勃起したら射精しないと死ぬ世界に生まれ変わった 作:ダヂヅデド・バッハ
この世界でペニスの勃起は"突発性精子過剰文筆症候群"と呼ばれており、立派な病気なのだ。
男性は自意識で勃起は出来ない。そのため、溜め込まれた性欲を発散しようと肉体がそうさせるのだ。
だが、勃起してもなお、その場で射精せずにそのままにしてしまえば……────。
膨れ上がった睾丸が破裂し、最終的には命を落とすことになる。
本来なら、男性はその場で自慰行為に至ることがベストなのだが、──
男性は滅多に勃起しないため、自慰行為などとっくに忘れているのだ。
事実、男性の死亡案件は年々増加の傾向にある。
このままでは男性が絶滅し、人類は子孫を残せなくなる。
──だから、我々にはヒロインが居る。
肉体のありとあらゆる場所を使い、男性を射精に導く者。男性の勃起を鎮める者。
そう、彼女達は射精介助のスペシャリストッ!
──ヘンタイ戦士性レンジャーだ!!
「────アホらし」
テレビに流れる大企業のCMを見て、俺は反射的に呟いていた。
「はぁ~……マジで異世界来ちゃったのか、俺」
変わり果てた常識を目の前にして、世界に取り残された俺は、独りごちた。
──────
気付いたらベッドの上だった。
ウチの寝具は布団のみ、それを覚えていた俺はここが家ではないことを悟る。
「……あれ? なんで俺病院に……」
純白のベッドに白い部屋、カーテンで仕切られた半個室の形式は、病院だとすぐに理解させた。
ということは、俺は何か事故にでも巻き込まれたのだろうか? 持病を持っていた覚えは特に無い。
ベッドの周りを覆うカーテンを開き、俺は誰かしらを呼んだ。
「すんませーん! 誰かいないっスかー!」
「──────!」
女の人の声が僅かにしたため、俺はそれ以降黙って待つことにした。
すると、焦ったような足音が一人、二人、三人とどんどん増えていく。
「──あぁっ!? やっぱり! 珍子さんです!!」
「何て事……! 今すぐご親族に連絡をッ!!」
「は? え?」
物凄い勢いで入ってきたかと思えば、俺を見てとても驚いている。
……いや、でも自然なのか? 現に病院に来てから起きたことがなかったみたいだ。来た記憶が無いし。それなら起きてる俺を見て驚くのも不思議はない。
若い女性看護師が俺に詰め寄るように近づいてくる。
「珍子さん! 貴方、名前言えますか?!」
いやそれほぼ答え言ってますやん。
「下の名前なら起立です」
「年齢は?! 生年月日は!?」
「19歳、6月9日です」
あれ?
「いや誰だよ!?」
「きゃッ!」
看護師さんの悲鳴は無視して、俺は頭を抱えた。
知らない知らない、絶対知らない。なんだよ俺の本名
絶対苛められる名前やん。
いや、そもそも俺の名前そんなんじゃないだろ!?
あれー? 俺の名前何だっけ? ホントにあれが本名なのか? いやいやいや。
「落ち着いてください珍子さんっ! 大丈夫、大丈夫ですよッ……!」
てか看護師さんスゴいな。クソデカ声で『チ○コ』言ってる。プロすげぇ。
看護師さんは俺の手を優しく握り、背中を擦ってくれるが、ぶっちゃけ全くと言って良いほど落ち着けなかった。
「──信じられん……。あれほどまでに衰弱していたというのに、全て平均値以上。間違いなく健康体だ」
「先生ほ、本当ですか…? では息子は……?」
「ええ、触診が終わり次第、退院できます」
「あぁ……! 良かった、本当に良かったわ!!」
あれからなんやかんやあり、展開に追い付けないままの俺は、30代後半辺りの女性に抱き締められる。
……この女性、全く覚えがないな。多分母親か何かだろう。
えー……話を聞くに俺は
色々と突っ込み所満載だな。なんだよ睾丸が破裂しかけたって。まあ確かにそこが破裂したらマジでショック死しそうだけど……。
と、考えていたところ、母親(?)から声がかかる。
「ちょっと、起立? 先生の話は聞いてたかしら?」
「えっ?」
「もう……この子ったら。すみません先生」
「いえいえ、まだ覚醒して五時間も経ちませんので恐らく脳が活性化していないのでしょう。時間が経てば会話は問題なく出来ますよ。君も落ち込む必要は無いからね?」
「あ、ははっ……そうっスね」
笑顔で話す医者に乾いた笑みしか返せなかった俺だが、きっと悪くはないハズだ。
「良い起立? これから触診があるから一階の検査室に行くのよ?」
「わ、分かった」
「良い子ね。……ふふっ、良かったわ。本当に」
慈愛の籠った目で頭を撫でなれるのは少しこそばゆいが、不思議と嫌な感情は無かった。
私服に着替えて、検査室に訪れた俺を出迎えたのは、真面目そうな看護師だった。
纏められた黒い長髪、やや切れ長の目付き、マスクをしているため顔の全貌は分からなかったが、鼻筋や顎のラインが少し浮き出ている。恐らくは美人だと分かった。
「珍子様ですね? こちらにどうぞ」
……未だにその呼び方には慣れないが、本当に自分の名前のようなので、黙って従う。
俺は指定された椅子に座りその傍らに器具が用意された台を置かれている。血でも採られるのだろうか?
