃべっていたが、私も同じ意見だ。まるで、先輩が早く家に帰りたいが為に仕事をこなしているようにしか感じられなくなっている。そして、前までは困っている事があったら亜弥先輩自ら相談にのってくれていたのに、今は無い。困っている側の人が亜弥先輩に聞きに行かないと相談にのってくれないのだ。
そしてなにより、首についている物あれは一体何なんだろうか。明らかにあれを着けだしてから違和感を覚えるようになった。今日、亜弥先輩のことを少し追跡してみようと思う。
葵は自身の帰りの身支度をするために亜弥の居る更衣室に向かう。そして更衣室のドアを開ける。
「あ、今日もお疲れ様」
「お疲れ様です………っ?」
「どうかした?」
「い、いえ………大丈夫です………」
「そう、じゃあ。また明日頑張ろうね」
「はい、お疲れ様です………」
そう言うと亜弥は帰っていった。
「何………?この匂い………」
更衣室には少しつんとしているがほんの少し甘い匂いが充満していた。そして、亜弥が使用しているロッカーの前の床が少し濡れていた。葵がそれを指先に触ると
「こ、これって……///」
これは愛液。少しの粘り、そしてこの充満している匂いがそれから発生した物だと気づく。
「こ、こんな所で………やっぱりおかしい………すぐに追いかけなきゃ………!」
葵はすぐに身支度を整えて、亜弥の後を追った。