次の瞬間、俺の考えは衝撃によって止まることになる。
「──では、おチンチンをお出し下さい」
「………………はい?」
俺は思わず聞き返した。
すると、看護師は不思議そうにして再度、
「ですから、おチンチンを…──」
「聞き間違いじゃねぇ……だと!?」
「あの、どうかされましたか?」
頭を抱える俺に看護師は眉を潜めて聞いてくるが、正直黙っていてほしい。
いくらなんでも、おかしいことは理解した。
これまでおかしいと思う点はかなりあったが、これは今までのを超えるおかしさだ。
看護師に男性器を見せる検査だと? んなもんあるわけないだろッ!? いや皮膚科とか場合によってはあるかもだけども!? だがそれとこれは何の関係がある?!
「……早くお出しになっていただけますか?」
「え、えーっと……」
……とは言っても、看護師の様子からしてセクハラだったり、騙すつもりは無い雰囲気だ。
見た通り堂々としているし、むしろ俺の方が訝しげな空気を感じる。
「あの、俺のを出して……どうするんですか?」
俺の質問に看護師は首を傾げながらも、答えてくれた。
「睾丸の様子と亀頭の感度や恥垢の採取等ですが? ……あの、後があるので始めてもよろしいですか?」
やっぱりだ。彼女からまったくと言って良いほど羞恥心は出ていない。てことは、マジなのか……?
今も『はよしろ』と言わんばかりに見つめてくる彼女の視線に耐えられない俺は、意を決してズボンとパンツを下ろした。
そして、俺のペニスは看護師の眼前に出てくる。
「……………」
出してはみたが、出したら出したで何も言わず、黙っている。
「ど、ど、どどどうかしたんですか……っ?」
おっふ、初めて女性に息子を見られて緊張が過ぎてまともに喋れなくなっている。
看護師はハッとして首を振ると、
「い、いえ……なんでも。では、始めます」
そう言うと、看護師は俺のペニスを指先で軽くつまむ。
その瞬間、電気が走ったかのような快感が俺の腰から背筋、うなじに伝わっていく。反射的に腰を引いてしまった。
それを逃がさないと言わんばかりに今度は強めに握ってくる。
「……あ、…っ……」
「妙な声は出さないでください」
快感によって漏れた声に動揺したのか彼女に少し強めに言われた。
先ほどとは違い優しい手付きのお陰で声は出なかったが、
皮を剥かれて敏感な亀頭にサワサワとした指先の感触。
更に敏感なカリ首に綿棒が容赦無く擦られる感触。
極めつけには玉袋を優しく揉まれるなんとも言えないこしょばゆい快感。
これでムラムラするなというのは無理があるだろう。
今すぐ止められるはずもなく、ペニスはゆっくりと天に向かっていく。
「あ…、え………」
看護師の信じられないと目を見開く顔を見て、俺は恥ずかしさで顔に熱が行くのが分かった。
「す、すみません……すぐ戻すんで」
俺はすぐに萎えさせるため、お婆ちゃんの顔を思い浮かべた。────ダメだ、思い出せない。
焦ってペニスを隠そうとしたら、両手を掴まれて隠せなかった。無論、それをしたのは彼女だ。
「そ、そんな、どうして今になって……」
「ほ、本当にすみません!!」
「いえ、謝らないでください。珍子様のせいではありません」
「え? あ、あの~?」
「レンジャーの方達は本部に……いえ、今からじゃ到底間に合わない…」
看護師の様子がおかしい。何か焦っているような……。そこまで必死になってフォローする必要はないんじゃ……。
なにやら覚悟を決めたような顔になった彼女は、俺の目をまっすぐと見る。
「珍子様」
「は、はい」
「今すぐにオナニーできますか? 射精は?」
「はい?!」
「躊躇う時間など御座いません。やり方は分からずともシゴきますよ……」
戸惑う俺を無視して、看護師はペニスを握ると、その手を上下させる。
「本来なら私に介助権限はありませんが、非常時なので非常介助という形になります。宜しいですか?」
「は、はばばば────」
「すみません、お辛いですよね? でも大丈夫です。ちゃんと射精できるようシコシコいたしますので」
看護師の手は俺の弱点を的確に攻める。
カウパーが出てくるとそれらを練り込んで更に感度を高める。
ぬちょぬちょ……。ちゅこちゅこ……。
既に限界だった俺は頭がこんがらがり、訳がわからなくなった。
看護師の後頭部に手を添え、ペニスに近づける。
「も、もっと…っ…! 近くで良いですかッ!?」
「射精の手助けになるのでしたら、お構い無く」
言われた通りに、遠慮無く彼女の眼前にペニスを見せつける。
「もっと…見て、ください! 俺の……どうですかっ…?!」
「はい、とても逞しいおチンチンです」
美人からそんな言葉が出る度、俺の理性は段々と崩れていく。
看護師は目を細めていて、マスク越しなら少し微笑んでいるようにも見えなくはない。ただ、見えるのは目元のみで、すべての表情は分からない。
見たい、この女性の顔が見たい。
「ま、マスク……! と、ってください………っ!」
「そ、それは……」
ここまで来て躊躇う看護師に、俺は苛立って無理矢理マスクを取らせる。
素顔が露となった彼女を見て、俺の理性は崩壊した。
頬は赤く染まり、荒い呼吸で口は半開きに、目元の表情と合わさり、まさに発情した女だった。
「あ、あの……」
「口開けてください……っ!」
「はい? しかしそれに介助効果は──」
──あぁもうしゃらくせぇっ!!
美人看護師の両頬を掴み、無理矢理口にペニスを押し込む。
「おぐ…ぅ…っ!!」
「決まってるでしょうが口に出すんだよッ!! 綺麗な顔して俺のチンコ弄くりやがってこの超絶美女が!! クールビューティーのフリして本当はエロい事考えてたクセに!? ……この……っ!」
「うぶっ……ぅ、おぶ…っ…!!!」
生暖かい感触がペニス全体を包み込む。
亀頭が喉奥に当たり、一気に射精感が高まる。
鋭い快感により一瞬、身体が固まる。それと同時に手を離してしまったのだが、
「うぐぇ……! んぐっ! れろぉ……ちゅぷ…っ!!」
「あ……、あぁ……っ!!」
動かすのを止めた途端俺の腰に腕を回し、自ら動き始める。
強く瞑った目蓋から涙が滲むも、必死にフェラチオする看護師。
「く…ぁ……っ! 出…る…っ! 」
「んぐぅぅ?!」
ドクッッッ──!! と、体の芯に響くような射精。
精液が通る尿道が痛みを感じるほどの勢いは、そのまま彼女の喉に放出される。
頬が一瞬もせず限界まで膨らみ、それが破裂する前に飲み込む。苦痛で涙が流れる瞳はあらぬ方向を向いており、アヘ顔となっていた。
「んぶぅぅっ! ぶふぅ……!!?」
あまりにも量が多いため、飲みきれない精液が時折口の端から吹き出し始める。
すると看護師は顎下に両手を器にして出てくる精液を掬う。
「んぐっ!! …んぐっ! ……んぐ…っ、んん…………んっ」
射精が収まってくると彼女の方も落ち着いてきたのか、余韻を楽しむかのようにゆっくりとペニスを口の中で愛撫する。
「んっ……、ちゅぷ…れろぉ……」
やや柔らかくなったペニスを奥まで咥え、吸いながら引っ張ることで尿道に残った精液を飲み込む。
目を瞑り、うっとりした顔で亀頭を中心に頬張る光景は、やがて俺を冷静にさせていく。
「……ひとまずは萎えましたね」
ちゅぷ──、と恋人と初キスを終えた乙女のように名残惜しい表情でペニスから口を離した看護師は、手早くマスクを付け直し、再び無表情に近い顔でそう言った。
「あ、あの」
「とは言え、二次的勃起が発生しないと断言は出来ません。後程レンジャーの方をお迎えに向かわせますね」
目の前で起こった事を飲み込みきれていない俺を他所に、看護師は淡々と言葉を出してくる。
全く働かない頭でも、引っ掛かる言葉はあった。
「れ、レンジャー?」
「えぇ、そうです。申し訳ありませんが、やはりプロの方に射精介助を受けてもらうのが適切かと」
「────ちょっとすいません」
「はい?」
首を傾げる彼女に、俺は聞きたい事があった。
「射精介助ってなんすか?」
一回こういう頭悪い作品作ってみたかった。
常識改変でエッチぃ事を平然とするのってめちゃくちゃ興奮しない?